1.猫にブルーベリーを与えても良い?
1-1.ブルーベリーに含まれる成分
1-2.期待できる効果
1-3.猫に与える時のデメリット
猫にブルーベリーを与えても良い?
猫がブルーベリーを食べている姿はあまり想像できませんが、結論から言いますとブルーベリーは猫が食べたとしても問題ありません。
海外のキャットフードでは原料にブルーベリーが使われることも多く、ブルーベリーの栄養成分がそれだけ注目されていることが分かりますよね。
ブルーベリーにはどのような成分が含まれており、猫が食べた場合にはどのような効果が得られるものなのでしょうか。
◆ブルーベリーに含まれる成分
ブルーベリーの一粒はとても小さいですが、甘酸っぱい果実の中には、ビタミン類やミネラル類、食物繊維といった栄養素が豊富に含まれています。
過度な糖度もないため、さわやかでとても食べやすい果物とも言えますよね。
その名の通り青紫色の見た目から名前が付いたブルーベリーは、紫外線などの有害な光から実を守るために、このような鮮やかな天然色素を持つようになったと言われているようです。
この色素を「アントシアニン」と呼びますが、ポリフェノールの一種となり、ナスや紫芋などの野菜にも多く含まれている有効成分となります。
ブルーベリーではこのアントシアニンが特に注目されるべき栄養素となり、ブルーベリーが栄養価の高いフルーツとして認識されるようになったことにも納得です。
◆期待できる効果
さまざまな有効成分が含まれたブルーベリーには、どんな効果が期待できるのかも気になるところですよね。
「ブルーベリーは目に良い」と言われていますが、情報の発端は第二次世界大戦中に起こった、ある出来事が研究のきっかけになったと言われています。
ブルーベリージャムが好きで、毎日パンに塗って食べていたイギリス空軍のパイロットが、薄明りでも敵機やさまざまな物がはっきりと見えたと証言したことにより、イタリアやフランスでブルーベリーの機能性についての研究が始まりました。
研究が進むにつれてアントシアニンといった色素が見つかり、この成分が視覚機能を改善する働きをすることが判明したと言われているようです。
他にも眼精疲労の予防にも効果があることから、アントシアニンはサプリメントなどにも配合されることが多く、目に良いといったイメージが世間一般的に定着したことが考えられます。
ビタミン類の中には、皮膚や目の粘膜などを保護するビタミンA、抗酸化作用が期待できるビタミンE、皮膚を健康に保つビタミンCなどが豊富です。
その他には体内でさまざまなものを生成することに必要なミネラル類、整腸作用が期待できる食物繊維などといった、小さい粒にたくさんの栄養素が詰まっていることが嬉しいですよね。
◆猫に与える時のデメリット
ブルーベリーは栄養価が高く、視覚機能の改善が期待できる食べ物となりますが、あくまで人間に向けての研究であって、猫に対して効果があるのかの研究は進んでいません。
食物繊維が豊富なことから、キャットフードの原料に使われてはいますが、視覚に対しての効果を期待して配合しているかが明確には分からないため、愛猫に与える際には様子を見ながら与えた方が無難とも言えるでしょう。
もちろん猫が口にして問題のある物質は含まれていませんし、安全に口にすることはできますが、猫の目に対して過度な効果を期待しすぎることはおすすめいたしません。
アントシアニン以外にも猫に有効な成分は多く含まれていますので、愛猫がブルーベリーに興味を示すようであれば、少量を試しに与えてみてはいかがでしょうか。
ブルーベリーの与え方
猫が食べても問題のないブルーベリーですが、与える際にはいくつか気を付けなければいけません。
安全にブルーベリーを愛猫に食べてもらうためにも、以下のような与え方を心掛けてください。
◆加工されていないもの
ブルーベリーは自然の甘酸っぱさが特徴の食べ物となりますが、市場には食べやすいように砂糖を加えた商品などが多く出回っています。
また、ケーキやヨーグルトといったデザートにも、ブルーベリーがトッピングされていることが多く、飼い主さんが美味しく食べている時に愛猫が物欲しそうに見てきたとしたら、その圧力に負けて「少しだけなら…」と、食べさてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そのようなデザートにはたくさんの砂糖が使われており、猫が一口食べただけでもカロリー過多となってしまうため、猫にブルーベリーを与える際には必ず、加工されていない新鮮な生の状態で与えるようにしましょう。
◆小さくカット
ブルーベリーの実は小さいため、そのまま猫に食べさせても問題はありませんが、ブルーベリーの皮が若干硬いので、小さくカットしてから与えた方が安心です。
猫は肉食動物となり、植物性の食べ物を消化することが苦手なため、飼い主さんが手を加えて食べやすくしておく必要がありますよね。
それでも皮が気になるようでしたらブルーベリーを生のまま、ハンドブレンダーやミキサーなどですり潰し、液体状にして与えてみるのもおすすめです。
◆トッピング
猫にブルーベリーを食べさせる際には、小さいものであれば3粒前後、大きいものであれば1粒程度を目安にしてください。
小さくカットしたものをフードのトッピングにしても良いですが、無糖の生乳100%のプレーンヨーグルトにトッピングした与え方がおすすめとなります。
飼い主さんがブルーベリーヨーグルトを食べている姿を見て、猫ちゃんが興味を示しているようであれば、猫ちゃんには無糖のブルーベリー入りヨーグルトを与えることによって、一緒にデザートを食べている感覚に浸れますよね。
工夫次第で猫ちゃんも美味しくブルーベリーを食べられますし、飼い主さんも楽しい気分になれるため一石二鳥です。
ブルーベリーを与える時の注意点
ブルーベリーは猫に与えても安全な食べ物であることが分かりましたが、猫ちゃんによっては与えることを控えた方が良い子も存在しています。
皮が硬く消化の悪いブルーベリーは、胃腸が弱い猫ちゃんが食べると下痢といった症状が出ることがありますし、アレルギー体質の猫ちゃんの場合は、ブルーベリーが原因でアレルギー症状を引き起こす可能性も否めません。
ブルーベリーにはビタミンCが多く含まれていますが、ビタミンCは尿路結石といった病気の原因となるシュウ酸を生成します。
過去に尿路結石を患ったことのある猫ちゃんや、尿pHが酸性に傾いている猫ちゃんにはおすすめできないため、そのようなリスクを抱えてまでブルーベリーを与える必要はないと言えますよね。
すべての猫ちゃんに対して、ブルーベリーが安全なわけではないことを念頭に置いておき、安全な取り扱いを心掛けるようにしてください。
また、ブルーベリーに似た食べ物としてぶどうが挙げられますが、ツツジ科のブルーベリーとは異なり、ぶどうはブドウ科の果物となります。
見た目が似ているからといって猫にぶどうを与えてしまうと、中毒症状を引き起こして、急性腎不全となってしまう恐れがあるため、少量であっても絶対に与えないようにしてください。
体調を崩した時の対処法
万が一愛猫にブルーベリーを与えたのちに、体調を崩した場合には、飼い主さん側でできる対処法は特にないため、早めに動物病院を受診し、ブルーベリーを食べたことを伝えた上で、適切な治療を受けることをおすすめします。
ブルーベリーのどの成分に反応したのか、どのような症状が出ているかにより、治療方針が変わってきますので、獣医師さんにはいつどれぐらいの量を、どのように与えたかなどを明確に伝えるようにしてください。
愛猫の体調管理は飼い主さんにしかできませんし、快方に向かわせるか悪化させるかなども、飼い主さんの初期判断が重要となってきます。
愛猫の命を守るためにも、人間の食べ物を与える際には傍でしっかりと様子を見つつ、食べ終わったあとにも異変がないかの確認を怠らないようにしましょう。
まとめ
猫とは無縁のように思われる色鮮やかで甘酸っぱいブルーベリーは、猫が食べたとしても問題のない食べ物だということが分かりました。
もちろん猫ちゃんによっては与えるべきではない子も居ますが、栄養価や食物繊維が豊富なことからも、興味を示す猫ちゃんには少量を与えてみても良いでしょう。
目に良いと謳われているブルーベリーの効果は、あくまで人間に対しての見解であって、猫に対しての効果は証明されてはいません。
しかし、海外ではキャットフードの原料に使用されているように、猫にとっても嬉しい成分が含まれていることは明確です。
与える際には少量を小さくカットし、必ず加糖されていない新鮮な生の状態のブルーベリーのみを与えるようにしてください。
無糖ヨーグルトにトッピングをしてデザートのように仕立てれば、愛猫と同じ食べ物を共有できる喜びも感じられるのでおすすめですよ。
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