パピヨンの歴史
フランスが原産地とされるパピヨンの祖先犬は、スペインのスパニエルの一種といわれています。当時、上流階級の貴族に人気があり高額で取引のされていたパピヨンの繁殖や輸出入は、スペインやイタリアがメインだったようです。
さて、この大人気のパピヨンですが、ブルボン朝の頃までは現在のような立ち耳ではなかったというのをご存知ですか? このころに見られるタレ耳のパピヨンが、現在主流となっているパピヨンの原種、ファーレンです。
ファーレンは現在でも実在しますが、その数はかなり少ないといわれています。ファーレンからパピヨンが作り出されるのスタートは、19世紀末期にスピッツの遺伝子を取り入れたこと。そしてその後、チワワの遺伝子を取り入れ、さらに時間と改良を重ねた結果、それぞれの特徴を具現化した、ピンと立った耳の、ファーレンよりも小柄なパピヨンが誕生しました。
パピヨンの見た目の特徴
パピヨンの歴史に触れ、誕生までの経緯がわかっていただけたところで、改めてパピヨンの特徴をみていきましょう。
1.毛色
パピヨンという犬種のカラーは白地であればすべてのカラーが認められるものの、ボディや足などは白いニットを着せたようにホワイトの範囲が広い方がいいそうです。さらに、頭部に両目の間から鼻にかけて通るブレーズと呼ばれる白い線は、やや幅が広い方が好ましいとJKCの基準では定められています。
特に見かけることの多いパピヨンのカラーは、ブラウンとホワイトのダブルでしょうか。レッドよりもやや濃い彩のブラウンは、見た目の特徴としてやさしい、やわらかい、穏やか、そんな印象を与えるため、パピヨンの毛色でレッドとホワイトの組み合わせと同じように根強い人気があります。
他にも、ブラックとホワイトのカラーを持つパピヨンもいます。
ブラウンのやわらかさとは少し異なり凛とした雰囲気があるのが特徴で、ちょっとおとなっぽい印象を与えます。ブラウンやレッドとは違う雰囲気をもつパピヨンは、グッと人目を惹きますね。
インパクト、という点では、ブラック、ホワイト、タンから構成されるトライカラーのパピヨンでしょうか。人気がでてきたのはスタンダードなカラーのパピヨンよりも遅いのですが、パピヨンという個体の愛らしさだけでなく、躍動的な印象も人々に好まれる要因だったのかもしれません。
2.体の大きさ
手触りがよく、ふさふさの長いシングルコートで被われているためもう少し大きめに見えますが、飼いやすい小型犬としてトップ10入りをしているパピヨンは見た目の通り小柄で華奢な犬種です。
平均的なパピヨンの体高は、性別にかかわらず20~28cmほどで、体重も5kg程度といいます。トイプードルよりもパピヨンの方がやや大きめ、といえば想像しやいすいのではないでしょうか。
小型犬全般に言えることですが、私たちの死角に入ってしまうほどパピヨンは小柄なので、家の中でうっかり踏んでケガをさせることがないよう注意が気をつけなくてはいけませんね。
パピヨンの性格
パピヨンはとても人懐こく、賢い性格の犬種だといわれ、とても人気のある犬種です。
大きな飾り毛のついた艶やかな耳がポイントのとても優美な印象のあるパピヨンですが、見た目とは裏腹にとってもスポーティな性格の子です。家の中をパピヨンが元気に走り回っていた、そんな光景を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。
うちの子は落ち着きがない性格のかしら? そう思っていたオーナーさん、ご安心ください。パピヨンが獲物を追うように走る、これは落ち着きがない性格だからというわけではなく、他に理由があるのです。
パピヨンのルーツにもあるように、パピヨンはスパニエル種の遺伝子を持っています。つまり、猟犬の素質を持っているということになります。ターゲットを追い込むだけの体力と明晰な頭脳を持ち合わせている小型犬が、パピヨンというわけです。
そんな優秀な知能を持っているパピヨンは、言葉を理解し、感情を汲む能力にも長けています。新しい環境での柔軟性や好奇心に正直な性格が、パピヨンが家庭犬、愛玩犬となってからも長く家族に愛され続けている理由のひとつなのかもしれません。
パピヨンは社交的、好奇心旺盛、小さな子供のいるご家庭でも飼育しやすいなど、トータル的にバランスのとれた性格の持ち主です。それでもしつけ方によっては扱いにくい性格、性格がきつい、そんなふうに評価されてしまいます。
特徴的な大きな耳が印象的なパピヨンは、可愛らしい犬を飼いたい人に人気の犬種です。元々はあまり数の多くない希少な犬だったのですが、最近は専門に繁殖を行うブリーダーも増え、飼育する人も増えてきています。性格的にも飼いやすい犬ですが、責任を持って飼うためにはパピヨンという犬の特徴を知っておきましょう。
そこで、次はパピヨンのしつけや病気のことをお話していきたいと思います。
絹糸と称されるシングルコートと、豪華な両耳を持つパピヨン。その見た目とは逆にとても活発な性格のパピヨンは、正しいしつけをすればより飼い主さんに従順な愛犬になります。ここでは、パピヨンの飼い方、その中でもしつけやケア、病気のことをわかりやすくまとめましたので参考にしてください。
パピヨンのしつけ
パピヨンはおすわりや伏せなどのしつけは数回繰り返せば覚えてしまうというほど賢く、友好的な性格なためしつけがしやすいと評価が高い犬種です。しかし、パピヨンの家庭犬としての歴史は長いものの、体内にはスパニエル種のDNAを秘めています。そのため、リーダーに従うという強い忠誠心に長けているのですが、リーダー以外には従わない、という部分もあるのです。
しつけのポイントは、遊びたい! おやつがほしい! こういうパピヨンの要求をすぐに受け入れないという飼い主さんの強い姿勢で、どちらがリーダーなのかを理解させることです。これは主従関係の基礎ですが、しつけの一環として教えてあげるといいかもしれません。
愛犬の名前を呼んでも無視されて、散歩に行く時には人間が犬に引きずられて散歩されているような錯覚に陥り、ご飯の時間になればワンワンと吠えたてる…そんな経験はありませんか? 1つでも当てはまると、飼い主のあなたとの主従関係が逆転し、愛犬が飼い主さんを下に見ているかもしれません。 主従関係の逆転は、人間にとって不都合なことばかり起きるのではなく、愛犬にとっても辛いものなのです。 これを読めば、飼い主がリーダーになる必要性やトレーニング方法がわかります。 ぜひ参考にしてみて下さいね。
パピヨンのケア
バタフライと呼ばれるパピヨン。躍動感のある耳の飾り毛はとても繊細です。毛玉にならないよう、目の細かいコームで丁寧に整えてあげましょう。
抜け毛が少ないといわれているパピヨンでも、ダブルコートの犬種と同じように春や秋に毛が抜けおちます。そもそも体臭の薄いパピヨンに、過度なシャンプーは皮膚と毛並を傷つけてしまうのでNGです。月1回のシャンプーで皮膚を清潔に保ち、定期的なブラッシングで絹糸と絶賛されるシングルコートの毛艶をキープするのがおすすめです。
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生え変わり時期の抜け毛の処理、毎日のお手入れに便利です。
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パピヨンのカットってどれくらいのペースで行えばいいか悩んでいる方いらっしゃいませんか? 長毛でいつもしなやかな髪質を持っているパピヨンですが、どうやらそれほど定期的に行う必要がないかもしれません!! 今回はカットで注意したい点なども含めてご紹介していきたいと思います♪
パピヨンの病気
1.段差や滑る床には注意が必要
パピヨンは活発な性格なので、家の中を走ったり階段を駆け上ったりすることが得意です。しかし小柄で骨の細いパピヨンは関節が強いわけではないので、フローリングの上で滑ったり、段差のある場所で上り下りを繰り返したりすると膝関節の皿がずれ、脱臼する危険があります。この病気は老化や先天性でなければ、肥満予防や床の滑り対策で防げる病気でもあるので、普段から観察することがポイントになります。
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ペットと人にやさしい、共生型カーペットです。毛先がカットされているためペットの爪が引っかかりにくく、適度なグリップで足腰の負担を軽減、ケガや脱臼、ヘルニアを予防します。またスムース加工で表面が滑らかになっており、抜毛のお掃除もし易くなっています。
2.逆さまつ毛にも要注意
パピヨンの愛らしい目で見つめられると笑顔になってしまいますよね。その瞳に充血はありませんか? 涙が多い、目をこする、そんな仕草はありませんか?
こういう仕草をする場合、瞼が内側にまくれ皮膚やまつ毛が眼球を刺激して炎症を起こす、眼瞼内反症という目の病気の可能性があります。軽度であれば逆さまつ毛を抜いて炎症を治療することで改善が見込めますが、症状が進むと手術が必要になることも。気になったら早めの対処、これが大切です。
パピヨンの値段
生後3ヶ月程度のパピヨンの子犬の値段は10万円~30万円と、値段に差があります。
◆パピヨンの値段は血統、性別、月齢などで決まる
パピヨンの値段の上下の差を調べていくと、生後3ヶ月の子犬の値段は3ヶ月を過ぎた子犬の値段よりも高い傾向があり、さらにオスの値段は繁殖のできるメスよりも値段が低いことがわかりました。
さらにドッグショーに出てチャンピオンなど賞をとったパピヨンは値段がグンと上がるのに対し、ペット用のパピヨンはチャンピオン犬に比べ値段が低いようです。
パピヨンの子犬の選び方
パピヨンの子犬は、ペットショップやブリーダーなどから迎え入れることになる機会が多いと思います。
子犬の値段は血統、性別、月齢などに左右されますが、極端に安い、または高すぎる場合は確認が必要です。これらの要素だけでなく、個々の特徴、性格、飼育環境等様々な点を踏まえ、検討するようにしましょう。
さいごに
さて、ここまでパピヨンについてまとめてきましたが、いかがでしたか?
パピヨンは人懐こい性格で甘え上手なので、小悪魔とも言われています。初心者のオーナーさんの話では、無駄吠えが少ない、病気にかかりにくい、飼い主さんに対してストーカー気味など、つい笑ってしまうエピソードが盛りだくさん。
そういえば、耳の飾り毛はカットしてしまうとなかなか伸びないので注意が必要だとか。
一緒に過ごしてみないと味わえないパピヨンとの生活は、とても躍動感に溢れていそうですね。
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