1.しつけの前に、柴犬の基本的な性格を理解する
2.しつけをする時の飼い主の心構え
3.柴犬と人間の年齢を比較してみる
4.生後すぐの柴犬
5.生後2か月の柴犬のしつけ
5-1.①甘嚙みのしつけ
5-2.②トイレのしつけ
6.生後3か月の柴犬のしつけ
6-1.①トイレトレーニング(続)
6-2.②食事トレーニング
6-3.③ハウス
7.生後4か月の柴犬のしつけ
7-1.①散歩トレーニング
7-2.②「まて」トレーニング
8.生後5ヶ月の柴犬のしつけ
8-1.①散歩トレーニング(続)
8-2.②「おすわり」、「おて」、「ふせ」トレーニング
9.生後6か月の柴犬のしつけ
9-1.①ブラッシング
9-2.②散歩は人間のタイミングで
9-3.③リーダーウォーク
10.まとめ
しつけの前に、柴犬の基本的な性格を理解する
柴犬のご先祖様は猟犬や番犬として活躍していたため、柴犬もその性格を引き継いでいるのです。柴犬の性格は独立心が強く、我慢強い反面、頑固な部分も持ち合わせます。また、飼い主と主従関係をはっきりさせやすい犬種なので、柴犬との関係が上手く構築できていないとしつけは難しいと言えます。
そうは言っても、ちゃんと幼犬のころから少しずつしつけをすれば、素直でトラブルをおこしにくい柴犬に育ってくれます。
しつけをする時の飼い主の心構え
どの犬種にも言えることですが、特に柴犬には行動の善悪にきっちり線を引いてあげましょう。
ある日はダメだったのに、次の日には許してしまうと、柴犬からすると善悪の区別がつきません。そのうち飼い主の言うことを聞かなくても明日は許してくれるだろうと、わがままな柴犬に育ってしまう可能性があります。ダメなことはダメとご自身でも割り切って柴犬に接するようにしましょう。
また、日常的にコミュニケーションをとっておくことも重要です。人間でも同じですが、普段から優しくしてもらったり世話を焼いてもらっている人に対しては信頼を寄せます。コミュニケーションはいざという時に、ちゃんと指示を聞ける環境の基礎になりますので、おろそかにしないよう普段からふれあいの時間を設けましょう。また、子犬期には存分にスキンシップを取ると良いでしょう。
というのも、子犬の時はさみしがりやでクゥーンと夜中に鳴くこともあるのです。この時期に愛情をたくさん注いで安心させてあげましょう。
ただし、成犬になってからの過剰なスキンシップはNGです。柴犬はずっと腕に抱かれたり長時間撫でられているとストレスに感じることがあります。月齢によって様子を見ながらコミュニケーションを取ってみてくださいね!
柴犬と人間の年齢を比較してみる
月齢ごとの柴犬のしつけ方を見る前に、柴犬と人間の年齢を比較して理解を深めましょう。
柴犬3か月:人間4歳
柴犬6か月:人間7歳半
柴犬9か月:人間11歳
柴犬1歳:人間15歳
柴犬2歳:人間23歳
柴犬の生後3か月は人間の4歳にあたります。となると、この時期からはしつけを始めないといけないとわかりますね。
そして6か月で人間の7歳半です。ここまでにしつけができていないと、言うことを聞かなかったり他の犬とトラブルを起こしたりするのは、想像がつくのではないでしょうか。
生後すぐの柴犬
生後すぐの柴犬にはしつけという概念はまだ必要ありません。ミルクを十分飲んでいるか、体重は問題ないかなど、お世話がメインの時期となります。
この時期の柴犬はおしっこもまだ上手にできないので、ぬるま湯で濡らしたガーゼなどを使って丁寧にお世話をしてあげましょう。
生後2か月の柴犬のしつけ
生後2か月になるとミルクではなく離乳食や子犬用ドッグフードを食べるようになります。まだ子犬用ドッグフードもお湯でふやかしたり、粉ミルクを混ぜてごはんを作ったりするので乳児から幼児になるといったイメージです。
この時期になると、柴犬はしつこく絡んできたり甘嚙みをしたりと、とっても可愛らしい様子を見せてくれます。そんな甘えたがりの柴犬の、生後2か月目にオススメのしつけをご紹介します。
①甘嚙みのしつけ
柴犬は、嬉しい時や甘えたいとき、かまって欲しい時にも甘嚙みをします。まだ子犬なので甘嚙みされても痛くはないかもしれませんが、止めないと成犬になっても噛み癖が残る柴犬になってしまいます。
しつけの方法として、「相手してよ!」と甘嚙みしてきた場合は噛んだら相手をしない、噛むのをやめたら相手をするといった対応があげられます。同じく、「おかしちょうだい!」と甘嚙みしてきた場合も噛んだらおやつをあげない、噛んだらおやつをあげるといったように、甘嚙みをすると損するという印象をつけていきましょう。
柴犬の子犬で個体差がありますが、生まれつき噛みたがりの柴犬もいますので、甘嚙みする癖がなくなるまで「甘嚙みをしてきたら無視」を徹底するようにすると良いでしょう。
別のしつけ方法として、口を抑えたりするマズルコントロールがありますが、素人がやると逆効果になる場合があるので避けた方が無難と言えます。噛みたいのに抑えつけられて怖い思いをすると、敵意をむき出しにて本気で噛む柴犬になってしまう可能性があるからです。
恐怖心を植え付けることなく、無視する・かまってあげるを繰り返して、上手く甘嚙み対応をしていきましょう!
②トイレのしつけ
生後まもない柴犬の子犬と違って、2か月目になると自分で尿意をもよおします。あちこちでトイレをすると大変ですので、このタイミングでトイレのしつけをしてあげましょう。
しつけのタイミングとしては、朝起きた時、食事の後、興奮したときが良いです。興奮したときのおしっこは、いわゆる「ウレしょん」です。
柴犬が喜んだりはしゃいだりしたときに、興奮してオシッコをちびったりもらしたりすることを指します。このタイミングで柴犬をトイレに連れていき、トイレに場所があることを認識させます。
初めのころは、途中でおしっこをしてしまったり、トイレの中でも違う場所におしっこをしてしまうこともありますが、怒ったりせず粘り強く教えていきましょう。もし上手くできたら、ちゃんと褒めてあげることも大切です。
生後3か月の柴犬のしつけ
柴犬は生後3か月になると、新しいものには何にでも反応するようになります。人間の4歳時も公園に行っては土や虫を興味津々で触るようになるのと同じですね。
なんでも口に入れてしまうので、のみこんでしまうような小さいものは片付けておくと良いです。またこの時期の柴犬は、他の犬や人間との区別ができはじめます。アイコンタクトをとって名前を呼ぶ行動を事あるごとにしていると、自分には名前があるんだ!という認識ができるようになりますし、「お世話されているんだ」と認識することで信頼が構築されますので、たくさん呼んであげてくださいね!
それでは、生後3か月の柴犬のしつけを見ていきましょう。
①トイレトレーニング(続)
柴犬の生後2か月目あたりから始めるトイレトレーニングですが、まだトイレの習慣が付いていない場合はおしっこを拭いた後のペーパーなどをトイレに入れておきましょう。
おしっこのにおいがすることで、トイレを認識に繋がりやすくなります。
②食事トレーニング
人間が食べていることにも興味を示すようになりますが、人間の食べ物は与えないようにしましょう。
成犬になってやってほしくないことを子犬期にしてはいけません。また、柴犬が自分のごはんを食べ始めて30分たったらお皿をさげるようにすると、だらだら食べる癖がつかないのでオススメです。
③ハウス
家に友人やお客様がきたときに、玄関口で怖がらせないために柴犬に「ハウス」を覚えさせておくと良いです。
しつけは、「ハウス」と言って柴犬を入れる、ちゃんと入ったらおやつをあげて褒める、の2つをくり返すことで行うことができます。この時も厳しすぎるしつけはせず、あくまで人間の4歳児に接するように優しく教えてあげましょう。柴犬との信頼関係を築いていくイメージでしつけることがポイントです。
生後4か月の柴犬のしつけ
柴犬が生後4か月になると、知能発達が盛んになります。記憶能力、判断能力にあわせて思考する力がついてくるのです。
感受性も豊かで、経験したこと、感じたことが将来の性格を形作る大切な時期が生後4か月目と言えます。ワクチン接種が終わっているため、他の犬とのふれあいもしながら、他の犬や人間とも良い関係を築けるようにしていきましょう。それでは、生後4か月の柴犬のしつけを見ていきましょう。
①散歩トレーニング
外に出ることが多くなるため、散歩トレーニングを始めます。はじめは室内でリードに慣らしていきます。
この際、いやがったらリードを取り、おやつを使いながら少しずつリードを付ける時間を長くすると良いでしょう。外に出るときもはじめは数分程度がベターです。なにごとも慌てることなく、柴犬の様子を見ながら徐々に慣れていけば大丈夫です。
リードや外に慣れてきたら、他の犬と触れ合って社交性を身に着ける段階に入ります。
②「まて」トレーニング
散歩に出るときや、他の犬とのふれあいの際にトラブルが起きないよう「まて」だけ先に教えておくと便利です。
しつけ方法は簡単で、まずはおやつを握って待て、手をひろげてよしを繰り返します。「まて」の意味が少しわかったな、と思ったタイミングで次はおやつを手のひらに乗せたまま待て、よしと言って食べるステップに移ります。
これが上手くできるようになれば、散歩中に柴犬の好きなルートに変更しそうになった時や、気になるものにつられていきそうな時に「まて」の練習ができるようになります。あくまでも飼い主がリードしていることをアピールしつつ、思考力が付いてきた時期を利用して上手くしつけましょう。
生後5ヶ月の柴犬のしつけ
柴犬は生後5か月になると、知能がだいぶ発達して記憶力も成犬並みになります。生後6か月目に入ると反抗することが増えてくることが多いようですので、それまでに「まて」だけではなく「おて」や「ふせ」などの基本的なしつけを終わらせておくと良いでしょう。それでは、生後5か月目の柴犬のしつけを見ていきましょう。
①散歩トレーニング(続)
柴犬の個体差によりますが、柴犬の成犬時には必要な散歩量は体重と比例してきます。
例えば、体重が10kgの柴犬であれば、10kmの散歩が目安となります。時間で考えると、1日に合計1時間程度ですが、まとめて時間を取るのではなく1回30分程の散歩を1日2回と分けて散歩するのが理想的です。
外飼いの場合リードで1日繋がれていたり、室内飼いの場合ずっと同じ環境で過ごしたりすることが多いかと思いますが、それでは運動不足からのストレスで、無駄吠えなどの問題行動もしやすくもなってしまいます。毎日の散歩で運動欲求を満たし、ストレスがたまらないようにしてあげましょう。
また、刺激を与えるために、コースを変えてみたり土や草がある場所に行ったり、他の犬とのふれあいであいさつや遊び方を覚えさせることも有効です。
②「おすわり」、「おて」、「ふせ」トレーニング
柴犬と飼い主との主従関係を築くために、「おすわり」「おて」「ふせ」などのトレーニングを行います。おすわりのしつけ方法は柴犬を立たせた状態から、「おすわり」と言いながらお尻を軽く押して座らせます。
この時、タイミングよくおすわりができたらご褒美をあげましょう。おてやふせも同じように動作と言葉を合わせて行い、上手くできたらご褒美をあげることで習得できます。
コツとしては、家族全員で同じ言葉を使うようにすることです。これによって柴犬は言葉の意味を理解しやすくなります。
生後6か月の柴犬のしつけ
柴犬の生後6か月は、人間の7歳半に相当します。この時期の柴犬は反抗することもありますが、このタイミングで関係構築としつけをきちんとしておくことが重要です。
それでは、生後6か月の柴犬のしつけをみていきましょう。
①ブラッシング
柴犬は基本的にふれあいがそこまで得意な犬種ではないので、ブラッシングを嫌がることがあります。その場合はすぐにブラッシングをやめて、おやつを使いながら慣れさせましょう。まずは、おやつをあげてブラシを足にちょんと当てます。
またおやつをあげて胴にちょん、おやつをあげて首元にちょん、警戒心が薄れてきた時点で撫でるようにブラシを動かします。ブラシは怖いものじゃないよ、とご褒美を使ってうまくしつけてみてください。
②散歩は人間のタイミングで
柴犬はもともと動くことが好きな犬種ですので、柴犬の方から散歩をせがまれることがあると思います。
ただ、毎回柴犬がせがむタイミングで散歩に出ていると、主従関係が逆転してしまうことがあります。柴犬がせがんできたらいったん無視、様子が落ち着いてから散歩に人間から誘って出るようにしましょう。
③リーダーウォーク
散歩をするときに、人間のそばにピッタリと沿って歩くことをリーダーウォークと言います。これは人間側に主導権があることを意味します。
リードを短く持って、柴犬が行く方向と逆に引っ張ったりすることで、飼い主の歩くスピードや方向に合わせて歩けるようになります。
まとめ
柴犬の月齢ごとにオススメのしつけはいかがでしたか?柴犬を飼うのが初めてで、どうしていいかわからない…という場合は、柴犬を飼ってながい友人にアドバイスを貰ったり、柴犬向けのトレーナーに依頼するなど周りの助けも借りるようにしましょう。
また、一部の人だけに聞いたアドバイスを鵜呑みにしてしまうと、柴犬にとってよくないしつけをしてしまう可能性もあります。ネットや1人だけに頼るのではなく、周りに上手く協力を仰ぎながら柴犬と良い関係を築いてしつけを行いましょう。
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