1.猫にアボカドはNG!その理由とは?
1-1.猫に有害な物質「ペルシン」
1-2.ペルシンはどこに含まれている?
2.猫がアボカドを食べるとどうなる?
2-1.中毒を起こす
2-2.中毒症状以外の影響
2-3.猫が食べてしまった事例
2-4.詳しいことはわかっていない
2-5.加熱済のアボカドだったら良い?
3.猫がアボカドを食べてしまわないために
3-1.猫が食べてはいけない食材を把握しておく
3-2.人間の食べ物を安易に与えない
3-3.食材の管理はしっかり行う
4.まとめ
猫にアボカドはNG!その理由とは?
結論として、猫にとってアボカドはNG食材です。
ブドウや玉ねぎの様に全ての猫に中毒症状が出るわけではありませんが、猫によって重篤な症状に陥るケースも実際に起きています。
その為、飼い主さんは扱いについて必ず気を付けておくべき食材です。
アボカドが猫にとってNGである理由はアボカドに含まれる「ペルシン」という毒素が含まれているからです。
◆猫に有害な物質「ペルシン」
アボカドの種類は実に1000種類以上あり、国によって流通している種類が異なります。
日本に輸入されているほとんどがハス(Hass)というグアテマラ系のアボカドで、ペルシンの含有量が多い種類です。
ペルシンは人間にとっては無害ですが、猫にはとても有害な成分です。
消化不良やアレルギー反応といった症状もありますが、1番怖いのは中毒症状が出ることです。
またペルシンは猫以外の動物にも有毒で、犬、鳥、牛、モルモットに発症が認められています。
◆ペルシンはどこに含まれている?
ペルシンが含まれるのは果実だけではなく、樹皮、葉、種子にも含まれます。
最近では食べ終わったアボカドの種を植えて観葉植物として楽しむ方もいる為、葉の部分を猫がかじってしまい中毒症状を起こしてしまうケースがあります。
知らないうちに猫に毒素を摂取させてしまったなんていう事にならないように置き場所には十分に注意する必要があります。
猫がアボカドを食べるとどうなる?
実際に猫がアボカドを食べてしまったら具体的にどの様な症状が出るか解説していきます。
◆中毒を起こす
ペルシンは猫にとって毒性が高く、摂取量が多くなるほど中毒を起こす可能性が高くなります。
初期症状としては嘔吐、下痢、軟便が認められます。重症化すると呼吸困難、けいれん発作、最悪の場合命に関わる可能性もあります。
動物病院で治療する際は摂取後1時間以内の場合、胃の中のものを全て吐かせて洗浄します。
ただ近所に病院がない場合は摂取後時間が経過している際は出来ることがないので、じっくり経過観察する他ありません。
◆中毒症状以外の影響
中毒症状以外にもアボカドを口にしてラテックス・フルーツ症候群によってアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
ラテックスアレルギーとは天然ゴムに含まれるラテックスタンパク質がアレルゲンとなり、人間にも起こり得るアレルギー症状です。
天然ゴムに含まれるアレルゲンなので主にゴム手袋やゴム風船といったゴム製品に使用されていますが、実は特定の食材を摂取することでラテックスアレルギーが発症する事があります。
その食材がアボカド、バナナ、キウイ等でラテックスと共通抗原性があると報告されています。
主な症状は皮膚炎ですが、アナフィラキシーショックを起こすことがあるので、十分な注意が必要です。
◆猫がアボカドを食べてしまったら
もし猫がアボカドを食べてしまったら、すぐに病院に連れていくよりまずは経過観察をしましょう。
摂取した量や箇所によりますが、症状がすぐに出る場合と時間が経ってから症状が出る場合があります。
猫にとっては病院に行くということ自体が非常にストレスを感じるので、経過観察をして特に異常がなければ大丈夫と思って良いと言えます。
ただ、猫の様子が大丈夫そうだからと長時間外出することは禁物です。
猫の中毒症状は一般的に48時間以内出る為、摂取後は体調の変化はないかや便に変わった様子がないか観察する必要があります。
◆猫が食べてしまった事例
実際に猫がアボカドを食べてしまった事例があります。
観葉植物として育てていたアボカドの葉っぱを1センチ程猫が食べてしまったそうで、その後嘔吐し心配になり獣医師さんに連絡して相談したそうです。
嘔吐したなら大丈夫と言われ飼い主さんは仕事に出かけたそうですが、帰宅後フードを全て嘔吐してしまったそう。その後嘔吐を30分毎に繰り返し胃が荒れ嘔吐に血が混じるようになってしまったとのことでした。
病院で診てもらい処方してもらった薬で回復したそうですが、たった1センチ程の葉っぱを食べただけでここまでの症状が出るケースもあるということです。
(参考サイト)
◆詳しいことはわかっていない
「どれくらいの量を食べたらダメなの?」
と聞きたくなりますが、残念ながら詳細については不明です。
アメリカではペルシンの含有量が少ない種類のアボカドをペットフードに使用されているものもあるので、少量なら大丈夫であるという考えもあります。
日本のアボカドでも、少し舐めた程度であれば大丈夫という意見もありますが、まだ解毒剤がなく死に至ったケースもあるのでやはり十分に注意する必要があるでしょう。
◆加熱済のアボカドだったら良い?
アボカド製品を販売する各メーカーでは、アボカドを加熱すれば毒性が消失するという報告をしています。
しかし、それらを証明するに至っておらず加熱済であれば大丈夫とは言えません。
またアボカドを食べる時は生で食べる事がほとんどで加熱調理する事はほとんどないので、いずれにしても気にかける事には変わりません。
猫がアボカドを食べてしまわないために
猫がアボカドを食べてしまうことがない様に飼い主がしっかり知識を持って日常を過ごすことがとても大切です。
◆猫が食べてはいけない食材を把握しておく
アボカドだけではなく、他にも猫が食べてはいけない食材が多くあります。
飼い主さんがきちんと把握しておくことで猫に誤って与えてしまう事を防げます。
主に挙げられるNG食材が以下です。
・長ねぎ
・ニラ
・ニンニク
・ゆり根
・春菊
・たけのこ
・ふきのとう
・水菜
・れんこん
・じゃがいも
特に注意が必要な【絶対に与えてはいけない食材】については少量でも致死量に達する可能性があります。
猫は人間が食べているものに関心を持ちやすく、身軽な為気付かないうちにテーブル上にいた…という経験をお持ちの方も多いと思います。
食事をテーブル上に用意したら、目を離さずに猫が近付かない様十分に注意してください。
◆人間の食べ物を安易に与えない
人間の食べ物に興味を持って近付いてくる猫に、可愛いからとつい食べさせてあげたくなってしまう方もいるでしょう。しかし、人間にとっては体に良い食材であったとしても猫にとったら有害な可能性があります。
また人間と同様に体に合わない食材の場合はアレルギー症状を起こす事もあるので、安易に人間の食べ物を猫に与えることは避けるべきです。
猫の体に合わせて健康的にバランス良くつくられている食べ物がキャットフードです。
またコミュニケーションの一環として食べ物を与えたい場合は猫用のオヤツを与えるようにしましょう。
◆食材の管理はしっかり行う
猫の安全の為に食材の保管場所やテーブル上に料理を置いてから目を離さない等しっかり管理をする必要があります。
猫の嗅覚は非常に優れており、人間の数万倍から数十万倍あると言われています。
人間からすると特に気にならない匂いでも、興味を示して口にしてしまうかもしれません。
アボカドも人間はあまり匂いを感じなかったとしても、猫からすると非常に匂いが強い食材と考えられます。
また、食材をしっかりしまったつもりであっても猫の手先はとても器用なので、平気で扉を開けることがあります。
まさか開けると思わなかった戸棚の扉を開けて中にある食材に触れてしまう可能性があることを十分に理解して、食材の管理をすることが大切です。
まとめ
猫にとってアボカドは食べてはいけない食材です。
またアボカド以外にも食べてはいけない猫にとって毒性が高い人間の食材はたくさんあります。
猫の食べ物についての知識がなく人間の手によってNG食材を与えてしまったり、食材を放置して猫が口にしてしまい、中毒症状を起こしてしまうなんていう事になると、最悪の場合は命に関わる事態になります。
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