肥満細胞腫とは…

2016.01.06

肥満細胞腫とは…

「肥満細胞」といっても肥満とは全く、関係がない病気です。 実は「腫瘍」です。聞きなれませんが、わんちゃん、ねこちゃんにはなりやすい「腫瘍」の病気の1つなんです。 では、どんな病気なのでしょうか?

「肥満細胞腫」はわんちゃんでは、皮膚に出来る腫瘍の中で1番なりやすく、猫では2番目に多くみられます。特に、わんちゃんは、悪性傾向にあります。
「肥満細胞腫」のできやすい年齢は、平均8~9歳で雄雌に差はありません。
発生リスクの高い犬種は下記になります。

ボクサー、ブルテリア、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、ビーグルなど

このわんちゃん達に多いとは言われていますが、パグにも経験上多いように感じます。
皮膚に腫瘍が出来る事が多く、まれに、口や内臓にも起こります。
この腫瘍の問題点はほとんどが悪性腫瘍。いわゆる癌です。
転移することもありますし、増殖が急速で、腫瘍の周りに炎症が起こり、赤みが強く、潰瘍化する傾向にあります。



肥満細胞腫

この腫瘍の特徴として、過剰に触ると肥満細胞の中にあるヒスタミン等の物質が放出されます。腫瘍のまわりが赤くじんましんのように膨れてきます。ヒスタミン物質が、血液中に多く流れるようになると、全身への影響として、胃・十二指腸潰瘍等による嘔吐、下痢、また血液凝固障害などの症状が現れるようになります。
この状態になると、非常に注意が必要です。

早期発見、早期治療を心がけたいことは、言うまでもありません。
皮膚にできものを見つけたら、すぐに動物病院に行ってください

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Dr.佐藤 貴紀

Dr.佐藤 貴紀

幼い頃から大の動物好きで、獣医を志す。 麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。 また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。 2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。 2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。 専門は「循環器」。全国に約60人しかいない(2013年5月現在)「日本獣医循環器学会認定医」の一人。 専門外来を特徴とし、確定診断にもこだわり、かかりつけ医を推進している。 誠実でやさしい人柄と確かな技術に惹かれて、全国の飼い主さんから相談が絶えず寄せられている。


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