猫に枕って必要?猫が飼い主の枕を占領する理由は?

2022.05.07

猫に枕って必要?猫が飼い主の枕を占領する理由は?

飼い主さんの枕でスヤスヤ寝ている愛猫。 どんな気持ちで枕を使っているのか気になりますよね。 今回は猫に枕が必要なのか、そして「どうして枕を占領するのか」という心理について詳しく迫っていきます。

【目次】
1.猫にとって睡眠とは?
 1-1.猫はたくさん寝る動物
 1-2.体力温存のため、睡眠時間が長い猫
 1-3.猫の眠りは浅め
 1-4.猫はどんなスタイルで寝るのが安心する?
2.猫が眠るときに“枕”を準備すべき?
3.愛猫が枕を占領…!その心理とは?
 3-1.①飼い主さんの近くで眠りたい
 3-2.②縄張り宣言…!ここは自分の場所!
 3-3.③甘えモードのとき
 3-4.④やっぱりここが落ち着く!
 3-5.⑤枕や飼い主さんのぬくもりで暖を取りたい
 3-6.⑥枕のニオイが大好き
 3-7.⑦寝るときは信頼できる人のそばにいたい…!
 3-8.⑧自分が飼い主さんを守るニャ!!
 3-9.⑨たまたま枕があったから
4.猫と一緒に眠る幸せ~どんな点に注意すべき?~
4-1.子猫&老猫との添い寝には要注意
4-2.病気のリスクも考えておく
4-3.衛生面への配慮
5.まとめ

猫にとって睡眠とは?

猫と人

愛猫がさまざまな姿で寝転んでいる姿を見ると、微笑ましく癒されますよね。
可愛らしい反面、暇さえあれば眠っている印象を受けて心配になることもあるのではないでしょうか。

でも、猫がたっぷり寝ることは心配ありません。
そもそも猫は「寝る子」から由来しているとも言われるほど、よく寝る動物です。
寝ているわけではなく、猫自身の健康や習性とも深く関係しているため、猫にとっての睡眠はとても大切なものと言えるでしょう。

それでは、猫にとっての“睡眠”がどんなものか、詳しく解説していきます。

◆猫はたくさん寝る動物

猫の平均的な睡眠時間は、子猫なら20時間以上、成猫なら14~16時間ほどと言われています。
1日の半分以上は眠っているなんて、人間と比べるとかなり多く感じるかもしれませんね。

◆体力温存のため、睡眠時間が長い猫

猫は肉食動物ですから、食事は「自分で探して獲物を確保する」というスタイルです。
狩猟には体力が必要なので、基本的には眠ることで無駄な体力消費をおさえなければなりません。
ペットの猫は狩猟しなくても食事ができるので、たくさん眠らなくても良さそうに感じますが、猫の身体にそなわっている過去の名残から睡眠時間が長くなったと言われています。

◆猫の眠りは浅め

たくさん眠る猫ですが、眠りの深さは人間とは違います。
野生猫の場合、敵から襲われるリスクを回避するため、基本的に浅めの眠りです。
眠っているように見えても熟睡はしていないため、ちょっとした周囲の変化にも気づき、パッと起き上がることができます。
一方、飼い猫の場合、敵から襲われることがない世界で生きられることから、野性猫と比べると熟睡できる子もいるようです。

◆猫はどんなスタイルで寝るのが安心する?

猫が眠るときの“寝姿”はさまざまです。
どんなスタイルでも愛猫の寝姿は可愛らしく感じますよね。
猫は、「安心しているとき・そうでないとき」によって寝姿を変えているようです。

  • お腹を見せて眠るへそ天
  • お腹を上に向けた無防備な寝姿は「へそ天」とも言われ、超リラックスしながら寝ている状態です。

  • 足を横に伸ばして横向きで眠る
  • 横向きに足を伸ばして、だらっとしている寝姿です。
    体温を放出させたり、ヒンヤリしたところで涼をとったりの意味があるようです。
    夏場によく見られる寝姿と言えるでしょう。

  • 全部の足を折りたたんで包こむ「香箱座り」で眠る
  • すべての足を折りたたみ包むような「香箱座り」の寝姿もよく見られます。
    お腹を隠していることからも分かるように、思いっきりリラックスしているわけではなさそうです。

  • 丸まった「アンモニャイト」の寝姿
  • 寒い季節には、体を渦巻き丸まらせ、まるでアンモナイト化石のような「アンモニャイト」の寝姿で眠ることも…。
    お腹を隠して丸まっているときのリラックス度は低めかもしれませんが、冬には「体温を逃がさないように」という気持ちの方が先行し、この寝姿はよく見られます。


猫が眠るときに“枕”を準備すべき?

猫の手

人間にとっては、快適な睡眠のために効果的な枕。
「子供の頃から枕を使った睡眠が当たり前だった」という方も多いのではないでしょうか。
身体の構造的に、枕で“首”を支えて眠ることで脊椎をサポートして負担を軽減すると言われています。
「枕が変わると眠れない」という人もいるほど、人間の睡眠には重要な役割があります。

でも、猫の身体の構造は人間とは異なり、眠るときのスタイルのバリエーションも豊富。
そのため、基本的には枕は必要がありません。
猫は枕がない状態でも、しっかりと眠ることができます。


愛猫が枕を占領…!その心理とは?

猫と暮らしていると「飼い主さんの枕を占領する」というシチュエーションが多々あるかと思います。
いったいどんな心理から、枕を占領して眠っているのでしょうか?

①飼い主さんの近くで眠りたい

猫添い寝

野生の猫であれば、基本的に眠るときも孤独です。
ひとりぼっちで眠るのは何てことありません。
でもペットの猫の場合、飼い主さんへの依存心が高い子もいます。
「寝るときは飼い主さんと一緒」というように、子猫時代から人間に寄り添って眠っている子も多いかもしれません。
枕で眠っている飼い主さんの近くで眠ることは、言わば「ルーティーン」と化していることもあるでしょう。

枕が好きというよりも、単純に「飼い主さんの近くで眠りたい」という気持ちで寄り添ってくることが、「枕を占領している」と見えるのかもしれませんね。

②縄張り宣言…!ここは自分の場所!

室内で飼われている猫でも、「ここは自分の場所」と縄張りを主張することがあります。
飼い猫の場合、部屋のなかでも“特にお気に入り”の場所があるはずです。自分の縄張りとしてアピールしたいことも多いようです。
猫にとっての睡眠は、毎日のかけがえのない大切な時間ですから、自分が好きな場所で眠りたいと感じているのかもしれません。

枕にドンと乗って、「ここは自分の眠る場所だから!」と縄張り宣言をしているのかと思うと、何だか可愛らしいですよね。

③甘えモードのとき

猫ゴロン

飼い主さんに構ってもらいたいとき、寝ている飼い主さんの枕に近づいてくることもあるでしょう。
愛猫に甘えられると飼い主さんも嬉しいですから、撫でたり抱っこなどをしたくなりますよね。

猫ちゃんは「この枕に乗れば構ってもらえる」と学習しているのかもしれませんね。

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④やっぱりここが落ち着く!

「枕をまるでベッドのようにして体全体を乗せる」
「枕の端に遠慮がちに顔だけ乗せている」
「枕に並ぶように寄り添って寝る」
など、猫が枕を占領して寝るときのスタイルはさまざま。
でも、占領しているときの猫ちゃんの様子はリラックスモードに見えます。
低反発でちょっと弾力性のある枕、ふわふわで柔らかい枕、触り心地の良い枕…。

猫ちゃん達は、自分なりに何らかの“落ち着き”を感じて枕を占領していることでしょう。

⑤枕や飼い主さんのぬくもりで暖を取りたい

猫ドアップ

寒がりな猫は、「温まりたい」という理由で飼い主さんに近づいてくることもあります。
室内で温度管理されているケースでも、朝晩は特に冷えてぶるぶる震えるときもありますよね。
「飼い主さんに近づけばぬくもりが感じられる」と分かっていれば、暖を取るために枕を占領してくることもあります。
また、飼い主さんがいなくても「さっきまで寝ていた枕」なら、温かさの余韻が残っているでしょう。

「寒さから身を守りたい」という猫ちゃん達の本能的な心理が働き、枕に近づいているのかもしれませんね。

⑥枕のニオイが大好き

飼い主さんの枕には、当然ですが「飼い主さんのニオイ」がついています。
大好きな飼い主さんのニオイは、当然お気に入りでしょう。
猫にとっては、ゆっくりリラックスして眠るための“睡眠導入剤”的な香りなのかもしれませんね。

⑦寝るときは信頼できる人のそばにいたい…!

見つめる猫

猫が人間よりも眠りが浅いのは、「敵に襲われるリスク」を本能的に感じているからです。
「臨戦態勢で眠ると熟睡できない」
「でも体を休めるには無防備にリラックス体勢で眠りたい」

そんな入り混じった気持ちでいる猫にとっては、信頼できる飼い主さんの近くで“守ってもらいながら寝る”ことは安心感につながるようです。

⑧自分が飼い主さんを守るニャ!!

勇敢な性格の猫ちゃんは、もしかしたら「飼い主さんを守る!!」という意味から、飼い主さんが寝ている枕に近づいてくるのかもしれません。
飼い主さんがぐっすり寝ていても、浅めの眠りの猫ちゃん達は物音などに反応していることも。

頼りになるガードマンがいると思うと、何だか心強いですね。

⑨たまたま枕があったから

顔ゴシゴシ猫

ここまでさまざまな猫ちゃん心理をお伝えしましたが「特に深い意味はない、眠いときにたまたま枕があった」というケースもあるようです。


猫と一緒に眠る幸せ~どんな点に注意すべき?~

飼い主さんの枕や寝床に近づいてくる子の場合、「温かい」「安らぐ」「大好き」という心理の可能性があります。
愛猫と一緒に眠ることは幸せですよね。
ただ、反面、注意しなければならない点もいくつかあります。

◆子猫&老猫との添い寝には要注意

初めのうちは枕で寝ていた猫も、次第に布団に潜り込んだり、飼い主さんの真横に来たり、上に乗ったりなど場所を変えます。
飼い主さん側でも熟睡すれば、猫がどんな風に移動しているかは分かりません。
人間が寝返り中に、猫を巻き込むリスクもあります。
成猫で身体の大きな子なら、さすがの飼い主さんも気づくかもしれません。
何より、元気いっぱいの成猫なら、自身で危険を察知して飼い主さんの寝返りを避けてくれるでしょう。

でも、まだまだ体の小さな子猫は、飼い主さんの急な寝返りに圧迫される可能性もあります。
また、体が弱っている老猫も同様です。
骨折だけでなく、最悪のときは窒息死というケースも…。

猫ちゃんの安全を守るためにも、子猫や老猫などと一緒に眠ることは十分に再検討くださいね。

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◆病気のリスクも考えておく

枕を通じて猫から感染症をうつされるケースもあります。

特に注意したいのは「外出が日常的な猫ちゃん」のケースです。

外に出ると「ノミ・ダニを付けて帰ってくる」「ほかの猫との接触で病気に感染する」などの可能性が高まります。
そんな猫ちゃんが飼い主さんの枕にべったりすることで、感染症にかかるかもしれません。

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一方、完全室内飼育で「まったく外に出ない」という猫ちゃんの場合、極端に気にしなくてもいいかもしれません。
しかし、飼い主さんや来客が持ち込んだノミがいつの間にか猫の身体にくっついていることもあるでしょう。
基本的にはノミ・ダニの予防をする、外に出る習慣がある猫との枕の共有は避けるなどを心掛けると安心です。

◆衛生面への配慮

猫が枕を舐めた後、湿気により雑菌が繁殖することもあります。

不衛生な枕は、飼い主さんももちろん、猫にとってもよくありません。
汚れたときには枕素材に合わせたお手入れをしましょう。

枕カバーをしているときは、こまめに交換して清潔な環境でぐっすり寝てくださいね。


まとめ

隅の猫

今回は、猫がどうして枕を占領するのか…について詳しくお伝えしました。
枕に近づく心理で考えられることは多いですが、共通して言えることは「枕の居心地が良い」という点でしょう。
飼い主さんへの愛情や信頼感から枕を占領していることも多いようです。

「一緒に寝ようよ」と言わんばかりに枕に寄り添ってきたら、愛猫からの愛情のサインと受け取ってもいいかもしれませんね。
枕は猫の幸せなひと時を演出するアイテムとなっているようです。

ただ、猫を通じてかかる病気には注意が必要です。
特に、外に出る習慣がある猫の場合、飼い主さんに病気が感染することも考えられます。
不衛生にならないようにお手入れをしっかりすることも大事です。

猫ちゃん専用の枕の準備も選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
また、体の小さな子猫や身体が弱っている老猫は、飼い主さんと添い寝することは「圧迫される」というリスクを伴います。
一緒に眠ることは、愛猫との絆を深めるスキンシップにもなりますが、さまざまなリスクも少なからずある点を頭におさえておきましょう。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


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