猫の歩き方の種類や特徴をご紹介!猫が音を立てずに歩ける理由とは

2024.03.31

猫の歩き方の種類や特徴をご紹介!猫が音を立てずに歩ける理由とは

猫の歩き方といえば、四足歩行でしなやかでとても美しく、見ているだけで惚れ惚れしてしまいますよね。 猫の歩き方で特徴的なポイントと言えば、やはり音を立てずに歩けるところではないでしょうか。 猫はなぜ音を立てずに歩くことができるのか、その他猫の歩き方にはどんな特徴があるのかなどをご紹介していきます。

猫の歩き方の基本

細い道を歩く猫

普段から意識していないと分かりにくいかもしれませんが、猫の歩き方は私たち人間とは異なり、とても特徴的な歩き方をしています。

猫と人間は同じ哺乳類といった脊椎動物に分けられますが、哺乳類の歩き方にはさまざまな歩行様式があり、「蹠行性(しょこうせい)」といった足裏を地面につけて歩く人間に対し、猫は指先だけを地面につける「指行性(しこうせい)」といった歩き方をします。

人間でいうところのつま先立ちのような歩き方となるため、いかにバランス感覚や平衡感覚が優れていることが分かりますよね。

◆肉球が猫の足裏ではない!?

猫の肉球が足の裏だと思っている方は多いと思われますが、肉球の正式名称は「蹠球(しょきゅう)」と呼ばれ、猫の指や骨を守るクッション材のような役割を担っています。

ぷにぷにとした感触が気持ち良い猫の肉球は、衝撃を吸収して分散させるクッションのような役割を担っているだけでなく、地面に触れるための感覚器といったセンサーのような働きもしてくれます。

このような特殊な構造から、猫は音を立てずに歩けるようです。

また、肉球には汗腺が集中しているため、汗で湿らせて滑り止めの役割を担ったり、体温調節の手助けをしたり、唾液で湿らせてグルーミング時に汚れをかきとるといった活用方法があります。

◆猫の歩き方の特徴

猫が音を立てずに歩ける理由は、特殊な爪の構造も大きく関係してきます。

猫の爪は腱で繋がっており、リラックス状態となると、腕の筋肉が緩く伸びて爪が持ち上がるようになっています。

爪を出す必要があると感じれば、自然と力が入って爪が出るようになっているため、普段は邪魔になる爪は隠して歩き、攻撃するときや獲物を狩るときには爪を出せるといった仕組みとなっているようです。

このような特徴を持つ猫だからこそ、歩き方も独特となりますが、猫が歩いた後の足跡を見たことはありませんか?

雪などの上を猫が歩いた際についた足跡を見てみると、ほぼ一直線のように均等な足跡が残ります。

犬の場合は左右別々の足がそのまま着地するため、肩幅分に広がった足跡が残って一直線にはなりませんが、猫の場合は前足が着地した場所に後ろ足も着地するため、一直線に近い足跡が残るのです。

また、物を掴めるほど器用に前足を使いこなせる猫は、前足を地面につけた瞬間から安全かどうかを瞬時に把握し、後ろ足を同じ安全地帯へと着地させているため、ドミノのような小さい障害物があったとしても、倒すことなく狭い隙間を縫うようにして歩けます。


猫の歩き方の種類

猫の歩き方はとても特殊であることが分かりましたが、時と場合に応じて歩き方が変わると言われています。

そのような歩き方にはそれぞれ名前がついているため、どのような特徴があるのか見ていきましょう。

◆ウォーク

一番スタンダードでのんびりマイペースといった歩き方となるのが、常歩といった「ウォーク」です。

感情に左右されることのない基本の歩き方となり、最低でも2本の足を地面につけて歩いているため、身体が宙に浮くといった瞬間はありません。

体重の約60%を前足が支えている通り、前進をするときは前足が身体を上に持ち上げ、後ろ足は身体を前に推し進める働きをしています。

◆側対歩

ウォークの中にもいくつか呼び方があり、やや速くなった歩き方を「側対歩(そくたいほ)」と呼びます。

通常のウォークよりも移動がやや速くなりますが、微妙に足を着地させるタイミングが異なってくるようです。

基本的には右の前足と右の後ろ足、左の前足と左の後ろ足が連動した歩き方となります。

◆ペイシング(側対速歩)

ウォークよりも速い歩き方を「ジョギング」と呼びますが、側対歩よりもやや速い小走りのような歩き方で、正確には「ペイシング(側対速歩)」と呼ばれています。

右の前足と左の後ろ足、左の前足と右の後ろ足のように、対角にある足が同じタイミングで地面を離れて同時に着地します。

地面を蹴った際に一瞬身体が宙に浮くため、傍から見ると軽快なステップが明るい気持ちを表現しているように映ることでしょう。

◆トロット(速歩)

ペイシングよりもさらに早い歩き方を「トロット(速歩)」と呼びます。

ペイシングと同様、対角にある足が同時に動く「斜対歩(しゃたいほ)」となりますが、人間でいう軽いジョギング程度に相当するようです。

地面を蹴ったあとに身体が宙に浮くことによって、ペイシングよりも重心移動が少なくなり、疲労を感じにくい歩き方だと言われています。

◆ギャロップ(襲歩)

かなり焦っているときに見せるのが、襲歩と呼ばれる「ギャロップ」です。

歩き方というよりもほぼ走り方となるギャロップは猫の「ランニング」に分類され、足の動きが1周する間に身体が宙に浮く回数が何回かにより、「シングルサスペンション・ギャロップ」と「ダブルサスペンション・ギャロップ」といったランニングに分けられます。

その名の通り身体が宙に浮く回数が1回だけのランニングがシングルサスペンション、回数が2回となるランニングがダブルサスペンションとなります。

左右の前足と後ろ足がそれぞれ連動し、両方の後ろ足が地面を蹴ってから両方の前足で着地する間、または両方の前足で地面を蹴ったあとに再び、両方の後ろ足が地面に着地するまでの一瞬に猫の身体は宙を浮きますが、分かりにくい場合には人が跳び箱を飛ぶときのイメージをしてみると良いでしょう。

◆ステルス歩行

さまざまな歩き方があることが分かりましたが、猫の歩き方の中にはネコ科特有のものも存在しています。

ネコ科特有の歩き方と言われている「ステルス歩行」は、待ち伏せ型の狩猟本能を持つ動物ならではの歩き方となりますが、足を深く曲げて低姿勢になりながら獲物に近づきます。

簡単に言うと「忍び足」といった歩き方となりますが、足音を立てずに徐々に獲物へと近づいていき、獲物が射程圏内に入った瞬間に後ろ足に力が入って跳躍し、一気に襲い掛かるといった仕組みです。

イエネコではおもちゃに狙いを定めてステルス歩行をしている姿をよく見ますが、ジャンプ(跳躍)する前にはお尻をフリフリさせていてとても可愛らしいですよね。

跳躍直前のお尻フリフリといった動作は、単に勢い余って振ってしまう動作ではなく、地面が硬いことを確かめている動作となり、長けた狩猟本能や優れた運動神経を持ち合わせている証拠です。


猫の歩き方がおかしいと感じたら…

さまざまな歩き方を使い分けている猫ではありますが、愛猫の歩き方に違和感を覚えたときには、そのまま様子を見ていいのかも気になるところですよね。

明らかにいつもと様子が違うといった、以下のような歩き方をしている場合には注意が必要となります。

・足を引きずりながら歩いている
・歩いているときに痛がる素振りを見せる
・手足をかばうような歩き方をしている
・歩くスピードが異様に遅い
・ふらふらとした歩き方をする
・家具などの周りのものにぶつかる
・手足を上手に動かせていない
・歩こうとせずずっとじっとしている

これらの異常が愛猫に見られるようでしたら、ケガなどで関節を痛めている可能性があるだけでなく、脳や神経に関係している病気を患っている可能性も否めません。

異常な歩き方をしているということは、少なからず違和感や痛みを伴なっているはずのため、早急に動物病院を受診して原因解明に努めるようにしてあげてください。

◆歩き方に異常が出る際に考えられるケガや病気

猫がおかしな歩き方をする原因の中には、ケガや病気を患っている可能性もあるため、異常を感じた際にはしっかりと原因追及をし、適切な治療を受けさせてあげるべきですよね。

歩き方がおかしくなる原因がケガだった場合は、爪に何かしらの異常(爪が剥がれている、出血、巻き爪など)が出ていたり、ねんざや脱臼、骨折だったりといった原因が考えられます。

病気の場合は椎間板が変形して炎症を起こす椎間板ヘルニア、体温が上昇して起こる熱中症、三半規管に異常を来たす耳の病気(中耳炎・内耳炎など)、視力に異常が出る目の病気(白内障・緑内障など)、肝機能低下によって引き起こる脳の病気などが挙げられます。

このように猫の歩き方に異常がある際にはさまざまな要因があるため、一時的な歩き方として捉えるようなことはせず、早急に動物病院を受診するようにし、愛猫の苦痛を和らげる手助けをしてあげましょう。


まとめ

4本の手足を使って軽快に歩く猫の姿は、どこか誇らしげで可愛らしく、見ているだけで微笑ましくなりますよね。

単純に歩いているだけと思われがちではありますが、猫の歩き方にはさまざまな種類があり、それぞれに名前もついているため、よく観察をしてみると新たな発見などがあるかもしれません。

また、普段から愛猫がどんな歩き方をしているのかを観察しておくことにより、異変があった際にはすぐに気づいてあげられるようにもなります。

上手に歩けていない場合には、ケガや病気を患っている可能性も高いため、異常が見られた際には様子を見るようなことはせず、すぐに動物病院を受診して早めの治療を心掛けておくようにしましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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