犬の観光大使はなぜ生まれたのか?
なぜ犬の観光大使か誕生したのでしょうか??そもそも「まる」は埼玉在住の犬で、三重県とは何の関係もありません。それに三重県にはすでに芸能人や有名人の観光大使がいます。たとえば、元ビーチバレー選手の浅尾美和、レスリングの吉田沙保里、俳優の小倉久寛、タレントの萩本欽一、歌手のあべ静江と、多数の有名人が名を連ねています。その人たちではなく、犬の「まる」が選ばれた理由は何でしょうか。
その理由は、2016年5月に行われる「伊勢志摩サミット」にありました。
三重という地域は愛知県の隣県でありながら、観光アピールがあまり上手でなく、名古屋、大阪、京都という周囲の人気観光スポットに比べると 地味なイメージしかありません。江戸時代はお伊勢参りが盛んで多くの参拝客が訪れましたが、現代では京都・奈良には遠く及びません。若い人にも伊勢神宮にお参りという風潮はないようです。そこでサミットを機会に何とか三重県を盛り上げたい、そう考えていた県の関係者の目に留まったのが「まる」だったのです。
まるの人気のきっかけはSNS
その当時の「まる」は、写真や動画を投稿する「Instagram」というSNSですでに人気者になっていました。飼い主の小野慎二郎氏が、2011年3月に東日本大震災が発生した際、災害に遭った人々の不安解消や心の癒しを目的に、「まる」の写真を毎日3枚投稿し、その後も3年間継続した結果、何とフォロワー数が210万人を超えたのです。それもフォロワー数の90%が海外の人たちでした。KADOKAWAから発刊された「柴犬まる」という写真集は、台湾、中国、香港、韓国でも翻訳販売されて大人気になり、文字通り海外でも愛される存在になっていたのです。
投稿された写真では、お花見、田園、お祭りなど、日本ならではの懐かしい情景の中に溶け込む「まる」の可愛らしい姿が海外の人々を魅了し、「ぜひとも日本に行ってみたい」という外国人の声が多く寄せられ、日本の叙情的な美しい風景と相俟って、絶賛を博しました。もちろん日本国内でも大人気で、日本ユーザーのフォロワー数もトップ5にランクされるほどでした。テレビや雑誌などのメディアにも多数出演していました。
では岐阜出身、埼玉在住の「まる」にどうして三重県の関係者が白羽の矢を立てたのでしょう?
出身地が違うのに選ばれた理由
三重県には伊勢神宮をはじめ、忍者や真珠、新鮮な海の幸など観光資源が数多くあります。また伊勢神宮の参拝を犬に託した「おかげ犬」や「紀州犬の発祥の地」、「忍者犬」など、犬との関わりも深いといいます。そこで「Instagram」で四季折々の日本の風景を海外に発信し、日本の文化・歴史を紹介してしてきた「まる」こそ、三重県の観光大使に相応しいと判断されたのでした。
ちなみに「おかげ犬」というのは、江戸時代に行われていた「お陰参り」から来ている言葉とされています。江戸庶民にとってお伊勢参りは一生に一度の夢でした。しかし、中には病気や金銭的事情によって、どうしても伊勢神宮に参拝できない人も多くいました。そこで「代参」といって参拝できない人に代わってお参りに行ってもらう風習ができました。通常は長屋の大家に依頼しましたが、この「代参」を犬に託したこともあって、それが大変流行ったそうです。それ以降、犬が「代参」するので「おかげ犬」と言われようになったそうです。
まるのもたらした影響
動物の癒し効果は抜群で、東日本大震災の被害に遭った人たちに大きな癒しを与えた「まる」は、それ以降メディア出演に大忙しです。さらに三重県の観光大使に任じられ、ますます売れっ子になっているようです。三重県では、今年の5月26日、27日の2日間にわたって開催される伊勢志摩サミットに向けての取り組みが本格化しています。もしかしたら「まる」くんの可愛い姿が海外のメディアの目に留まり、欧米でも紹介される日が来るかもしれません。
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