猫のしっぽが太い?ボワッと膨らむのは「猫のサイン」

2024.01.13

猫のしっぽが太い?ボワッと膨らむのは「猫のサイン」

猫のしっぽが、ボワッとまるでタヌキのように膨らむことがありますよね。そんなときの猫は、何かに驚いていたり怒っていたりと、ネガティブな気持ちになっているイメージがあります。ですが実際はネガティブな気持ちのときだけではないんです。今回は、しっぽが太くなる仕組みや理由、対処法やしっぽが太い猫種などについて詳しくご紹介します。

猫のしっぽの仕組み

くつろいでいるしっぽが太い茶色猫

◆しっぽが太くなる仕組み

まずは猫のしっぽの仕組みについてご紹介します。

しっぽが膨らんだとき、太くなって見えるのはしっぽの毛が逆立つためです。
立毛筋というという筋肉があり、この筋肉はその名の通り毛を立たせたり、毛穴の皮脂を外に押し出したりします。

猫は自分の意志でしっぽを膨らませているわけではありません。
立毛筋が収縮することで、反射的に毛が逆立った状態になりしっぽが太くなったように見えているのです。

◆しっぽの役割

しっぽにはさまざまな役割があります。
ここでは代表的なものを4つご紹介します。

・体のバランスをとる
猫は高い塀や、幅の狭い不安定なところを歩くのが上手ですが、このときしっぽを使ってバランスを保っています。

・マーキング
しっぽのつけ根には臭腺があります。
これを家の壁や柱などにこすりつけて、マーキングをします。

・感情表現
猫はしっぽの様子でさまざまな感情を伝えています。
うれしいときや怒っているときなど気分によってしっぽの動きが変化します。

・防寒
眠っている猫が、丸くなってしっぽを体にはわせていることがあります。
しっぽをマフラーのように使うことで体を保温しています。


猫のしっぽが太い理由7選

茶色い猫

猫のしっぽが太くなるのには、さまざまな理由があります。
威嚇しているときや驚いたときなど、何か不安を感じているときのイメージがありますが、決してネガティブなときだけではありません。

しっぽが太くなっているときの猫の気持ちを7つご紹介します。

◆威嚇している

威嚇しているときや怒っているときなどに、しっぽが太くなることがあります。

猫は縄張り意識が強いので、縄張りに侵入されたと判断したら、しっぽを膨らませて高く上げて相手に「出ていけ!」と威嚇行動をとることがあります。

威嚇行動としては他にも、しっぽだけでなく全身の毛を逆立て、背中を高くする姿勢をとることで自分を大きく見せたり、「シャーッ」「ウーッ」などの鳴き声を出したりすることもあります。

このような状態のとき、落ち着かせようと思って触ると、猫が飼い主を攻撃してしまうこともあります。
落ち着くまで近づかず、そっと見守ってあげましょう。

◆興奮している

興奮しているときにもしっぽが太くなることがあります。
これは子猫や若い猫に多く見られます。

おもちゃで遊んでいるとき、目がギラギラして体を丸めて興奮状態になり、このときにしっぽが太くなることがあります。

簡単に言うと、テンションMAXの状態ですね。
好奇心旺盛な猫ちゃんだと、遊んでいるとすぐにしっぽが太くなる、ということがあるようです。

この状態のときは、おもちゃに夢中になりすぎて、まわりが見えておらず家具などにぶつかってしまうこともあるので気をつけてあげましょう。

楽しくて興奮しているだけで怖がっているわけではないので、このまま遊んであげてくださいね。

◆驚いている

突然の大きな音など、驚いたときに猫のしっぽが太くなることがあります。
人間がびっくりして「ビクッ!」となるのと同じですね。

物を落としてしまった瞬間、猫がびっくりしてしっぽを膨らませて逃げる、なんて光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

知らない人の匂いや別の動物の匂いを嗅いだときにも、知らない匂いに驚いてしっぽが膨らむことがあるようです。

◆警戒している

自分のくつろぎスペースに見知らぬものがあったり、知らない匂いがついていたりなど、縄張りの中に理解できないものがあると、猫は警戒してしっぽが太くなることがあります。

猫は神経質で警戒心が強いので、未知のものには敏感です。
最初は警戒しますが、危険がないと判断し安心できると落ち着きます。

◆怖がっている

猫は怖がっているときも、しっぽを膨らませることがあります。

怖がっているときは、太くなったしっぽを後ろ足の間に巻き込みます。

また、猫は怖がりながら威嚇することも。
「弱く見られるのは危険」だという野生的な本能から、自分を強く見せるためにこのような行動をとることがあります。

◆拒否している

「イヤだ!」と拒否を示すときにも、しっぽを膨らませることがあります。
お風呂や動物病院など、苦手な場所に連れて行こうとしたときに、しっぽが太くなったら拒否反応かもしれません。

過去に「嫌な思いをした」という記憶を思い出して、拒否する気持ちを伝えています。

かわいそうですが、愛猫の健康のためには動物病院に連れて行かなければならないこともありますよね。
終わったあとは、ごほうびのおやつをあげて褒めてあげるなど「うれしい記憶」も一緒に覚えてもらえるといいですね。

◆もともと太い

猫の種類によっては、しっぽが太いタイプが存在します。
太いと言ってもしっぽ自体が太いわけではなく、しっぽの毛が他の猫種に比べて長かったり多かったりすることで、しっぽが太く見えています。

しっぽが太い猫種については、別途詳しくご紹介します。


しっぽの太い猫種は?

メインクーン

体の大きさや色や柄がさまざまあるように、しっぽも短い長い太い細いと、さまざまな種類があります。
ここではしっぽの太い猫種についてご紹介します。

◆メインクーン

豊かで長い被毛はゴージャスで、特にしっぽは幅も広く、多くの被毛におおわれています。

アメリカ生まれの猫種で、昔はネズミ退治をするためのワーキングキャットでした。
人とともに生きてきたので、飼い主に忠実で懐きやすい性格をしています。

大きい猫種として有名なメインクーンは、「世界一長い猫」としてギネスブックに登録されています。

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◆ソマリ

イギリス生まれのソマリは、アビシニアンの長毛種です。しっぽは体よりも長い被毛でおおわれておりフサフサです。
鳴き声がきれいなことで有名で、性格は知的で飼い主に懐きやすく、「犬のような猫」とも言われています。

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◆ヒマラヤン

シャムとペルシャを交配させて生まれた猫種です。
のんびりとした性格で、運動量が少ないため太りやすい傾向があります。

毛色はポインテッドのみで、きれいなブルーの瞳が印象的です。

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◆ノルウェージャンフォレストキャット

名前の通りノルウェー生まれの猫種です。
北欧の寒い地域の猫種ということもあり、天然の防寒着のようなもふもふの被毛を持っていて、しっぽも長くてふさふさです。

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◆しっぽの細い猫種

しっぽが細いと言われる猫種としては

・アビシニアン
・シャム
・シンガプーラ
・ベンガル
・オリエンタルショートヘア

などがあげられます。


猫のしっぽが太い場合の対応

猫のしっぽが太くなるのには、さまざまな理由があるとわかりました。
愛猫のしっぽが太くなっているのに気づいたとき、飼い主はどうしてあげたらよいのかについてご紹介します。

◆むやみに触らない

しっぽが太くなっているとき、警戒や興奮など理由はさまざまですが、気持ちは不安定な状態です。

不安定な状態の愛猫を見たら、心配で思わず抱きしめたくなってしまいますね。
ですが、猫はいつもより過敏になっているため、触ろうとすると大好きな飼い主さんでも攻撃をしてくる可能性があります。

しっぽが太くなっているな、と気づいたらまずはむやみに近づかず、猫ちゃんの怒りや興奮が収まるまでそっと様子を見てあげましょう。
もし原因がわかって取り除けるようであれば、対応してあげます。
そのあと飼い主さんはいつも通り、何ごともなかったようにふるまうことが猫ちゃんの安心感につながります。

◆驚かさない

しっぽが太くなっているときは、いつも以上に敏感になっています。
大きな音などにはいつも以上にびっくりしてしまう可能性があるので、猫が自然に落ち着くまではできるだけ驚かさないよう気をつけてあげましょう。

もし、膨らんだしっぽが垂れ下がって、背中の毛が逆立っているときは攻撃的な威嚇のサインです。
落ち着くまでは、こちらから近づかないようにしましょう。

もし猫が何かにはさまってしまっていたりヒモに絡まっていたりなど、危険な状態の場合はすぐに対処してあげましょう。
その際、猫が暴れて飼い主さんがケガをしてしまう危険があるので、可能な場合はバスタオルに包んであげるなど、できるだけ暴れない方法で対応してください。

多頭飼いで、猫同士がしっぽを膨らませて威嚇し合うことがあったら、まずは無理に止めずに様子をみましょう。
ケガをしてしまいそうなケンカであれば、猫たちの視界をさえぎるなどで、意識をお互いからそらし、止めてあげましょう。


まとめ

猫のしっぽが太くなる理由や仕組み、しっぽの太い猫種や飼い主さんの対応方法についてご紹介しました。

猫のしっぽにはさまざまな役割があり、そのひとつが感情表現です。
太くなっているかどうかだけでなく、機嫌が悪いときは大きくパタパタとふったり、うれしいときや甘えるときにしっぽをピーンと立てたりなど、しっぽの様子だけでもさまざまな感情を伝えてくれていますね。

しっぽが太くなっているときの理由はさまざまですが、少なくともリラックスできていない状態です。
そんなとき飼い主さんは、慌てず落ち着くまで見守ってあげることが大切ですね。



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