1.犬は酸味を感じる?
1-1.犬は酸味を感じている
1-2.犬の味覚の仕組み
1-3.犬と人間の味覚の違い
1-4.犬が好きな味と嫌いな味
1-5.犬は酸味も苦手
2.犬にレモンを与えてもいいの?
2-1.レモンを与える時の注意点
2-2.レモンの皮や果肉は与えても良い?
3.犬にビタミンCは必要?
3-1.犬に必要なビタミンCの量
3-2.ビタミンCが不足するとどうなるの?
3-3.ビタミンCを与えた方が良い犬
4.まとめ
犬は酸味を感じる?
レモンの酸味によるさっぱり感、夏や疲れたときにはたまらないですよね。逆にその酸味が苦手という方がいるのも事実。では、犬たちはどうでしょう。
◆犬は酸味を感じている
人間との細胞の差があり、更に舌より鼻が効く生き物なので、はっきりと味を感じ取ることはできませんが、犬にも人間と同じく味覚がちゃんとあります。
もちろん、犬は酸味も感じることができます。味を感じるメカニズムが人間とほぼ同じなので、酸味だけではなく、他の味も感じることができます。
そのため、犬も美味しいものを食べて美味しいと思いますし、飼い主と同じようにレモンの酸味も「すっぱい」と感じています。
愛犬が食事をどう感じているのか、犬と人間の味覚の違いを知り、犬の食事について理解を深めて行きましょう。
◆犬の味覚の仕組み
犬も人間と同様に舌で味を感じ取ることができます。舌で味を感じることが出来るのは「味蕾細胞」というものが味覚神経を通じて脳へと伝達されるからです。
犬と人間の舌の上には、たくさんの突起「舌乳頭」があり、そこにさきほどの味蕾細胞が集結しています。
この味蕾細胞の数により、感じ取ることの出来る味が変わってきます。人間の味蕾細胞は約1万、犬の味蕾細胞は2千ちょっとと、犬たちは人間よりも様々な味を感じているわけではないことがわかります。
◆犬と人間の味覚の違い
味蕾細胞の差によって犬は人間よりも味を感じ取ることができないことがわかりました。では、どのような味覚が犬にはあるのでしょうか。
人間は、「甘味・酸味・苦味・塩味」更に「旨味」を感じることができます。旨味は、昆布に含まれるグルタミン酸や干ししいたけに含まれるイノシン酸のことを言います。出し汁や料理の味を整えるために使う味の素などが旨味です。
一方で、犬たちが感じることが出来るのは、「甘味・塩味・酸味・苦味」の4つと言われています。旨味以外は人間と同じですね。
しかし、味蕾細胞が人間より格段に少ないため、はっきりと4つの味を感じているわけではなさそうです。
◆犬が好きな味と嫌いな味
はっきりとはわからなくても、犬たちには好きな味、苦手な味があります。
犬たちが強く感じる味は「甘味」といわれています。砂糖や果糖などの甘みだけではなく、肉の甘味にも敏感に反応します。
自然界では、甘みのあるものは毒ではない、腐敗したり状態が悪くなっているものではないと本能的にわかっているのです。犬たちの先祖が自然界で強く生きていたことがわかりますね。
逆に、苦味や酸味は苦手です。酸味や苦味にもいろいろあり、私達は「美味しい酸味や苦味」「危ない酸味や苦味」というのがなんとなくわかりますよね。
しかし、犬たちははっきりと酸味の違いや苦味の種類がわからないので、ここでも本能的なもので危ないかどうかを感じ取ります。
愛犬が小さいときに、噛んでほしくない場所などに苦いスプレーを掛けたりした思い出はないでしょうか?犬は苦味に対して苦手意識があります。自然界で生きていた時に得た知識がここで生きていて、苦味=危険なもの・毒物であると認識しているためです。
◆犬は酸味も苦手
犬たちは酸味についても苦手です。傷んでしまった物、独特の酸味がありますよね。
犬は、生き抜いていくために強い酸味がするものは危ないものと認識しています。そのため、犬たちにとって酸味の強いレモンは腐敗したものと思ってしまいます。
少々の酸味であれば、傷んでいると判断せずに気にせずに食べてくれるかもしれません。
犬にレモンを与えてもいいの?
酸味が特徴的なレモンですが、犬に与えても大丈夫です。レモンに含まれるビタミンCは犬の身体にも良く、免疫力の向上やコラーゲン生成促進などの老化予防にも役に立ちます。
人間にとっても犬にとっても健康に役立つレモンですが、強い酸味は得意ではない犬が大半なので、工夫を加えたり、量を少なくしたりする必要があります。
◆レモンを与える時の注意点
犬にレモンを与えても特に問題はありませんが、与えるときにいくつか注意が必要です。
レモンに害はありませんが、犬にとってその酸味は人間が感じる以上に強烈なものです。そのままだと刺激が強いので、加工して少しずつ与えましょう。
おすすめは、レモンの果汁を水や少量のはちみつと合わせたものです。犬は甘味を強く感じることが出来るので、はちみつを少し加えることで甘みが加わり喜んで食べてくれるでしょう。
しかし、はちみつには糖が多く含まれているので、量には注意してくださいね。
また、食べている時、食後などは変化がないかよく観察し、何かあれば獣医師に相談してください。
◆レモンの皮や果肉は与えても良い?
レモンの皮・薄皮部分は繊維質で、消化不良を起こしてしまう可能性があります。そのままの形で便に含まれ排出されることもあるので、レモンの皮と薄皮部分は与えないほうがよいでしょう。
レモンの果肉部分は、酸味は強くそのままではやはり犬にとって刺激が強すぎます。
酸味を抑えるために砂糖漬け・はちみつ漬けにしたものは、多量の糖を摂取することになります。ビタミンCというよりも、糖分摂取になってしまいます。
甘い物が好きな犬たちは、甘さが欲しいばかりに、レモンのはちみつ漬けや砂糖漬けを欲しがってしまう場合がありますので、果肉よりも果汁を水や少量のはちみつで合わせたものを与えるのをおすすめします。
また、市販されている人間用のレモンのはちみつ漬けや砂糖漬けも砂糖だけではなく保存料なども入っているので犬たちの身体にはよくありません。
犬にビタミンCは必要?
◆犬に必要なビタミンCの量
犬たちはビタミンCの生成を身体の中で行うことができ、最大でも60mgビタミンCを肝臓で生成できると言われています。しかし、必要量には到底足りておらず、小型~中型犬でも500~2000mgが必要とされています。
レモンの果汁などに含まれるビタミンCは水溶性ビタミンで体の中に蓄積しにくいものなので、日頃からビタミンCを摂取したほうが良いといえます。
◆ビタミンCが不足するとどうなるの?
ビタミンCが不足することで、骨や軟骨が弱くなる、毛艶が悪くなるだけではなく、他の病気を誘発する原因にもなってしまいます。
また、治療のために薬を服用している犬は、肝臓が薬の代謝を良くするために働きビタミンCの生成が後回しになってしまい負担が増えてしまいます。
ビタミンCの不足でアレルギーや皮膚炎を引き起こしたり、骨や軟骨の炎症なども見られるようになります。
◆ビタミンCを与えた方が良い犬
ドッグフードやおやつにもビタミンCが含まれているので、老犬や病気でビタミンCが不足している犬、ビタミンCを生成できない犬など「ビタミンCを摂取する必要がある犬」のみレモンを与えた方がいいでしょう。
元々、体内で作ることが出来ることと普段の食事からも摂取していることが多いため、健康な犬の場合は必要量に足りており、過剰摂取になってしまう場合があります。
まとめ
犬にレモンを与えても健康に害はなく問題はありません。レモンに含まれるビタミンCも犬の身体に取って良い効果をもたらします。
しかし、ビタミンCは体内に蓄積しにくく、犬が体内で生成できる量が限られていることから、「不足している」「たくさん取らなきゃ」と思ってしまいますが、必要栄養がそろっているドッグフードを食べている、健康である場合には、不足することはありません。
老犬や薬を服用しているなど、ビタミンCの生成がうまく行っていない場合は、適度に摂取することが必要です。
その場合にも、そのまま与えるのではなく、少量の水やはちみつとレモンの果汁を合わせたものを少しずつ与えることで摂取することができます。
レモンの適度な与え方や糖などに気をつけて、愛犬の健康や食事を楽しいものにしていきましょう。
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