【掲載:2016.12.19 更新:2021.09.10】
犬に税金がかかる国がある!?
日本ではペットとして一番最初に思い浮かぶのは、たいていの方は犬だと思います。実際犬を飼っている人は多く、ペットショップなどでもたくさん並んでいたり、犬のブリーダーさんも多いですよね。
日本では、犬を飼う時に市に登録するだけで飼うことができるのですが、犬を飼うのに税金がかかる国があります。
犬に税金がかかっている国といえば、ドイツ、オーストリア、オランダ、フィンランド、スイス、チェコなどがありますが、主にドイツが有名です。
ではなぜ、ドイツには犬に税金がかかる犬税というものがあるのでしょうか?
なんで犬に税金がかかる国があるの?
ドイツでは昔、富裕層や貴族が犬を愛玩用や狩猟用として飼っていました。その時に犬は贅沢(富裕)税として設けられたのが犬税の始まりで、その後富裕層や貴族以外にも犬が飼われることが一般的になってきたのですが、犬税だけが残ってしまったのです。
ドイツの犬税は、頭数をコントロールするために役立っています。飼育している頭数が増えれば増えるほど税金が高くなる仕組みになっているので、安易な気持ちで飼育するのを防ぐ働きがあります。
さらに、闘犬指定種の場合は税金が一般的な犬より3倍も高いということで、流行りや珍しいからと言った無責任な理由で飼うのを防ぐ効果もあります。
しかし、犬税は市町村によって税額も違い、徴収していない市もあるそうで、実際に犬を飼っている人の4分の1くらいの人しか犬税を納税していないそうです。「犬税を支払う」という法律を守らない人を取り締まる法律がないのが問題点なのだとか。
日本でも犬税があった?!
実は日本でも犬税が導入されていたことがありました。
一番古くでは、五代将軍徳川綱吉の時です。徳川綱吉は「生類憐みの令」を出すほど、犬好きで有名でした。
この令が出されたので、野犬収容のために犬小屋や数百棟も作られ、8万匹の犬が飼われていたそうですが、その犬たちの飼料が白米や味噌、干鰯などの大変良いものばかりで、その費用の出処が「犬金上納」という犬税だったのです。
さらに、今から約50年前の昭和30年代には、市町村が設けていたものですが、全国約2,700もの自治体で犬税というものが存在して課税されていたのです。
当時は犬税というものは、それほど珍しいものでもなかったので注目もされていなかったようです。しかし、犬税の徴収コストが犬税の税収を上回ってしまったので、犬税は廃止されたようです。
最近では、平成26年に大阪府泉佐野市で犬税を導入するという話があったことが記憶に新しいかと思います。
しかし、この時も犬税の税収よりも徴収コストの方が高くつくという理由で導入されませんでした。今、日本で犬税を導入するのは難しいかもしれませんね。
なぜドイツは犬税を導入できる?
日本では犬税を導入するのは難しく、実際導入されていませんが、なぜドイツや犬税を導入できている国は多数あるのでしょうか。
それは、日本とドイツの犬に対する意識の違いです。
ドイツでは、犬を飼うときのルールが法律で細かく決められています。例えば、犬をオリに入れて飼う場合は、犬の大きさによってオリの大きさも細かく決められていたり、散歩の時のリードの長さも決められています。
また、6時間以上室内に閉じ込めてはいけない、外の気温が21度以上になる場合は、車内に犬を置き去りにしてはいけない、などといったことが法律で定められているのです。
さらに驚くことに、犬がヨーロッパ内を旅行する時には犬用のパスポートが必要だそうで、犬用のパスポートがあるなんてビックリですね。公共のバスや電車などには犬はキャリーケースなしでそのまま子供料金で乗車できますし、レストランなどにも犬同伴で入店できるお店がたくさんあります。
また、ドイツは犬のためのトイレや犬の糞専用のゴミ箱があったり、糞を取る紙まであちこちに設置されています。
このような環境が整っているからこそ、犬税を導入できているのかもしれません。
まとめ
犬税を導入するにあたり、人と犬がしっかりと共存して生きていける環境を整えることが大切だと思います。ドイツのように、犬のことを考えて犬も人間も生活しやすい環境を作ってくれると、犬を飼っている人達は犬税を納めてもいいと考えるようになるかもしれません。
また、犬税を導入することの最大の目的は、殺処分を減らすということだと思います。
犬税を導入することにより、に興味本位で犬を飼うと言う人や無理矢理繁殖させたりする人も少なくなるでしょう。そうすると、犬の飼育を放棄する人もいなくなるでしょうし、殺処分を減らすことはできると思います。
いつか日本でも、犬税の導入ができる日が来るとよいですね。
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