ターキッシュバンってどんな猫?ヴァン猫との違いは?

2022.11.27

ターキッシュバンってどんな猫?ヴァン猫との違いは?

猫にはたくさんの品種が存在していますが、珍しい習性を持つ猫と言われているターキッシュバンをご存知でしょうか。 日本ではまだまだ知名度の低い猫種ではありますが、だからこそこの機会にどんな猫なのかを紐解き、ターキッシュバンの魅力をもっと知りたいといった方も多いことでしょう。 ターキッシュバンとはどのような習性を持ち、そのほかにはどのような特徴があるのかをご紹介させていただきます。

ターキッシュバンはどんな猫?

ターキッシュバン

猫というとお風呂など、お水を苦手とするイメージが強いですが、世界には水を好む傾向が強い猫がいます。

それが、ターキッシュバンです。ターキッシュバン(Turkish Van)は泳ぐ猫として有名ですが、日本ではどちらかというとまだ認知度の低い品種で、どんな猫なのかよく知らないといった方も多いのではないでしょうか。

こちらの記事ではそんな『泳ぐ猫』ターキッシュバンの見た目や特徴、似たような名前が付いているヴァン猫との違いについても紹介します。
日本の猫とはまた違った魅力を持つターキッシュバンについて、理解を深めていきましょう!

◆ターキッシュバンの見た目

ターキッシュバンは長毛種の猫であり、胴体と同等の長さとなるフサフサで太いしっぽを持っています。
耳と耳との間隔が狭く、卵型の大きな目を持っているため、愛らしい印象を受けますが、中型よりやや大きめの体格な上に筋肉量が多いため、可愛らしさとかっこよさを兼ね備えた猫種と言えるでしょう。

被毛は頭部としっぽ以外は真っ白で、その美しい容姿の虜となってしまう方も多いようです。
寒冷地原産の猫種であることからも、長い歴史の中でがっしりとした体や、カシミアのような細やかで柔らかい被毛を手に入れました。

◆ターキッシュバンの性格

ターキッシュバンは、猫の中でも表情が豊かで愛情深い猫と言われています。
冷静で落ち着いた性格をしている反面、活発で自由奔放な一面を持ち合わせた猫種となるため、猫らしさをしっかりと持ちながらも人間との共存がしやすい品種と言えるでしょう。

従順な性格は飼い主にとって一緒に生活しやすいと言えますが、ターキッシュバンは幼猫期に母猫から受けた愛情による影響が出やすくなっているようです。
どのように育ったかが性格に出やすいとも言えるため、子猫時代から飼い主さん自身も愛情をいっぱい与えながら、育ててあげるべき猫種と言えるのではないでしょうか。

また、従順な性格であっても執拗に構われると嫌がる個体が多いため、ストレスを与えないためにも構い過ぎには注意し、ストレス発散ができるような生活環境を整えておくようにしましょう。

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◆ターキッシュバンの歴史

ターキッシュバンはトルコ原産の猫種で、歴史がとても古い猫種です。
紀元前1200年頃に貴金属で造られたとされる像のモデルになった話や、19世紀の絵画に度々描かれてきた話、ノアの方舟伝説の中にはターキッシュバンの祖先が描かれているなどの、さまざまな謂れを持っているそうです。

このようなことからも、ターキッシュバンの本当の起源がどこなのかは、明確に知られてはいませんが、トルコ共和国最大となる「ヴァン湖」の界隈が源流と考えられています。

何世代にもわたってヴァン湖地域に生息していたと考えられていましたが、イランやイラク、旧ソビエト連邦といった一部地域でも目撃されており、ヨーロッパで認識され始めたのが1955年頃だと言われています。

この地域を旅行していたイギリス人のジャーナリスト2名が、ホテルのマネージャーから2匹の子猫を譲り受け、そこから品種としての繁殖が進められ、1969年にはイギリスの猫血統団体であるGCCFに予備登録がされました。
その後、ターキッシュバンがアメリカに持ち込まれてからは、1985年にTICA、1988年にはCFAによって正式な品種として登録されたようです。


ターキッシュバンの特徴

ターキッシュバン

ターキッシュバンはトルコ共和国で古くから存在する猫であることからも、国民から愛され続けていますが、1992年に行われた調査ではヴァン湖付近で生活している純血種の猫は、わずか92匹ほどであることが分かりました。

このようなことからもターキッシュバンの血統を守るため、地元の大学や動物園が協力して繁殖プログラムを開発し、血統管理のもと国内で大切に飼育されてきたようです。

◆ターキッシュバンは泳げる猫?

ターキッシュバン最大の特徴として言えるのは、水を恐れないといった習性を持っていることです。

これはヨーロッパに認知され始めた1955年頃に、ヴァン湖を訪れたジャーナリスト2名が居たと前述しましたが、譲り受けた2匹の子猫が湖の畔で泳ぐなどの水遊びをしている姿を目撃し、その珍しい習性を世界に発信したことが、ターキッシュバンが『泳ぐ猫』として広く知れ渡るきっかけになったと考えられています。
猫の祖先は砂漠にいるリビアヤマネコと言われていることから、『猫はあまり水を飲まない』『水を苦手としている』というイメージが根強くありますので、この当時は相当な衝撃だったと思われます。

ターキッシュバンが水を好む理由は不明ではありますが、湖の畔で生活するにあたって、魚などの獲物を狩るために水の中に入らざるを得なかったのかもしれません。

そんな水に関わりのあるターキッシュバンの被毛は、水への抵抗を最小限にするために、撥水性の強いコート(被毛)を持ち合わせています。
他の猫種よりも多く出ている油分が、被毛のカバーの様な役割を担っており、被毛の撥水性を高めているようです。
このようなことからもたくさんの歴史の中で進化を遂げてきたことがうかがえます。

◆ターキッシュバンはオッドアイが生まれる

美しい容姿のターキッシュバンですが、卵型の大きな目は基本的に、幼猫期は淡いブルー、成長するにつれて濃いブルーか琥珀色へと変化していきます。
そして白い被毛の面積が多いことからも、遺伝的に左右の目の色が異なる「オッドアイ」が生まれやすいと言われているようです。

オッドアイは神秘性が増してとても美しく感じますが、正式名称が「虹彩異色症」と呼ばれている通り、遺伝子の異常として捉えられることがあります。

猫の場合は被毛が白色で目の色が青色の個体は、聴覚障害が生じやすいと言われてはいますが、ターキッシュバンに関してはそのような疾病が生じにくいと言われているため安心です。

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◆バンパターンと呼ばれる毛色

ターキッシュバンの被毛は「バンパターン」と呼ばれ、この品種特有の毛色であることから、ターキッシュバンの名前の一部が使われるようになりました。

頭部としっぽ以外は真っ白な被毛をしていて、頭部としっぽに限定されたマーキングは、「クリーム」「レッド」「ブラック」「ブラウン」「ブルー」などの毛色に対して、「タビー」や「トーティシェル」などの模様が出ると言われています。

このようなターキッシュバン特有の特徴が多いことからも、国を挙げて愛されていることが分かりますし、貴重な猫種として認知されていることにも納得です。


ターキッシュバンの飼い方

もし、この美しく希少性の高いターキッシュバンを飼うとしたら、どのように飼育していけば良いかも気になるところですよね。
ターキッシュバンと一緒に暮らす際には、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?

◆水場の対策

泳ぐ猫として知られているターキッシュバンですが、水を好む傾向が強いというだけで、個体によってはもちろん水が苦手な子も存在します。

水遊びが好きなイメージが強いからといって、無理矢理お風呂の中に入れたり、水をかけたりするような行為は行わないようにしてください

その反面、もちろん水に興味を持って遊びたがる子も存在するため、お風呂場や洗面所、キッチンや人間用の水洗トイレなどは、猫が遊ばないように出入りができないような工夫も必要となってきます。

水分が付着した体でコンセントや電化製品に触れてしまえば、感電などの二次災害にも繋がってしまうため、水場の対策は徹底しておくようにしましょう。

◆運動量の確保

純血種を守る目的からも、野生時代の感覚が強く残っている個体は多く、体を動かさないでじっとした時間が長く続いてしまうと、ストレスを強く感じて問題行動を起こしてしまうことも否めません。

構い過ぎは厳禁ではありますが、猫ちゃん自身が飼い主さんに遊んでほしい、構って欲しいといった素振りを見せてくるようであれば、おもちゃなどを使って一緒に遊んであげてください。

そして常に生活空間の中で独り遊びや運動ができるように、キャットタワーやステップなどを用いて、運動ができるような環境を整えておくことも大切です。

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◆ブラッシング

ターキッシュバンはシングルコートの長毛種です。アンダーコートという毛玉のできやすい被毛がないため、ブラッシングなどのお手入れにもあまり手がかかりません。
1日1回のブラッシングが出来ればよいでしょう。

また、ターキッシュバンは全身が撥水性に優れた被毛に覆われていることもあり、頻繁にシャンプーをする必要もないと言われています。

1年に2回訪れる換毛期は、ほかの猫ちゃんと同様のお手入れが必要となりますが、必要最低限のケアで一緒に暮らせることは、飼い主さんにとってもプラスに繋がることでしょう。


他にトルコ原産の猫はいる?

トルコにはターキッシュバンのほかに「ターキッシュアンゴラ」や「ヴァン猫」といった希少種が存在しています。
どちらもターキッシュバンに名前がよく似ていますが、ターキッシュアンゴラはターキッシュバンよりも一回り体が小さく、泳ぎも得意ではありません。

ヴァン猫は被毛全体が白色のみとなり、オッドアイであることが原則となります。

この品種は幻の猫とも言われていて、保護指定種に登録された生きた文化遺産とも言われています。

作家の中で猫好きとして知られている、村上春樹さんのロードエッセイ「雨天炎天」では、ヴァン猫に関する一文が登場することからも、トルコ原産の猫たちがいかに人々の心を魅了してきたかが伝わってきますよね。

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まとめ

バンパターンといった美しい容姿を持ち、水を恐れないといったターキッシュバンではありますが、日本ではまだまだ認知度が低く、この品種を知らないといった方も多いことでしょう。

大型よりの猫種ではありますが、人間とも共存しやすいこともあり、トルコで愛されていることがよく分かりました。

海外では人気の高い品種となるため、日本で入手したい場合には、かなりの時間を要することにはなりますが、一目見ただけでその美しさの虜になってしまうはずですので、興味のある方はターキッシュバン専門のブリーダーを探してみてはいかがでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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