猫に白菜を与えても良い?
私たちが普段口にする野菜を猫が好んで食べるといったイメージはあまりありませんが、猫草といった植物を好む傾向が強い猫ちゃんは多いため、葉野菜であれば興味を抱きやすい子は多いのかもしれません。
葉野菜の中でも「白菜」は白と緑のコントラストが美しく、水分含有量が多いのにも関わらず、しっかりと甘みを感じる野菜としても有名ですよね。
中華料理によく使用されているイメージではありますが、日本では冬に旬を迎える野菜として親しまれているため、鍋や煮込み料理などにも重宝する野菜となっています。
もちろん冬だけに食べられる野菜というわけでもないため、一年を通してご家庭の食卓に並ぶ機会の多い野菜となりますが、猫ちゃんの居るご家庭では、栄養が高かったり愛猫が欲しがったりすれば、与えてみたいと考える飼い主さんも多いことでしょう。
白菜はクセが少なく、猫にとって有害な成分が含まれていないことからも、与えたとしても問題のない食べ物と言われています。
猫ちゃんの中には猫草の代わりのように、白菜をパリパリと食べる子も居るようですし、与える量さえ気を付ければ美味しく頂ける食材と言えるでしょう。
◆白菜に含まれる主な成分
白菜が猫に与えても問題のない食べ物と分かったら、どんな成分が含まれているのかも気になるところですよね。
アブラナ科アブラナ属に属する白菜は、キャベツやチンゲン菜、小松菜やブロッコリーなどの仲間となっています。
仲間の野菜に比べて栄養価は多少劣りますが、約95%が水分となり、非常に低カロリーなことから罪悪感なく食べられる野菜と言えるでしょう。
ビタミンCやビタミンKなどのビタミン類や、カリウムやカルシウムなどのミネラル類が含まれており、アブラナ科の野菜特有の成分として知られている、「イソチオシアネート」といった有効成分が含まれています。
◆期待できる効果
野菜にはそれぞれ繊維質が含まれていることが多く、植物性の食べ物を消化することが苦手な猫にとっては、消化器官に負担をかけやすいと言われていますが、白菜の食物繊維は非常に柔らかく、消化吸収が良いと言われているため、猫にも負担をかけにくい食べ物と言えるでしょう。
白菜に含まれているビタミン類は、骨を丈夫にする働きや細胞を新しく生まれ変わらせる働きをし、免役を高めて病気になりにくい身体づくりをサポートしてくれます。
ミネラル類は体内の余分なナトリウム(塩分)を体外へと排出させ、高血圧やむくみを予防し、健康な血圧を維持するような働きが期待できるようです。
アブラナ科特有の成分であるイソチオシアネートは、強い抗菌作用を持つことから、ガン予防や動脈硬化予防といった効果が期待でき、さまざまな機能性を秘めた成分として注目されています。
そのほかにも約95%が水分となる白菜を食べることによって、水分補給にも繋がりますし、便秘気味の猫ちゃんには便通改善といった効果も期待できますよね。
少ない栄養価でも猫にも嬉しい効果をそれぞれ期待できることからも、愛猫が興味を示すようであれば与えてみたい野菜と言えるのではないでしょうか。
白菜の与え方
白菜は緑色の外葉にはビタミンCが多く含まれ、白い部分となる芯葉にはビタミンCだけでなくカリウムが多く含まれています。
これらの栄養成分を上手に猫にも食べさせたい場合には、どのような与え方が理想的となるのでしょうか。
◆加熱する
白い部分である芯葉は甘味も強く、栄養価が凝縮されていることもあって、できることならこの部分を効率よく猫に与えたいところですが、生のまま与えてしまうと繊維質が豊富なため、消化不良を起こしやすくなってしまいます。
元々猫は肉食動物であることから、野菜をはじめとした植物の消化を得意としないため、与える際には細心の注意が必要とも言えますよね。
芯の部分は繊維を断つように切った後、茹でるか蒸すかををして与えると安心です。
◆小さくカットする
外葉は生で与えても問題はないとされてはいますが、大きい葉のままだと猫も食べ難いため、芯葉と同様に必ず加熱してから小さくカットするか、手で細かく千切ってから与えるようにしてください。
キャットフードにトッピングするようであれば、キブル(粒)の大きさに合わせるようにカットし、食べやすくなるような工夫をしてあげましょう。
◆与える際には少量を意識する
白菜は猫にとっても有害な成分が含まれていない食べ物となりますが、本来食べる必要性のない食べ物であるため、与える際には細心の注意が必要となってきますよね。
初めて愛猫に白菜を与える際には少量を意識し、食べても問題ないかの確認をしながら与えるようにしてください。
食物アレルギーや、便が緩くなっている様子が見られなければ、1回に与える分量をティースプーン1杯程度を心掛け、安全な状態で食べさせるようにしましょう。
猫に白菜を与える時の注意点
猫ちゃんの中には白菜を食べたことにより、体調を崩してしまうといった子も存在するため、すべての猫ちゃんが安全に食べられる食材というわけではありません。
特に元から食物アレルギーを患っている子や、胃腸が弱く下痢や軟便が出やすい子が口にすれば、皮膚に炎症を起こしたり、お腹を壊したりすることが無いとは言い切れませんよね。
そのほかにも、以下のような危険性が及ぶ可能性もあるため、注意が必要と言えるでしょう。
●尿pHがアルカリ性に傾むくことによる尿路疾患発症のリスク
●辛み成分による胃腸への負担
●甲状腺機能低下症の危険性
高齢の猫ちゃんはカリウムを大量に摂取してしまうと、低カリウム血症といった疾患を引き起こしやすいため、水分補給目的で白菜をたくさん食べさせること自体がNGです。
また、本来食べる必要のない野菜を多く摂取すれば、弱酸性の尿pHがアルカリ性に傾き、結晶や結石ができやすくなる尿路疾患を発症させるリスクが高まります。
ガンを予防できるといった有効成分の、イソチオシアネートは辛み成分となるため、敏感な猫にとっては刺激が強すぎる可能性も否めません。
そして、アブラナ科の野菜には甲状腺ホルモンを生成する際に必要な、ヨウ素を阻害する「ゴイトロゲン」といった成分も含まれているため、この成分を多く摂取すれば
甲状腺機能低下症といった病気のリスクも上がってしまいます。
私たち人間よりもはるかに身体が小さい猫にとっては、有効成分さえも効果を発揮できず、有害成分になってしまう可能性も否めないことからも、白菜の与えすぎには注意をするようにしましょう。
猫が体調を崩した時の対処法
白菜は一年中入手が可能な野菜となり、食卓にのぼる回数が増えるといったご家庭は多いはずです。
飼い主さんが愛猫に白菜を与えるつもりがなかったとしても、調理中に生の白菜を口にされてしまったり、調味料を利用した白菜入りの料理を盗み食いされたりといった事故は、どこのご家庭でも起きる可能性がありますよね。
すぐに飼い主さんが気付き、飲み込む前に取り除ければ大事にはなりませんが、しっかりと飲み込んでしまったあとに体調を崩している様子が見られれば、すぐに動物病院へ連れて行くことが望ましいでしょう。
その際にはどのぐらいの量をいつ食べて、どんな症状が出たかなどを明確に獣医師さんへと伝え、適切な処置をしてもらうようにしてください。
嘔吐物や便に異常がある際には写真に撮って記録を残しておくか、現物を持って動物病院へ行くと診断の幅が広がります。
まとめ
白菜は寒い季節になると、白菜自身が凍らないようにと糖分を蓄えるようになり、旬と呼ばれるシーズンには甘みが増すため、一層美味しくなっていきます。
このような特徴的な育ち方をする白菜ですが、旬の時季だけでなく一年中食べることができるのは、産地を変えて通年生産が行われているからです。
冬の白菜ほど甘みは多くありませんが、みずみずしさは強くなるため、飲水量の少ない猫にも是非食べさせたい食べ物と言えますよね。
しかし、猫にとって有害な成分が含まれていない食べ物だからといって、絶対安全というわけではないということも認識しておかなくてはいけません。
愛猫の健康を守ってあげられるのは飼い主さんだけとなるため、人間の食べ物を与える際には細心の注意が必要となってきます。
特別な栄養は少ない白菜ではありますが、水分補給を目的とした与え方は猫にとっても有効となりますので、少量を意識して様子を見つつ、上手に愛猫へと与えてみてはいかがでしょうか。
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