犬は猫舌だけど温かい食べ物が好き?!
なぜ動物たちが全員猫舌なのでしょうか。本来、人以外の動物は、それぞれが暮らす環境の中で、熱い食べ物を食べる機会はありません。自然界に、50℃を超える食べ物などないですよね。人間は進化の過程で火を扱うようになり、食材に火を通すことを覚え、「料理」を発明します。気の遠くなるような長い歴史の中で、最初は熱いものが苦手だった人間の祖先も、徐々に熱いものへの耐性がつき、対応できるようになりました。
さて、犬の話に戻りましょう。猫舌な犬の舌には、甘味・苦味・酸味・塩味、そして肉らしい味を感じる旨味のような味覚が存在します。そのため、犬にも味の好みや食べ物の温度の好みがあります。
温度の好みに関してですが、基本的には犬は温かい食べ物を好みます。かつて自然界で生きていた犬たちは、自分たちで獲物を狩って食べていました。獲ったばかりの獲物は当然ながら温かく、本能的に温かい食べ物を好んでいるという説があります。また、人間の100万倍から1億倍もあるとされる優れた嗅覚を持っており、温かい食べ物からは匂いが強く出るためにこれを好むという一説もあります。犬にとっての理想的な食材の温度は、38~40度ぐらいです。人間の体温よりも少し高い雰囲気ですが、だいたい人肌ですね。自然界で獲ったばかりの獲物も、それぐらいの温かさがあるのでしょう。
そのため、熱い食べ物は注意してあげてください。手作りご飯を愛犬に与えている飼い主さんもいらっしゃると思いますが、冷ましてから与えているでしょうか。熱いまま食べさせると、舌を火傷する可能性が高いのです。
火傷するほど熱いものを、犬がすすんで食べることは少ないですが、中には夢中で食べている癖があるため、後から火傷の症状が出ることもあります。人間のように「ふうふうと息を吹きかける」など、自ら温度を下げる手段を持っていないので、食べ物を与えるときには十分に注意してあげてください。
熱い食べ物だけじゃない!?舌の火傷の原因
舌の火傷といえば、食べ物以外にも電気コードを噛んだことで感電・火傷をする場合があります。この場合は、火傷した部分を洗い流し、すぐに動物病院へ連れていきましょう。もし、感電したことでショック状態になっている場合は、その様子を電話で獣医さんへ伝え、指示を仰ぎながら病院へ連れていってください。治療は、口の中の傷に消毒や消炎剤で炎症を抑え、治るまでの間は柔らかい食べ物で口の負担を減らすことで回復します。
犬の口内環境は人間と違う
また、犬の口の中の面白いトピックとして、「虫歯にほとんどかからない」というものが挙げられます。人はもちろん、身近な生き物で言えば猫も悩まされがちですが、犬は無縁。なぜかかりにくいのか、そこには両者の「口内の環境の違い」があります。
一番大きな差としては、両者の「口内のペーハー(pH)の違い」が挙げられます。pHは物質の酸性・アルカリ性の度合いを示す数値ですが、犬の口内はpH8.5〜9.0でアルカリ性、人はpH6.5〜7.0で弱酸性。酸性の環境のもと口内で炭水化物(糖質)を発酵させて酸を作り、それが歯の表面の組織を破壊するのですが、口内がアルカリ性だと、菌が繁殖しにくいのです。また、人の唾液には食べ物の中のデンプンを糖に分解する酵素がありますが、犬にはこれがないため口の中に糖があまりとどまりません。また、人間は臼状の形状をしているのに対し、犬の歯はほとんどが薄くとがった形をしているので、菌がたまりにくいのも作用しています。
まとめ
虫歯になりにくいものの、熱い食べ物が苦手な犬たち。手作りご飯をあげるときには、必ず冷ましてから与えてください。特に雑炊は要注意で、なかなか冷めないので人間でも食べるのに苦労するほどなので、よく気にかけてあげてください。猫舌な愛犬たちには、人肌ぐらいのご飯をごちそうしてくださいね。
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