犬にハイタッチを教えよう!
犬の芸といえば「お座り」や、「伏せ」、「お手」ですね。それと同じくらい一般的な芸に「ハイタッチ」があります。
「ハイタッチ」は、犬が片手を上げ、飼い主の手にタッチをする、といった芸です。実はハイタッチは「お手」が出来ていれば、比較的簡単に覚えることができる芸です。
ハイタッチを覚えさせるにはどうしたら良いのか、今回の記事でしっかりご紹介します。
芸やしつけを教えるコツは?
犬に芸やしつけを教える際には、大きく分けて二つの方法があります。それは「オペラント条件付け」という方法と「古典的条件付け」という方法です。
このオペラント条件付けと古典的条件付けという二つの方法について、詳しくご紹介します。
◆オペラント条件付けのしつけ方
オペラント条件付けとは、「悪いことが起こると罰が下る」という懲罰と、「良いことが起きるとご褒美がもらえる」というご褒美方式を混合した教え方です。ある行動をすると、何が起こるか、を犬に認識させるために行います。
罰は体罰などではなく、要求に答えない、無視、低い声で「違うよ」「NO」と伝えるなどの方法があります。
一方ご褒美には、おやつや大好きなオモチャを使った遊び、ブラッシングが好きな子にはブラッシングなど、様々なご褒美があります。
今回の様に、ハイタッチという芸を覚えさせたいという場合には「ハイタッチをすると良いことが起こる」と理解させると効果的です。このことをオペラント条件付けと言います。
◆古典的条件付けのしつけ方
もう一つの方法は、古典的条件付けという方法です。これは全く関係のない動作や声掛けを関連づけて犬に覚えさせるしつけ方法です。
しつけの際に利用する場合には、先に犬が行った動作に対して声掛けを被せていく方法が一般的です。
1.犬の前に、お手の姿勢で手を出す。
2.犬が偶然に、でもその手に片手で触れる
3.その際にすかさず「お手!」と言葉を被せ、その行為が「お手」であることを認識させる。
4.間髪入れずに褒める、もしくはご褒美をあげる。
何度も繰り返すことで、犬は「これがお手であり、お手をすると喜んでもらえる」と学びます。一度、芸として覚えた後は、ご褒美は無しでも構いません。
ただし、犬の芸はコミュニケーションツールでもあるため褒めてあげることは忘れないでくださいね。
ハイタッチの教え方は?
犬にハイタッチを教えるには、どのような方法があるのか確認してみましょう。
◆ハイタッチ出来たら声掛け!の反復をする
手をかかげて、「タッチ」や「ハイファイ」と声をかけてみましょう。偶然にでも犬がタッチ出来たら、思いきり褒めてあげます。ご褒美として、おやつをあげても良いですね。
「ハイタッチをしたら良い事が起きる」ということを認識させることが狙いです。
◆お手から高さを上げる
お手の芸が出来る犬の場合は、段々と高さを上げていく方法も効果的です。
お手をする際、徐々に手の向きも、犬の顔と並行になるように持っていきます。ハイタッチの高さまで上げることができたら、その時に初めて「ハイタッチ」と言葉を被せます。
すると、犬は「この行為はハイタッチなんだ」とスムーズに理解することが出来ます。
◆おやつで釣る
おやつで釣る教え方は、おやつが大好きな犬に最適な芸の覚え方です。
ハイタッチさせる手におやつを持ち、犬の鼻先に近付けます。おやつをつまんで、しっかりと犬に「おやつを持っている」ということをアピールしても良いです。
そして、その手をゆっくりと上に上げます。犬はつられて顔を上げ、手を出しますから、おやつにタッチしたら「ハイタッチ」と声を被せ、おやつを与えます。
何度も繰り返すと、犬はおやつ無しでもハイタッチが出来る様になっているはずです。
ハイタッチの掛け声は?
犬のしつけや芸のコマンドを指示する際にかける「掛け声」は、特に決まりはありません。一貫して使う事が前提ですが、好きな言葉を使ってOKです。
ハイタッチの場合は、多くの方が「ハイタッチ」という掛け声を使っています。
ハイタッチという言葉は和製英語です。英語圏では「ハイファイ(high five)」と言います。五本の指を高くあげて、パチンと相手と合わせるといったことが語源です。
芸の指示を「Sit(お座り)」「Down(伏せ)」といった英語で統一している人は、「high five」を使うことがおすすめです。
ハイタッチの注意点は?
ハイタッチという芸を犬に教えるにあたって、注意点があります。
◆小型犬のジャンプをさせるハイタッチには注意
特に小型犬、超小型犬に分類される小さいサイズの犬の場合は、飼い主が手を掲げる位置が高すぎるとジャンプしてハイタッチすることになってしまいます。中には、そのピョン!としたジャンプが可愛いからと、わざとその様にする方もいます。
しかしながら、犬のジャンプは膝などの関節に悪影響を与える一因です。
中には膝蓋骨脱臼(膝のお皿が外れやすい、もしくは外れっぱなしになる脱臼)を引き起こしてしまう犬もいます。膝蓋骨脱臼は、重症になると手術が必要な疾患です。
犬の中には、先天的に膝蓋骨脱臼の原因を持っている種類もいますので、ハイタッチの際にはジャンプをさせないように注意しましょう。
ハイタッチができたらフェイス(顔かくし)も覚えられるかも?
片手を目にかぶせる形で顔を隠す芸を、フェイス(顔かくし)と言います。
失敗した時に「あちゃー」といった意味で使ったり、人間の涙を拭く仕草に似ていることから、泣きたい場面で使ったりするとSNS映えもばっちりです。
フェイスは、お手やハイタッチが出来るとスムーズに覚えることができます。とても愛らしい仕草のフェイスは、どのように教えれば良いのかご紹介します。
◆フェイスの教え方は?
お手、ハイタッチと同様の方法でフェイスを教えることができます。
2.お手の姿勢から、徐々に鼻先の方に手を持って行って、フェイスの形になったら「フェイス」の声掛けと共に姿勢を定着させる。
◆フェイスの注意点は?
フェイスの注意点は、足先の位置です。足先が眼球の前になってしまう場合、勢いで眼球を爪で傷付けてしまうことがあります。犬は眼球を傷つけた場合、一晩で掻き壊してしまい、失明してしまうというケースもあります。
そのため、前足が極端に短い犬や、爪が当たってしまいそうな犬は、フェイスを覚えることを諦めた方が良いでしょう。
フェイスは芸であって、必ず覚えさせなければいけないしつけでは無いので、見極めはしっかりするようにしましょう。
犬がなかなか芸を覚えないときは?
「他の犬には出来るのに、うちの犬には出来ない」「ハイタッチは出来るのに、フェイスが出来ない」など、なかなか芸を覚えないという悩みも多いです。そんなときにはどうしたら良いのでしょうか。
◆教え方を見直す
犬がなかなか芸を覚えない時には、自分の教え方を見直しましょう。
多い例では、家族で異なる教え方をして犬が混乱しているなどがあります。必ず一貫した方法と言葉で教えるように徹底しましょう。
また、芸を教えるにはオペラント条件付けと古典的条件付けという二種類の方法があります。
どちらの方法も合う犬、合わない犬がいますので、中々芸を覚えられない時にはもう一方を試してみるのも効果的です。
◆一度教えることを辞める
特に間違えて覚えてしまった場合や、芸が出来ないことに対して怒ってしまったことのある場合は、一度教えることを辞めることも効果的です。
犬がハイタッチなどのしつけを忘れた頃に、再挑戦すると意外にスッと覚えられる、ということも多いです。
◆習慣にする
芸は飼い主が指示した時に即座に出来るものですが、なかなか覚えない時には習慣にしてしまいましょう。毎日反復して練習することで、覚えさせる方法です。
おすすめは毎日の食餌の前に教えることです。ハイタッチが出来たら、ご飯をあげるという方法で、ご飯をご褒美として使います。
覚えると可愛いハイタッチ!是非トライしてください
犬と飼い主のコミュニケーションツールにもなる「犬の芸」ですが、中でもハイタッチは可愛くて人気の芸の一つです。なんだか難しそう、と考える方も多いですが、基本の芸である「お手」が出来る犬には簡単に教えることができます。ハイタッチを覚えた犬は、片手で顔を隠すフェイスもおすすめです。
ハイタッチの教え方は、手を掲げ、偶然にでも触れたら「ハイタッチ!」と言葉を被せる方法や、お手の姿勢から持って行く方法など様々あります。
愛犬に合う芸の教え方を見付けて、是非試してみてくださいね。
– おすすめ記事 –
・ドッグランデビューに必要なしつけや犬の社会化って? |
・犬のトイレの教え方!号令を使ってしつけるメリットは? |
・愛犬が家具を噛むのはなぜ?理由としつけ方法は? |
・ウェイト!グッド!犬のしつけは本当に英語がいいの!? |