1.犬の肉球ってどんな役割?その機能とは?
1-1.衝撃を和らげる役目
1-2.滑らないようにする
1-3.地面の温度から足を守る
1-4.体温を調節する部分
1-5.触れて情報を得る
2.犬の肉球が傷んでしまう原因は?
2-1.ハードな環境を歩く
2-2.冬道は凍傷のリスクもある
2-3.暖房で乾燥する
2-4.散歩後のお手入れシートで拭きすぎる
2-5.加齢で傷んでしまう
3.犬が肉球を舐めるときはケガや病気かも…!
3-1.汚れを綺麗にしている「お手入れ」
3-2.日常的な「クセ」
3-3.何かが刺さって「ケガ」
3-4.指の間に起こりやすい「指間炎」
3-5.肉球を舐めているときは、腫れや傷がないかを確認
4.犬にも靴下を…!どんなメリットがあるもの?
4-1.メリット①:寒い冬の散歩にぴったり
4-2.メリット②:暑い時期の散歩に
4-3.メリット③:肉球の劣化を予防する
4-4.メリット④:汚れずに済む
4-5.メリット⑤:ケガを防ぐ
4-6.メリット⑥:シニアのワンちゃんへの思いやり
【掲載:2020.12.30 更新:2021.12.02】
犬の肉球ってどんな役割?その機能とは?
まずは、犬の肉球の役割について考えてみましょう。
犬の肉球は、ふだんは足の裏に隠れてあまり目立たない部分。
でも、とても重要な役割をしています。
◆衝撃を和らげる役目
4本足で全体重を受け止めているワンちゃん達。
足に負担がかからないように、肉球がクッション代わりとなって衝撃を和らげています。
肉球があることで地面の硬さが伝わりづらく、犬の足元への負担が減ります。
犬にとっての肉球は、少し厚めの「靴」を履いているようなものと言えるでしょう。
◆滑らないようにする
肉球と言うと、柔らかなイメージを持つ人もいるかもしれません。
実は、猫の肉球は「ぷにぷに」「ツルツル」という表現がマッチする柔らかい部分ですが、犬はざらざらと硬い弾力があるのが特徴です。
子犬の頃は、柔らかな犬の肉球も、散歩が頻繁になって年齢を重ねると、ざらざらしていきます。
この「ざらざら感」は、犬が歩くときの滑り止めになります。
さらに、爪がスパイク的な存在になっています。
犬の肉球は、安全に歩くためのブレーキ的な役割をしているのです。
◆地面の温度から足を守る
前述しましたが、犬の肉球はざらざらとやや硬め。
これは、犬の「肉球」という部分の外側が硬い角質で覆われているためです。
この厚い角質からなる肉球のおかげで、地面の温度から守ってくれます。
雪の降った冷たい地面や、太陽が照り付けた熱いアスファルトなど、「冷たい・熱い」から保護する機能が肉球にはあります。
◆体温を調節する部分
体全体で汗をかけない犬ですが、汗腺のある肉球から汗を出して体温を調整しています。
◆触れて情報を得る
犬には人間のような「手」がありませんので、ものを器用に掴むなどはできません。
犬の肉球は感覚気管で、何かに触れて、さまざまな物を感じ取ることができます。
犬の肉球が傷んでしまう原因は?
犬の肉球の外側は、厚い角質でとても丈夫です。
しかし、肉球の内部は血管、神経などから構成され、痛みを感じやすくデリケート。
湿疹や炎症、やけど、凍傷、ひびわれというようなトラブルも起きやすい部分と言えるでしょう。
肉球が傷む原因をいくつか紹介します。
◆ハードな環境を歩く
散歩でアスファルトや砂利道を歩いて、肉球を傷つけることがあります。
人間は靴を履いているのでアスファルトの地面の熱を感じにくいかもしれません。
でも、夏のアスファルトは、気温よりもさらに高く、50度以上にもなっていることも…。
いくら厚い角質層で覆われている犬の肉球でも、やけどをするかもしれません。
また、「未舗装の砂利道」や「ガラス破片が隠れているかもしれない砂浜」などを散歩コースにしているときは、肉球を傷つけるリスクがあります。
◆冬道は凍傷のリスクもある
本来、犬の祖先は、雪が積もるような荒々しい自然でも走り回れるタフさがありました。
しかし、ペットとして飼われているワンちゃん達は、雪中で走り回るのは日常的ではありません。
雪国では、氷点下になる日に外に歩けば、ワンちゃんの肉球も凍りつくほどの冷たさを感じてしまいます。
特に、暑い地域の出身の犬の場合、足元や体が寒さに弱いので注意が必要です。
◆暖房で乾燥する
ただでさえ乾燥しやすい冬ですが、暖房をつけると湿度が低くなります。
飼い主さんのお肌が乾燥するように、犬の肉球も潤いがなくなってパサパサに傷むことがあります。
◆散歩後のお手入れシートで拭きすぎる
散歩でついた汚れを取るため、お手入れシートでササっと拭く飼い主さんも多いかと思います。
しかし、肉球を念入りに拭きすぎると、保湿効果のある油分までも失われます。
また、人間用のアルコール入りウェットティッシュで拭くと、菌を取り除く効果が高くても、犬の肉球はパサパサと乾燥します。
肉球を清潔に保つことは大事ですが「拭きすぎ」にならないように、そして油分が失われる成分が配合されているものは避けましょう。
ペット用のウェットティッシュや水で絞ったタオルなどが安心です。
◆加齢で傷んでしまう
人間の皮膚と同じように、犬の肉球も年齢とともに変化をします。
子犬時代には、適度な湿り気を持ち弾力性がある肉球も、シニアになると水分不足で「かさかさ」「パサパサ」と乾燥している状態に…。
また、もともと潤いが少なく乾燥しがちなシニア犬は、部屋の湿度が低くなると、さらに肉球が乾燥してトラブルを起こしやすくなるでしょう。
犬が肉球を舐めるときはケガや病気かも…!
愛犬が足の裏をペロペロと舐めている様子を見かけたことがある飼い主さんも多いかもしれません。
肉球を舐めているときに考えられる理由には次のようなものがあります。
◆汚れを綺麗にしている「お手入れ」
肉球のお手入れのつもりで、汚れを舐めることもあります。
シャンプーの後なら、「濡れている肉球が気になって舐めているのかもしれません。
◆日常的な「クセ」
ワンちゃんによっては、暇つぶしに肉球を舐めることがあります。
しかし、肉球を長く舐め続けていた結果、肉球に炎症を起こすことも考えられます。
◆何かが刺さって「ケガ」
肉球に何かが刺さってケガをすることもあるでしょう。
外傷により、肉球が腫れていれば、症状に気づきやすいかもしれません。
また、爪が伸びすぎた違和感により舐めていることもあります。
特に、「狼爪(ろうそう)」には注意しなくてはなりません。
狼爪は、地面につかないため、地面で削られにくい箇所。
ほかの爪よりも伸びやすく、切らずに放っておくと丸まって肉球に刺さることもあるので注意しましょう。
◆指の間に起こりやすい「指間炎」
指の間に汚れが溜まり、通気性が悪くなることで炎症を起こす病気です。
肉球自体は赤くならないので見逃しがちですが、舐め続けている場合には、肉球の間をチェックしてみましょう。
◆肉球を舐めているときは、腫れや傷がないかを確認
肉球を舐めているとき、腫れや傷がないかきちんと確認してあげましょう。
散歩で何かが刺さってケガをしているなら、早めに治療してあげなければいけません。
また、赤く炎症が起こっていれば、殺菌や投薬も必要となるでしょう。
アレルギーや腫瘍が起こっている可能性も考えられます。
舐める時間が極端に長い、また不安な場合は動物病院で診察してもらいましょう。
犬にも靴下を…!どんなメリットがあるもの?
犬の肉球はとても大切な役割があるので、保護してあげたいものです。
そんな肉球を守るアイテムとして効果があるのが、犬用の靴下です。
犬用の靴下は、「肉球がどんな役割をしているのか」を前提に工夫されています。
履かせることで、いくつものメリットがあるのです。
◆メリット①:寒い冬の散歩にぴったり
犬は、身体全体が被毛で覆われています。
長毛や短毛など、犬種によって毛の長さは違うものの、毛で覆われることにより、体温を保つことができます。
でも、毛が生えていない肉球は、冷たさを感じやすいでしょう。
特に、南国産で暑さに弱い犬種の場合、靴下を履かせてあげれば防寒効果もあります。
冬の散歩では、雪の上に直接肉球をのせて歩くと、凍傷になることがあるので、予防効果も得られるでしょう。
また、雪に隠れて、ガラスや小石など尖ったものを踏むリスクもあるので、靴下を履かせれば肉球トラブルを防ぐことに繋がるでしょう。
◆メリット②:暑い時期の散歩に
靴下を履かせることは、真夏の散歩時にも大きなメリットが。
夏は、炎天下を避けて、夕方や夜に散歩に出かけるというケースもあるでしょう。
でも、太陽が沈んだ後でも、アスファルトの温度はまだ熱いことがあります。
やけど対策として、靴下を履かせてあげると安心です。
◆メリット③:肉球の劣化を予防する
犬の肉球は、ワンちゃんの「体の一部」です。
肉球にトラブルが起きたとしても、人間の靴のように、替えがきくものではありません。
大事にしなければならない部分です。
特に、これから冬になると、暖房を使って乾燥しがちな部屋で、肉球のひび割れが起こってしまうこともあります。
乾燥対策として、ワンちゃん用の肉球クリームを塗ってあげるのもおすすめです。
塗った後に、靴下で覆ってあげれば、保湿効果を高められるでしょう。
◆メリット④:汚れずに済む
散歩では、肉球の毛の間にも汚れがつくので、拭き取るのが大変ということも多いですよね。
靴下を履いて散歩に行けば、肉球に直接汚れが付きづらくなります。
◆メリット⑤:ケガを防ぐ
アスファルトや土、砂利、砂浜、草むらなど、いろんなところを散歩させたいという飼い主さんも多いですよね。
ガラス破片、枝、尖った石、虫が肉球に刺さってケガしないかが心配でしょう。
靴下を履かせてあげれば、ケガを予防できます。
ワンちゃん達と楽しいアウトドアライフを過ごせそうです。
また、家のなかのケガ防止にも効果があります。
ツルツルのフローリングの環境なら、靴下を履かせてあげればケガのリスクを減らすことができるでしょう。
特に、小型犬は今にもポキっと折れそうなほど細い骨をしています。
体重も軽いため、フローリングで走り回ったときに、肉球がブレーキにならないことも多いです。
脱臼しやすい犬種を飼っているなら、負担軽減のために室内でも靴下を履かせてあげるのは効果的と言えるでしょう。
◆メリット⑥:シニアのワンちゃんへの思いやり
肉球には滑り止めの役割があります。
そのため、部屋のフローリングでも肉球のざらざらがブレーキをかけてくれるものです。
しかし、家じゅうを走り回ったり、ジャンプをしたりと、犬の足腰には負担がかかっています。
特に、高齢にさしかかると足腰はちょっとした瞬間に脱臼をしやすくなります。
そんなときに、滑り止め機能を持つ靴下を履かせてあげることで、シニアの犬にとっては安全に歩くことをサポートしてくれるでしょう。
寒がりな高齢犬の寒さ対策にもなりますね。
靴下に違和感…!?犬には少しずつ慣れさせてから履かせよう
犬に靴下を履かせることは、それほど一般的に浸透しているわけではありません。
これまで履いたことがない場合、慣れない靴下に「上手く歩けないよ~」と愛犬が嫌がるケースもあるでしょう。
いきなり靴下を履いて上手に走り回れる子はいません。
ちょっとずつ「靴下」に慣れてもらうことから始め、家の中で歩く練習をしてみてくださいね。
また、そもそもデリケートな肉球ですから、飼い主さんに触れられること自体、抵抗する子もいるかもしれません。
力づくで履かせようとすると嫌がるばかりですから、足のお手入れのときに、優しく触れるなど、「肉球に触れる」ことから慣れさせるのもいいでしょう。
靴下を少し履かせて、オヤツをあげるというご褒美作戦も効果があるかもしれません。
くれぐれも、靴下を履かせることは無理強いせず、「靴下を履けばいいことがある」とワンちゃんに思わせましょう。
まとめ
いかがでしたか。
肉球は、重要な役割を持ちつつもデリケートな部分です。
痛みを感じやすいことから、ひび割れやケガをすると、ワンちゃん達は気になってしかたがありません。
ふだんから愛犬の肉球に気を配り、ペロペロ舐めているときは異常がないか確認しましょう。
また、肉球を守る意味で効果があるのが犬用の靴下です。
冬の散歩では、寒さ対策や凍傷防止の一環として考えてあげるのもおすすめです。
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