1.犬に枝豆は食べさせてもOK?
1-1.枝豆ってどんな食べ物?
1-2.ワンちゃんが枝豆を食べることは問題ない
3.枝豆を食べさせるなら注意点を守って
3-1.生の枝豆はダメ
3-2.塩で味付けするのはNG
3-3.もちろん“皮”はダメ
3-4.薄皮は剥いて
3-5.細かくカット、もしくは潰して
3-6.初めてのときはアレルギーがないか注意しよう
3-7.大量はNG。適量を守ろう
3-8.枝豆を控えた方がいいワンちゃんもいる
4.枝豆以外の“豆類”は大丈夫?
4-1.大豆
4-2.グリーンピース
4-3.ピーナッツ(落花生)
4-4.もやし
4-5.納豆
【掲載:2021.06.08 更新:2022.05.17】
犬に枝豆は食べさせてもOK?
枝豆は、人間にとっては健康効果が期待できる嬉しい食材です。
枝豆の旬の時期になると食卓にあがることもあるかと思いますが、「犬が食べても良いのか」は知っておきたいですよね。
◆枝豆ってどんな食べ物?
まずは、枝豆がどんな食べ物なのかについて見ていきましょう。
枝豆と言えば、お酒を連想しますよね。
自宅での晩酌はもちろん、居酒屋でも枝豆を注文する人も多いのではないでしょうか。
低カロリーで、お酒のお供にぴったりです。
日本では「枝豆を食べる」という習慣は、平安時代頃にはあったのではないか…と
言われています。
栄養が豊富に詰まっている食べ物で、ヘルシー志向の人なら積極的に食べているかもしれませんね。
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▶主な栄養
・筋肉を作る「たんぱく質」、
・美肌効果やアンチエイジングが期待できるビタミンC」
・利尿作用で高血圧予防につながる「カリウム」、
・がん予防にも一役かっている「βカロテン」、
・骨の形成を促進する「ビタミンK」
・酸素運搬のヘモグロビンを構成する「鉄分」
そのほかにも、さまざまな栄養が含まれているもたっぷりです。
お酒を飲む人の「おつまみ」としてはもちろん、お酒を飲まない人にとっても、注目したい食材と言えるでしょう。
◆ワンちゃんが枝豆を食べることは問題ない
人間にとって栄養満載の枝豆は、ワンちゃんにとっても健康効果が期待できる食べ物です。
犬と枝豆の相性は、悪くないと言われています。
ただ、「食べさせ方」には注意しなければなりません。
人間と同じように食べさせるのは基本的にはNGで、ひと手間加えて「ワンちゃん用」にする必要があります。
犬に枝豆を食べさせるときには、「枝豆を食べるメリット」、そして「枝豆を食べさせるときの注意点」をしっかり理解しておきましょう。
枝豆を食べさせるメリットは?
枝豆は犬にとって「食べることに問題がない食べ物」です。
つまり、「食べてもOK」な食材ですが、「積極的に食べさせなくてもOK」ということになります。
ふだんからドッグフードをきちんと食べているのであれば、「栄養補給」の目的で、敢えて枝豆を食事に取り入れる必要はないのかもしれません。
なぜなら、「犬と人間」は、体の構造で異なる部分が多く、枝豆を食べたからと言って、犬が人間と同じような健康効果を得られるとは言い切れないからです。
ただ、ワンちゃんの体に効果がありそうな成分はいくつかあります。
まずは、枝豆のアスパラギン酸。
「疲れにくい体」への効果が期待できます。
アクティブ系のワンちゃんなら、疲労しにくい体づくりの一環として考えてもいいかもしれませんね。
また、急速な血糖値上昇をおさえる働きのある「ピニトール」も、枝豆には含有されています。
肥満気味のワンちゃんのダイエットの補助食品に取り入れても良さそうですね。
枝豆を食べさせるなら注意点を守って
枝豆は犬が食べてもOKなものですが、何も考えずにそのまま与えるのはリスクがあります。
いくつかの注意点をしっかりおさえておきましょう。
◆生の枝豆はダメ
ワンちゃんに枝豆を食べさせるときには、必ず「加熱」をしましょう。
枝豆には、骨や筋肉などを作るために大切なたんぱく質が入っています。
ただ、枝豆には、たんぱく質や鉄分などの吸収を邪魔してしまう「トリプシンインヒビター」という成分も入っているのだとか…。
この成分は、加熱することで影響を和らげることができるため、茹でてから食べさせましょう。
◆塩で味付けするのはNG
人間が枝豆を食べるときには、塩を入れて茹でるのが一般的。
程よい塩加減で、とても美味しいですよね。
お酒との相性もバツグンです。
でも、人間が「美味しい」と感じる塩気は、体の小さい犬にとってはリスクがあります。
犬は、人間のように汗をかいて塩分を外に出すことができないため、塩分を多量に摂取すると腎臓にかなりの負担がかかってしまうのです。
そのため、茹でるときには塩を入れないように注意してくださいね。
茹でた後の枝豆に、塩をかけて味付けをするのもよくありません。
また、スーパーの総菜コーナーにある枝豆は、家庭ですぐに食べられるのが魅力ですが、調理の段階で塩が入っているので食べさせないほうが良いでしょう。
冷凍食品コーナーにある枝豆にも塩分が使われているものが多いので注意してくださいね。
◆もちろん“皮”はダメ
人間が食べるときは、外側の皮の部分を取って、なかの“豆”だけ食べますよね。
犬にも、人間と同様に、枝豆の“豆”の部分だけ食べさせましょう。
外側の“皮”部分は茹でたとしてもとても硬い部分です。
食べてしまうと消化ができずにワンちゃんが体調不良を起こす原因になることもあります。
また、豆を覆っている“皮”には、虫を寄せ付けないために振りかけられた農薬の成分が残っているかもしれません。
ワンちゃんに与えるときには、皮から剥いて豆部分だけにしてあげてくださいね。
◆薄皮は剥いて
豆を覆っている外側の皮を剥くと、薄皮に包まれた豆があります。
外側の硬い皮よりは柔らかめの薄皮。
この薄皮は食べることはできますが、ワンちゃんが食べると喉の奥に引っ掛かる恐れも…。
薄皮がいくつも引っ掛かれば、喉をつまらせる心配もあります。
それに、上手に飲み込めたとしても、体質によっては薄皮の消化がしづらいこともあるでしょう。
詰まりや消化不良の不安から考えても、薄皮は取り除いてから与えると安心です。
◆細かくカット、もしくは潰して
枝豆そのものが小さい粒ですから、そのまま与えても問題なさそうに感じます。
でも、食べ物をほとんど噛まずにガブガブと食べるワンちゃんにとって、枝豆の丸飲みは喉に詰まらせるリスクがあります。
詰まって苦しい思いをさせないためには、できるだけ細かくカットする、もしくは潰して柔らかくしてから食べさせるようにしましょう。
◆初めてのときはアレルギーがないか注意しよう
どんな食べ物も初めて食べさせるときには、アレルギー症状に注意しなければなりません。
アレルギーとは、体に入った食べ物を「異物だ!」と免疫反応がオーバーになることです。
枝豆が体に合わない場合、体に何らか異常が引き起こされるかもしれません。
「下痢や嘔吐」のように見た目に分かりやすいアレルギー反応もありますが、皮膚に発疹が出るような分かりにくい反応が起こることもあります。
枝豆を初めてあげるときには、まずは少量にして異変がないか十分に観察しましょう。
◆大量はNG。適量を守ろう
豊富な食物繊維が含まれている枝豆は、大量に食べると「お腹がゆるくなる」「吐く」など体に異変をもたらす可能性もあります。
また、枝豆は大豆になる前に収穫している食べ物。
つまり、未成熟な大豆が「枝豆」です。
大豆よりは低カロリーですが、それでも「畑の肉」と呼ばれる大豆の前身とあって、100グラム135キロカロリーと高カロリー。
ワンちゃんが喜ぶからといって大量にあげると肥満の原因になるので注意しましょう。
犬の体の大きさによっても適量が異なりますが、10キロ以内の犬なら15~20粒前後、それより大きな子でも40粒以内…を目安にするといいかもしれません。
5キロ未満の超小型犬の場合は、10粒以内にするといいでしょう。
◆枝豆を控えた方がいいワンちゃんもいる
「大豆アレルギー」とすでに分かっている犬の場合、枝豆を与えるのはNGです。
食べさせたことがなければ、アレルギー症状が出ていないかを確認しながら少しずつ食べさせましょう。
また、貧血気味の犬の場合、大豆に入っている成分が鉄の吸収に影響する可能性もあります。
服用中の薬との相性が悪いケースもあるので、避けるべき食べ物と言えるかもしれませんね。
枝豆以外の“豆類”は大丈夫?
枝豆以外の豆類はたくさんありますが、ワンちゃんが食べるとどんな影響があるのでしょうか。
◆大豆
大豆は、豆腐や納豆、しょう油、みそなどの原材料として、日本では古くから食卓に並んでいる食材です。
枝豆は大豆の未熟バージョンで、収穫時期に違いがありますがそもそも同じ「大豆」です。
茶色に熟してから収穫するのが大豆で、畑の肉と言われるほど栄養価が高く、健康効果も期待できます。
大豆は犬が食べることができますが、生のままでは微量な毒素「レクチン」により消化不良を起こす心配があるので注意しましょう。
また、喉に詰まらないように、加熱して小さくカットしたり、つぶして食べやすくしてからあげてくださいね。
◆グリーンピース
マメ科の野菜の「グリーンピース」は、犬が食べることに問題はありません。
たんぱく質やカリウム、亜鉛などの栄養素が含まれているので健康効果も期待ができます。
ただ、枝豆と同様に、薄皮を取って加熱、そしてペースト状にするようにしましょう。
◆ピーナッツ(落花生)
アンチエイジングの効果が期待できる「ピーナッツ」ですが、犬が食べても問題のない食べ物と言われています。
ただし、硬い殻を剥いて薄皮を取り除き、柔らかくしたものに限ります。
また、ピーナッツは脂質が多いので、消化不良を起こしやすいです。
食べ過ぎると肥満に結び付くうえ、「消化せずにお腹をこわす…」なんてこともあるので注意しましょう。
◆もやし
もやしのほとんどが水分で、カロリーが低くダイエット食としても人気がある食材です。
もやしはワンちゃんも食べることができる食材です。
実は、もやしは、大豆や緑豆を発芽させた新芽で、そもそもが「豆」。
発芽させるという意味を表す「萌やし」から、「もやし」と呼ばれています。
どのもやしも9割ほどが水分ですが、残りの1割ほどに栄養があります。
抗酸化作用のある「ビタミンC」、骨などを形成する「カルシウム」、高血圧予防に期待できる「カリウム」などが含まれています。
食べさせるなら、
・ひげ根を取る
・加熱する
・小さめにカットする
・味付けはしない
などを守ることが大事です。
また、もやしは劣化しやすく、あまり日持ちしない食材です。
傷んだもやしを犬に与えるのは止めましょう。
◆納豆
独特の粘りが特徴の納豆は、大豆の発酵食品として日本ではお馴染みの食品です。
腸内環境を良くする効果や、血栓をできにくくする効果などが期待できると言われています。
大豆と同様に、納豆は犬が食べても問題のない食品です。
ただ、カリウムがたくさん含まれているので、腎臓疾患のあるワンちゃんは注意が必要でしょう。
また、鉄の吸収を阻む成分も入っていますから、貧血症と診断されているケースも避けるべき食品です。
まとめ
犬は、枝豆をはじめ、さまざまな豆類を食べることができます。
大豆は、昔から健康食品としてなじみがあるので、「愛犬にも健康になってほしい」と考えて与えることもあるかもしれません。
でも、人間と同じような効果が得られるとは限らないので、十分な注意が必要です。
「お酒のおつまみを一粒あげよう」などの与え方ではなく、皮むき・加熱・すりつぶし…といった手間を加えて“愛犬用”の枝豆を与えましょう。
そして、主食として大量に食べさせずに、ドッグフードのトッピングやおやつ程度にとどめることがポイントです。
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