1.犬が地震を怖がってしまう理由
3.地震発生時の犬の反応
3-1.吠える
3-2.隠れる
3-3.飼い主のそばを離れない
【掲載:2021.05.17 更新:2022.03.10】
犬が地震を怖がってしまう理由
人でも地面がぐらぐらと揺れて、普段とは違う様子に驚き恐怖を感じるものですが、犬も同様に地震に恐怖を感じて震えてしまう子もいます。
特に臆病な性格の子は、ゴゴゴゴゴという地鳴りの音や物が落ちた時の大きな音や衝撃にびっくりしてガタガタと震えてその場で動けなくなる子もいます。
犬は危険察知の能力が優れており、ちょっとの変化でも敏感に感じ取り警戒します。
そんな普段から警戒心が高めの犬が大きな地震に遭うと、本能が危険信号を出します。
また、愛犬には地震の原因やもうすぐ止むよなどのタイミングを理解することができません。
例え生活に支障のない小さな地震であっても、犬は毎回命の危険を感じるというわけです。
近年起こった地震
これまでにも日本はさまざまな震災を経験しました。
記憶に新しい2011年の東日本大震災では、多くの犬や猫などのペットが被災しました。
阪神淡路大震災では、建物が倒壊して火災などにより家が崩壊して帰る場所を失い、さまよったペットもいて、大変な思いをした飼い主さんやペットがたくさんいました。
近年に起こった地震によるペットのニュースを見ると、飼い主さんと離れ離れになってしまう、パニックになり逃走して迷子になってしまうと言った内容のニュースが多く見られました。
特に東日本大震災時には原発の事故もあり、多くの方が避難を余儀なくされましたが、愛犬を連れて同行避難することの難しさが取り上げられました。
避難所を利用する方の中にはアレルギーの方や、動物が苦手な方もいます。
多くの人が利用する施設だからこそ、犬を連れて避難する方を受け入れることの難しさが問題になりました。
また、地震で被災した際に離れ離れの場所におり愛犬を自宅に置いたまま緊急避難を余儀なくされた飼い主さんもたくさんいました。
離れ離れの時に被災したら、避難が必要な時はどこに避難するかなど日頃から防災のための計画を愛犬の存在を含めてまとめておくことが大切です。
地震発生時の犬の反応
犬は人よりも危険察知の能力が高いと紹介しましたが、地震発生時の反応を紹介します。
普段とは違う様子が見られた場合には、飼い主さんは冷静に対処して愛犬を安心させてあげましょう。
◆吠える
普段吠えない子でも地震発生時には、緊急性やや感じて極度の興奮状態になります。
そのため激しく吠え立てたり、不安から吠えることがあります。
地震の時は誰もが慌てて、落ち着かない気持ちになりますが犬も同様です。
不安な気持ちをすこしでも解消しようと吠えることがあります。
決して怒らずに優しく受け入れてあげることが必要です。
興奮状態で吠えている時に口の前に手を出すと、防衛本能からガブリ!と噛んでくる場合もあるため注意が必要です。
まずは愛犬を落ち着かせましょう。
◆隠れる
思わぬガタガタという揺れにびっくりして怯えてしまうと、物陰や隙間に入って隠れる仕草をみせます。
自分のケージや避難場所に適したテーブルの下などに隠れている分には、安全性も高く問題ありませんが家具と家具の隙間や倒壊の危険がある壁際などに隠れてしまった場合には安全な場所に誘導しましょう。
普段から隠れ家として使用しているところは安全性を確保しておき、ケージなどのスペースを避難場所として使用する意識しましょう。
併せてハウスのしつけを行い、緊急時にはケージに入ることを習慣にしておくとスムーズに避難や安全確認ができます。
◆飼い主のそばを離れない
恐怖を感じたり、なにか困ったことがあると1番信頼できる飼い主さんのそばにいて、安心しようという行動が見られます。
これは良い兆しであり、普段から飼い主さんを頼れるリーダーとして慕い、信頼関係がうまくできている証拠です。
犬は飼い主さんのそばにいることが1番安心して幸福感を感じますので、地震発生時に飼い主さんのそばを離れない時は優しく抱きしめてあげます。
避難もスムーズにすることができるため、避難ルートを普段から確認するようにしましょう。
犬は地震を予知することができるのか
よく犬や動物は災害を予知する能力があるのでは?と話題になりますが普段とは違う行動をしており、その様子で地震の備えをすることができれば心強いです。
犬は地震を予知することができるのかという疑問ですが、結論から言えば犬は人よりも地震のサインに気付きやすいということです。
動物は人よりも優れた感覚を持っており、犬の鼻は人の1億倍もの優れた嗅覚を持っていると言われています。
さらには、耳も人が聞き取ることができない高音を聴くことが可能であり、これらの感覚から人よりも早く地震の兆しに気付きやすいのです。
阪神淡路大震災や東日本大震災の1週間ほど前から20%前後の犬や猫に異常行動が見られたという報告もあります。
このような異常行動は「宏観異常現象」とも言われており、中国では危険回避のために研究が進められています。
さらには、地震発生前には地層の岩盤が破壊され、電磁波が生じます。
この電磁波は微弱で人間には完治することが難しいのですが、犬はこの電磁波を感じ取り異常行動をするのでは?という説があります。
いずれにしても、人よりも感覚が優れている犬が地震を事前に察知する能力は高く、普段とは違う行動が見られた場合には、地震の可能性も視野に様子を見ると素早い避難や安全確保がしやすくなりますね。
犬と避難する際に注意すること
犬と避難する同行避難の難しさについて紹介しましたが、普段からペットの存在を念頭において避難の計画を作ることが大切です。
犬と避難する時に注意したいことを紹介します。
◆防災用品
犬の防災用品として、以下の物を用意しましょう。
□首輪・リード(予備のものも含む)
□5日分のフード
□食器
□愛犬の情報・飼い主さんの連絡先のメモ
□ガムテープ
□薬や療法食など
□ワクチン・狂犬病の証明書・薬手帳
□ペットシーツ・おもちゃ
まずは犬を連れていく際の必需品として、リードと首輪を用意します。
頑丈で耐久性に優れており、着脱が楽な物を選びましょう。
破損した場合のスペアも用意しておくと、安心ですね。
また、ドッグフードは最低5日分は用意しておきます。
余裕があれば1週間分あれば安心です。
食器は餌を入れたり、水を飲む時に使います。
折りたたみ式の軽いものがおすすめです。
また、愛犬の身元を確認するため愛犬の特徴や飼い主さんの情報がわかるメモも持参すれば万が一はぐれてしまったときに役に立ちます。
さらには、普段飲んでいる薬や療法食がある場合には忘れずに持って避難できるように準備しておきます。
ワクチン証明書は避難所で提示が必要なことがあるので、持っていきましょう。
かかりつけ医の連絡先や薬の記録などから記載されたものがあれば、それも持っていきましょう。
◆迷子対策
地震の際に1番怖いのは、愛犬が逃走したり離れた場所で被災して愛犬が迷子になってしまうことです。
愛犬の首輪など身近な場所に迷子札をつけて、迷子対策しておくのが良いでしょう。
迷子札は愛犬の名前や飼い主さんへの連絡先を記載した札であり、迷子になった愛犬が飼い主さんの元に素早くもどるための絆でもあります。
身体に直接埋め込むマイクロチップも有効です。
◆居場所の確保
1番大切なことは最寄りの避難場所を確認しておくことです。
避難所によっては、犬を受け入れてくれない場所もあります。
犬と避難所などの安全な場所まで避難することを同行避難と言い、被災者が避難所にて愛犬の飼育を行うことを同伴非難と言います。
犬と避難するというと、イメージとしては同伴避難をイメージしますが、同伴避難できる避難所は限られており、同行避難さえもダメな避難所もあります。
最寄りの避難所はどんな形の避難所であるのか、ペットと避難しようと考えた場合自分の地域はどのようになるのか前もって必ず確認しておきましょう。
◆しつけ
色々な人々が利用する避難所にスムーズに避難するためにも、飼い主さんとの信頼関係をしっかりと築いてしつけを行うことが重要です。
幼少期からさまざまな経験をさせておき、他人に慣らして社会化を進めておきましょう。
いざという時にパニックにならずに飼い主さんの指示に従えるようにしつけを行いましょう。
まとめ
地震の際の犬の行動や避難する際の注意点について紹介しました。
緊急時には、誰もが焦ってしまうものですが愛犬を導けるのは飼い主さんしかいません。
前から防災についての計画を立てておき、家族で愛犬との避難ルートを確認しておきましょう。
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