1.猫をお風呂に入れる必要はあるの?頻度は?
1-1.基本的には頻繁に入れる必要はない
1-2.汚れたら洗ってあげよう
1-3.お風呂は年に数回で大丈夫
2.猫の体臭があまり気にならないのはなぜ?
2-1.肉球にだけ汗をかくから
2-2.毎日念入りに毛づくろいをしているから
2-3.長毛の猫ちゃんは思わぬ汚れに注意
3.猫をお風呂に入れる前に確認すること
3-1.多くの猫はお風呂が嫌い!
3-2.体調に問題がないか
3-3.先に爪切りとブラッシングを済ませておく
3-4.初心者は2人で行うと安心
4.猫をお風呂に入れる時に準備が必要なグッズ
4-1.シャンプー
4-2.バスタオル
4-3.洗面器や大き目のバケツ
4-4.ドライヤー
4-5.ブラシ・コーム
5.猫をお風呂に入れる時の手順
5-1.バスタブを使う場合
5-2.猫を濡らします
5-3.猫を洗いましょう
5-4.シャンプーをすすぎましょう
5-5.やさしくタオルドライしましょう
5-6.ドライヤーも大丈夫なら使いましょう
5-7.仕上げのブラッシングをしましょう
6.無理にシャンプーする必要はなし!便利な代用品
6-1.猫用ボディシート
6-2.猫用ドライシャンプー
6-3.濡れタオル
猫をお風呂に入れる必要はあるの?頻度は?
猫にお風呂、結論から言うと猫のお手入れで「お風呂は必要ありません」
その理由は、猫の祖先から受け継がれた特徴によるものです。猫の祖先は北アフリカのリビア猫で砂漠に生息していました。
体に付いた汚れは転がって砂まみれになり落としていました。こうした砂漠での生活に適応した猫の祖先は、体を覆う被毛に脂分が少なく水を弾きにくい性質があります。
そのため一旦濡れてしまうと乾きにくく体温が下がってしまうなど、水に濡れることが嫌いな傾向があるのです。
室内飼いで外出しないため汚れることのない短毛種の猫の場合は、お手入れはブラッシングで十分。お風呂&シャンプーは必要ありません。逆に、頻繁にお風呂に入れてしまうと、被毛と皮膚が過度に乾燥しストレスを与えてしまいます。
◆基本的には頻繁に入れる必要はない
本来猫は毛づくろいをして体を清潔に保っていますので、お手入れとして必要はないのです。
猫は1日に何度も毛づくろいをしているきれい好きです。汚れを落とすことと、ザラザラした舌で毛並みを整えるブラッシングもしています。
そのうえもともと狩りをしていた猫は、健康な猫ならほとんど体臭はありません。狩りの獲物を待つ間、相手に体臭で気が付かれることのないように進化したのです。
◆汚れたら洗ってあげよう
自分で毛づくろいすることで体をきれいに保っている猫ですが、外出してドロや雑菌を付けていることがある場合はお風呂で洗うことも必要になるケースです。
また、避妊や去勢をしていない猫の場合、尿スプレーをすることがあります。尿スプレーの体勢は、通常のお尻を落としておしっこがかからないようにするのではなく足などにかかってしまうのです。
スプレーの尿は縄張り主張ともいわれていて、かなり臭いがきついのが特徴です。そのため、お風呂に入れないと臭いは落ちません。
◆お風呂は年に数回で大丈夫
本来猫の被毛は、体が濡れることはない環境で生活できるよう乾きにくい特徴を持っています。
お風呂に入ると強制的に乾燥させることで被毛や皮膚にストレスがかかること、また多数派の「お風呂嫌いな猫」にとって精神的にもダメージがあります。
汚れがひどくてどうしてもという場合でも、年に数回で留めておきましょう。
猫の体臭があまり気にならないのはなぜ?
猫は狩りをするためあまり体臭をさせない動物です。体臭のしにくい特徴は、体の機能と習慣によって保たれています。
◆肉球にだけ汗をかくから
猫は肉球にだけ汗腺があり、全身に汗腺がありません。ですから、肉球だけが汗をかく構造になっています。猫は汗をかいて体温調整はできない動物なのですね。
◆毎日念入りに毛づくろいをしているから
汗をかく部分が極端に少ない体の構造、その上猫は1日中頻繁に毛づくろいをします。臭いものに触れてしまったとき、汚れがついたときなど念入りに毛づくろいをしてきれいにしているのです。
◆長毛の猫ちゃんは思わぬ汚れに注意
猫の種類によっては、毛づくろいでは解決できない汚れもあります。短毛種の猫より、長毛種の猫は毛づくろいだけで毛根から毛先まで自力でお手入れするのは大変です。
足まで長い毛に覆われた優雅な長毛種の猫は、短毛種より汚れが付きやすく自力で落としきれない場合があります。
特にトイレでは汚れた砂を踏んでいますので、足まわりの毛に汚れがついてしまいがちです。長い毛に付いてしまった汚れが臭いの原因になってしまいます。
この場合は、毛づくろいだけでは汚れや臭いは落としきれません。このような場合ではお風呂でよく洗う必要があります。
猫をお風呂に入れる前に確認すること
そもそも、お風呂嫌いが大多数派の猫をお風呂に入れるのは大変です。お風呂で暴れる猫も多く、用心しないとひっかかれたり噛まれたりと飼い主さんに危害が及びます。
そこで、猫をお風呂に入れる前にいくつか確認して準備しておくと良いポイントをご紹介します。
◆多くの猫はお風呂が嫌い!
お風呂好きな猫は極めて珍しい少数派です。
お風呂を嫌がる原因として
- 水に濡れる
- お風呂の音の反響や臭い
- 猫用シャンプーの香り
- ドライヤーの音
飼い主さんがお風呂を使っているときに、脱衣所で待っている猫もいます。そんな猫もドライヤーを使い始めると逃走する傾向がありませんか?水に濡れること以外でも、お風呂という空間の様子が猫にとってはNGなことがありそうですね。
嫌いなお風呂に入れられる猫は、「想定外の行動」に出ることが予測されます。
お風呂は嫌いですから、猫からは強い抵抗にあいます。鳴くといより叫ぶだけでなく、全力で引っかいて実力行使の抵抗や脱走もします。
事前に逃走できないようにドアを締めるなどしておきましょう。濡れたまま脱走されてしまうと、家中雑巾で拭かなくてはいけなくなってしまいます。
◆体調に問題がないか
お風呂の前に、猫の体調を確認しましょう。人間の場合も、風呂に入ってはいけないと注意されることがありますね。猫にとっても同じように、健康上の理由からお風呂に入ることがリスクになる場合があるのです。
お風呂に入ることは私たちが予想している以上に「体力を奪う」行為です。元気がなく体調のよくないとき、は猫の様子を観察してください。また、獣医さんからも指示があるように、手術の直後やワクチン接種後、妊娠中はお風呂に入れるのは厳禁です。
体調の確認で熱や食欲があるかをお風呂に入れる前に確認してください。
◆先に爪切りとブラッシングを済ませておく
お風呂の前に、爪切りとブラッシングをしましょう。トリミングサロンなどを利用する場合、猫の爪切りはサロンでお願いできないところが多く、済ませることが施術の条件のこともあります。
爪の処理は、猫の抵抗による怪我を防ぐために事前に切っておくのがおすすめです。また、お風呂では、シャンプー中に毛が大量に抜けてしまうと水回りが詰まってしまうトラブルの原因になります。予め無駄な毛をブラッシングで落としてからお風呂に入れましょう。
◆初心者は2人で行うと安心
お風呂では、猫から全力で抵抗され想定外の強い力が出ます。もちろんじっとしていませんので、シャンプーするのも体を抑えておかなくてはいけません。
慣れないうちは、保定する人とシャンプーする人2人体制が安心です。シャンプーで十分洗えない、すすげないのでは返って被毛や皮膚にダメージを与えてしまいます。
とにかく嫌いなお風呂に入れられるのですから、猫は全力で想定外の行動をして抵抗することがあります。鳴く・かみつく・ひっかく・飛びかかる・逃げ回るなど大半は全力でお風呂を拒否します。
お風呂に入れる前に、落として壊れやすいものを片付け暴れても危険がないようにしましょう。
猫をお風呂に入れる時に準備が必要なグッズ
それでは、猫のお風呂グッズをご紹介しましょう。
◆シャンプー
まず、シャンプーは猫用のシャンプーリンスを用意してください。人間用のシャンプーでは刺激が強すぎます。汗腺が頭にもある人間用は頭皮の脂を落とすように作られています。
猫は肉球以外の部分では汗をかきません。人間用のシャンプーやリンス、ボディーソープでは刺激が強すぎ、潤いを保つために必要な皮脂まで落としてしまいます。必ず猫用シャンプーを使用しましょう。
◆バスタオル
シャンプー後の乾燥に使うバスタオルやタオルを用意します。ドライヤーだけでは不十分です。また、ドライヤーの音や風が嫌いな猫が大半です。
準備するのは、吸水性の高い素材のバスタオルを2枚。ハンドタオルが1枚です。
暴れる猫をなだめて拭くのには、体をすっぽりくるんでしまえる大きさのバスタオルが便利です。1枚では乾かせないので、ずぶ濡れの猫を包んで濡れたら、乾いたバスタオルに交換するように余裕を持って複数枚準備しましょう。
小さなサイズのタオルは、耳裏や顔周りなどの細かい部分を洗うときに使います。
◆洗面器や大き目のバケツ
いきなり人間のバスタブにドボンと入れてしまうと、特に子猫は溺れてしまう危険があります。
体を洗うために、猫が入ってちょうどいいサイズと深さの洗面器やバケツを用意しましょう。家にある大きめのプラスティック性の衣装保管容器なども代用できます。
ペット用のバスタブも市販されています。わざわざ買わなくても、大きめの洗面器やバケツを使いバスタブにできます。
大きさの目安は、お湯を溜めて猫が入っている状態で手が動かして洗える隙間のあるサイズです。大きすぎるとシャンプーもお湯もむだになりますし、逆に小さいとしっかり洗うことができません。
特別なグッズはなくても、シャワー洗面台のような大きめの洗面台で直接お湯を張って使うのもいいでしょう。そのほうがシャンプーする飼い主さんの腰への負担が少ないかもしれませんね。
◆ドライヤー
ほとんどの猫はドライヤーの音が嫌いです。しかしタオルドライだけでは、完全に乾かすことはできません。なるべくドライヤーを使う時間を短くするようにしてください。
しかし、乾燥しないままにすると毛づくろいを盛んにしてしまい、抜け毛で毛玉の原因になります。
◆ブラシ・コーム
入浴前はブラッシングして、お風呂での抜け毛を最小限にします。また。お風呂の後にもブラッシングするためにいつも使っている慣れたブラシやコームを準備しましょう。
猫をお風呂に入れる時の手順
準備が終わったらいよいよお風呂ですね。猫のお風呂の入れ方について手順をご紹介します。
◆バスタブを使う場合
猫の体を洗うバスタブに35℃前後の温めのお湯をはります。そこに猫用のシャンプーを製品の説明にある適量入れ、よくかき混ぜましょう。洗うときに使うハンドタオルも手の届く場所に準備します。
◆猫を濡らします
猫の顔が濡れないように注意して、首までお湯に浸けます。そっと猫を湯船に入れて、毛がしっかり濡れるまで手でお湯をすくってまわしかけます。シャワーが嫌いな猫が多いので、出来るだけシャワーは使わないほうがいいでしょう。
◆猫を洗いましょう
猫を一度バスタブから出して洗います。シャンプーは先に泡立てておくか、最初から泡で出るタイプを使うと汚れ落ちも良く、時短になるので便利です。
順番は首から背中、お腹周りから足、尻尾、肛門と汚れがある部分が最後になるようにします。
顔にはシャンプーをつけず、濡れタオルで汚れを軽く拭き取る程度で大丈夫です。とにかく手短に、猫に過度なストレスがかかるようなら途中でもしつこく継続しないで中断しましょう。
◆シャンプーをすすぎましょう
すすぎはシャワーでないと完全に落とせないことがあります。そこでシャワーをかける4つのポイントをご紹介します。
・シャワーの温度もバスタブと同じ35℃程度です。
・シャワーのノズルは、猫の体に押し当てるようにします。水しぶきも少なく、猫が嫌がる音も減りますのでぜひお試しください。
・耳や目にシャワーがかからないように注意してください。
・シャンプーの時と同じ順番ですすいでいきます。
どうしてもシャワーを怖がってしまう場合は、猫用のバスタブのお湯を何度か入れ替えてすすぎます。すすぎ残しがあると、フケやかゆみの原因になりますので丁寧に洗い流してください。
◆やさしくタオルドライしましょう
バスタオルで猫の全身を包み込み、押し当てるようにしながら水分を取ります。猫は怖がって興奮していますので、絶対にこすらないでやさしく水分をタオルに吸水させてください。
濡れてしまったタオルは、乾いたものに交換してタオルドライしましょう。
◆ドライヤーも大丈夫なら使いましょう
猫が大丈夫なら、ドライヤーで乾かします。
この時のポイントは
・最初は弱風/低温
・水気が取れたらLOW/温風
ドライヤーの距離は猫の体から20cmくらい離し、手ぐしで毛の根元に風が当たるようにします。
◆仕上げのブラッシングをしましょう
乾いたら仕上げはブラシを使って毛並みを整えて完成です。がんばった猫をたくさん誉めてあげましょう。
無理にシャンプーする必要はなし!便利な代用品
お風呂の必要がない猫を無理やりシャンプーすることはありません。便利なケアグッズがありますので、上手に使いこなしてください。
◆猫用ボディシート
ミクロトリートメント成分が被毛1本1本をコートし、指どおりなめらか、サロンのような極上の仕上がりに。
汚れもニオイもしっかりからめ取る厚手メッシュシート採用。静電気を抑え、花粉・ハウスダストなどの付着を防止。
ペットがなめても安心。洗った後、香りが残らないノンフレグランスタイプ。
市販の猫用ボディーシートはウェットシートになっていて、猫の皮膚にやさしい成分で作られています。汚れやすく気になる目の周りやお尻周りなど、サッと拭くのに便利です。
◆猫用ドライシャンプー
泡をつけてふくだけ。
手軽に汚れ・ニオイをすっきりふきとる
洗い流し不要のドライシャンプー。
すすぎの必要のないドライシャンプーも市販されています。猫用ドライシャンプーには泡タイプやスプレータイプなど様々な種類があります。療養中の猫や介護中の猫にも利用できます。
◆濡れタオル
濡れタオルでケアも一つの選択肢です。特別に用意したものではなく、日頃使っているタオルなどで構いません。濡れタオルや、蒸しタオルを使って汚れを拭き取る程度でも十分有効なケアになります。
どうしてもの時は猫のトリミングを行っているトリマーに頼もう
どうしても自宅でお風呂に入れられない困った場合は、プロのトリマーにお願いするのもおすすめです。猫は内弁慶タイプが多く、外ではおとなしいこともあります。
あまりにも嫌がることを飼い主さんが強行すると、信頼関係が壊れてしまうこともあります。動物病院やトリミングサロンでプロにお任せしたほうがいいでしょう。
ただし、犬のトリミングと違い、猫のトリミングを扱っているサロンは限られています。前もってホームページなどを入念にチェックしてください。
まとめ
お風呂嫌いが大半を占める猫を、無理やりお風呂に入れる必要はありません。
最終手段のプロにお任せでもいいので、飼い主さんがのんびり構えていることが猫にストレスを与えないことに繋がります。無理にお風呂に入らなくてもケアの方法はありますよ。
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