サプリメントとは?
サプリメントと聞くと、何となく体によさそうと思ったり、毎日健康のために取り入れたりするものだと思われがちです。
では、サプリメントという本当の意味をご存知でしょうか。
◆不足する栄養素を補う「サプリメント」
一般的に「サプリ」と呼ばれ親しまれているサプリメント。見た目は錠剤や粉末状で薬のような感じがしますが、実は食品に分類されているものです。
サプリメントは、不足している栄養素を補うという意味で、栄養補助食品とも呼ばれています。
普段の生活の中で基本的な栄養バランスを摂取できる人間や犬には、本来であれば必要ありません。
しかし、現代社会において何らかのストレスを抱えていたり、食事内容が偏ったり、老化現象によって特定の栄養素を多く必要とする場合、食品だけでは不足してしまう栄養素が現れてしまいます。
そのどうしても不足してしまう栄養素をサプリメントという形で補う事が、サプリメントの本来の目的なのです。
◆サプリメントと薬のちがい
サプリメントと聞くと、「病気を治すために摂取するもの」「皮膚トラブルがあった場合に取り入れるもの」だという薬に近い考え方でとらわれがちです。
薬は薬事法という法律に基づいて効果や効能を謳う事ができますが、病院からの医師の処方箋がないと手に入れられませんし、薬局に行かないと入手ができないものです。
一方で、サプリメントは食品であるために、コンビニでもスーパーでも気軽に入手することができます。
また、サプリメントは栄養を補助する食品ですので、薬の様にすぐに目に見えた効果が現れるものではありません。
愛犬に必要なサプリメントかどうかを見極め、適切な期間・分量を与える必要があります。
犬にサプリメントを与えてもいいの?
犬にサプリメントをあげてもいいかどうか迷っている方もいらっしゃると思います。
毎日の食事の中で、毎日一緒に暮らしていく中で、100%飼い犬に必要な栄養素を与えているという自信や根拠がある場合は、サプリメントは必要ないかもしれません。
反対に、サプリメントは薬のような効果は見込めないものの、毎日の食事で摂らせてあげる事が難しい栄養素や、今の愛犬の健康状態にぴったりな栄養素を補う事ができます。
たくさんある食品の中からピンポイントで不足している栄養素をあげる事は難しく、量をあげればそれだけカロリーも摂取してしまい肥満につながります。
そこで、サプリメントを利用すれば、飼い犬も肥満傾向になることなく、体型の維持もしながら不足した栄養素だけを取り入れる事が可能です。
犬にサプリメントをあげるかどうか悩んでいる方は、今現状で飼い犬がどんな栄養素が不足しているのか、今後不足しがちな栄養素を自分自身だけで補えるのかどうかを考えてみると、利用するかどうかを決めやすいと思いますよ。
犬用サプリメントの選び方は?
サプリメントの選び方には、目的別に2つに分かれます。
1つは、マルチビタミンに代表されるように、総合的なサプリメントで犬に必要な栄養素をバランスよく配合されているものです。
一般的に「ベーシックサプリメント」と呼ばれています。
もう1つは、腸内環境を整えたり、膝や腰の関節が気になったり、シニア犬であちこちのトラブルが出てきたというような、目的別に効果を期待する時に使用するサプリメントです。
一般的に「ターゲットサプリメント」と呼ばれています。
あなたの愛犬が今どんな症状があって、何を改善したいか、どんな効果を期待しているのかを考えてサプリメントの種類を選びましょう。
犬用サプリメントの種類、効果は?
犬用に開発されたサプリメントですが、さまざまな種類が存在します。人間用のサプリメントも種類がたくさんありますので、同じように犬にもたくさんあるのですね。
犬用のサプリメントの種類として、大きく分けて4種類あります。
①腸内環境を整えるサプリメント
②膝・腰などの関節トラブルに対応したサプリメント
③シニア犬向けのサプリメント
④肥満が気になる犬向けのサプリメント
では、1つずつ説明していきましょう。
①腸内環境を整えるサプリメント
腸内環境を整えれば、便秘・下痢などの便のトラブルや、皮膚トラブルの改善につながるとされています。
腸は「消化された栄養分を吸収する」という働きが一番有名ですが、食べ物と一緒についてきてしまった病原菌やウイルスなどに出会いやすい場所でもあります。その導かざる外敵を倒すために、腸内には「免疫細胞」が集結していて、その数は体中の免疫細胞の7割が集中しているほどです。
腸内環境が乱れてしまうと、この免疫細胞が上手に働かなくなり、皮膚などのアレルギー症状や下痢を引き起こします。
特に、腸内環境の乱れは皮膚トラブルの原因になっていて、腸内環境を整えるサプリメントを摂取したおかげで、皮膚トラブルが無くなったという犬もいるほどです。
②膝・腰などの関節トラブルに対応したサプリメント
犬も老化が進むと、人間と同じように膝や腰などの関節痛に悩まされるようになります。今まで元気に飛び回っていた犬が、階段などを登らなくなったり、散歩に行きたがらなくなったりしてしまいます。
また、ミニチュア・ダックス・フントは犬種の特徴で腰の関節に負担がかかりやすかったりしますし、ヨークシャー・テリアやチワワなどの小型犬は膝蓋骨脱臼などの病気が多発するように膝に負担がかかりやすい犬種です。
膝や腰などの関節痛は、人間と同じようにコンドロイチンやグルコサミンのサプリメントが多く含まれます。
毎日の食事で関節痛に効果があるようなものを摂れるのが一番ですが、決まった量を定期的に採れるサプリメントはありがたいですね。
③シニア犬向けのサプリメント
一般的に犬が7歳を過ぎると「シニア犬」と呼ばれるようになり、毛に艶が無くなってきたり足腰が弱くなってきたりします。
取り入れた栄養を消化・吸収する力も衰えてくるので、食事の内容も若いころからは違ったものにしていかなければ腸に負担がかかってしまいます。
シニア犬用で発売されているサプリメントは、EPAやDHAなどの体内で合成できない必須脂肪酸が含まれています。
これらの脂肪酸はオメガ3脂肪酸と呼ばれていて、体に必要不可欠なものですが、食べ物からしか摂取できないためにシニア犬には毎日の食事の中に取り入れてほしいものの1つです。
オメガ3脂肪酸が不足すると、脳の健康維持が難しくなったり、皮膚トラブルが起こりやすくなったり、ドロドロ血液になったりします。
老犬に現れがちな困った症状を改善するために、シニア犬用のサプリメントがおすすめです。
④肥満が気になる犬向けのサプリメント
毎日の食生活がきちんと管理でき、運動もできている犬には肥満は程遠いと思いますが、世の中には肥満に悩まされている犬は多くいます。
犬の肥満は100%飼い主が原因で、飼い主が食事を与えすぎているか、犬用ではなく人間用のカロリーが高いごはんをあげているか、おやつを与えすぎているか、適度な運動をさせていないかといったような事があげられます。
食べることが好きで、どうしても太ってしまうという犬には、食べたものを速やかにエネルギーに変換する効果があり、脂肪に蓄積させないような働きをするアルギニンやカルニチン、ラクトフェリンを配合したサプリメントが販売されています。
食事の量やカロリーを気にしながらドッグフードをあげることももちろん大切ですが、サプリメントの助けを借りて食生活の改善をはかることもできます。
犬にサプリメントを与える時の注意点は?
様々な犬におすすめしたいサプリメントですが、与える際にはいくつか注意していただきたいことがあります。
◆サプリメントは「薬」ではない!
まず大前提として頭に入れていただきたい事は、「サプリメントは薬ではない」という事。
皮膚トラブルになったから、下痢が続いているから、足腰が痛そうだから、そんな症状が出てからサプリメントを飲んだとしても、すぐに効果が出て改善するわけではありません。直接的に痛みを取るのは薬ですし、皮膚の病気を治すのも薬です。
サプリメントはあくまでも「食品」ですので、摂取することで体の中の環境を整えて、毎日健康に過ごすことができる手助けをするものだと考えて下さい。
◆適切な量・期間続けて与えることが大切
サプリメントは、すぐに効果が出てくるものでもありません。犬の健康を維持していくために、普段のドッグフードにプラスしてサプリメントを与える事で、病気になりにくい体を作る効果があると考えましょう。
無理なく続けていけるもので、愛犬の様子を見ながら気長に付き合って下さい。
◆必ず犬用のサプリメントを与える
見た目や内容も同じようにみえる人間用のサプリメントですが、決して犬には与えないようにして下さい。
人間用のサプリメントは、犬や猫などのペット用サプリメントよりも濃度が濃く作られていることが多く、人間用を与えるとペットの体に影響をもたらす場合があります。
必ず犬には犬用のサプリメントを与えるようにしましょう。
◆アレルギーに注意する
初めて与えるサプリメントの注意点として、食物アレルギーが出てしまう可能性があります。
どんな成分が入っているのかを確認し、成分が大丈夫であっても大量に摂取することは避けて、少量ずつ様子を見ながら与えて下さいね。
まとめ
さまざまなサプリメントを同時に与えている方は、知らず知らずのうちに同じ成分を大量に与えていることがあるかもしれません。
過剰摂取によるトラブルも起こりやすいのですが、薬とは違ってサプリメントは自己判断で服用しますので、できる限り成分や内容量を確認して与えて下さいね。
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