不景気と言われる昨今でも、韓国のペット市場は急成長を続けていると言われています。ペットを飼う人も全体の三割を占めるようになり、うち八割は犬を飼っているのだそうです。中でも人気があるのはマルチーズやヨークシャテリアなどの小型犬。特にマルチーズは一番と言っても良いほどの人気犬種です。
今回悲劇に見舞われたピョルちゃんもまた、4歳のマルチーズでした。
数日間の旅行の間、韓国のある動物病院に預けられていたピョルちゃん。旅行から帰ってきた飼い主がピョルちゃんを引き取りに行くと、なぜか別の犬を渡そうとしてきました。
自分の愛犬ではない犬が出てきたので、「自分の愛犬を返して欲しい」と飼い主が問いつめると、院長は「ドアが開いていて逃げてしまった」と言い訳したのですが、それは実は真っ赤な嘘でした。
動物病院側は、安楽死させられる運命であった別の犬とピョルちゃんを取り違えてしまったと言うのです。
確かに見た目が似ている犬はいますし、間違えてしまうことはあり得ないことではないのかもしれません。しかし、若くて健康な犬をいきなり安楽死させてしまったことと言い、かなりずさんな管理体制であったのは確かでしょう。
飼い主がピョルちゃんを動物病院に預けたのが5月31日で、引き取りに行ったのは6月3日でした。その間、飼い主は毎日病院に電話して様子を聞いていましたが、病院側は嘘をつき続けていたようです。
引き取りにきた飼い主に別の犬を渡そうとした上、逃がしてしまったなどという更なる嘘を重ねた病院側を当初信じた飼い主は、警察に届け出をした上、500万ウォンの懸賞金をかけてまでピョルちゃんを探そうとしました。
けれど、飼い主の元に戻ったのは遺体ですらありませんでした。安楽死させられたピョルちゃんは、既に死に化粧を施された上に火葬までされていたのです。
あまりの衝撃に飼い主は倒れて入院し、この一件はSNSなどを通じてネット上に瞬く間に広まりました。当然ながら、くだんの動物病院に対する激しい批判が多数寄せられ、病院側は謝罪したそうです。
韓国では2011年に動物愛護法が改正され、家畜を含めた動物の扱いに対する規制は厳しくなり、動物虐待に対する罰則も以前より重くなりました。更に、かつては「愛玩」動物と呼ばれていたペットたちを今は「伴侶」動物と呼ぶようになり、ペットは家族の一員である、という考えも、ペットを飼っている人々の間では主流になってきています。
一方で、死なせてしまっただけに止まらず、まるで壊したおもちゃを他の物と取り替えるかのように、別の犬を返して事なきを得ようとした今回の動物病院の対応は、ペットたちを「伴侶」と考えているとは到底思えないものです。韓国のペットたちを巡る環境は、今はまだ変化の途上にあるのでしょう。
<参考サイト>
joins.com
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