犬は生肉を食べてもいいの?生肉を与えるメリットやおすすめのお肉をご紹介

2020.05.26

犬は生肉を食べてもいいの?生肉を与えるメリットやおすすめのお肉をご紹介

犬は雑食動物と言われていますが、実は、体の構造は肉食動物に近い構造をしています。そのため、犬は肉食動物らしく生肉を食べることができるんです!ただ、生肉にも与えていいものや悪いものもあります。ここでは、生肉を与えるメリットやどんなお肉が良いのかを紹介していきます。

【目次】
1.犬は生肉を食べてもいいの?

2.犬に生肉を与えるメリットとは
 2-1.アレルギーの改善
 2-2.肥満予防
 2-3.免疫力アップ
 2-4.歯垢が蓄積しにくくなる

3.犬に与えるならどんな生肉?
 3-1.牛肉、鶏肉
 3-2.鹿・イノシシ等のジビエ肉
 3-3.馬肉

4.犬に与えてはいけない生肉とは

5.犬に生肉を与えるデメリットとは
 5-1.お金がかかる
 5-2.寄生虫や食中毒のリスクがある

6.犬に生肉を与えるときの注意点
 6-1.新鮮・安全な生肉を与える
 6-2.骨は避ける
 6-3.少量から馴らしていく 
 6-4.ドッグフードと一緒に与えること
 6-5.無理に与える必要はない

7.犬に生肉を与える時のまとめ

【掲載:2017.06.18  更新:2020.05.26】

犬は生肉を食べてもいいの?

犬は生肉を食べてもいいの?

犬は、私たち人間と同じ雑食動物と言われていますが、かつて犬がまだ野生だった頃、彼らは肉食動物でした。犬は群れをつくり、その群れで協力をしながら狩りを行い、狩りで捕らえた獲物をみんなで食べるという生活を行っていたのです。
しかし、時が経ち私たち人間との関わりが増えるにつれ、私たち人間と同じようなものを食べるようになり、次第に雑食動物へ変化していったと言われています。

そして、更に時代は変化し、犬には犬専用のドッグフードと呼ばれるものが市場に出るようになりました、その結果、今では犬は【雑食動物】とすっかり位置付けられるようになりました。
もちろん、その変化に伴い、犬は代謝などの体の面においても、雑食動物としての適応能力を身に着けてきました。以下が、その一例です。

■腸管の長さが肉食動物の猫よりも1.5倍長く盲腸が発達した。
■植物成分のカロテンをビタミンAに転換ができるようになった(猫はできない)。
■唾液中にアミラーゼというデンプン分解酵素は含まないが、膵液の中にあるアミラーゼは猫の20倍もある。
■草食動物にとって必要不可欠な臼歯が多いため、繊維質の食物を細かくすり潰して食べることができるようになった。

しかし、ここで忘れてはならないのが、進化の過程で雑食動物にはなったものの、消化器などに関しては、今でも肉食動物寄りにあるということです。
特に、腸の長さが代表的な例です。
犬の腸の長さは、体長の6倍程度ですが、草食動物である牛は、体長の約20倍、雑食動物である私たち人間も、腸の長さは体長の約10倍もあります。
これは、植物に繊維が多く含まれていることから、消化に時間がかかるためと言われています。
ちなみに、肉食動物である猫は、体長の4倍程度の長さしかありません。このような結果からも、犬が肉食動物に近いことが分かります。

ただし、適応能力を身に着けた一方で、生肉を噛み切ることがなくなってしまったことは事実です。その結果、生肉を食いちぎっていたことによりつかなかった、歯垢や歯石がつきやすくなる・肥満が増えるといったデメリットがでてしまいました。

つまり、ドッグフードが主流となり犬にお肉をあげるなら、【生肉ではなく加工したお肉を与える】という考えがすっかり定着してきましたが、雑食動物と呼ばれるようになった今でも、肉食動物の消化器機能を持っている犬は、生肉を食べることができるのです。


犬に生肉を与えるメリットとは

生肉を与えるメリットとは

犬に生肉を与えるなら、まずはメリットを知っておきましょう。犬に生肉を与えることにより、下記のようなメリットがあると言われています。

◆アレルギーの改善

生肉を食べることにより、添加物を一切摂取しないため、皮膚のトラブル原因となるアレルギーが改善される可能性があります。
生肉を与えるということは、添加物を使用しないということにもなり、アレルギーの改善にもつながると言われています。

◆肥満予防

生肉は、ドッグフードより消化が良いと言われているため、栄養素の吸収率を効率よく行うことが可能です。その結果、糖の吸収を抑えることができるため、生肉を食べた方が太りにくく肥満を予防できるということになります。

◆免疫力アップ

生肉に含まれる酵素が、免疫力を高めるだけでなく、ガンになるリスクを軽減させてくれる働きがあります。

私たち人間にも当てはまりますが、犬にも生まれた時から潜在酵素と呼ばれる酵素を体内に持っています。しかし、この潜在酵素には個体差があり、年齢とともに減っていきます。残念ながら、食事で取り入れても潜在酵素を増やすことはできません。
しかし、【食物酵素】を食物から体内に取り入れることで、潜在数の働きを助けてくれる効果があります。私たちが生野菜から酵素を取り入れるのも、これにあたります。これにより、酵素は健康維持に重要な役割を果たしているのです。

しかし、ここで注意したいのが、酵素は熱に弱いということです。加熱処理をしてしまうと、48℃で酵素は死んでしまうため、できる限り生の状態で摂取する必要があるのですが、この酵素、実は野菜だけでなく生肉にも含まれているのです。つまり、犬が生肉を食べることにより、食物酵素を摂取することができるため、健康に良い影響を与えることが可能になるというわけです。 

◆歯垢が蓄積しにくくなる

生肉を食べる時、犬は歯で噛みちぎって生肉を食べます。この時、生肉を噛みちぎるという行為をすることにより、歯垢を落としてくれる働きをするのです。


犬に与えるならどんな生肉?

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もちろん、犬に生肉を与えることに抵抗がある飼い主さんもいるでしょう。その場合は、無理に与える必要はありません。
何故なら、犬は総合栄養食と記載されたドッグフードと水さえあれば、必要な栄養素を摂取することができるからです。
ただ、犬の健康維持のためにも、ぜひ生肉をあげてみたい!と思う飼い主さんは、愛犬の様子を見ながら生肉を与えてみるのも良いでしょう。

生肉と一括りに言っても、牛肉、鶏肉、豚肉、鹿・イノシシ等のジビエ肉で与え方の注意点は異なります。
いずれにしても寄生虫や食中毒に注意して与えなければいけません。

◆牛肉、鶏肉

脂肪分が多いと消化しづらく胃や腸にため、牛肉や鶏肉を与える場合は脂身の少ない部位を与えるとよいでしょう。
スーパーや精肉店で売っているものでもよいですが、「加熱用」と表記されているものは避けましょう。
生で食べても安全な新鮮な生肉のみを与えてください。
犬に与える牛肉、鶏肉を購入する際は、犬専用の生肉を販売しているお店を利用すると安心です。

◆鹿・イノシシ等のジビエ肉

ジビエ肉はE型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌または寄生虫による食中毒のリスクがあります。
またこれらの野生動物が狩猟で捕獲されたのち、不衛生な環境で処理された場合、肉の鮮度が落ちていたりやサルモネラ菌に汚染されたりと食中毒のリスクが高まります。

鹿は体温が高いため肉に寄生虫がつきにくい「清浄肉」と言われることがありますが、上記のとおり処理の過程に不安があることもあります。生肉のまま与えるのには注意が必要です。
生の鹿肉やイノシシ肉を与えたい場合は犬専用の生肉を販売しているお店を利用するようにしましょう。

◆馬肉

馬肉は人間も生食が許されているお肉ですので、犬にも安心して与えることができます。
低カロリー高タンパクのお肉で、栄養素もたっぷりです!
愛犬に生肉を与えたい場合には馬肉をおすすめします。


犬に与えてはいけない生肉とは

犬に生肉を与える時、豚肉は与えないようにしましょう。
生の豚肉にはトキソプラズマやサルモネラ菌が付着している恐れがあります。
ちなみに、トキソプラズマとは、動物(特に猫に多いと言われている)の体内や排泄物、あるいは土の中にいることがあり、感染すると、風邪に似た軽い症状が出ます。特に、妊婦さんの場合は注意が必要で、母体感染することにより、運動発達や精神発達、視力障碍などが起こる可能性があると言われています。
一方、サルモネラ菌は、動物の小腸に生息し、感染すると12~48時間以内に吐き気・嘔吐・下痢などの食中毒の症状が現れると言われています。
豚肉を与えたいときは必ず加熱してから与えるようにしてください。


犬に生肉を与えるデメリットとは

生肉を与えるデメリットとは

メリットがあるということは、当然デメリットがあるということでもあります。ここでは、生肉を与える際に生じるデメリットについても説明していきます。

◆お金がかかる

お肉は、ドッグフードより高値です。また、与えることのできる鹿肉や馬肉は、牛肉や鶏肉に比べ高いため、毎日鮮度の良い生肉を与えるということは大変かもしれません。

◆寄生虫や食中毒のリスクがある

消化する力が強い犬は、基本的に寄生虫や食中毒に強い傾向にありますが、免疫力が下がっている時に生肉を与えると、体調不良を起こす可能性もあります。そのため、犬に生肉を与える際は、体調をよく見ながら与えるようにしましょう。


犬に生肉を与えるときの注意点

犬に生肉を与えるときの注意点

犬に生肉を与える場合は、下記の注意点を踏まえた上で与えるようにしましょう。

◆新鮮・安全な生肉を与える

既に説明済ですが、犬に生肉を与える際は、健康を害さないためにも新鮮な生肉(鹿肉や馬肉など)を与えるようにしましょう。また、犬用に生肉が販売されていることもありますので、こういったものを使用すると良いかもしれません。

◆骨は避ける

骨のついた生肉を、器用に骨だけ残し食べるというイメージを抱いている人が多いですが、それは間違いです。そのため、骨つきの生肉は与えてはいけません。骨を食べてしまうと、内臓を突き刺してしまう可能性もあるため危険です。生肉を与える際は、骨を取り除いてから与えるようにしましょう。

◆少量から馴らしていく

生肉を与える際は、少量を少しずつ与え、徐々に量を増やしていくようにしましょう。急に生肉をあげることにより、下痢を起こす可能性もあるため、与える際には注意が必要です。

◆ドッグフードと一緒に与えること

生肉を与えるだけでは、必要な栄養素を摂取することはできません。そのため、犬に生肉を与えるときは、ドッグフードにプラスして与えるようにしましょう。そうすることで、犬は必要な栄養素+酵素を摂取することができます。

◆無理に与える必要はない

犬に生肉を与えるメリットはいくつかありますが、必ずしも生肉を与える必要はありません。
犬によっては食べたがらない犬や、体質によりおなかを壊してしまう犬もいます。
ドッグフードを与えていれば栄養は十分ですので、無理に与える必要はありません。


犬に生肉を与える時のまとめ

犬には総合栄養食と表記のあるドッグフードを適量与えていれば、健康上問題ありません。
そのため、現代の犬に生肉を与える必要はないでしょう。
しかし適切な与え方をすれば、生肉は犬の体にとって様々な嬉しい効果があります。
犬用の生肉を扱っている専門店で購入し、トッピング程度に与えてみてもいいかもしれません。



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malulani-o610

小さい頃から犬に囲まれて育っている大の犬好きです。犬のことをもっと知りたくて、ペット看護師・ペットセラピストの資格を取得し、次は愛玩動物飼養管理士の資格取得を目指しています。ちなみに、今はチワワを飼っています♪


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