1.アイコンタクトがとれると役立つ場面
1-1.①危険な状況から身を守る
1-2.②興奮状態から落ち着かせる
1-3.③しつけがしやすくなる
2.アイコンタクトを身につけるには
2-1.アイコンタクトを身につけるには①犬に自分の名前を覚えさせること
2-2.アイコンタクトを身につけるには②ごほうびを用意する
3.アイコンタクトの教えかた
3.アイコンタクト習得の5ステップ
4.アイコンタクトを教える際の注意点
4-1.アイコンタクトを教える際の注意点①無理に視線を合わせない
4-2.アイコンタクトを教える際の注意点②名前を呼びながら怒らない
4-3.アイコンタクトを覚えたら
アイコンタクトがとれると役立つ場面
犬がアイコンタクトをとれると、なぜ良いのかを知っていますか?
飼い主が名前を呼んだときに犬が飼い主のほうを向いて目を合わせてくれる、それだけでは真のアイコンタクトとは呼べません。
アイコンタクトは単純に飼い主と目を合わせるだけでなく、飼い主が犬と目を合わせる事によって犬が飼い主に注目するようになる、飼い主からの指示や次に行うべき行動を示してくれる、しつけの前のとても重要な役割を持ちます。
アイコンタクトが取れると役に立つ場面を3つあげてみます。
①危険な状況から身を守る
例えば、道路の端を散歩している際に、車が急に犬のそばに寄ってきたとします。
その際に飼い主が犬を呼び止めアイコンタクトをする事で、犬を車から離れるように指示できます。
アイコンタクトは危険な状況から犬を守ることができるのですね。
②興奮状態から落ち着かせる
犬は楽しい場面や嬉しい場面に出くわすと、どんどんヒートアップしてしまう生き物でもあります。
大好きな友達の犬に出会った時に最初はじゃれ合っていたのに、段々と激しくなってかみついたり吠え掛かったりすることも。
そんな時は、呼び止めてアイコンタクトをして動きを止めることで、興奮状態から少し落ち着かせる事ができます。
ドッグランなどでほかの犬を追い回してしまう時にも、アイコンタクトをして犬をいったん落ち着かせる事は、相手の犬を傷つけてしまう危険性からも回避できます。
③しつけがしやすくなる
アイコンタクトはしつけの基本です。
アイコンタクトを行えば、犬は飼い主に注目してくれますので、しつけとなる指示を忠実に聞けるようになります。
しつけは犬にとって重要なもので、人間と一緒に楽しく暮らすために必要不可欠なものです。
しつけは何度も同じことを繰り返して学習させますが、アイコンタクトの基本がしっかりとできてれば、どんなに難しいしつけでもスムーズに行うことが可能です。
アイコンタクトを身につけるには
アイコンタクトが犬にとって役に立つことが理解していただけたと思います。
では、アイコンタクトを身に着けるにはどうすればよいのでしょうか。
アイコンタクトはしつけの1つですが、アイコンタクトを教える前にやっていただきたい大前提が2つあります。
1つは、犬に自分の名前を覚えさせること
2つ目は、ごほうびを用意する事です。
それでは1つずつ説明していきましょう。
◆アイコンタクトを身につけるには①犬に自分の名前を覚えさせること
これができると、名前を呼ぶと飼い主の方を振り向いてくれるといったアイコンタクトにつながります。
初めて犬をお家に迎えた時、犬の名前を飼い主さんは決めますよね。
しかし、飼い主さんが決めただけでは、犬が自分の名前が何なのかはまだわかりません。
犬に「あなたの名前は〇〇だよ」と常に教えておかないと、自分の名前が何なのかがわからないままになってしまいます。
犬に自分の名前を覚えてもらうには、何回もその名前を言うのが一番です。
そして、嬉しい事ほど犬は早く学習しますので、犬が喜ぶ散歩やおやつ、ご飯の時に名前を必ず付けて声掛けをしましょう。
散歩に行く前に「〇〇、お散歩に行くよ~!」
おやつの際に「〇〇、おやつだよ~!」
ご飯の時には「〇〇、ご飯お待たせ~!」
どんな時でも犬の名前をつけて、犬に語りかけてみてください。
よしよしと撫でる時でも「〇〇、いい子だね~!」などと言ってあげると、早く犬が自分の名前を覚えるようになります。
家族で犬を飼っている場合、家族ごとで呼び名が違うことが良くあります。
「チョコちゃん」という犬を「チョーちゃん」、「チョコチョ」、「チョコたん」など皆でアレンジして呼んでいれば、犬は混乱して自分の名前なのかそうでないのかがわからず、アイコンタクトも上手にいきません。
アイコンタクトをきちんと教えるためには、家族全員で犬を呼ぶ呼び名も統一させてくださいね。
また、名前を何度も何度も連呼する方がいます。「チョコ、チョコ、チョコ」と連続で読んでしまうと「チョコチョコチョコ」が名前になってしまいますので、名前を呼ぶときは、1回、1回単発で呼ぶようにしましょう。
◆アイコンタクトを身につけるには②ごほうびを用意する
「ごほうびを用意する事」とは、犬がやる気になるためのアイテムを用意する事です。
犬は褒められるとどんどん伸びるタイプで、飼い主が喜ぶ顔が見たいと一所懸命頑張ります。
アイコンタクトなどを成功させた際に、どんな褒め方や触り方、ごほうびのおやつをあげるかを決めておけば、犬が飼い主のいう事を聞けば褒めてもらえる、触ってもらえる、おやつをくれると学習するようになります。
ただし、おやつは常にあるという訳ではありませんよね。
外出中だったり、たくさんある部屋の中だったりすれば、おやつが飼い主のすぐそばに置いていない場合もあります。
おやつで褒めるのも良いですが、最初のうちは、飼い主の褒める声や体を触ってあげることが一番のごほうびとするのがベストです。出来るようになってきたら、少しずつ、おやつを減らしていきましょう。
犬を褒める場合は、多少大げさなくらいが犬にとって丁度良いと言われています。
顔の表情や声のトーンなど、今までにないくらい褒めちぎってあげると、犬もとても嬉しそうな表情をしてしっぽをブンブンと振って喜んでくれます。
もっと褒めてもらいたい、もっと飼い主さんの嬉しい顔が見たいと思ってくれたのなら、アイコンタクトを教えるベストのタイミングです。
アイコンタクトの教えかた
犬がアイコンタクトを覚えたゴールとしては、名前を呼べば犬がどれほど何かに集中していてもパッと飼い主さんと目を合わすという事です。
遊びに夢中になっていても、大好きなご飯を食べている最中でも、名前を呼べば飼い主さんの方を見て「何かな?」と目を合わせて耳をすましてくれる状態ですね。
アイコンタクトがしっかりとしつけでできていないと、飼い主さんが呼んでも知らんぷり、遊び続けるなんて状況もありますので、しっかりとアイコンタクトを教えましょう。
◆アイコンタクト習得の5ステップ
アイコンタクトの最初の教え方はとても簡単な5ステップでできます。
①おやつ(ドッグフード)を1粒手に持つ
②犬に匂いをかがせて興味を持たせる
③犬が手に注目をしている時に手を犬の目と飼い主さんの鼻の頭あたりにもっていき、目の間に合わせる
④犬の名前を呼びながら、飼い主さんと目があった時におやつ(ドッグフード)をあげる
⑤アイコンタクトができたことを褒める
この5つのステップを踏めば誰でも簡単にアイコンタクト初級ができるようになります。どんどん応用化していきましょう。
焦らず、時間をかけてゆっくり行えばどんな犬でも簡単にできるようになります。
もしおやつや食べ物に興味がない場合は、大好きなおもちゃを代わりに利用しても構いません。
犬にとって集中できる時間は10分くらいといわれていますので、アイコンタクトを何が何でも教えるのだと1日中意気込むのではなく、会話やコミュニケーションの一環として気長に教えてあげて下さい。
飼い主さんの迫りくる気迫が怖くなって、犬が飼い主さんに寄り付かなくなってしまうのは本末転倒ですよ。
アイコンタクトを教える際の注意点
アイコンタクトを教える際の注意点として覚えておいていただきたい事が2点あります。
◆アイコンタクトを教える際の注意点①無理に視線を合わせない
1点目は、目と目を合わせてくれないからと言って、犬の顔を覗き込んで目を合わせようとしたり、犬の目線に合わせにいったりしないようにしてください。
人間にとって目と目を合わせるのは自然な行為で、好意的な感じがしますよね。
しかし、犬同士での目を合わせるという行為は、相手の犬に敵意を示すという意味にもなりえます。
飼い主さんが犬を覗き込んだ際に、犬がうなり声を上げながら鼻にシワをよせて牙を向いているような状態であれば、犬が飼い主さんのことを敵に思っているか怖がっているという状況が考えられます。
犬が目を合わせた際にこのような敵意むき出しの表現をした場合には、アイコンタクトを教える前に、飼い主は怖くないのだと、飼い主側に敵意はないと愛情をもって十分に教えることから始めましょう。
◆アイコンタクトを教える際の注意点②名前を呼びながら怒らない
2点目は、アイコンタクトができないからと言って名前を呼びながら怒らない事です。
犬が自分の名前を呼ばれると良いことがあるというような学習をしていれば、名前を呼べばすぐにアイコンタクトをしてくれるようになります。
反対に、自分の名前を呼ばれながら飼い主が怖い表情をしていたり罰を与えるような行動をしていたりすれば、名前を呼ぶと怖い事があると犬が学習し、飼い主の方に視線を向ける事が無くなってしまいます。
もし、アイコンタクトが上手にできなかったとしても、決して名前を呼びながら怒らないでください。
犬も学習している最中ですので、できないのが当たり前、少しでもできたのなら思う存分名前を言いながら褒めてあげて下さいね。
◆アイコンタクトを覚えたら
5つのステップでアイコンタクトを覚えたら、どんどんと応用していきましょう。離れた場所から名前を呼んでみたり、犬が何かに夢中になっている時に名前を呼んでみたりしましょう。
散歩をしている最中でも名前を呼んでアイコンタクトをしてくれるかどうか試します。
お家の中ではアイコンタクトができていても、外へ出て興味をそそられれるものがたくさんある環境では、飼い主の声に反応できないかもしれません。
できなかった場合は、あきらめず何度も挑戦しましょう!
その際に飼い主の目を見てくれたら、すかさずほめたたえます。
おやつをあげるのは最初のうちはアイコンタクトを覚えるためには必要ですが、与えすぎると肥満等のリスクが高まることもありますので、徐々に飼い主さんの褒める言葉だけで犬が満足できるようにするのがベストです。
犬のアイコンタクトのしつけに関するまとめ
名前を呼ぶと飼い犬が自分の方を向いて「何かな?」と集中してくれる姿は、犬を飼っていて本当に良かったと思うひと時でもあります。
キラキラとした目で見つめてくれる姿はとても愛おしくて可愛いものですよ。
ぜひ、しつけの第一歩としてアイコンタクトができる犬にしてあげてくださいね。
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