わんちゃんにも子宮内膜炎と子宮蓄膿症があるって本当?

2016.03.09

わんちゃんにも子宮内膜炎と子宮蓄膿症があるって本当?

雌のワンちゃんの生殖器も人間と同じように、卵巣、子宮、膣があります。生殖器の病気も子宮内膜の炎症から、子宮に膿が貯まる子宮蓄膿症や、子宮に腫瘍ができてしまう病気など命にかかわる病気もあります。ここでは、犬の生殖器の病気の中でも避妊手術によって未然に防ぐことが出来る子宮蓄膿症についてお話します。可愛いワンコが子宮の病気にならないように気をつけましょう。

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犬の子宮の病気

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雌犬の子宮は発情がおさまっている時期は、子宮口が閉じており外から何が入ってきても門前払いをしてしまいます。ところが、発情前期から発情期にかけては、受精しやすくする為に子宮頸管の一部が開きます。子宮頸管は子宮と膣をつなぐ管です。この管の一部が開くと膣にいた病原菌が管を通って子宮内膜に取り付いて繁殖をしてしまいます。これにより「子宮内膜炎」になってしまいます。症状は膣からおりものがおりたり、不正出血があったり、腹部に痛みを感じたりします。この子宮内膜炎が進行すると、「子宮蓄膿症」になってしまいます。この病気は子宮内に膿が貯まる病気です。中高齢の犬に多く、発情後2~3カ月以内で発症することが一般的です。赤ちゃんを産んだことがない犬、または長く赤ちゃんを産んでいない犬に多い病気です。元気がない、食欲がない、お水をいつもより沢山飲み、おしっこの量も多いという症状がみられます。この段階で病院に行き、治療を受けられると命にかかわることもなくよいのですが、症状がすすむと、子宮に膿が貯まりお腹が膨れます。貯まった膿は膣から流れ出てきます。

膿が膣から少しでも出ていれば子宮蓄膿症を疑い、早く病院に行きましょう。このように貯まった膿が膣から流れ出れば病気に気付くことができるのですが、膿が膣から流れ出ない場合があり、病気に気付くことが出来ない場合があります。そうなると子宮が破けてしまう危険があり死に至ってしまいます。死にいたらない前に早めの受診が肝要になります。かくいう私の愛犬も昨年子宮蓄膿症になってしまいました。年令8才、1.2kgのロングコートチワワです。最初はいつもより元気がないなと思っていましたが、どんどん食欲がなくなり、お水ばかり飲み、膣から茶褐色の液体が少しづつ漏れていました。お腹をさわると、下腹が固くパンパンになっており病院へ行きました。エコー検査、血液検査の結果子宮蓄膿症と診断されて即入院し、手術を受け子宮を切除しました。取り出された子宮は膿が貯まりソーセージのようになっていました。入院時の血液検査の結果ALPの値が高く肝臓に異常がある可能性がありましたが、退院後再検査をするとALPの値は正常値になっていました。ALPの値が高いと肝臓に腫瘍があったり炎症があったりしますが、獣医さんの説明により肝臓に炎症があったようでした。

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子宮蓄膿症を患うと、腎不全になったり腹膜炎を起こしたりする危険性がありますが、肝臓にも危険が及ぶと知りました。退院後は回復が早く今は元気に走り回っています。子宮の病気を避けるには避妊手術で卵巣と子宮を摘出することが良いといわれています。愛犬は1,2kgしかなく全身麻酔も開腹手術も抵抗があり避妊手術は受けていませんでしたが、蓋を開けてみれば全身麻酔も手術も無事に終わりました。子宮蓄膿症になり、手術を受けることになって、赤ちゃんを望まないなら早い段階で避妊手術を受けておくべきだったと思いました。一つ間違えば命にかかわる病気だからです。避妊手術を受ける時期はヒートが終わり、無発情期になってからがよいようです。ヒート中は血管が太くなるので手術を避けるためです。避妊手術を受ける時はよくワンちゃんの様子を見て、獣医さんと適切な時期を相談することが大切です。

ちなみに雄犬の去勢手術は、健康な犬ならいつでもOKです。避妊手術によるメリットは、ここに記したような生殖器の病気をふせぐことが出来ることと、「乳腺腫瘍」の発症率を下げることが出来ること。望まない妊娠が避けられること。発情のストレスがなくなること等です。デメリットは繁殖できなくなること。子宮摘出により、ホルモンのバランスがくずれ太りやすくなること等です。愛犬は食が細かったのですが、手術後よく食べるようになりました。


最後に

すぐに太るので体重管理が必要だと思います。よかったことは、発情のストレスがなくなったためか、性格がおおらかになり元気になったように感じます。ワンちゃんをむかえる時には、ぜひ犬特有の生殖器の病気について知り、避妊手術について考えることが大切ですね。

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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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