1.猫が前足にしっぽを巻きつけている!?
1-1.理由①警戒している
1-2.理由②寒いと感じている
1-3.理由③リラックスしている
2.他の猫や人間に対してしっぽを巻きつけるのはなぜ?
2-1.他の猫のしっぽに自分のしっぽを巻きつけているとき
2-2.人間の足や手にしっぽを巻きつけているとき
猫が前足にしっぽを巻きつけている!?
みなさんは『しっぽマフラー』という言葉を聞いたことがありますか?
猫がしっぽを自身の前足に巻きつけている、まるで置物かのような可愛らしい姿となります。
そのような体勢はしっぽマフラーの他にも「しっぽ巻き座り」「猫巻き座り」などと、猫好きさんから呼ばれることがあるそうです。
どこか高貴な雰囲気を漂わせる猫のポーズとなりますが、どのような心理からそのような体勢をとっているのかも気になるところですよね。
猫の心理としては、どのような感情が込められているのでしょうか。
◆理由①警戒している
猫が自分の足にしっぽを巻きつけているのは、しっぽをガードのような役割として使っており警戒している状態と言えます。
さらにしっぽの先端を猫が小刻みに動かしているようであれば、不快感やイライラの表れとなります。
もちろん現実的に自分の身に危険を感じれば、猫は一目散に逃げるため、前足にしっぽを巻きつけるような体勢のときは、「気になるけれど、逃げるほどではない」といった意味合いが強いようです。
それ以上に不快感を感じたり、威嚇しなければならないと判断した場合には「しっぽマフラー」ではなく、しっぽを膨らませたり大きく振ったりするようになります。
◆理由②寒いと感じている
「しっぽマフラー」といった呼び名がある通り、防寒のためにしっぽを巻きつける子も多いようです。
少しでも身体の熱を逃さないようにと、自然とこのポーズが身についたのかもしれません。
機械の熱で暖を取りたいのか、しっぽマフラーをしてパソコンなどの上に乗っている子もよく見かけます。この場合、飼い主さんに構ってほしい気持ちもあるかもしれませんね。
部屋の温度については、空気は基本的に暖かい空気が上に、冷たい空気が下に流れていきます。
ですので、空気の流れを作っていない部屋では、場所によって人間の体感温度よりも寒い場所があります。
飼い主さんにとってはちょうど良い室温だったとしても、猫は寒いと感じていることもあるため、寒い季節に愛猫がこの体勢をしているときは、室温の調整や防寒グッズを用いた対策を心掛けてあげましょう。
◆理由③リラックスしている
しっぽを巻きつける仕草が警戒心を表すこととは裏腹に、リラックスしているときにも猫はこの体勢になることがあります。
表情もリラックスをしていてこのポーズをしているときは、そっと見守ってあげるようにしてくださいね。
他の猫や人間に対してしっぽを巻きつけるのはなぜ?
猫は自分の前足や身体だけでなく、ほかの猫や人間に対してもしっぽを巻きつけることがありますが、そのときにはどのような気持ちで、そのような行動をしているのかも気になりませんか?
一般的に自分以外の猫や人間に対して、しっぽを巻きつけるときは、次のような感情を抱いていることが多いとされています。
◆他の猫のしっぽに自分のしっぽを巻きつけているとき
猫が両親や兄弟、同居している猫のしっぽに自分のしっぽを巻きつけているときは、友好の証となります。
私たち人間が信頼している相手に腕を回すように、猫は信頼している相手に対して敏感なしっぽを絡めつつ好意を示すのです。
仲間同士のコミュニケーションとなりますが、言葉を使わずともスキンシップを図っている姿は、見ているだけで微笑ましくなりますよね。
◆人間の足や手にしっぽを巻きつけているとき
猫が飼い主の足や手などに、しっぽを巻きつけてきたときはどうでしょうか。
自分のことを大事にしてくれて、身の回りのお世話をしてくれる飼い主さんのことが大好きで、仲間意識というよりも愛情表現の意味合いが強いようです。
飼い主さんが歩いているときに、このような行動をしてくるときは、「構ってほしい」「要望があるから聞いてほしい」などの、意味合いが込められていることが考えられます。
飼い主さんが動いていないときに、傍でしっぽを巻きつけてくるときは、「ずっと傍にいたい」「甘えたい」「飼い主さんのことが大好き」といった感情が、無意識のうちにしっぽを通して勝手に反応してしまうのかもしれません。
また、しっぽの付け根には臭腺があるため、マーキングの目的でそのニオイを飼い主さんに付着させることがあります。
自分のニオイをつけることによって、「自分のものだ!」とアピールしている可能性もありますので、愛猫の好きなようにさせてあげることが一番です。
なぜ猫のしっぽは自由自在に動くのか
猫のチャームポイントとなる「尻尾(しっぽ)」は、左右上下と自由に動き、自由気ままな猫そのものを表しているようですよね。
私たち人間には無い身体の一部となりますが、実際のところ猫のしっぽは、どのような役割を担っているのでしょうか。
◆猫のしっぽの構造
猫にはしっぽを支える「尾椎(びつい)」と呼ばれる骨が、一般的な長尾の個体で18~24個ほど備わっていると言われています。
猫の品種や短いしっぽを持つ個体によっては、尾椎の数が4個ほどとなりますが、尾椎の数が少ないからといって、しっぽ特有の機能が劣るわけではありません。
尾椎だけでなく猫のしっぽには特有の筋肉が発達しており、前後左右に動かすための筋肉が4個、さらに細かい動きをするときに使う筋肉が8個と、非常に複雑な構造になっています。
◆猫のしっぽの役割
猫は人間のように顔の表情で感情を表すことは少なく、基本的にはしっぽや鳴き声を使って自己アピールをします。
猫の尾椎は脊髄と繋がっているため、しっぽの先端まで神経が通っており、少しの気持ちの変化であっても、意識とは裏腹にしっぽが動いてしまうようです。
涼しげな表情をしていたとしても、実はしっぽを見ると感情がダダ洩れしていることもあるため、愛猫の気持ちを知りたいときには、しっぽを見て参考にしてみるのも良いでしょう。
猫のしっぽは細かい感情表現だけでなく、日常生活の中でもさまざまな場面で力を発揮します。
バランスを崩しそうなときには素早く振ることにより、骨盤の位置を調整してバランスを整えることがあります。
ほかにも『しっぽマフラー』のように防寒具として利用したり、しっぽの付け根にある臭腺を使ってマーキングしたりなど、猫の生活の中でも重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
猫のしっぽに関する注意点
しなやかな動きをするふわふわな猫のしっぽは、ついつい触れてみたくなってしまいますよね。
しかし、猫の尻尾は神経がたくさん通っていて、脊髄と繋がっていることもあり、とても敏感で痛みを感じやすい部分となります。
感情豊かに動くからといって興味を抱き、急に強く触れたり引っ張ったりしてしまえば、猫が痛がるだけではなく、最悪の場合内臓や後ろの足に障害が出てしまうことも否めません。
猫のしっぽはデリケートな部分であることを理解し、無理矢理触るようなことはやめておきましょう。
ご家庭に小さなお子さんが居る場合には、とくに注意をするようにしてください。
また、猫ちゃんの中には不思議なことに、しっぽの付け根付近をトントンされると喜ぶ子も居ます。
すべての猫ちゃんが喜ぶわけではないため、見分けることが多少難しく感じるかもしれませんが、愛猫を撫でるときにしっぽの付け根を優しく撫で、うっとりとした表情を見せてくれるようであれば、優しくトントンしてあげて下さい。
ちょっとでも嫌がったり怒ったりするような仕草が見られれば、しっぽの付け根付近やしっぽ自体には、普段から触れないようにしましょう。
まとめ
変幻自在な猫のしっぽはとても表情豊かで、滑らかな動きを見ているだけで癒されるといった方は多いことでしょう。
私たちに備わっていないものだからこそ、とても魅力的に感じてしまいますよね。
そんなしっぽを猫が自分の前足に巻きつけるときには、どんな感情を抱いているのかが気になりましたが、しっかりとした意味があり、理由を知った飼い主さんは納得できたのではないでしょうか。
警戒しているようであれば、一定の距離を置いて近づかないようにし、寒いようであれば、室温を調節したり防寒グッズを用いたりして、寒さ対策をしてあげればOKです。
リラックスしているときにも干渉はせず、愛猫のゆったりと過ごす時間を尊重してあげてください。
猫のしっぽを見ていると、そのほかにもさまざまな感情に気付くことができるため、愛猫がしっぽを動かしているときは、どんな気持ちなのかを読み取り、さらに関係性を深めてみてはいかがでしょうか。
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