1.犬を飼っている家は臭っている?
1-1.犬の汗のにおい
1-2.犬の口のにおい
1-3.犬のおしりのにおい
2.なぜ犬のにおいは気になるの?
2-1.群れで暮らしてきた犬の祖先
2-2.単独で暮らしてきた猫の祖先
2-3.犬と猫のにおいのちがい
3.部屋についた犬のにおいの原因
3-1.マーキング
3-2.病気のサイン
3-3.お掃除関係
4.犬のにおいがする部屋に使いたい消臭グッズ
4-1.置型タイプの消臭剤
4-1.スプレータイプの消臭剤
4-1.消臭効果のあるお掃除グッズ
4-1.消臭効果のあるマット
犬を飼っている家は臭っている?
お部屋で愛犬と一緒に生活している飼い主の皆さん、こんな経験はありませんか?
・友人を家に招待したときに犬のにおいを指摘される。
・友人の家に遊びに行ったときに感じる犬のにおい。
・外出先から帰ってきた時になんだかお部屋が臭っている。
普段から愛犬と一緒の部屋で生活していると気が付きづらいかもしれませんが、人から指摘されたり、一度お部屋から離れて客観的になってみると感じる「犬のにおい」。
「良いにおいだな」と感じるよりは、「ちょっと臭いな」と感じてしまう方が多いのではないでしょうか。
そもそも「犬のにおい」とは、どのようなにおいを指すのでしょう。
◆犬の汗のにおい
犬も人間と同じで汗をかきます。
人間の場合はエクリン腺と呼ばれる汗腺が全身にあり、そこから水状の汗を出して体内の温度を調整します。
一方、犬のエクリン腺は、足の裏や鼻などに少しある程度です。その代わり、全身にアポクリン腺という汗腺があり、そこから少量の汗を分泌します。
アポクリン腺は人間でいうと脇の下にある汗腺で、脂質やタンパク質などにおいの原因となる成分を多く含んでいます。犬の体臭は、このアポクリン腺から出る汗の影響を多く受けています。
◆犬の口のにおい
犬に与えるドッグフードには、犬が好むにおいを出すために、動物性の油脂が使われていることが多く、他のペットフードと比べてもにおいが強いのが特徴です。動物性の油脂が使われていることによって、ドッグフード特有の生臭いようなにおいがします。
人間がにんにくを食べると口臭がにんにくのにおいになるのと同じで、犬の口臭は、フードのにおいの影響を多く受けるため、ドッグフードのにおいが元で、口が臭いと感じることがあります。
また、口の中に食べかすが残っていると、それが歯に付着し、6~8時間程度で歯垢と呼ばれる新たなにおいの元になります。そこから菌が繁殖し、3~5日程度で歯石と呼ばれる塊となり、より強い口臭の原因になってしまいます。
歯石になると簡単には落とせないので、そうなる前に、歯磨きをして汚れを取り除いてあげる必要があります。
◆犬のおしりのにおい
犬の肛門付近には、「肛門腺」と呼ばれる臭腺があり、この肛門腺に溜まった分泌物が強烈な臭いを発することがあります。この分泌物は、犬にとって名刺のようなもので、犬それぞれでにおいが異なっています。
マーキングの際、柱にお尻をこすりつけたり、犬同士が挨拶をする際にお尻のにおいを嗅ぎ合うのは、このにおいによって自分を知ってもらうためです。
この分泌物は、犬によっては自力で排出することが困難なため、人の手で絞り出してあげる必要があります。肛門絞りと呼ばれるこの作業を定期的に行うことで、においだけではなく、肛門嚢炎(こうもんのうえん)等の病気を防ぐことが出来ます。
ご紹介してきたにおいは、犬が生活する上で自然に発するにおいで、愛犬が生きている証拠です。人間にもそれぞれの体臭があるように、犬も個体によって差はありますが、どの犬も全くの無臭ということはなく、少なからず臭っているのです。
なぜ犬のにおいは気になるの?
◆群れで暮らしてきた犬の祖先
犬の祖先は元々、群れで狩りを行うことによって生きていました。群れでの生活では、お互いのにおいを交換することで仲間とコミュニケーションを取ったり、においによって自分達の縄張りを主張したり、犬にとって「におい」は生きる上で重要な役割を果たしていました。
それが今でも本能的に残っているため、犬のにおいは、他のペットと比べても気になるという人が多いようです。
◆単独で暮らしてきた猫の祖先
それでは、犬と同様ペットとして人気のある、猫と比較するとどうでしょう。
猫の祖先は群れを作らず、単独で生活していました。そのため、においを使って仲間とコミュニケーションを取る必要がありませんでした。そして代わりに、天敵から身を守るため、なるべく自分のにおいを残さないようにする意識が本能的にありました。
また、単独で狩りを行っていた猫は、狩りの成功率を上げるため、獲物に気付かれないように自分のにおいを消し、なるべく近づいてから仕留める必要がありました。
そこで猫は、普段から自分の全身を舐め、体から発せられるにおいを抑えていたのです。
この習性はグルーミングと呼ばれ、今でも猫の習性としてしっかり残っています。
◆犬と猫のにおいのちがい
猫も犬と同様に汗をかき、においの元を発生させているにも関わらず、猫が犬よりもにおいが気にならないのは、グルーミングの習性があるからです。
一方、犬は本能的ににおいを残すという意識があるため、ほとんどの場合、自分でにおいを消す為の行為を行いません。犬によっては体を舐める行動を取ることがありますが、自分の体を舐めるよりは、他の犬や飼い主さんを舐めて、コミュニケーション手段として用いているように見受けられます。
このように、においを抑制するのではなく、においを発する本能のある犬は、人間側からすると、においが気になってしまう対象なのです。
そして、犬が自分で行わない分、シャンプーやブラッシングを行ったり、グルーミングサロンに連れて行くことは、飼い主さんの重要な役割と言えるでしょう。
ほとんどの飼い主さんはすでに行っていると思いますが、日頃からしっかりケアを行い、犬の体を清潔に保ってあげれば、犬のにおいは軽減させることが出来るのです。
部屋についた犬のにおいの原因
犬が普段どんなにおいを発しているかがわかりましたが、シャンプーや歯磨き、肛門絞りなど、必要なケアはこまめに行なっているのに、やっぱりお部屋が臭うという意見も。
ここでは、犬を飼っていて、においがお部屋についてしまう原因について解説していきます。
◆マーキング
マーキングとは、縄張り意識の高い犬が、周りのものにおしっこをかけることで自分のにおいを残す本能的な行為です。
マーキングは他の犬との情報交換の役割も果たすため、散歩の際に外の電柱や塀などに行うことが多いですが、お部屋の中でしてしまう犬もいます。
お部屋でマーキングをされると、強烈なおしっこのにおいが付き、その後しっかり消臭しないと、そのにおいが再びマーキングの行為を誘発し、同じ場所にマーキングをしてしまうという負のサイクルが生まれてしまうこともあります。
トイレトレーニングが終わっていても関係なく行ってしまう行動なので、別途しつけを行う必要があります。
また、ストレスや不安が原因でマーキングを行ってしまうこともあるため、日頃から愛犬の様子を観察し、コミュニケーションを取っておくことが、マーキングの予防に繋がります。
◆病気のサイン
普段からグルーミングなどのケアをしっかり行っていても、お部屋に充満してしまうほど愛犬が臭っている場合は、もしかしたら病気のサインかも知れません。
口臭が気になる場合、歯周病を引き起こしていたり、肝臓や腎臓に疾患がある場合もあります。その他にも、脂漏性皮膚炎などの皮膚病を発症すると、油のような体臭がしたり、腸内環境が悪化していると、排泄物が強烈なにおいを発することがあります。
いつもと違うにおいがするなど、怪しいと思った時は、一度病院へ連れて行きましょう。
◆お掃除関係
・トイレ
犬が排泄物をしたあと、まだ使えるからとシートをそのままにしていませんか。
シートをそのままにしておくと、おしっこに含まれるアンモニアが空気中に漂い、においの原因になります。
また、消臭効果のあるおしっこシートを使っていても、おしっこがシートからはみ出してしまっていたり、周りの床や壁にはねてしまっている可能性があるため、シートを替える際に、周りの床や壁の拭き掃除をするとより消臭に効果的です。
・餌入れ
犬に餌を与えた後、食べ残しをそのまま放置していませんか。
ドッグフードは、開封して空気に触れることで酸化していきます。ウェットタイプのものはもちろん、保存に比較的強いとされるドライフードでも含有されている脂質が酸化して、どんどん劣化していきます。
劣化したフードを放置すると、お部屋のにおいの原因になりますし、犬が食べると口臭や消化不良の原因になってしまいます。
犬に餌を与えるときは、必要な分だけ出すことを心がけ、しまっておくときはなるべく空気に触れさせないよう密閉容器に入れるなどの工夫が必要です。
また、餌入れもこまめに洗うなど、清潔にすることを心がけましょう。
・布製品
カーペットやカーテンなどの布製品は、においを吸収しやすいため、お部屋のにおいが長く残ってしまう原因になります。
特にカーペットは、犬が直接触れる頻度が高いため、よだれや足の裏の汗、抜け毛など、においの原因になるものの温床です。
放っておくとダニやノミが発生する原因にもなってしまうので、愛犬の健康のためにも出来る限り頻繁に掃除を行いましょう。
犬のにおいがする部屋に使いたい消臭グッズ
愛犬のケアやお部屋のお掃除をこまめに行っていても、やっぱりにおいが気になるという飼い主の皆さんへ、おすすめの消臭グッズをご紹介します。
◆置型タイプの消臭剤
ペット特有のニオイをガッツリ消臭!ペットにやさしい無香料タイプ。
大きな弾力性のあるクリスタルビーズの中に、気になるペットのニオイに対し消臭作用のある植物系消臭成分などをしっかり浸透させた消臭剤です。
玄関・リビング・寝室などペットのニオイが気になる所の消臭にお使いいただけます。
効果は通常約4~6か月持続します。(季節や使用環境により異なります。)
◆スプレータイプの消臭剤
◆消臭効果のあるお掃除グッズ
オシッコやウンチ汚れのおそうじはもちろん、ニオイもすっきり消臭。除菌までできます。
ペットの排泄・そそう汚れに。シーツトイレやトイレまわりの汚れに。ケージ・クレート、サークル等の汚れに。
●洗浄成分により、オシッコやウンチの汚れがキレイに拭き取れる。
●緑茶消臭成分が、オシッコやウンチのニオイをすっきり消臭。
●除菌成分(CPC)配合で衛生的。
●拭いたところをペットがなめても安心。
●乾きが早くべたつかない。フローリング用ワイパーにも対応。
●たくさん使えるお徳用。
「オシッコ汚れ専用おそうじシート フレッシュハーブの香り」
トイレまわりのお掃除に使うクリーナーシートです。緑茶消臭成分配合で、オシッコやウンチのニオイをすっきり消臭します。
また、除菌効果により、拭いた場所の菌の繁殖を防ぎ、においを予防します。
乾きが早くべたつかず、拭いた場所を犬がなめてしまっても安全な成分が使われています。
◆消臭効果のあるマット
ペット用に開発された滑りにくい、消臭機能を持った床材で出来たマットです。滑りにくい構造でペットの足腰の負担を軽減します。
「防滑消臭マット01(100×130cm)」
消臭効果だけでなく、防水性能も持ち合わせたマットです。ケージの下に敷いたり、犬がよく通る場所に敷いておけば、お部屋の消臭効果がアップします。
水洗い出来るため、汚れてしまってもお掃除がしやすく、水洗いにより消臭効果が回復するのも魅力です。
まとめ
犬には人間と同じように、犬それぞれの体臭があります。また、犬にとって「におい」は大事なコミュニケーション手段なので、全てのにおいを消臭することは出来ません。
しかし、犬を飼っているからお部屋が臭うのは仕方ないと諦める事はないと思います。
大事なのは、犬自体から発せられるにおいを最小限に抑えることと、お部屋のお掃除をこまめにすること。どちらもとても基本的なことですが、においの改善には大事なことです。
それにプラスして、ご紹介した消臭グッズを試してみてください。犬にも安全な成分が使われている商品ばかりなので、安心してご利用いただけます。グッズを使って、お部屋のにおいの違いを実感してもらえたら嬉しいです。
においの悩みを解消して、愛犬との快適な生活をお楽しみください!
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