社会化期って?
ワンちゃんの社会化期と言われてもあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても、とても大切な時期となります。
社会化期とは、基本的に生後2~4カ月ぐらいまでの時期を指します。この時期のワンちゃんは、警戒心や恐怖心が少なく好奇心の塊なので、なんでも吸収しやすい時期です。しかし、この時期を過ぎてしまうとだんだんと警戒心や恐怖心が出てきてしまうため、知らないことや知らない人・犬などに対して吠えたり、おびえたりしてしまいます。そうならないためにも、この時期に何を教えたか、何を体験できたかが重要となります。
では、この大切な時期に何をしたらよいのでしょうか?
いちばん大切なことは、多くの人やワンちゃんと会わせたり、さまざまな経験をさせるなど、物怖じしないワンちゃんにすることが大切です。そのためにも、家に閉じ込めておくのではなく、ワクチンがまだなら、抱っこしたり、バッグに入れて外に連れ出したり、終わっていれば、どんどんと散歩に連れていきましょう。そしてたくさんのいろいろな刺激を与えてあげましょう。
※できるだけ多くの時間を使って散歩させましょう。お散歩は、ワンちゃんとって大切な社会勉強の場です。短い時間なら、たくさんの回数といろいろな場所へ連れていってください。お散歩コースやお散歩に行く時間は、決めないようにしましょう。決めてしまうと縄張り意識が強くなったり、決められた時間に行けなかったりするとストレスになります。結果として、問題行動を起こしやすくなってしまいます。気をつけましょう。
社会化期に必要な3つの刺激
①見える刺激
多くの人やワンちゃん、ネコちゃん、鳥さんなどを見せたり会わせたり、また車やバイク、電車や自転車など、さまざまな物や身近な物を見せたり会わせたりして慣れさせます。
②聞こえる刺激
インターホンや電話、掃除機や雷、花火や子供の声などいろいろな音を聞かせて慣れさせていきます
③触られる刺激
家族だけでなく、家族以外の人(子供からお年寄りまで、制服を着用している方など)に触ってもらい、慣れさせる。
こんな体験で、社会勉強をさせよう!
①100人の人に会わせましょう
ワンちゃんは、家族以外の人を知りません。男性・女性、子供からお年寄りまで性別年齢に関係なくたくさんの人たちと会わせましょう。フードやおやつなどをあげてもらいながら触ってもOKです。もし可能なら、いろいろな服装(着ぐるみや制服など)の人にも触ってもらいましょう。
②100頭のワンちゃんに会わせましょう
ワンちゃんは、なんと自分以外のワンちゃんを知りません。まずは、抱っこをしながらよそのワンちゃんに会わせます。慣れてきたら、ワンちゃんとも遊ばせましょう。
最初は、同じ年齢ぐらいのワンちゃんと遊ばせてあげるといいでしょう。また、同じ犬種や同じサイズ(小型犬など)のワンちゃんとも遊ばせます。積極的に遊ばせることによって、ワンちゃん社会のルールや言葉が学べます。
チャンスがあれば、体格が違うワンちゃんと会わせてもいいでしょう。
③さまざまな音を聞かせよう
ワンちゃんは、音に敏感です。音を怖がらないようにするために、仔犬のころからいろいろな音を聞かせて慣れさせることがとても大事になります。音にもいろいろありますが、まずは室内音・屋外音を聞かせます。室内音であれば、掃除機やインターホン、電話、ラジオ、テレビ、音楽など、屋外音であれば、車やバイク、電車、大勢の人の声などを聞かせましょう。日常的にはなかなか聞けない雷や花火の音などはしつけ用音慣れCDなどを聞かせてもいいでしょう。音慣れをさせることによって警戒や不安がなくなります。
④さまざまなものを見せよう
室内のものは見慣れてきますが、屋外のものは、なかなか見慣れません。抱っこしながら、しゃがんで車やバイク、自転車、電車、他の動物などを見せましょう。見慣れてきたら、興奮したり驚いたり怖がったりしないようになります。
このようなことができていれば、問題行動といわれるトラブルを予防することができます。
お家に来たときから、すべてがスタートします。接し方や飼い方で将来が変わっていきます。ワンちゃんの将来を考え、仔犬のころから人間社会で順応できるように、いろいろなことを教え、さまざまな経験をさせてあげましょう。