ミックス犬・雑種犬って?
雑種犬やミックス犬を区別なく多用しますが、雑種犬とミックス犬に違いがあることをご存じでしたか?
雑種犬について調べる前に、まずは雑種犬とミックス犬の違いから認識していくことも大切ですよね。もしかしたら、これまでちょっとだけ使い方を間違っていたかもしれませんし、まだ違いを知らない人もいるかもしれません。
そこで、ここでは「雑種犬って?」をわかりやすくまとめましたので、ぜひまだ知らないお友だちに教えてあげてください。
♦ミックス犬
ミックス犬、という単語が記憶に留まりやすいのは、ペットショップや、インターネットサイトで里親募集をする保護犬たちの自己紹介、そしてオーナー同士の会話。
純血種同士から生まれた子犬のことをミックス犬といいます。しかし、純血種から誕生した子犬であっても血統書がないため、広い意味では新種として認定されるまで、このミックス犬も雑種犬と呼ばれるようになります。
♦雑種犬
雑種犬という呼び方は、皆さんが子どものころから耳にしていたのではないかと思います。
雑種犬というのは、2種以上の犬種の血統をついでいる犬のことを言います。今でこそ屋外で飼育する犬に柵つきの立派な小屋を作る家庭が増えていますが、昔は屋外で犬を放し飼いにしていたり、小屋の周辺に予防用の対策をしたりしていなかったため、予期せず子犬が誕生するということが多かったようです。
つまり、ミックス犬、雑種犬と呼称の違いはあるものの、血統書がない犬は雑種犬というわけです。
雑種犬が賢くて丈夫といわれる理由は?
雑種犬は純血の犬種に引けを取らず、賢い犬が多いと言われています。
しかし、この「賢さ」に関しては鑑定を行っても、調べることがなかなか難しい領域のようです。そのため、私たちが望むような目で見る確たる証拠はありません。では、人が犬に求める賢さを、なぜ雑種犬が持ちあわせているのか、不思議ではありませんか?
♦賢さは環境で左右される?
雑種犬がどうして賢いといわれるのか。そのこたえは、育った環境にあるのではないかと推測されています。
たとえば、あなたの愛犬は、あなたのもとへくる前はどこにいましたか? ペットショップですか? それとも保護団体に保護された犬を譲渡されたのでしょうか? このように、迎え入れるルートは様々ですが、雑種犬は粗悪な環境下で育ち保護されたケースや、保健所から保護されたケースも多く、そのため他の犬よりも環境の変化に対して敏感になり保身のための賢さを身につけていったのではないかといわれています。
人に得意不得意といった個性があるように、犬にも個性がありますから、すべての雑種犬が賢さを備えているというわけではありません。そのため、雑種犬が賢い、と結論付けることが難しいのです。
♦その丈夫さは受け継いだ血統の「いいとこどり」?
雑種犬について調べると、「雑種犬が丈夫」というのは個体差があるものの、賢さの鑑定結果よりも信憑性が高いようです。
たとえば、純血の犬種の特定の犬種の中には、目の病気などを遺伝子として持っているため発症しやすい傾向が高いようですが、雑種犬の場合は、純血の犬種とは違い親犬から異なった遺伝子を受け継いでいるため、持病や遺伝性の疾患の発症率が低くなります。そのため、私たちの中では雑種犬に対して、体が強い、つまり丈夫な犬だという認識ができたようです。
雑種犬の中でも病気に強いといわれる日本犬の血統を継いでいる犬は、特に健康で長生きの子が多いと言われています。他にも、雑種犬はその土地に順応して生き、血統をつないできました。純血種の犬のように、気候の変化で体調を崩すことが少ない強い犬が多いというのが、その証明でもあります。
雑種犬を迎え入れるときの心構え
病気に強いだけでなく、長い時間を飼い主と過ごしてくれる雑種犬。
迎え入れる際の心構えは、どの犬種とも同じです。迎え入れる前に犬種がはっきりしているタイプの雑種犬なら、成犬となったときの大きさが予想できますよね。犬種がはっきりしない場合の雑種犬だったらどうでしょう? 親犬の外見から予想はできますが、実際にどこまで成長するのかはわかりません。子犬の頃は小さめでも、サークルやケージの大きさは余裕のあるものを選ぶようにすることもポイントになりそうです。
そして、きっとみなさんが戸惑っているのが「しつけ」ではないですか?
あの犬種ならこんな性格、そんなルールがあてはまらない個性を持っているのが雑種犬でもあります。しかし、雑種犬だからといって特別なトレーニングはいりません。運動量も把握するまでに時間がかかりますが、純血種の犬種と同じような飼育の仕方で問題はありません。もしもしつけがうまくいかなくても、それは雑種犬だからではなく、純血種の犬種が相手でも同じだということを忘れずに、時間をかけてゆっくりと向き合うことが大切です。
雑種犬の犬種を調べる方法
大体の犬種はわかっているし、可愛い家族にかわりはないのだから今さら犬種の特定なんて必要ない。
そんなふうに考えてはいませんか? 可愛い愛犬だからこそ知っておいたほうがいいこともあるのです。それが、雑種犬の親の犬種の把握です。
迎え入れる前に提示された情報と外見の特徴からおおよその犬種が想像できるのではないかと思いますが、ここでは、より深く調べる方法や、雑種犬の犬種を調べることのメリット、鑑定方法など、日常ではわからない情報をまとめましたので、ぜひお役立てください。
♦鑑定方法、費用は?
愛犬を構成する血統がどんな犬種なのかを調べる決意ができても、やはり鑑定方法や費用が気になります。
まずは、鑑定を依頼する機関に申込みを行います。申し込みはインターネットからできるので、手の空いた時間に手続きができるところが便利です。
次に鑑定方法ですが、鑑定の仕方はいたってシンプル。指定のブラシで愛犬の口の中の粘膜をこすり細胞を採取するDNA鑑定です。採取するときは強い力でこするとケガのもとなので注意が必要ですが、血液採取のように専門家の力をかりることなく手早く採取することができるので、愛犬のストレスも少なく済みそうです。
そして、採取したサンプルは愛犬の犬種鑑定を依頼する会社に郵送し、約1ヶ月後には待望の鑑定結果が届きます。
ここまでの犬種鑑定にかかる費用は約20,000円。DNA鑑定ということで、費用も高額なのでは? と強い観念にとらわれがちですが、いかがだったでしょうか?
参考サイト:http://orivet.jp/DNASenzo.php
♦犬種を調べるメリットは?
雑種犬は、ミックス犬と異なり数種類の血統を持つ混血犬です。そのため、外見からではわからなかったDNAを持っていることがあります。
病気に強いといわれていても病気にかからないわけではありません。犬種を鑑定し特定することで血統的になりやすい病気に対して予防ができますし、鑑定をしてDNAを調べるということは、私たちが祖父母の存在を知っているように、雑種犬だからと諦めていた祖先の犬種を知ることができるということなのです。
さいごに
さて、ここまで雑種犬の賢さ、丈夫といわれる体の秘密、そして雑種犬であっても祖先のルーツを探ることのできる鑑定方法をご案内してきました。
こうしてみていくと、純血種であっても複数の血統の混ざった雑種であっても、それぞれに個性があり、魅力もたくさんあることがわかりますね。
さいごに、初めて雑種犬と暮らそうとしているあなたへ、よく心配されている予防接種やトリミングについてお話させてください。雑種犬は特別ではありません。動物病院でワクチンを接種することも、他のわんちゃんと一緒にトリミングをすることも、もちろん、ドッグランで遊ぶこともできるんです。気の強い犬、トレーニングがうまくいかない犬、食の細い犬。それは雑種犬だからではなく、その愛犬の個性でもあります。
まずはあなたが思う雑種犬の枠を取り外し、たっぷりと愛情を注いであげてください。
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