1.猫の聴力はどれくらい良い?
1-1.聴力が優れているそのほかの理由
2.猫がよってくる音はどんな音?
2-1.猫の鳴き声にも反応して寄ってくる!
2-2.猫の鳴き声にも似た鈴の音にも反応する猫ちゃんは多い!
2-3.飼い主さんからの合言葉が魔法の音に!
3.猫の好きな音・嫌いな音
3-1.好きな音
3-2.嫌いな音
4.猫がよってくる音は多用しないように注意
4-1.長く聞かせ続けるとストレスの元に
4-2.必要な時にだけ使用する
5.まとめ
猫の聴力はどれくらい良い?
猫の聴力は優れているとは言われていますが、どれぐらいの音が聞こえているのか気になったことはありませんか?
人間と同じように猫も五感といった感覚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)が備わっており、その中でも一番優れているのが聴覚となっています。
一般的に猫の可聴領域は犬の1.5倍以上、人間の3倍以上あるとも言われています。
私たちには聞き取れないわずかな音でも猫には聞き取ることができ、猫の耳がただのかわいらしい装飾ではないことがよく分かりますよね。
三角形の小さな耳は衛星放送を受信するアンテナのような働きをするため、音の発信源はどこなのか、その方向や距離を測る能力も長けており、左右別々に動かせるだけでなく180度の可動域があるようです。
90cmほど離れた場所からであれば、まばたきよりも短い0.06秒の間に数cm程度の誤差だけで、音の発生源が特定できるとも言われているため、猫の聴力がとんでもなく優れていることが分かります。
また、周波数への可聴領域が20~20,000Hz(ヘルツ)の人間に対し、猫は30~65,000Hzほどの周波数であれば聞き取れるとも言われています。
低い音を聞き取る能力は人間とそこまでの差はありませんが、高い音に関してははるかに聞き取れる幅が広くなるため、このような特徴からも猫は高い音に反応しやすく、高い音を好む傾向が強いとも言われているようです。
◆聴力が優れているそのほかの理由
五感の中で聴力がもっとも優れている猫ではありますが、この感覚が突出していったのには猫の視力が大きく関係しています。
猫はもともと目が悪く、視覚が人間の10分の1程度と言われていて、平均的に0.2程度の視力しか持ち合わせていません。
解像度が低く静止している物はぼやけて見えますが、動体視力が高いため動く物に対しての反応は早く、音と合わせて距離を測れることからも、猫は何不自由なく生活ができるといった仕組みです。
猫がよってくる音はどんな音?
聴力が優れている猫にとって耳に入ってくる音の中には、心地よかったり不快に思ったりなどさまざまな音があるのではと考えられています。
猫は自由気ままな動物ではありますが、聞くだけで強い反応を示し、そのままよってくるといった音も存在しているようです。
もちろん個体差もありますが、猫がよってくる音にはどんなものがあるのかを、TikTokで話題の動画から見てみましょう。
◆猫の鳴き声にも反応して寄ってくる!
猫の鳴き声にはたくさんの種類がありますが、高音となる子猫の鳴き声や自分を探しているような母猫の声には自然と反応しやすく、その音を聞いてよってくることがあるようです。
もちろん高圧的な鳴き声や怒っている声にはよりつきませんが、不安で心配になってしまうような鳴き声が聞こえれば、様子を見に行きたいと思うのは自然な感情なのかもしれません。
◆猫の鳴き声にも似た鈴の音にも反応する猫ちゃんは多い!
高音を聞き取る能力が長けている猫だからこそ、高い音に反応する猫ちゃんはとても多いようです。
短く高い音は猫の興味を引きますし、小動物の鳴き声や虫の羽の音などを連想させますよね。
こちらの猫ちゃんは鈴の音と嬉しいこと(大好きな人に呼ばれる合図・ご飯がもらえるなど)が結びついているかのように、よってくるときの足取りが軽快です。
◆飼い主さんからの合言葉が魔法の音に!
@kinaco0505さんの投稿
音と嬉しいことが結びつくように、人間が発する言葉に対して理解を示し、その結果よってくるといった行動を見せる子もたくさんいます。
飼い主さんの「寝るで」といった言葉は、一緒に眠るための合言葉となり、飼い主さんのお布団までよってくる姿がとてもかわいらしいですよね。
猫ちゃんの中には「ごはん」や「おやつ」といった言葉を覚えている子も多いですし、ドライフードの音だけでなくお皿の音を聞くだけでも、よってくる猫ちゃんは多いようです。
猫の好きな音・嫌いな音
高音に反応しやすく好む傾向の強い猫ではありますが、世の中にはたくさんの音が溢れているため、明確にはどんな音が好きで、どんな音が嫌いなのかにも興味が沸きますよね。
猫がとくに好きな音や嫌いな音には、どんな音があるのでしょうか。
◆好きな音
猫も人間と同様に成長していく中で、経験した物事と音をセットで覚えていきます。
そのため、自分にとって心地よかったことや、「嬉しい」「楽しい」などの気持ちのときに、聞いた音や人の言葉などは、好きな音として認識しているようです。
とくに高くて小さい音となる、猫のおもちゃに付属している鈴の音や獲物(鳥・虫など)となる生物の音には強く興味を示し、狩猟本能をくすぐられて、音を聞くだけでよってくる猫ちゃんはとても多いですよね。
ビニールや紙袋のカサカサとした音も大好きですし、飼い主さんの優しい声だけでなく、足音にも反応してよってくる子も存在しています。
とくに女性の高くて柔らかい声は、男性の低い声よりも安心感を得られやすいことから、女性になつく猫ちゃんも多いようです。
また、猫の鳴き声は人間よりも高い音となるため、本能的に興味を示しやすく敏感に反応して音の方へよっていく傾向が強いと言われています。
◆嫌いな音
嫌いな音も経験してきた記憶とセットになっていることが多く、「こわい」「不安」「つらい」などの気持ちと強く結びついています。
突発的な大きな音は猫自身が意図していないときに聞いてしまえば、その経験がトラウマとなって同じような音を聞くと恐怖心を抱き、不安な気持ちになってしまうことでしょう。
そのため、飼い主さんが大きなくしゃみをしたり、大きな音でドアがしまったりすれば、猫はびっくりして不快な感情を抱くはずです。
地震や雷、台風などで風が強くなったときには、たくさんの大きな音が鳴ることもあり、落ち着いて眠れなくなってしまえば、天災時には恐怖心が芽生えてしまっても仕方ありませんよね。
また、日常的な音では車やバイクの音、飛行機などの音も猫にはわずらわしく聞こえてしまいますし、掃除機などの電化製品の音でも、睡眠を邪魔されれば嫌いな音として認識してしまいます。
ほかには、飼い主さんの怒っている声、飼い主さんがお出かけをする合図となる目覚ましの音、来客者の訪問を意味するインターホンの音などは、聞くだけで嫌いだと感じている可能性も否めません。
猫がよってくる音は多用しないように注意
好きな音と嫌いな音がある程度はっきりしている猫ではありますが、何かしらの音に反応してよってくる場合には、その音を多用してついつい愛猫を呼んでみたくなりますよね。
しかし、愛猫がよってくる音だからといって多用してしまうと、猫ちゃんの負担になってしまうこともあるため注意が必要です。
猫がよってくる音を多用した場合には、以下のような問題が起こる可能性があると考えられています。
◆長く聞かせ続けるとストレスの元に
猫がよってくるからといって同じ音を聞かせ続けてしまうと、最初は好奇心でよってきてくれますが、何度も繰り返すうちに好奇心は薄れていき、その音を聞くだけでストレスが溜まってしまうようになることがあります。
楽しかったり嬉しかったりすることとセットでその音が存在すれば良いですが、飼い主さんが愛猫によってきてほしい一心で音を出しているのであれば、猫にとってプラスな出来事が起きない限り、ただのわずらわしい音に変わってしまっても不思議ではありません。
このような一連の流れが新たな経験として上書きされてしまえば、その音を聞くだけで嫌気が差してしまうことでしょう。
また、その音を飼い主さんが鳴らしていることに気付かれた場合、信頼関係を失う可能性もあるため注意が必要です。
◆必要な時にだけ使用する
猫がよってくる音は多用しなければ、猫との距離が近づく画期的な方法となるため、必要なときだけに使用するように心掛けてください。
猫ちゃん自身が遊んでほしくて飼い主さんを誘ってきたときには、猫がよってくる好きな音を聞かせてあげれば良いですし、何かいたずらをした際には叱るのではなく嫌いな音を聞かせて、経験と音の記憶を覚えさせればいたずらをする回数が減るはずです。
楽しい経験には楽しい音の記憶を、怒られるようなことをしたときには嫌いな音の記憶を結びつけるようにし、猫ちゃんの聴覚に負担をかけないような工夫を、日常的に心掛けておくようにしましょう。
まとめ
猫は聴力がとても優れているため、私たちには聞こえない音までも聞き取りながら生活しています。
そんな音の中でも好きな音と嫌いな音がある程度明確になっており、興味をひかれれば自然とよっていってしまう音が存在しているようです。
もちろん猫がよってくるのは、信頼関係が築けている間柄だけの話ではありますが、猫がよってくる音を実際に試してみたいと考える方は多いことでしょう。
しかし、猫は敏感に音を拾ってしまうからこそ、その分神経を研ぎ澄ませつつ生活しているため、むやみやたらに意図しない音を聞かせれば、負担となってストレスを感じてしまうようになります。
猫がよってくる音があったとしても、すべて経験した記憶がセットとなっているため、日常生活の中では多用しないようにし、必要なときにだけ聞かせるような配慮をしてあげてください。