1.洋猫の特徴
1-1.洋猫の定義
1-2.洋猫の特徴は種類によって決められている
1-3.種類ならでのかっこよさやかわいさが楽しめる
2.和猫の特徴
2-1.和猫の定義
2-2.毛色は様々
2-3.オンリーワンの個性が楽しめる
2-4.洋猫に似た特徴を持つ子もいる
3.和猫と洋猫の違いは?
3-1.最大の違いは「純血種であるかどうか」
3-2.個性はその子によって様々
3-3.和猫は洋猫より先天性の病気を見つけにくい
3-4.和猫も洋猫の特徴を探してみると楽しい
4.まとめ
洋猫の特徴

和猫と聞くと日本で暮らしている猫や、日本猫と呼ばれる雑種の猫を想像しますが、洋猫の特徴や定義をまずは明確にしておかないと、この2種類の違いについて考えることは多少困難とも言えるでしょう。
そこではじめに知っておきたいのが、「洋猫」についてです。
洋猫にはどのような特徴があるのかを、まずはご紹介させていただきます。
◆洋猫の定義
洋猫と表現される「洋」は主に西洋を指し、その地域原産となる純血種の猫を洋猫と呼ぶことが一般的となります。
「TICA」や「CFA」などの血統登録団体から認められることが大前提となり、世界的に認められた純血種として名前が付けられた猫が、日本でも人気の高い洋猫と言われているようです。
また、ペットショップやブリーダーから譲り受ける際にも、純血種であるかどうかが重要視されますが、異なる純血種と純血種が交配したミックスであっても、洋猫として分類されますので、私たちが普段目にしている猫のほとんどは、洋猫の可能性が高いと言えるでしょう。
◆洋猫の特徴は種類によって決められている
日本人から見る外国人も、瞳の色や髪の毛の色、肌の色や体格などに大きな差が出るように、猫も生まれた環境によって違いが出ても不思議ではありませんよね。
洋猫に分類される猫の特徴は、原産国の気候などによって、被毛が分厚かったり薄かったりすることも多く、環境に順応していった猫種が多くいることがまずは挙げられます。
純血種の猫同士が交配することにより、両親の遺伝子を強く受け継ぐので、猫種なりの見た目や性格はある程度決まってしまうのが、洋猫の特徴とも言えるでしょう。
もちろん育つ環境によって性格もある程度左右されますが、純血種なりの傾向は必ず見られますので、このような点からも洋猫の人気の高さがうかがえますよね。
◆種類ならでのかっこよさやかわいさが楽しめる
洋猫は猫種ならではのかっこよさやかわいさが魅力の一つなので、品種による独特の毛柄やポイント、被毛の長さや体の大きさなど、飼い主さんが思い描く理想の猫が見つけやすいとも言えます。
とくに日本では、海外からペルシャ猫やシャム猫などが輸入されたことをきっかけに、洋猫の人気が急騰していきましたので、珍しいもの好きな日本人にとって洋猫の進出は、必要不可欠だったと言えるのではないでしょうか。
和猫の特徴

洋猫がどんな猫なのか知った上で、次に理解を深めたいことは「和猫」の存在です。
日本に生息している猫や日本猫と呼ばれる猫が、和猫に分類されるような気もしますが、実際のところはどうなのでしょうか。
◆和猫の定義
和猫の定義として挙げられるのは、日本由来の猫と言われていますが、定義が曖昧なこともあり、いわゆる「日本猫」や「雑種(ミックス)」と呼ばれる猫が和猫と捉えられることが多いそうです。
第二次世界大戦が始まる前までは、日本で生存するほとんどの猫が純血の和猫でしたが、戦後には海外からさまざまな純血の洋猫が持ち込まれ、洋猫と和猫の交配が進んで雑種の猫が増えていきました。
日本犬の血統を守る「日本犬保存会」が存在する犬とは異なり、和猫は交雑が進み和猫は雑種化してしまったので、現在の日本では純粋な和猫の確認が難しいとされています。
そのため、現在私たちが日本でよく見かける日本猫や雑種の猫には、多少なりと洋猫の血が混ざっていると考えられており、それらの猫もひっくるめて和猫と呼んでいるという説が一般的となるようです。
もともと猫が日本に持ち込まれたきっかけは仏教が伝来し、中国と日本の貿易が盛んに行われていた時代、船の荷物をネズミから守るために、人間と一緒に猫も船に乗せられてやってきたと言われています。
中国から持ち込まれ、日本で繁殖していった純血種の猫を「和猫」と呼んでいたこと自体不思議な感じもしますが、現在純粋な和猫は居ないと思うと、少し悲しい気もしますよね。
◆毛色は様々
前述した通り和猫の定義は曖昧なこともあり、日本猫や雑種と呼ばれる猫たちを和猫と捉える方も多く居ます。
とくに海外の方から見た日本に生息する猫は、和猫として浸透していますので、日本の猫を象徴するミケやサビ、白猫や黒猫といったハッキリとした模様の和猫が、とくに人気が高いようです。
しかし、日本特有の猫のようなイメージの強い「三毛猫」などは、純血種の猫であっても遺伝子の組み合わせによってミケ模様が出ることもあるので、漢字で表現できるからといって、和猫とは言い切れないところも面白いですよね。
そしてイエネコの祖先となる「リビアヤマネコ」は、キジのような縞模様を持ち、現代の猫たちにもその遺伝子は受け継がれていますので、日本でもっとも多い毛色の猫は「キジトラ」と言われていることも、このようなルーツを知ると感慨深いものです。
◆オンリーワンの個性が楽しめる
品種を固定していない和猫は、純血種の洋猫の血を強く引き継いでいる個体も居れば、昔ながらの和猫の特徴を引き継いでいる個体も居ます。
和猫だからといって短毛種でしっぽは短く、耳は小ぶりで顔は丸顔といった特徴が必ず現れるとは限りません。
両親からの遺伝や染色体によって決まる性格や毛色だけでなく、子猫時代をどのようにして過ごし、その後どのような環境で生活するかによって、その子の個性は大きく変化していきます。
ある程度の性格や見た目が決まっている洋猫と比べると、和猫はオンリーワンの個性を持って生まれてくるので、飼い主にとって唯一無二の存在になってくれるのも嬉しいですよね。
◆洋猫に似た特徴を持つ子もいる
和猫の中には洋猫の血を強く受け継いでいる個体も多いので、ペルシャやペルシャのように被毛が長い長毛種の個体や、シャム猫のようなポイント柄を持った個体も多く存在しています。
一見トラ猫のように見える猫でも、アメリカンショートヘアのようなタビー(縞模様)を持つ子なども居ますし、さまざまな歴史を辿ってきた中、現在を生きているのだと思うと不思議な気持ちになりますよね。
しかし、純粋な和猫が日本に存在しなかったとしても、どの子も唯一無二な存在には変わりないので、色々な視点から改めて猫を観察してみるのもおすすめです。
和猫と洋猫の違いは?

和猫と洋猫の特徴をそれぞれ紹介してきましたが、この記事でもっとも重要視したいのはこの2種類の違いについてです。
違いを理解すれば自分なりの定義が見出せるはずですので、まずは最大の違いを理解していきましょう。
◆最大の違いは「純血種であるかどうか」
和猫と洋猫の最大の違いと言えるのが、純血種であるかどうかとなります。
両親が純血種でその先祖も純血種となれば、立派な洋猫と言えますよね。
そのような猫は血統登録団体に認められ、血統書がついていますので、猫種として名前を持つ猫は洋猫に分類して問題ないと言えるでしょう。
また、血統登録団体に認められている猫の中に、「ジャパニーズ・ボブテイル」という猫種が居ますが、名前に「ジャパニーズ」と入っているからといって、和猫というわけではありません。
日本猫を起源として生まれた品種となり、ややこしいですが純血種の猫となるので、ジャパニーズ・ボブテイルは洋猫と分類されるのが一般的です。
◆個性はその子によって様々
洋猫は純血種の猫となるので、ある程度遺伝的な性格や見た目を持って生まれてくることもあり、多少の一貫性があると考えられています。
しかし、猫も人間と同じように育った環境によって考え方や性格が変わっていきますので、警戒心の強い子や野性的な子、神経質で人見知りの子や気まぐれな子、ストレスを抱えやすい子や穏やかで甘えん坊な子など、個体差が強く出るのも特徴的です。
猫の最大の魅力は人間に媚びずに我が道を貫く姿勢でもあるので、一匹一匹の個性を見極め、その個性を高めてあげるのが人間の役目なのかもしれません。
◆和猫は洋猫より先天性の病気を見つけにくい
洋猫は猫種によって遺伝的にかかりやすい先天性の病気が分かるため、生活の中で予防を心掛けておくことができますが、和猫はどんな遺伝子が混ざっているのかが明確ではないので、何かしらの症状が出てから病気が発覚することがほとんどです。
例えば猫が突然死する原因となる心臓の病気である肥大型心筋症は、アメリカンショートヘアやメインクーン等の純血種の猫の遺伝子病として知られていますが、発症数が多いのは雑種の猫だといわれています。
遺伝子病のリスク持ちと判明している種類の猫はあらかじめ検査を受けてリスク把握をしていますが、雑種の猫はそのような検査を行っていないため把握をすることが難しいのです。
もちろんすべての猫ちゃんが病気を患うわけではなく、雑種の猫がここまで数を増やして日本に生息しているのは、自然に強いものを残したいといった遺伝子によるものなので、洋猫に比べて和猫は体が丈夫と言われることも多々あります。
いずれにせよ愛猫が和猫であっても洋猫であっても、健康管理をするのは飼い主さんの役目なので、定期的に健康診断を行って、愛猫の健康状態を把握しておくことも大切です。
◆和猫も洋猫の特徴を探してみると楽しい
和猫と洋猫に大きな違いがあったとしても、個体差が大きく出ることもあるので、純血種かそうでないかの違い以外は、決まった傾向があるとは考えにくいですよね。
どの猫ちゃんもその子だけの個性があり、その個性を尊重して共存していくことこそが理想的ではないでしょうか。
違いを批判的に捉えるのではなく、個性や特徴として捉えることにより、今まで気付けなかった魅力を新たに発見できるかもしれませんので、改めて猫を観察し、特徴を探してみるのも面白いかもしれません。
まとめ

現代の日本では当たり前の存在として認知されている猫ですが、大きく分類すると和猫と洋猫の2種類に分けられるといった、知識をご紹介させていただきました。
最大の違いは純血種であるかどうかとなりますが、長い歴史の中で和猫の捉え方が変化してきたことも面白いですよね。
大きな違いがあれども、どの猫もその子にしかない個性を持ち、唯一無二の存在に変わりはないので、ご縁があった猫ちゃんには最大の敬意を払って接するようにし、たくさんの愛情を注いであげてくださいね。
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