猫に水分補給をさせたい!猫が水を飲まない理由や水分補給させるコツを紹介

2024.06.23

猫に水分補給をさせたい!猫が水を飲まない理由や水分補給させるコツを紹介

猫は水分が足りていないと腎臓病になりやすい、尿路結石ができやすいという話をよく耳にするように、猫と暮らす上で「水分補給」は課題の1つと言えます。 猫の体に水はどのくらい必要なのか、あまり水を飲まない猫ちゃんにはどのようなことが出来るのか。 この記事では、猫の水分補給について詳しくご紹介いたします。

猫の水分補給の必要性

自動給水器を使うネコ

私たち人間ほど多くの水分を必要としない猫ですが、まったく水を飲まなくても平気というわけではなく、健康を維持し続けていくためにも、ある程度の水分補給は必要です。

そもそも猫は、なぜあまり水を飲まなくても平気なのでしょうか?

◆猫が水をあまり飲まない理由

猫には水が苦手といったイメージが定着していますが、その理由は猫の起源にあると言われています。

猫の祖先である「リビアヤマネコ」は、雨が少なく乾燥した砂漠地帯で暮らしていたため、砂漠で捕まえた小動物などを捕食した際に、その獲物から得た水分で乾きを癒しながら、生活できるといった身体に発達していきました。

そして体内の少ない水分を効率よく使うことができ、凝縮されたおしっこを出せるため、自ら好んで水分補給するといった習性がありません。

このような特殊な習性が現代を生きるイエネコにも受け継がれているため、飲み水を用意しておいてもあまり水を飲まない子が多いと言われています。

また、雨が少ない独特な環境で生き抜いていたリビアヤマネコの習性を受け継いだ猫は、雨に対する耐性がない上に、皮脂が少なく被毛は水を弾く力が弱いため、水に濡れると乾きも遅く毛先の感覚器官も役に立たなくなり、水に濡れた状態をひどく嫌うようです。

◆猫に水分補給が必要な理由

水自体にさほど興味のない猫となりますが、だからといってまったく水分補給が不要なわけではありません。

水分が不足すると、以下のような状態に陥りやすくなります。

・脱水
・血液が濃くなる
・毛並みが悪くなる
・食欲が落ちる
・身体の動きが鈍くなる

これらのような状態が慢性的に続いてしまえば、どんどん身体を動かすことが億劫となってしまい、毎日の生活が苦しくなっていきます。

水分だけでなくご飯にも興味が出なくなってしまえば、さらに体調は悪くなっていき、さまざまな病気を発症する危険性が出てきますよね。

健康的に身体を動かすためにも、ある程度の水分補給は必要となるため、愛猫が水を飲んでくれるような環境を整えておくことも大切です。


猫の適切な水分摂取量

水を飲む黒猫

猫にもある程度の水分補給が必要なことが分かりましたが、実際にはどれぐらいの水を飲んでもらえば良いのか、気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

猫の身体の60~80%を占める水分ですが、水分補給として必要な水分量は以下の通りです。

◆体重によって適正量が計算できる

1日にどれぐらいの水分補給が必要なのかは、猫の体重によって計算が可能となります。

猫ちゃんの年齢や体調によって多少前後はしますが、一般的には猫の体重1kgに対し50ml前後の飲水量が理想とされており、体重が4kgの猫ちゃんであれば200ml程度の水分補給ができていれば、適切な水分摂取量と言えるでしょう。

もちろん、飲み水だけでなく水分量の多いウェットフードや缶詰などでも、水分補給は可能となるため、あまり水を飲んでいない様子が見られる場合には、食事などで工夫しながら水分補給の手助けをしてあげてください。

◆水分が不足すると起こる問題

猫に水分補給が必要な理由を前述してある通り、十分に水分の摂取ができていないと、猫の身体にさまざまな不調が見られるようになります。

一般的には脱水症状が見られます。
脱水を起こしているかどうかは、被毛や皮膚の状態を確認します。

被毛にツヤがなくパサついているときや、猫の首元の皮膚をつまんですぐに戻らない場合には、脱水状態になっている証拠です。

さらに脱水の状態が酷くなった際には、目がくぼんでしまうようになるため、夏のような暑い季節には、愛猫が脱水状態になっていないかをこまめに確認するようにしましょう。

また、水分が足りない状態が続くことで、以下のような病気を発症しやすくなるため注意が必要です。

・尿路結石
・膀胱炎
・慢性腎不全

飲水量が少ないと凝縮された濃いおしっこが出続けるため、膀胱内に結晶や結石ができやすくなり、血尿が出るだけでなく排泄の際に強烈な痛みを伴うようになってしまいます。

膀胱が炎症を起こせば膀胱炎に繋がる恐れもあるため、尿道の狭いオス猫はとくに注意が必要と言えるでしょう。

また、身体的な特徴として濃いおしっこを出せる猫は、常に腎臓をフル活用して生活をしています。

加齢や水分補給不足によって腎臓に負荷がかかれば、機能が低下していくことによって慢性的な腎不全を引き起こしかねません。

腎臓病は猫にとってもっとも注意が必要な病気となるため、愛猫が日常的に水を飲めるような工夫を心掛けておきましょう。


猫の水分補給のための工夫

蛇口の水に興味を持つ猫

愛猫が日常的に水分補給するためには、どのような工夫が必要になるのか気になる飼い主さんも多いことかと思います。

なかなか水を飲んでくれない猫に対して、どのような水分補給対策が有効となるのでしょうか。

◆清潔で飲みやすい水を用意する

猫は喉の渇きを感じにくい体質ではありますが、飲み水を準備する際には必ず、新鮮で清潔な水を用意するようにしてください。

一度でも口をつければ雑菌が繁殖し鮮度も落ちるため、風味の変わってしまった水をあえて飲まないようになってしまいます。

また、猫は流れている水は新鮮だと本能的に認識しているため、水が流動する自動給水器もおすすめです。

自動給水器は水の鮮度も保たれますし、お仕事などで忙しい飼い主さんには強い味方と言えるでしょう。

ほかにも猫は食器にヒゲが当たることを嫌がる子もいるため、飲み口の広い食器や飲みやすいように高さのある食器台などを用いて、水分補給をしやすい環境を整えてあげましょう。

飲み水の鮮度を保つためには、こまめに水を入れ替えてあげなくてはいけません。

1日の中で数回入れ替えをしてあげることが理想的ではありますが、ご飯を与える際には水も必ず入れ替えてあげるようにして、最低でも1~2回は食器を洗って水の入れ替えを行うようにしてください。

水の入れ替えが難しい場合には、自動給水器を用いるようにし、常に新鮮な飲み水の状態をキープしてあげましょう。

◆水飲み場を複数用意する

愛猫に水分補給を促すためには、水飲み場を室内の一箇所に設けるだけでなく、複数用意しておくと水を飲んでくれるようになります。

たくさん用意しておけばどの水飲み場がお気に入りか分かってきますし、何かのきっかけで水をこぼしてしまったときに、別の水飲み場で水分補給ができるようになるため安心です。

水飲み場を複数用意する際には床に設置するだけでなく、高い場所(ケージの上の段や棚などの高いところなど)にも用意しておくと、高い場所を好む傾向の強い猫は自らその場所に行くため、水を飲む回数が増えることもあるようです。

◆水に味を付ける

飲み水に対して興味を示さない猫ちゃんには、水に添加できるタイプのフレーバーや猫用ミルクを与えてみるのも良いでしょう。

鼻の利く猫はわずかなニオイも嗅ぎ分けられるため、無味無臭な水に香りと味が付けば、興味を示してくれる可能性は高くなりますよね。

また、水道水に興味を示さない猫ちゃんの中には、ろ過された水や一度沸騰させた水道水であれば飲む子も居ます。

愛猫の好みや傾向をしっかりと見極めて、水分補給を促すようにしていきましょう。

◆ウェットフードを与える

愛猫が水を飲んでくれない場合には、躍起になって水を飲ませようとするのではなく、ウェットフードなどを用いて水分補給をさせてあげてもOKです。

嗜好性が高く水分量の多いウェットフードは、商品によって多少は異なりますが水分含有量が70%前後あると言われています。

美味しく食べて水分補給ができるのであれば、猫ちゃんもきっと喜んでくれるはずですよね。

主食として与える際には、必ず総合栄養食と記載されているウェットフードを選ぶようにし、猫ちゃんの年齢や体重に合わせて必要量を与えるようにしてください。

ほかにも、猫用のスープやゼリーなども販売されているため、猫ちゃんの嗜好や好みに合わせて選んでみても良いでしょう。

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まとめ

猫はあまり水を飲まない動物ではありますが、身体を正常に機能させるためにも、水分補給を欠かすことはできません。

水を飲まなくても平気というわけではないため、飼い主さんは愛猫にどのようにして水分補給をしてもらうかが重要と言えますよね。

上手に水分補給をしてもらうためにも、常に新鮮な水を用意するようにし、飲みやすい食器や水飲み場を複数設けるなどをして、猫ちゃんが水を飲みたくなるような環境を整えてあげてください。

環境を整えても水を飲んでくれないときには、食事などで水分を摂取できるような工夫をし、愛猫の水分補給を手助けしていきましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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