犬のフィラリア予防薬の期間はいつなの?症状や予防薬も解説

2021.04.09

犬のフィラリア予防薬の期間はいつなの?症状や予防薬も解説

犬フィラリア症とは、蚊に刺されることで感染する、死に至る恐れもある怖い感染症です。犬を飼っている人ならば、ほとんどの方がご存じのフィラリア症。愛犬の健康のために、毎年決まった時期にフィラリア予防薬を飲ませているかと思います。さて、フィラリア症はいつからいつまで予防すればよいか、再確認してみましょう。

【掲載:2016.11.24  更新:2021.04.09】

フィラリア症とは?

犬フィラリア症の原因となる蚊

犬にはフィラリア症という病気が多く発症します。フィラリアとは寄生虫の一種で、中でも犬に寄生するのは犬糸条虫というもので蚊などを媒介に犬に感染していきます。

媒介するのはトウゴウヤブカ、コガタアカイエカ、ヒトスジシマカなどの蚊です。それらの蚊がミクロフィラリアというフィラリアの幼虫を体内に含んで犬を刺すことで感染します。
成長したフィラリアは体長12センチから13センチの細長い虫で、犬の体内で交尾をし、ミクロフィラリアという幼虫を犬の血液中に生むのですが、この幼虫は犬の血液中では成長をすることができずに蚊に吸引してもらうことを待ちながら血液中を巡ります。

そして蚊に吸われたミクロフィラリアは蚊の体内で2回脱皮して成長し、その蚊が犬を刺すことでできた傷口から犬の体内に侵入し、犬の皮下組織や筋肉の中で成長していきます。

約2、3ヶ月かけて心臓の右心室経由で心臓や肺動脈に寄生し、さらに3、4ヶ月かけて成虫になります。成虫になったフィラリアの寿命は5、6年といわれています。


>フィラリア症の症状は?

フィラリア症

犬はフィラリアに寄生されると血液の循環が悪くなるため様々な症状がでてきて、放置すれば死に至ります。フィラリア症には急性と慢性があります。

急性の場合は赤い尿、呼吸困難、黄疸などの症状が出て一刻も早い治療を要します。
急性の場合の治療としては外科手術でフィラリア虫を出します。

慢性の症状としては元気がない、咳が出る、散歩を嫌がる、食欲減退、水を多量に欲しがるなどです。
しかし慢性のフィラリア症の症状は初めはわかりにくいので見過ごしてしまいがちですが、元気がないことが続くようなら少しでも早めに獣医に見せるようにします。
慢性の場合の治療法としては駆虫薬で虫を除去しますが、心臓内で死んだフィラリアが血管内で詰まる可能性もあるので投薬後1カ月くらいはあまり散歩を多くしないで安静にすることが大切です。

このように犬がフィラリア症にかかると苦しい経験をさせてしまうことになります。そして蚊を媒介として他の犬にも感染させてしまうことになります。
そのために薬があり、きちんと投薬をすれば予防できる病気です。
犬を飼えばその予防薬を投薬させることも、狂犬病の注射をするのと同じように飼い主の務めとなります。だから飼い主がその勤めを果たしていなければ犬がフィラリア症にかかる可能性が高くなります。


フィラリア症予防薬について知ろう

フィラリア予防薬

さて予防薬はいろいろな種類があり、獣医で処方をしてもらうことになります。
犬の体重によって薬の量が変わってくるので、きちんと獣医のもとで体重を測ってもらい、その時の体重に応じた薬を処方してもらうことになります。

インターネットなどでもフィラリアの薬を購入できないわけではありませんが、本来薬事法によって「要指示医薬品」にしていされている為、獣医師の診察を受けないまま購入することはできません。
そして犬の体重に遭った薬があることなどをよく理解せずに購入すると、せっかく飲ませた薬も犬の体重に見合っていなくてあまり効果がなく、薬を飲ませたのにフィラリアにかかってしまったという可能性もあるのです。

なので、きちんと獣医師のもとで処方をしてもらうことが大切です。

そして何よりフィラリアがすでに体内に存在していないかの事前検査が必要なのです。
もし、すでにフィラリアが寄生していてそれがミクロフィラリアをたくさん生んでいる場合に、それを知らずに駆除薬を飲ませてしまうと、一気に大量のミクロフィラリアが駆除されアナフィラキシーショックを起こし犬が死んでしまうことがあるのです。
初期症状が分かりにくい病気だからこそこのような事前検査は必ず受ける必要があるのです。

このような知識もなく、感染していないだろうという思う込みで検査もせずに薬を飲ませて犬がショック死をしてしまったら、それこそ飼い主の責任です。
そのため、きちんと病院に行って検査をしてもらってから薬を処方してもらうことが大事なのです。

またフィラリアの薬の中に含まれる「イベルメクチン」という成分はコリーやオーストラリアンシェパード、オールドイングリッシュシープドッグなど特定の犬種には過剰に反応して、服用後数時間から2日の間に倦怠感やよだれ、または重篤な副作用が起こることもあるので、獣医師による処方が必ず必要になります。


蚊が活動する期間=フィラリア予防の期間!

犬のフィラリア症予防のために血液検査

その事前検査でもし体内にフィラリアがいれば、駆除薬を用いるなど獣医による適切な治療が行われ、いなければ予防のための薬を服用させます。

予防薬は1カ月に1回の割合で服用させますが、現在は犬が好きな肉味のドッグフードのような薬があるので、多くの犬が嫌がらずに服用することができるように工夫されています。

一年のうちいつからいつまでフィラリア感染の可能性があるのかというと、蚊が活動する期間はいつでも感染する可能性があるということになります。
蚊は15度以上であれば活動します。地域によって気候が異なりますが、4月初めから11月末ごろまで蚊は活動する時期になります。
そして予防薬は感染開始後1カ月くらいから服用するのが望ましいので5月ごろから服用します。

毎年獣医に行ってきちんとフィラリアの予防薬を処方してもらっていれば、多くの病院から投薬開始の案内が送られてきます。
その案内時期に従って病院に連れていき、血液検査を受けてフィラリアがいないことを確認したうえで予防薬を処方してもらいます。

薬は毎月きちんと一回づつ飲ませなければ意味がなく一回でも忘れたらその間に感染する可能性もあり危険です。
そのために薬を飲むタイミングを忘れないためにシールがついていたり、病院から投薬時期を示すメールを送ってもらえるなど色々なサービスがされています。


予防はいつまで?

フィラリア症の予防はいつまで?

そしていつまで投薬を続ければよいのかというと、蚊がいなくなって最終的に感染したとしてその1か月後までです。
11月末ごろまで蚊が活動するので12月までは服用する必要があります。

つまり5月から12月まで毎月1回づつの服用が必要ということになります。

さらに、飼い主が気を付けなければならないことは、できるだけ蚊を寄せ付けないことです。
夏の間は多くの家庭で蚊に対しての対処をしますが、いつまでも続けてはいなくて秋になってくるとかがいることは忘れてしまいがちです。

しかし蚊もあまり暑いころよりも少々涼しくなってきた時の方が動きやすくなるので、結構寒さを感じるようになるころまで活動をしています。そのため夏だけでなくいつまでも、蚊対策が必要になってきます。

犬を飼うと毎年、狂犬病と混合ワクチンの接種、そして12カ月のうちの8カ月間のフィラリア予防薬の投与は必須です。
フィラリアは8個の薬が必要ですが、一度にもらうこともできるので必ずしも毎月病院に連れていかなくてはならないということもありません。


まとめ

フィラリア症を予防して愛犬といつまでも元気に過ごそう

飼い主によっては費用が掛かったり、病院に連れていく時間がないとかでこれらのことを怠っている場合もあります。
また室内外なので蚊には刺されないから大丈夫ということで予防をせずにいる場合も少なくはありません。

もちろん室内よりも屋外の方が蚊はたくさんいてそんな中で飼われている犬は蚊にも刺されやすいのですが、蚊は家の中にも入ってくることは十分あり得て、感染しないとは限りません。

結局病気になってつらくて苦しい思いをするのは犬で、そして飼い主もつらい思いをしなければならないので、予防できることは飼い主が責任をもって予防をすることが大切です。
そして愛犬といつまでも元気に過ごせられるようにしたいものです。



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