犬の中で最も小さいといわれる犬種で、中南米に古くからいた「テチチ」という小型犬が祖先犬といわれています。メキシコのチワワ州で発展したことから、チワワと名づけられました。
元来のチワワはとても明るく、人や子どもも、ほかのワンちゃんも大好きな賢い犬種ですし、吠え癖もあまりありません。しかし、小さいからといってしつけをしなければ、吠える、かむなどの問題行動を起こします。手に負えなくなってから専門家に相談するのではなく、飼い始めたときからきちんとしつけをすると、チワワは一生の良き友となってくれます。自立心が強いので、留守番は比較的得意な犬種です。
チワワは毛が伸びないのでトリミング(毛のカット)は不要ですが、毛がよく抜ける犬種です。一応、「換毛期」もありますが、年中抜けると考えてください。毎日のブラッシングをしてお洋服を着せてあげると、床に落ちたりオーナー様のお洋服に付いたりする抜け毛を減らすことができます。寒がりの子も多く、冬の防寒のためにも、子犬の頃からお洋服に慣らしておくのがオススメです。ドレスからスポーティなTシャツまで、どんなお洋服でも着こなしてくれます。
「小さいから運動は不要」というのは誤解で、適度な散歩などはもちろん必要です。首輪が大きすぎると、頭が小さいこともあってすっと抜けてしまいます。お散歩中の事故を避けるため、首輪は必ず試着をしてから買うようにしましょう。
小さくて華奢なので、高いところから飛び降りて骨折などの怪我をするワンちゃんが多いです。床にはじゅうたんを敷き、ソファにはワンちゃん用の登り台などを付けて落下事故を防いでください。
小さいですが、意外と食いしん坊なワンちゃんが多いです。ワンちゃん用のガムなどを丸飲みしてしまい、喉につかえる事故も多いので、ガムをあげるときはその大きさに注意してください。
チワワ元来の性格や歴史、その特性について深い理解を示し、愛情と責任をもって育てているところなら、ブリーダーでもペットショップでもかまいません。
「チワワらしいチワワ」の魅力を知りたい方は、、純粋犬種の犬籍登録や血統書の発行などを行う一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」(http://www.jkc.or.jp/)が開催するドッグショーをぜひ見学してみてください。
チワワ専門ブリーダー選びQ&A
Q1 「ドッグショー」で、素敵なチワワを見つけました。そのままうちに迎えることはできますか?
A.「ドッグショー」では、ワンちゃんの販売は行っていません。ショー当日はベストな状態でワンちゃんを出陳できるよう、犬を連れているハンドラーさんはものすごく気を使っています。むやみに話しかけるのは避けましょう。
本部の事務所に行くと、出陳目録を売っています。素敵なチワワを見つけたら、、ハンドラーの腕章にある番号(出陳番号)を控え、出陳目録を見てみましょう。出陳目録には、出陳番号、犬の名前、両親犬の名前が書いてあるので、チェックをします。
今はたいていのブリーダーがホームページをもっているので、犬舎名でインターネットを検索すれば犬舎のホームページがヒットします。後日「ドッグショーでそちら様の~ちゃんが素晴らしいと思ったのですが、出産の予定などはありますか?」などと連絡を取ってみるといいでしょう。
Q2 ブリーダーにはどのように連絡を取ったらいいですか?
A.ブリーダーの多くは、愛犬雑誌やインターネットのホームページなどに連絡先や繁殖している犬種などの情報を掲示しています。情報を見て、子犬を迎えたいと思ったブリーダーがいるときは、連絡をしてみましょう。
ブリ-ダーに連絡をするときは、犬舎の営業時間内に電話をするようにします。早朝やお昼頃は、犬の世話で忙しくしている方が多いので、初めての電話は午後2時くらいにかけましょう。「子犬についてお話を伺いたいのですが、何時ごろならお電話をしてもいいですか?」と聞き、指定された時間にかけ直します。
メールを出すときは、「サイトで紹介されている子犬についてお話を伺いたいのですが、何時くらいならお電話をしてもいいでしょうか」と書きます。
犬舎を見学するときは、かならず事前に予約をしてください。住所が記載されているからといって突然訪れるのは、先方にとても迷惑な行為です。
Q3 ブリーダーの犬舎を訪れるときのマナーを教えてください。
A.ブリーダーの犬舎を訪れたいときは、かならず事前に電話をして予約をしましょう。犬舎を訪問する前に、なぜチワワと暮らしたいのか、どんなライフスタイルをチワワと送りたいと考えているのかについて、きちんとしたイメージをもっておくとブリーダーとの会話も弾むでしょう。また、先住犬との相性を見たいときは、その旨を事前に必ずブリーダーに相談してください。伝染病や事故などの防止のため、外の犬とは原則として子犬を会わせない方針のブリーダーも多いからです。自分の子どもを連れていきたいときも、事前の相談が必要です。
Q4 「いいブリーダー」の見分け方を教えてください。
A.「ドッグショー」でチャンピオンの称号を取得しているというのはひとつの目安になりますが、それだけではなく、チワワという犬種の素晴らしさや特性をよく理解し、チワワを愛していらっしゃる方から迎えたいものです。そういう方は、母犬や血統などに対する質問にもじっくり答えてくださいます。
犬舎では、子犬が暮らす環境が清潔か、子犬のお手入れが行き届いているかをチェックしてください。ブリーダーには、犬種の特性やしつけをするうえでの注意点、親犬の性格などを質問しましょう。いいブリーダーは、容姿だけではなく、チワワ元来の穏やかで明るい性格を重視して繁殖をしています。親犬の性格が人なつこく穏やかで、吠えずに明るければ、そのブリーダーはかなり信頼できる方でしょう。子犬はそれぞれ性格が違うので、「この子はほかの子にご飯を譲っちゃうちょっと気が弱いタイプ」「この子はちょっと勝ち気なタイプ」などとじっくり説明してくれる方がオススメです。
チワワと暮らすまでの流れ
チワワをペットショップやブリーダーから迎えることを決めても、その日のうちに連れて帰るのは禁物です。まずは、家の環境を整えてください。マンションに住んでいる場合は、ワンちゃんの飼育が管理規約で許可されているかを必ず確認しましょう。
■チワワと家で暮らすためには
- クレート
- クレートに敷く古タオルなど
- トイレシート
- トイレ
- 給水器
- フード
- フードボール
- かじるおもちゃ
- サークル
- 首輪
- リード
- ブラシやコーム
- 歯ブラシなどのデンタルケアグッズ
が最低限必要です。事前にペットショップなどから購入しておきましょう。首輪のサイズについては、ブリーダーなどのお迎え先に相談しましょう。そのほか、シャンプーや爪切りなどのお手入れ用品も必要ですが、それはおいおい揃えていっても大丈夫です。チワワは歳を取ると、歯周病など歯を患うことが多い犬種なので、子犬の頃から歯ブラシなどのデンタルケアになれさせておくのがベターです。
サークルやクレートは、家族と過ごせるリビングで、直射日光が当たらない風通しの良い場所に置いてください。また、家の近くにある動物病院や、夜間の救急対応をしている動物病院の場所などについても事前に調べておくといいでしょう。すべての設置を済ませ、あとはワンちゃんを迎えるだけという状態にしてから、子犬のお迎えに出発しましょう。
チワワお迎え時のポイント
ペットショップやブリーダーから、ワンちゃんをクレートに入れて連れて帰ります。粗相をしてしまうこともあるので、クレートにトイレシート、古タオルの順に敷いておくといいでしょう。クレートには給水器を取り付け、いつでも水を飲めるようにしてください。除菌タイプのウェットシートを持参すると何かと役立ちます。
車でのお迎えのときは、窓からの直射日光がクレートに当たらないよう、クレートを置く位置に気を付けてください。
電車でのお迎えのときは、クレートだと重くて持ちにくいかもしれません。顔がすっぽり隠れて、首輪を固定できるタイプのワンちゃん用のバッグを買い、その中にトイレシートと古タオルと入れてお迎えに行きましょう。給水器は付けられないので、まめに下車してお水をあげるようにしてください。電車の中でキュンキュンと泣いても、バッグから出してはいけません。「大丈夫だよ」などと声をかけて、バッグの上からさすってあげるようにしてください。
チワワの血統証明書はこう見る!
血統証明書は様々な団体が発行していますが、日本で一番多く発行されているのはジャパンケネルクラブ(http://www.jkc.or.jp/)の血統証明書です。その見方については、ジャパンケネルクラブのサイトの「血統証明書」に詳しく書いてあります。祖先にCH.:チャンピオンの称号があれば、ドッグショーでチャンピオンを完成させたということですから、チワワとして美しく、犬種としての特性を備えた血を引いていると考えられます。また、祖先犬に「CD1」「CD2」などの記載があれば、家庭兼訓練試験を取得しているということですから、教えたことをよく覚えてくれる血を引いているということです。T.CHはトレーニングチャンピオンの略で、根気よく訓練試験に臨み、チャンピオンを完成させた犬に与えられる称号です。「チワワに訓練?」などと不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、チワワはとても賢いワンちゃんなので、訓練競技会でもよくその姿を見かけます。
これらの称号を得ているからといって無条件に素晴らしい犬とは限りませんが、ひとつの目安となるでしょう。
最後に……
本来のチワワはとても明るく、しつけがしやすく小さいのに堂々とした性格で、良きパートナーになってくれる犬種です。また、毎日のお散歩は必要ですが、運動量が豊富な犬種ではないので、初めてワンちゃんを迎える方にもオススメです。チワワとの暮らしを考えている方に、この記事が少しでもご参考になれば幸いです。