1.犬の優れた嗅覚について
1-1.ワーキングドッグとして活躍する犬
1-2.犬の嗅覚は人間の1000~1憶倍!?
1-3.犬の嗅覚が鋭い理由
3.犬が嫌いなにおい7種
3-1.犬が嫌いなにおい①酢
3-2.犬が嫌いなにおい②タバコ
3-3.犬が嫌いなにおい③アルコール
3-4.犬が嫌いなにおい④柑橘類
3-5.犬が嫌いなにおい⑤化学物質
3-6.犬が嫌いなにおい⑥胡椒などの香辛料
3-7.犬が嫌いなにおい⑦マニキュア
犬の優れた嗅覚について
◆ワーキングドッグとして活躍する犬
人間のために仕事をこなすワーキングドッグの一種に、警察犬がいます。警察犬の他にも、災害救助犬や麻薬探知犬など、嗅覚をフル活用して活躍しているワーキングドッグは沢山いますよね。
一般的には、警察犬に対して「においを辿って犯人をみつける!」というイメージを持っている方が多いでしょう。このことからも、犬の嗅覚は人間よりもはるかに優れている、というイメージが定着しています。
実際に警察犬は、人間の靴底から染み出した足裏の汗のにおいを察知し、地面についたその微量なにおいを追って、目標となる人を探し出すそうです。正に「凄い」の一言ですね。
◆犬の嗅覚は人間の1000~1憶倍!?
それでは、犬の嗅覚は実際にどれほど人間と違うのでしょうか。
実は、犬の嗅覚は人間の1000~1憶倍といわれているのです。数字を見ると単純に「凄い!」と驚いてしまいますが、1000~1憶という数には大きな幅も感じますよね。
これは、犬の嗅覚が反応しやすいにおい、反対に反応しにくいにおいがあるためです。
犬の嗅覚は非常に便利で、生きていく上で必要な生き物のにおいなどを強く感じます。これらが、犬にとって反応しやすいにおいとなるわけです。
そして、生きていく上で不必要な植物のにおいなどは、あまり感じられない反応しにくいにおいとなります。
においの種類によって、嗅覚の反応が違う、人間の嗅覚との差が生じるということですね。
その種類の中でも特に刺激臭の場合には、犬の嗅覚の鋭さは人間の約1憶倍といわれています。
◆犬の嗅覚が鋭い理由
なぜここまで嗅覚が優れているのかというと、それは鼻腔の奥にある嗅覚細胞に秘密があります。
においを感じる嗅覚細胞の数が、人間は約500万個あるのに対して、犬は1憶2000万~3憶個あるといわれているのです。この細胞の数の違いをみれば、人間との差は歴然です。
ちなみに、においを感じる部分、その広さは人の約40倍だともいわれていますが、人間よりも遠い距離のにおいを感じるというよりは、人間には分からない薄いにおいを感じられるといった感覚に近いようです。
嗅覚の差・細胞の数からしても、人間との違いは一目瞭然ですね。優れた嗅覚が活用される、ワーキングドッグ達の活躍にも大きく頷けます。
犬が好きなにおい・嫌いなにおいってどんなにおい?
人間とは嗅覚の鋭さに歴然の差をもつ犬ですが、人間と同じように、犬にも好きなにおい、そして嫌いなにおいがあります。
野生時代の名残から、犬はミミズ・動物の糞のにおいを好むといわれています。これは、狩りの時、獲物に気付かれないように、体に擦り付けていたためだと考えられています。
反対に嫌いなにおいは、刺激臭です。優れた嗅覚をもっているがゆえに、犬はにおいから強い刺激を感じてしまうのです。
愛犬がにおいを嗅いだ時にくしゃみをしたら、そのにおいに嗅覚が強い反応を示したということです。この場合くしゃみは、においの刺激が強すぎる、というサインになりますので覚えておきましょう。
犬が嫌いなにおい7種
それでは、犬が嫌いなにおいを具体的に挙げていきましょう。この嫌いなにおいを知っておくことで、愛犬のストレス軽減や健康維持、しつけに利用できる場合もありますよ!
◆犬が嫌いなにおい①酢
酢には、人間でも感じられるツンとくる刺激臭があります。直接嗅げば簡単に人間でも感じられるにおいですから、嗅覚の鋭い犬には強烈なにおいとなるわけです。
とはいえ、日本人が日常的に口にする調味料の一つです。愛犬家の皆さんの家でも、常備している場合がほとんどでしょう。気軽にしつけに活用できるにおいの一つといえますね。
◆犬が嫌いなにおい②タバコ
犬は煙に対して敏感に反応します。煙が嫌いというわけではありませんが、漂うけむりに気付くと「くんくん」と嗅ぎまわってむせてしまう場合が多いでしょう。
中でもタバコの煙は独特なにおいがするので、犬には深く印象付けられるようです。
なんといっても、タバコの煙は刺激臭であり有害でもあります。アレルギー性鼻炎を引き起こす可能性もあるので、十分注意しましょう。
◆犬が嫌いなにおい③アルコール
基本的に犬は、アルコールが苦手な動物の一種です。一口舐めるだけで酔ったり、敏感であればにおいを嗅ぐだけでフラフラする子もいるようです。
お酒が大好き!という愛犬家の方は、酔った状態で抱っこしたり、息を吹きかけたりして、愛犬に嫌がられないように気を付けてくださいね。
◆犬が嫌いなにおい④柑橘類
みかんなどを食べる際に、果汁が目にしみた!という経験のある方は結構いると思います。これは、柑橘精油という柑橘類の皮に含まれる揮発物質が、不快感や刺激を与えるためだそうです。
人間の場合、柑橘系のにおいを良い香りだと感じる方は多いですよね。好んで柑橘系のハーブを使用したり、芳香剤に柑橘系の香りを選ぶ方も沢山いるでしょう。
人間が良い香りだと感じられるレベルでも、犬の嗅覚では刺激と感じられる場合があります。個体によっては臭いと感じて体調を崩す可能性もあるので、使用の際には、愛犬の様子をよく観察しましょう。
◆犬が嫌いなにおい⑤化学物質
ここでいう化学物質とは、香水・殺虫剤・痒み止め・整髪スプレー・サロンパス・湿布などのような、人工的なにおいを指します。人間の嗅覚でも、これらのにおいは感じ取れますよね。
犬にとってこのようなにおいは自然界に存在しないもののため、警戒対象と認識する場合があり、嫌いなにおいの一つと考えられます。
◆犬が嫌いなにおい⑥胡椒などの香辛料
胡椒も日常的に欠かせない調味料の一つですが、人間でも吸い込むことでくしゃみが出るというのは周知の事実ですよね。人間の嗅覚でも刺激を受けるのですから、犬にとっては刺激の強いもので苦手なにおいとなります。
胡椒の他にも、山椒であったり、中国料理で使用される八角などは、犬が嫌いなにおいとされています。
◆犬が嫌いなにおい⑦マニキュア
マニキュアからも、人間にも感じられる刺激臭がしますよね。マニキュアの多くには、強いにおいを発する揮発性溶剤が含まれており、これが刺激臭の元となっているのです。マニキュアのにおいを嫌う犬が多い、とのデータも出ているようですよ。
他にも、化学物質のカテゴリーにもなりますが、ガソリンや消毒液など揮発性の強いものが、犬の嫌いなにおいといえます。
犬が嫌いとされているにおいを7種類紹介しましたが、全体的にやはり刺激の強いにおいであることが分かりますね。不快に感じないとしても、人間の嗅覚ですらにおいに気付けるものばかりです。
刺激臭に対しては、人間が感じるにおいのレベルよりもはるかに強く、愛犬が刺激として感じているのだということを忘れないようにしましょう。
犬のしつけに使えるにおいは?
犬にとって嫌いなにおいとされる種類を紹介しましたが、これらのにおいを活用すること、犬の嗅覚の仕組みを利用することで、効果的なしつけをする方法があります。
◆噛み癖やマーキングなどの改善に
犬にとって嫌いなにおいを使用すると、飼い主さんが困っている愛犬の問題行動である噛み癖やマーキングなどを改善できる可能性があります。
ただし、しつけとはいえ犬にとって嫌いなにおいを使用する、嗅がせるという方法なので、活用する際は愛犬の様子に注意して、適度に行うよう注意してくださいね。
それでは、嫌いなにおいを使ってしつけを行う活用方法の例を挙げていきましょう。
◆「酢」を使用したしつけ方法
前述した犬の嫌いなにおいの中で、最も安全で効果的に活用できるのは「酢」です。犬が嫌いなにおいといっても、酢であれば犬の体に害を及ぼさないので安心して利用することができます。
しつけで利用する場合は、まず霧吹きを用意しましょう。その中に、酢を水で薄めたものを入れておきます。
リードや家具などの噛み癖、マーキングなど、愛犬が問題行動を起こした時に、酢のスプレーを一吹きしましょう。犬が嫌いなにおいのため、問題行動に対してとても有効的です。
ただし、過度な使用には注意しましょう。使いすぎてしまうと、室内が酢のにおいで臭くなってしまいます。
嫌いなにおいを使ったしつけをする時の注意点
中には、においを利用したしつけに香水・芳香剤などを利用するという場合もあるそうです。しかし、愛犬が口にした場合を考えると、個人的にはやはり酢を利用するのが安全かなと感じます。
現代では、しつけ用スプレーも様々な種類が販売されていますよね。愛犬にとって有害だと感じる場合、少しでもその恐れがある場合は、犬にとって安全な市販のスプレーを利用することが一番良いかもしれませんね。
紹介してきた犬が嫌いなにおいの中には、健康被害を招く可能性のあるものが含まれています。嫌いなにおいだからといって、全ての種類をしつけに活用して良いというわけではありません。
嫌いなにおいを知ることで、しつけに活用することも勿論ですが、愛犬がストレスを感じない生活を送るためにも役立ててもらいたいと思います。
特に柑橘系のにおいは、良い香りだと感じる方が沢山いるでしょう。芳香剤やスプレー、アロマオイルなどに柑橘系の香りを好んで選択している家庭も多いと思います。人間にとって良い香りのため、愛犬が不快な思いをしているかもしれない…という事実を忘れてしまいがちです。
室内で柑橘系の香りを利用する場合は、愛犬に配慮するよう心掛けましょう。
犬の嗅覚は人間の何倍も優れている!飼い主さんはこの事実を忘れないように、日常生活を送る必要がありますね。
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