股関節形成不全
ラブラドール・レトリーバーが患いやすい遺伝性の病気としてまず「股関節形成不全」というものがあります。これは股の部分の関節に異常が生じて脚を引きずったり、ふらふらになったりと、歩行姿勢に異変が起きる他進行するとお座りも満足にできなくなるという病気です。
この症状は子犬の時には分りづらいですが、成長するに従って飼い主の目からもだんだんわかるようになります。
一歳くらいになるとはっきりとこの症状が確認できるようになります。
痛そうにするので見た目もかわいそうですが、早めに対処する事で軽減できる病気なので動物病院に行きましょう。
運動誘発性虚脱
これはラブラドール・レトリーバーが運動をすると激しい虚脱(倒れこんだり、筋肉硬直したりする事)状態に陥る疾患です。時には発熱を伴う事があります。遺伝性によるものという事は判明していますが残念な事に、現在の獣医学では治療法が確立していません。3歳くらいまでのラブラドール・レトリーバーに見られ、この病気を知らない飼い主は愛犬がいきなり倒れこんだり、痙攣したりするのに驚くと言われています。時間が経つとまた普段通りに戻りますが、慢性化すると死亡する恐れがあるので注意が必要です。
進行性網膜萎縮
ラブラドール・レトリーバーは、遺伝性の眼の疾患も患いがちです。特に「進行性網膜萎縮」という病気はどんどん視力を奪っていく進行性の疾患です。最初は飼い主も気づきにくいのですが、進行すると暗いところでの反応が鈍くなったり、モノや壁にぶつかるようになったり、夕方や夜間時の散歩も嫌がるようになります。これらは健康な犬なら見せない反応で、ここで初めて異常に気づきます。
ついには電気の下や昼間でもモノが見えなくなり、動きが鈍くなってきます。そして最後は残念ながら失明してしまうという恐ろしい病気です。
ただ、この病気の発症には個体差があり、若年で失明してしまうケースもあれば、高齢でも比較的良好なパターンもあり、飼い主としては常に気にかけておかないといけない病気でもあります。また、これと併発しやすいのが「白内障」。白内障は眼球が白く濁ってくるので、飼い主としても気づきやすいです。これも、失明の原因になりますが、残念ながら治療は比較的難しいものなのです。
悪性腫瘍
高齢のラブラドール・レトリーバーに好発しやすいのが「悪性腫瘍」。残念ながらこれも遺伝的要素が強いのが特徴です。特に悪性リンパ腫や皮膚がんが多いです。進行すると食欲不振や体重の減少が見られ、だんだんと弱まっていきます。特に悪性リンパ腫は喉元などに腫瘍が発生する可能性があるので、他の疾患との区別がつきます。いずれにしても、月単位で進行して急速に死に至りますので、早急な治療が必要です。
胃捻転
ラブラドール・レトリーバーは胃や腸にも疾患を抱えやすいと言われています。特に遺伝的に胃捻転という胃がよじれてしまうという疾患にかかりやすく、これは胃がねじれて食べたものが胃に留まってしまうという危険な状態になり、吐き出したり、弱ってくるという病気です。
放っておくと他の臓器もねじれたり、ねじれた事により静脈が圧迫されて内臓に血が行き渡らなくなり死に至るケースもあるので、早急な外科的な措置が必要なのです。
食事の時に少しでも異変に気づいたら、この疾患を疑ってください。
まとめ
このようにラブラドール・レトリーバーはかかりやすい遺伝的疾患というものをいくつか抱え込んでいます。人気の犬種である故、飼い主の多くの人が気にかけておくべき事なのです。もちろん遺伝的な部分によらない疾患もいくつもあるので、そういうものも含めて是非知っておいてください。
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