「あなたが大好き！」「頼っています！」というワンちゃんのしぐさとは？
第1回目は「あなたが大好き！」「頼っています！」というワンちゃんのしぐさについて紹介します。
お腹を見せる、にも様々な意味があります
ワンちゃんが仰向けになってペットオーナー様にお腹を見せたときは、愛犬の様子をよく観察してください。
ハッハッと舌を出してうれしそうな顔をしているときは、「あなたが私のボスです！」という服従と、「大好きです！」という好意の両方を表しています。ワンちゃんの柔らかいお腹は、鼻先（マズル）とともにワンちゃんの最大の弱点。ここをペットオーナーさまに自由に触らせる、自ら見せるという行為は、ワンちゃんの服従心と、ペットオーナーさまが自分のリーダーとして振る舞ってほしいという最大の期待を表します。その、愛犬の気持ちを裏切らないよう、ペットオーナーさまも全身で愛情を示してください。お腹を優しくなで、いいこ！と声をかけて誉めてあげるといいでしょう。
ただし、お腹を見せていても、ペットオーナーさまと視線を合わさず、そっぽを向いて尻尾を足の間に巻き込んでいるときは、「降参します」「攻撃しないでください」という恐怖心を表します。里親として保護施設などから迎えた犬が臆病で、かつ臆病さが攻撃性につながらない性格の場合や、「ペットオーナーさまがリーダーだけど、あまり好きではない」場合（後述）などに見られる仕草です。このとき、不用意に大きな声で「いいこ！」と言ったり、お腹をさすったりするとワンちゃんにさらなる恐怖心を与えてしまいます。お腹に触れることはせず、「怖がらなくていいよ」「いいこだね」などと穏やかに声をかけてあげてください。様子を見ながら、背中をそっとさすってあげてもいいでしょう。そうやって、ペットオーナーさまがワンちゃんの体に触れるのは気持ちがいいことだと少しずつ教えてあげてください。
また、お腹を見せていても、足でペットオーナーさまを小突くなどの行動を取ったときは「お腹をなでろ」とペットオーナーさまに命令していることもあります。少し様子を見てください。さらに足で小突いてくる、吠える（要求吠え）などの行動が見られたら、愛犬の要求に応じてしまうことになるのでお腹をさすってはいけません。無視してさっとその場から立ち去ってください。
遊んでいても、呼べばすぐ来る
ドッグランでほかのワンちゃんと走ったり、家でおもちゃをかじったりして遊んでいるときでも、ペットオーナーさまがワンちゃんの名前を呼ぶとすぐ遊びを中断して飼い主さんのところにやってくるのは、「あなたが大好き！」「リーダーとして信頼しています！」という気持ちの最大限の現れです。素晴らしい行動ですから、「ありがとう！」「いいこ！」と声をかけて体をさすり、大げさなくらい誉めてください。ワンちゃんとのお付き合いは、人間にとって好ましい行動をしたときはオーバーアクションで誉めるというのが基本です。
お散歩のとき、飼い主さんが足を止めたら自分も止まり、飼い主さんの顔を見ながらそのうち座る
これも「リーダーとして信頼しています」という気持ちの表れで、「どうしましたか？ どこに行くのか、あなたが決めてください」と言っています。いいこ、と声をかけて、どの道を行くのか決めてください。
どうでしたか、しぐさ一つとっても、あなたを信頼しているワンちゃんの行動は違いますね。上記のしぐさに該当するペットオーナー様なら、今後もワンちゃんと良い関係が持続できるよう、がんばってくださいね。
次回、第2回目は、誤解されがちなワンちゃんのしぐさについて紹介します。お楽しみに！
第2回 誤解されがちなワンちゃんのしぐさとは？
第3回 「あなたがリーダーですが、好きではありません」という犬のしぐさ
【最終回】 「好きだけど、リーダーはわたし！」「好きでもないし、リーダーはわたし！」と思っている犬のしぐさ
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