1.日本犬とは?
3.日本犬の種類①柴犬
3-1.柴犬の歴史
3-2.柴犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさ
3-3.柴犬の性格
3-4.柴犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
3-5.柴犬の値段
4.日本犬の種類②紀州犬
4-1.紀州犬の歴史
4-2.紀州犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさ
4-3.紀州犬の性格
4-4.紀州犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
4-5.紀州犬の値段
5.日本犬の種類③四国犬
5-1.四国犬の歴史
5-2.四国犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさ
5-3.四国犬の性格
5-4.四国犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
5-5.四国犬の値段
6.日本犬の種類④北海道犬
6-1.北海道犬の歴史
6-2.北海道犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさなど
6-3.北海道犬の性格
6-4.北海道犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
6-5.北海道犬の値段
7.日本犬の種類⑤甲斐犬
7-1.甲斐犬の歴史
7-2.甲斐犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさなど
7-3.甲斐犬の性格
7-4.甲斐犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
7-5.甲斐犬の値段
8.日本犬の種類⑥秋田犬
8-1.秋田犬の歴史
8-2.秋田犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさなど
8-3.秋田犬の性格
8-4.秋田犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
8-5.秋田犬の値段
【掲載:2019.08.16 更新:2020.04.23/2020.09.02】
日本犬とは?
日本犬とは日本原産の犬の種類のことで、古くから日本で生育している在来犬の総称です。
1934年に日本犬保存会により、スタンダード(犬種標準)が定められました。
日本犬は主に6犬種が該当し、犬の種類ごとに1931年から1937年にかけて文部省により天然記念物に指定されましたが、太平洋戦争後に管理は各都道府県教育委員会の管轄になっています。
日本犬の種類は?
日本犬は主に小型の柴犬、中型の紀州犬・四国犬・北海道犬・甲斐犬、大型の秋田犬の6種類です。
過去には、1934年に旧越国にあたる越前、越中、越後原産の越の犬という犬種が日本犬として国の天然記念物に指定されましたが、現在は絶滅しています。
特定の地域に生息する「地犬」には天然記念物に指定された前述の7種類の犬の他に、川上犬(信州)、薩摩犬(鹿児島)、十石犬(群馬、長野)、岩手犬(岩手)など多くの犬種が現在も確認されています。
過去に絶滅した地犬も含めると、日本犬の犬種数は40種類近く存在します。
日本犬の種類①柴犬
日本で飼育されている日本犬の8割を占める柴犬について詳しくご紹介します。
◆柴犬の歴史
柴犬は古代犬種と呼ばれる古くから続く日本犬の血族で、現存の日本犬の代表である6犬種の中でも最古の種類です。
1936年に柴犬は天然記念物に指定されましたが、第二次世界大戦の戦時下であることと、犬ジステンパーウイルス感染症が大流行したことにより絶滅の危機にあいます。
そこで柴犬保存運動として、島根産の柴犬と四国産の柴犬を掛け合わせて作られたアカ号の子孫を長野県に移し、繁殖しました。
柴犬には、日本犬として天然記念物に指定された7犬種の中で、唯一地方名が名前についていない犬種です。
◆柴犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさ
柴犬は日本犬の中で唯一の小型犬です。
被毛は短毛で立耳、尾は多くが巻き尾ですが、中にはまっすぐな状態で前方に傾斜した差し尾の個体もいます。
体高はオスが38~41cm、メスが35~38cmです。
被毛色は赤(茶)、胡麻、黒胡麻、赤胡麻、黒褐色などがあります。
◆柴犬の性格
柴犬の性格は、大胆で警戒心が強く、頑固です。
これは日本犬の古代犬種の性格が大きく影響していると言われています。
日本では、その警戒心の強さと従順な性格から、長らく番犬として使役された日本犬の代表として有名です。
◆柴犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
柴犬は飼い主に従順な反面、冷静かつ警戒心が強い性格のためリーダーの見極めにシビアだという特徴があります。
そのため、リーダーシップをもって飼育できる飼い主であることが絶対条件ともいえます。
柴犬は上毛と下毛が二層になったダブルコートと呼ばれる被毛をしているため、非常に抜け毛が多い種類でもあります。
柴犬に大事なケアとして、毎日のブラッシングは欠かせません。
また被毛が密であることから皮膚トラブルも多い犬種で、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などの病気にも注意が必要です。
◆柴犬の値段
血統や、被毛の希少性、販売ブリーダーや店舗によって差は大きいですが、およそ8万円から20万円です。
日本犬の種類②紀州犬
日本犬の中で、柴犬に次ぐ日本での飼育頭数が多い紀州犬について詳しくご紹介します。
◆紀州犬の歴史
紀伊国(現在の和歌山県から三重県熊野地方)にまたがる紀伊山地のイノシシ猟に使役していた日本犬が由来です。
紀州犬は、1934年に天然記念物指定を受けました。
天然記念物に指定された際に紀州犬として指定された日本犬の種類は、太地犬、熊野犬、日高犬、高野犬、明神犬、那智犬です。
◆紀州犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさ
鼻すじはすっきりして、三角の立耳と細い三角目、狼の様な差し尾が紀州犬の特徴です。
被毛は上毛と下毛の二層構造のダブルコートで、色は多くが白ですが赤毛や胡麻毛もいます。
体高はオスが49~55cmメスが46~52cmです。
◆紀州犬の性格
本来は穏やかな性格ですが、主にイノシシ猟やシカ猟に使役した日本犬のため、勇猛で警戒心が強く、気性が荒い一面ももちます。
ですが猟犬の特徴ともいえる、飼い主に対しての従順さも兼ね揃えているため、しっかりとしつけをすれば従順な番犬として活躍できる日本犬です。
家族と認めた集団に対しての敵には容赦しないという性格も持つため番犬に最適といえる日本犬です。
◆紀州犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
紀州犬を飼い犬とするには、しっかりとリーダーコントロールを用いしつけをすることが大切です。
遺伝病は少なく、体質も丈夫です。
山地で活躍する狩猟犬として活躍した日本犬のため、十分な運動量が必要です。
◆紀州犬の値段
血統や、被毛の希少性、販売ブリーダーによって差は大きいですが、およそ10万円から20万円です。
日本犬の種類③四国犬
主に高知県を中心とした四国地方原産の四国犬について、詳しくご紹介します。
◆四国犬の歴史
四国犬は古来から「土佐犬」と称されてきた日本犬で、闘犬である土佐犬と間違われる事を避けるために四国犬と改称されました。
四国山地周辺山村でのイノシシ猟やシカ猟に使役した猟犬です。
1937年に天然記念物に指定されました。
◆四国犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさ
日本犬の中で最も素朴な風貌と称される四国犬はニホンオオカミと酷似していることから、しばしば見間違いをされる犬種です。
ニホンオオカミに似た毛色と、体高より体長の方がやや長い中型の体格が特徴です。
体高はオスが49~55cm、メスが46~52cmです。
額が広く、立耳で、尾は巻尾または差し尾です。
◆四国犬の性格
猟犬としての性格が色濃く残っており、警戒心があり勇敢で冷静、闘争心に強いです。
頭が良い日本犬のため、しつけはしやすいですが警戒心が強い性格のため、リーダーと認められるには時間がかかります。
リーダーと認められない人間のことを、四国犬は徹底的に受け入れません。
ですが、その反面リーダーと認めた人の言う事はしっかりと聞き入れる従順さも兼ね揃えています。
◆四国犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
中型の体格と、猟犬の性格を持つ四国犬は、飼い主を選びます。
しっかりとリーダーコントロールのしつけが出来、かつ運動不足でストレスがかからない様に運動量を確保してあげることのできる人が飼い主に向いています。
本来頭が良い性格の日本犬のため、四国犬に認められた飼い主はしつけがしやすいと言われています。
◆四国犬の値段
血統や、被毛の希少性、販売ブリーダーによって差は大きいですが、およそ10万円から15万円です。
日本犬の種類④北海道犬
別名アイヌ犬と称される北海道犬について、詳しくご紹介します。
◆北海道犬の歴史
縄文時代初期に、縄文人が本州から北海道へ同伴した狩猟犬の日本犬が北海道犬の祖先と言われています。
主にクマやその他の獣の狩猟犬として使役していました。
1869年にイギリスの動物学者であるトーマス・W・ブラキストンにアイヌ犬と命名されますが、
その後、1937年に天然記念物に指定された際に正式名称を北海道犬と定めました。
◆北海道犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさなど
三角形の立耳と、三角釣り目が特徴で、尾は巻尾もしくは差し尾です。
上毛と下毛の二層になったダブルコートで、色は赤、白、黒、虎、胡麻、黒褐色の6種類です。
体高はオスが48.5〜51.5cm、メスが45.5〜48.5cmの中型犬です。
◆北海道犬の性格
北海道犬は極寒に耐えられるほど忍耐強く、飼い主に忠実で従順な性格の日本犬です。
その反面、狩猟犬としての性格も色濃く残しており、警戒心に強く、大胆で野性的な一面もあります。
◆北海道犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
リーダートレーニングで主従関係を明確にすることが大切です。
飼い主だと認めてもらえた場合には、北海道犬は従順な番犬として活躍します。
特に大きな遺伝病はありませんが、寒さに耐えるため被毛が豊富なので、日々のブラッシングは欠かせません。
狩猟犬として使役していた日本犬のため、運動量が少ないとストレスを起こしますので注意が必要です。
◆北海道犬の値段
血統や、被毛の希少性、販売ブリーダーによって差は大きいですが、およそ10万円から14万円です。
日本犬の種類⑤甲斐犬
山梨県原産の虎毛が特徴の甲斐犬について、詳しくご紹介します。
◆甲斐犬の歴史
古くは戦国時代の永禄3年に保護を命じられた3匹の猟犬が甲斐犬だった可能性があると言われている通り、古来から日本に現存した日本犬です。
山梨県南アルプス山岳地でイノシシやカモシカ、キジなどの狩猟に使役していました。
甲斐犬は1934年に天然記念物に指定されました。
◆甲斐犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさなど
別名虎毛犬と呼ばれる通りに、黒虎毛、虎毛、赤虎毛が特徴の日本犬です。
体高はオスが47~53cm、メスが42~48cmです。
三角形の耳に三角目、舌に舌班と呼ばれる斑点を持つ個体もいます。
◆甲斐犬の性格
甲斐犬の性格は「一代一主」と称される事が多く、決めた飼い主にのみ心を開き、一生忠誠を尽くすと言われています。
甲斐犬は警戒心に富み、温和で従順な性格をしています。
◆甲斐犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
狩猟犬として使役していたため、運動量は十分に与える必要があります。
甲斐犬は大きな遺伝病が無いため、病気知らずと称されるほど健康な犬が多い特徴があります。
◆甲斐犬の値段
血統や、被毛の希少性、販売ブリーダーや店舗によって差は大きいですが、およそ10万円から15万円です。
日本犬の種類⑥秋田犬
日本犬の中で唯一の大型犬である、秋田犬について詳しくご紹介します。
◆秋田犬の歴史
北方のマタギ犬を由来とした秋田マタギ犬が祖先です。
1931年に優秀犬9頭が秋田犬として天然記念物の指定を受けました。
秋田犬は、闘犬としての品種改良や、食糧難、軍用犬との交配で他犬種の影響を大きく受けた日本犬ですが、戦後残った秋田犬から再作出が行われ、血統の固定が行われたと言われています。
◆秋田犬の見た目の特徴、毛色、体の大きさなど
三角の立耳、太い巻尾で、被毛色は赤、白、虎、胡麻です。
体高はオスが64~70cm、メスが58~64cmと日本犬の中で唯一の大型犬に属します。
◆秋田犬の性格
猟犬や闘犬として使役した経緯から、高い身体能力と力強さを持っています。
性格は飼い主に従順である反面、知らない人に対して攻撃性が強い場合もあります。
◆秋田犬の飼い方(しつけ、ケア、病気など)
遺伝病の少ない日本犬の中で珍しく、股関節形成不全や鼓脹症にかかりやすいという特徴があります。
運動量が多いため、しっかり管理する必要があります。
知らない人に対しての攻撃性の高さから、事故発生率も高く、リーダーシップをもって管理できる飼い主である必要があります。
◆秋田犬の値段
血統や、被毛の希少性、販売ブリーダーや店舗によって差は大きいですが、およそ10万円から15万円です。
海外で人気のある日本犬は?
血国内では古くから愛されていた日本犬ですが、その人気は今や海外まで広がっています。
特に、誰もが知るような有名人が日本犬を飼うケースも多く、それが発信となって人気が高まっているようですね。
◆海外で人気のある日本犬①秋田犬
海外で人気が急上昇している日本犬と言えば、やっぱり秋田犬でしょう。
「秋田犬」と言う犬種が世界的に知れ渡ることになったのが、『HACHI 約束の犬』という主人公と秋田犬の絆を描いた映画。
映画のなかで描かれた飼い主をずっと待ち続ける秋田犬の表情は、世界中の人々の心に響いたことでしょう。
この映画をきっかけに、秋田犬を飼い始める人が世界でも増え、今では海外で人気の日本犬の代表格としてかなり知名度があります。
また、女子スケート界で有名な金メダリストのザギトワ選手へ、秋田県から秋田犬が贈呈されたことも近頃のホットな話題ですよね。
しかも、2012年にも秋田県知事がロシアの大統領に贈ったのも秋田犬。
そんな背景もあり、実はロシアではここ10年ほどで一気に秋田犬人気が加速しているのだそう。
ロシアは秋田と同じように寒い気候。
寒さに強い秋田犬も暮らしやすいのが受け入れられる理由のひとつのようですね。
意外かもしれませんが、登録数としては日本国内よりも海外の方が多いほど。
ザギトワ選手が飼い始めた話題もあるので、今後ますます秋田犬人気が高まりそうですね。
◆海外で人気のある日本犬②柴犬
柴犬も海外に愛好家が多い日本犬です。
海外の犬好きさんなら、「Shiba inu」「Shiba」などと、知っている人も多いようです。
柴犬の海外認知度が高まっているのは、インターネットの普及も関係しているのでしょう。
SNSに画像や動画をアップしたりと、「うちの柴犬自慢」をする飼い主さんたちも増えています。
また、柴犬は日本犬のなかでも体格が小さく飼いやすいのも魅力のひとつ。
そして、オオカミに近い容姿が「カッコいい」とファンが多いようですね。
日本犬が海外で人気のワケ
愛想が良くて誰にでも抱っこされるような洋犬は、どんな人のハートも掴む愛らしさがあります。
洋犬人気は、日本でも高いですよね。
そんな洋犬と比較すると、「飼い主にだけ見せる忠実さ」が日本犬の魅力かもしれません。
立ち姿は凛々しく勇ましく、賢そうな表情がカッコいいですよね。
飼い主さんに忠誠を尽くすサムライ気質も感じさせてくれます。
それでいて、黒くてつぶらな瞳が可愛らしい。
ときには、笑っているかのように見えるのも大きな特徴です。
優しさと凛々しさ、賢さ、たくましさ…と、いろんな表情を持っているのも日本犬が人気となる要因でしょう。
日本犬は、抱っこをせがんだり、飼い主さんにベタベタとついたりすることもあまりないので、愛犬との暮らしに適度な距離感が欲しい人には「洋犬とは違って惹きつけられる」と高評価なのだそうです。
また、日本犬は飼い主さんに深く愛情を注ぐので、その場の状況をよく理解することができます。
空気が読める頭の良さを持っているのも、人気の要因と言えるでしょう。
日本犬に関するまとめ
日本在来種である日本犬には、体格や大きさも異なる魅力ある犬種が多いです。
日本犬の多くが猟犬として使役してきた為、飼い主に忠実で警戒心に富み、冷静という性格を持っています。
リーダーコントロールにより飼い主と認められたなら、あなたにとって日本犬は最高のパートナードッグになることでしょう。
魅力たっぷりの日本犬を、ぜひ家族に迎えてみてはいかがでしょうか。
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