ワンちゃんのしつけは飼い主次第!?ワンちゃんに見習われる飼い主になろう

『飼い主』という存在の大きさ

条件や状況にかかわらず、ワンちゃんは自分を迎え入れてくれた飼い主・家族が世界のすべてになります。お散歩等で他の犬や飼い主さんたちと触れ合うことで外の世界を覚えていきますが、ワンちゃんにとっては私たち家族が世界そのもの。ごはんも、おもちゃも、お散歩も、飼い主から与えられ許可されるものです。ですから、私たちは飼い主であるということだけで、既にワンちゃんに信頼されていると思うのです。私たちが彼らを大切に思うのと同じ感覚で。

あなたの好み＝ワンちゃんの好み？

「ネットで動画を見てたら、犬がぬいぐるみと一緒に寝てて、すごく可愛かった。小さい頃からずっと一緒なんだって。そういうのいいな～と思って、うちの子にも可愛いぬいぐるみを買ってきてあげたの。で、『あなたのお友達だよ』って渡したんだけど、全然興味を示してくれなかった。ちょっとショック。一緒に寝てほしかったのに…」
こんな経験、ありませんか？　ワンちゃんは悪くないけど、残念な気持ちになってしまいますね。しかし、これは飼い主の都合、飼い主の勝手な期待です。
ワンちゃんも人間と同じように、一匹一匹性質・性格が違います。好みも嫌なこともみんなそれぞれなので、飼い主と同じものを好きにならないことだって当然あるわけです。ですから、ワンちゃんの喜ぶ顔が見たくて、ワンちゃんのためを思って、買ってきた物を与え、期待通りの態度を取ってくれなくても、ガッカリしないでください。その子はそういう好みではないだけです。それを知ってください。

『無駄吠え』と名付けたのは人間

問題行動の観点から見てみましょう。うちの子（ポメラニアン♂・12歳）は結構吠えます。でも無駄吠えだとは思いません。「話している」と思っているので、よく喋る子という認識でいます。喋る（吠える）のは理由（大体、何かを見た、あるいは聞いた）があり、それを飼い主に伝えているんです。ですが、私たちに理解できる言語ではないし、声も大きいので、人間にとってはうるさく聞こえてしまうわけですね。
吠えるきっかけは、たとえば
・インターフォンが鳴った、自転車の音が聞こえた
・気になるにおいがした
・外に車や人影が通るのが見えた　など。
ワンちゃんは人間の数千～一億倍の嗅覚、また超音波も聞き分けられる聴覚を持っているといわれます。視覚においては色盲ですが（赤一色という説もあり）、動体視力は優れているそうですから、私たちには分からないものを感じ取っているのでしょう。もし聞き間違いだったり、TVの音だったとしても、ワンちゃんにとってはそう聞こえたので反応しただけなのです。
でも、やはり吠え続けられるとうるさいですし、ご近所の目も気になるのが正直なところ…。
このような時は、近寄りながら「どうしたの？」と優しく問いかけ、ワンちゃんが見ている（気にしている）方を一緒に見ます。そして「誰も来ないし、何もないみたいだね。大丈夫だよ」と声をかけながら、しばらく身体を撫でます。そうすると落ち着いてくることが多いです。大抵何もありませんしね。

受け止めて、伝える

他には、飼い主に
・かまってほしい、遊んでほしい
・外出してほしくない
・お腹が空いた
など、自分が感じたストレス（大小さまざま）を意思表示するために吠えます。逆に、黙って寂しそうにするワンちゃんもいるでしょう。上で述べたように性質・性格も大きく関係しますので、観察してみてください。
あなたに分かってほしいことを、ワンちゃんはその子なりの表現で伝えてきています。それをまず受け止めてください。受け入れなくてもいいのです。
「用事があって、出かけなくちゃいけないの。寂しい思いをさせてごめんね。●時くらいには必ず帰ってくるからね。静かにして、待っててね」
こんなふうに、ワンちゃんに優しく話しかけてください。ちゃんとあなたの目を見て聞いてくれるはずです。もちろん、これで吠えなくなるわけではありませんが、しつけの前に、叱りつける前に、ワンちゃんの思いを受け止めてください。そして、あなたの思いも伝える。撫でたり、抱っこしたりするのと同じで、大切なコミュニケーションの一つだと思います。

あなたといっしょにいられて幸せ

問題行動は、ワンちゃんがあなたに何かを訴えている状態です。矯正する方法を探す前に、ワンちゃんの目を見て、思いを受け止めましょう。人間とワンちゃんがお互い心地よく暮らすためのルールは、その上で教えていけばいいのです。
ワンちゃんもさまざま、十匹十色。でも、どのワンちゃんにも共通していることがあります。それは『家族』というあったかい世界で、飼い主にいつもニコニコと楽しそうにしていてほしい。そして、そんな飼い主の視線や愛情を受けていたい。そういう一途な願いだと思います。

–　おすすめ記事　–