1.猫にもブラッシングは必要
1-1.理由①体調管理に繋がる
1-2.理由②過剰な毛の飲み込みを防ぐ
2.猫がブラッシングを嫌がる!コツはある?
2-1.ブラッシングのポイント①いきなりやらない
2-2.ブラッシングのポイント②嫌がったらやめる
2-3.ブラッシングのポイント③短時間で行う
3.猫用ブラシの種類
3-1.コーム
3-2.ラバーブラシ
3-3.スリッカーブラシ
3-4.ピンブラシ
4.短毛猫のブラッシング
4-1.ブラッシングの頻度
4-2.ブラッシング方法
猫にもブラッシングは必要
猫は常に眠っているイメージが強く、お腹が空けば起きるといった悠々自適な生活を送っていると思われがちですが、猫は猫なりに時間を有効に使い、常に清潔で居続ける努力をしていることをご存知でしょうか?
時間配分もしっかりと計算していて、1日の3分の2の時間を睡眠に費やし、残りの起きている時間の半分は、グルーミング(毛繕い)に費やしていると言われています。それぐらい猫にとってグルーミングは重要な時間となり、食事よりも費やす時間が長いことからも、生きるために欠かせないライフワークとも言えるでしょう。
猫自身がしっかりとグルーミングを行っていれば、飼い主さんによるブラッシングは必要がないようにも感じますが、愛猫の健康管理をするためには、飼い主さんによるブラッシングも必要不可欠です。理由は大きく分けて2つあります。
◆理由①体調管理に繋がる
ブラッシングは、愛猫とのスキンシップの時間とも言えます。愛猫たちにはいざという時に困らないように、人がいろいろなところを触ることに慣れておいてもらう必要があります。
ただ抱っこしたり撫でることには抵抗がある子でも、ブラッシングであれば歓迎してくれることもあるかもしれません。
日頃から愛猫の体に触れておくことによって、熱感があったり腫れがあったり、身体に変化が出た際にいち早く気づくことが出来ますし、いつも触らせてくれるのに今日は嫌がるという場合でも、異変に気が付くポイントになりますよね。
また、ブラッシングを行うこと自体、抜け毛を取り除くだけでなく、猫の皮膚が刺激されることで血行促進や新人代謝を促す効果が期待できます。
◆理由②過剰な毛の飲み込みを防ぐ
猫はグルーミングの際に抜けた毛をそのまま飲み込んでしまうことがありますが、通常は飲み込んだ毛は便と一緒に排出されたり、毛玉を吐いたりすることで胃からなくしています。
しかし、猫の本能とはいえうまく吐けなかったり、便として排出できないこともあります。特に換毛期などの抜け毛が増え、飲み込む毛の量も増えてしまった時に、毛の排出がうまくいかないと、胃や腸の中で大きな毛玉になってしまう毛球症という病気になってしまうことがあります。
そのような状態になる前にブラッシングで余分な毛を取ってあげることで、グルーミングや身体の負担を軽減してあげることができます。
この病気は長毛種に多いとされていますが、換毛期は短毛種と長毛種関係なくやってきますので、日頃から清潔を保つお手伝いをしてあげるようにしてください。
ほかにも、健康な猫ちゃんであればセルフグルーミングが可能となりますが、子猫はもちろん高齢の猫や、病気やケガなどでグルーミングができない猫ちゃんに対しては、飼い主さんが手助けが必要です。自分で清潔を保ちたくても保てない理由がある子の場合には、飼い主さんがそのことを考慮し、率先してブラッシングをすることにより、愛猫の心のケアまで同時に行うことが可能となります。
猫がブラッシングを嫌がる!コツはある?
飼い主さんによる日々のブラッシングが必要なことは分かりましたが、猫ちゃんの中には執拗に体を触られることに嫌悪感を示す子もいます。
愛猫がブラッシングを嫌がった際には、どのようにしてお手入れを遂行していけば良いのでしょうか。
◆ブラッシングのポイント①いきなりやらない
ブラッシングはコツを掴めば、日常的なケアが可能となるため、愛猫に無理強いをしないようなブラッシングを心掛けておく必要があります。
できることなら子猫時代から、ブラシやブラッシングへの抵抗感をなくしておくことが一番ですが、成猫の場合はいきなり体にブラシを当ててブラッシングをするようなことはせず、猫ちゃんが触れられて喜ぶ場所から徐々に慣らしていきましょう。
ブラッシングを行うときは必ず、猫ちゃんがリラックスしているタイミングで行うようにしてください。
◆ブラッシングのポイント②嫌がったらやめる
猫はとても気まぐれな性格をしている子も多く、自分の意思とは違うことを飼い主さんにされた場合、そのときの気分によって受け入れるか受け入れないかを決めることがよくあります。
リラックスして落ち着いていたとしても、ブラッシングをされることに嫌悪感を覚えれば、全力で嫌がる様子を見せる子も少なくありません。
少しでも嫌がるようでしたら、無理強いしてブラッシングを継続するのではなく、すぐにやめて別の機会にチャレンジするようにしましょう。
◆ブラッシングのポイント③短時間で行う
ブラッシングを行う際には時間をかけるようなことはせず、短時間で終わらせるような工夫をしてください。
時間をかければかけるほど、猫はブラッシングを嫌いになってしまうため、全身のブラッシングが厳しい場合には、体の一部だけを集中してやるなどを決めて、定期的にブラッシングができるような状況を作っておくと安心です。
猫用ブラシの種類
猫にブラッシングをする際には猫用ブラシが必須となりますが、ブラシにはいくつか種類があり、用途によって使い分けることが一般的となります。
また、猫用ブラシは猫ちゃんとの相性もあるため、愛猫の性格に合わせたブラシを選ぶことも大切と言えるでしょう。
猫用ブラシは大きく分けて4種類に分類されますので、それぞれの特徴をまずは見ていきましょう。
◆コーム
「コーム」は毛並みを整えることに特化しています。
また、絡まりやすい箇所や毛玉や毛のもつれを梳かすことに向いていて、ご自宅に1本あると安心です。目が粗いものと細かいもの、それぞれが一本にまとまっているものがあります。
仕上げとして使うことが多いですが、目が細かいものはノミ取りとしても使えます。金属製の商品が一般的です。
◆ラバーブラシ
「ラバーブラシ」は、抜け毛を取り除くことに特化しています。
弾力性と粘りのあるラバー(ゴム)が、抜け毛をしっかりと吸着してくれるところがポイントです。また、柔らかい材質が、皮膚をマッサージする役割も担っています。
ゴム製ということで地肌にあたっても柔らかいので、ブラッシングが苦手な猫ちゃんには、まずはラバーブラシでブラッシングに慣れてもらうのが良いかもしれません。
ブラシ型だけでなく、手にはめて撫でながら抜け毛を取り除けるミトン型もあります。
◆スリッカーブラシ
「スリッカーブラシ」は、ラバーブラシよりもさらに抜け毛が取りやすいブラシです。
猫に年2回ほど訪れる換毛期には大量の抜け毛がでるため、この時期にはスリッカーブラシが非常によく役立ちます。
あまりにもさっくりと毛が取れていくので、飼い主さんは爽快感があるかもしれませんが、よく抜けるからといってブラッシングのしすぎには注意です。
たくさんの針が皮膚を刺激してマッサージ効果も期待できますが、猫ちゃんによってはたくさんの針で敏感な箇所(頭部や喉の下など)をブラッシングされると嫌がる子も居るため、猫ちゃんを選ぶブラシとも言えるかもしれません。
◆ピンブラシ
「ピンブラシ」は猫用ブラシの中で、もっともスタンダードなブラシと言えます。
どのブラシを購入しようか迷ったとき、まずはこの基本となるピンブラシを試してみるといいかもしれません。
しかし、このピンブラシは余分な毛を除去するというよりは、全体の毛並みを整える為に使用するブラシです。
換毛期など毛流れを整えるだけでなく、毛の除去を目的とするのであれば、ピンブラシに慣れてきたところで他のブラシに挑戦してみましょう。
短毛猫のブラッシング
猫は短毛種と長毛種の2種類が存在していますが、それぞれの被毛の長さによってブラッシングの頻度や方法が多少変わってきます。
まずは短毛の猫ちゃんのブラッシングについて見ていきましょう。
◆ブラッシングの頻度
基本的に短毛種であっても長毛種であっても、猫ちゃん自身がブラッシングに対して抵抗がないようであれば、毎日行ったとしても問題ありません。
ブラッシングは猫と飼い主さんとのスキンシップにも繋がりますし、被毛を清潔に保てるようであれば、猫ちゃん自身も喜んでくれるはずです。
ブラッシングに抵抗のある短毛種の猫ちゃんであれば、1週間に2~3回程度を目安にし、換毛期は毎日行ってあげることが理想的となります。
◆ブラッシング方法
短毛種は毛同士がよく絡まっているということはあまりないでしょうし、ピンブラシよりはラバーブラシやスリッカーブラシ、コームが向いていると言えます。
例えば、短毛種は被毛が短く抜けたそばからふわふわと舞ってしまうので、抜けた毛を取りこぼさないようにラバーブラシがよいかもしれませんね。
まずは、愛猫が触って喜ぶ場所からはじめ、次第に全身の毛並みに沿って優しくブラッシングをしていきましょう。
手足や顔周りはコームを利用して、優しく梳かしながら毛並みを整えていきましょう。
長毛猫のブラッシング
長毛の猫ちゃんは短毛の猫ちゃんよりも被毛が絡まりやすい為、換毛期などに関わらず日頃からブラッシングが必須です。
長毛種の猫の場合には、どんなブラッシングが理想的と言えるのでしょうか。
◆ブラッシングの頻度
短毛種の猫よりも被毛が長い長毛種は、適度にブラッシングを行わないと毛と毛同士が絡まり、毛玉ができやすいといった特徴を持っています。
短毛種の猫であれば、目的によってブラッシングの頻度を変えるべきではありますが、長毛種の猫の場合は毎日のブラッシングを欠かせまん。
長毛種の猫は毛玉だけでなく、食べかすやトイレ後の排泄物が被毛に付着することがあるため、それらの汚れを取り除くためにも、毎日ブラッシングを行って、被毛の清潔を保つようにしておきましょう。
◆ブラッシング方法
長毛種の特徴として毛玉ができやすいことが挙げられますが、毛玉は耳の後ろや脇の下、しっぽや後足の付け根などにできやすいため、ブラッシングを始める前に必ず、全身に毛玉がないかを優しく手で触れて確認してあげてください。
毛玉やもつれがあった場合は、コームやピンブラシを用いて絡まった部分をほぐしていき、その後は短毛種と同様、触れられても嫌がらない場所から順に毛並みに沿って、スリッカーブラシを利用して抜け毛を取り除いていきましょう。
顔周りやお腹はスリッカーブラシだと嫌がる子も多いため、コームを用いて優しく梳かすようにしてください。
まとめ
キレイ好きな猫にとってグルーミングは欠かすことのできない日課となりますが、グルーミングをしているからといって、飼い主さんによるブラッシングが必要ないというわけではありません。
ブラッシングは猫の被毛を清潔に保つこと以外にも、健康維持や温度の調節、飼い主さんとのコミュニケーションを図る目的でも重要と言えますよね。
そして猫用ブラシにはさまざまな種類の商品が販売されているため、用途に合わせて選ぶことも大切ですが、何よりも愛猫が嫌がらないブラシを見つけること、どのようなブラシでも力をこめないことが大事です。
ブラッシングは嫌なことではなく、気持ちいいことだと認識してもらえれば、猫にとっても嬉しいケアとなりますので、嫌がられないような工夫をしながら定期的なブラッシングを心掛けてあげましょう。
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