1.犬の耳について
1-1.立ち耳
1-2.半立ち耳
1-3.垂れ耳
1-4.ひと言で耳といっても種類はさまざま
6.病気の危険がある犬の耳の動き
6-1.耳を振る
6-2.片耳だけ下げる
犬の耳について
犬の耳には種類があり、大きく以下のように分類できます。
・立ち耳
・半立ち耳
・垂れ耳
この3種類からさらに先端の形や折れ方によりさまざまな名前が付けられています。
それぞれの種類と代表的な犬種を見ていきましょう!
◆立ち耳
立ち耳は耳全体が立っているのが特徴です。
立ち耳を細かく分けると以下のように分類されます。
代表的な犬種と共に見ていきましょう。
・先端が尖り真上を向いた形の「プリックイヤー」:柴犬やシェパード、シベリアンハスキー
・付け根の間隔が広く羽を広げたコウモリに似ている「バットイヤー」:フレンチブルドッグ、チワワ
・蝶々のような形の「バタフライイヤー」:パピヨン
・耳の根元から緩くカーブし先端が尖っている「キャンドルフレームイヤー」:ミニチュアピンシャー
・両耳の間隔が広く前方に傾いている「チューリップイヤー」:ブルテリア
◆半立ち耳
半立ち耳は根元が立ち上がっているものの、先端は折れているのが特徴です。
立ち耳も細かく3つに分類できます。
・根元から直立し、先端だけ折れている「コックドイヤー」:ボーダーコリー
・耳の先端が逆三角に折れている「ボタンイヤー」:ジャックラッセルテリア
・耳の内側が外に出て先端は後ろに向かって折れている「ローズイヤー」:ブルドッグ、パグ
◆垂れ耳
垂れ耳は耳の穴が見えず、垂れ下がっているのが特徴です。
・顔の横を覆うように垂れ下がる「ドロップイヤー」:ビーグル。ゴールデンレトリバー
・地面につきそうな程下がった「ペンダントイヤー」:バセットハウンド、ミニチュアダックスフンド
・根元はやや立ち気味で広がって垂れている「フォールドイヤー」:キャバリア、アメリカンコッカースパニエル
◆ひと言で耳といっても種類はさまざま
見てきたように、犬種ごとにいろいろな耳を持っていることがわかりましたね。
では次に、耳の動きとそのときの犬の気持ちについて見ていきましょう!
垂れ耳の犬は少し確認しづらいですが、よく見ると動いている様子がわかりますのでぜひ観察してみてくださいね。
また、耳だけでなく表情や仕草に注目することで、より深く犬の気持ちが読み取れますよ。
犬が耳を立てている時
犬が耳を立てているとき、表情によって興味を示している場合と周囲を警戒している場合があります。
・明るい表情で耳を立てている…わくわくして興味がある
・不安な表情で耳を立てている…周囲を警戒している
表情や仕草によって真逆の意味を持つので、飼い主はしっかりと観察することが大切です。
また、他の犬と対面したときやケンカをしているときに耳が立っている場合、自信があったり強気になったりしています。
犬が耳を前に倒している時
耳を前に倒しているときは、威嚇や危険を察知している場合が考えられます。
威嚇の場合、耳を前に倒すのに加えて険しい表情をして唸ったり、マズルに皺を寄せていたりする場合があります。
他の犬がいる場合ケンカになってしまうことも考えられますので、犬が威嚇をし始めたら相手の犬から離れるのがいいでしょう。
相手の犬に集中して噛まれる危険性もあるので、落ち着かせようと撫でたりしないようにしてくださいね。
犬が耳を後ろに倒している時
耳を後ろに倒している場合、表情によって信頼やリラックスしている場合と不安やストレスを感じている場合があります。
・穏やかな表情で耳を後ろに倒している…信頼やリラックスしている
・表情を硬くして耳を後ろに倒している…不安やストレスを感じている
こちらも表情によって真逆の気持ちになってしまいます。
飼い主の傍にいて目を細めたり口を緩めたりして耳を後ろに倒している場合、リラックスして落ち着くな、という表情で見ているこちらも幸せな気持ちになりますよね。
気持ちを表し甘えたいという気持ちを表しているので、たっぷり甘えさせてあげたり撫でたりするなどスキンシップを取りましょう。
また、不安を覚えたりストレスを感じたりすると表情だけでなく尻尾も下がり、身体を震わせる犬もいます。
体調がよくないのを隠している場合もあるので、何がストレスの原因なのか見極める必要があります。
尻尾も犬の気持ちを表す重要な場所なので、ぜひ一緒に観察して犬の気持ちを読み取りましょう。
耳をぴくぴく動かす時
耳を前後左右にぴくぴくと動かしている場合、周囲の状況を探り判断していることが考えられます。
口元をきゅっと結び、真剣な表情をしている場合が多いです。
足に力も入り、すぐに動き出せそうにしているでしょう。
初めて訪れた場所、初めて会う人や動物に対しても耳をぴくぴくと動かすことがあるので、飼い主は今考えているなと判断して犬が次の行動を起こすのを見守ってあげてくださいね。
病気の危険がある犬の耳の動き
気持ちを表す耳の動きですが、一方で病気のサインであることも。
・耳を振る
・片耳だけ下げる
主にこの2つの動きに注意して、毎日耳の動きも観察しましょう!
◆耳を振る
耳を振るとは耳に違和感があり、頭を振る仕草をしていることを指しています。
何度も頭を振って耳を振っている場合、耳に異常が起きていることが考えられます。
-
・外耳炎
・耳ダニ感染症
外耳炎は耳垢が溜まり、繁殖した細菌によって外耳道に炎症がおきる病気です。
症状として耳の痒みや痛み、耳垢が多量に出ることが挙げられます。
特に垂れ耳の犬の場合通気性が悪いので、湿りやすく細菌が繁殖しやすいので注意しましょう。
耳の中に汚れや異物がないかをチェックし、清潔に保つことが大切です。
また、耳ダニ感染症は疥癬(かいせん)とも呼ばれ、ミミヒゼンダニが外耳道に寄生していることにより起きる感染症です。
耳垢や分泌物を食べて増えていき、ひどい痒みがあるのが特徴です。
耳を振るだけでなく、あまりの痒さに頭をこすりつけたり耳を掻きすぎて傷つけてしまったりする場合も。
外耳炎も耳ダニ感染症も気づいたら早めに動物病院に連れて行きましょう。
◆片耳だけ下げる
片耳だけ下げている場合、耳血腫(じけっしゅ)の可能性が考えられます。
耳血腫は耳の血管が破れたことにより血液が皮膚と軟骨の間に溜まってしまう病気で、耳の腫れや炎症が見られます。
外耳炎などの耳の痒みから頭を振り、刺激で血管が破れることもあります。
治療は溜まった血液を出す必要があるので動物病院へ連れて行き、治っていないうちに暴れると再発することもありますので安静にする必要もあります。
レトリバーやビーグル、ダルメシアンなど垂れ耳の犬に多いので、飼い主さんは注意して観察してくださいね。
耳のお手入れ方法
上記の病気にならないよう、犬の耳を観察し、定期的にお手入れをする必要があります。
・耳の観察するときのチェック項目
・お手入れの道具と方法
・注意点
最後にこちらを見ていきましょう!
◆耳の観察するときのチェック項目
犬の耳見るときは、特に以下の項目に注意して観察しましょう。
-
・耳を触ると嫌がらないか
・汚れや耳垢が溜まっていないか
・耳の中や周りが赤く炎症を起こしていないか
・痒がっていないか
ただなんとなく見るのではなく、上記の点を押さえて見ることでより早く異常に気づくことができますよ。
◆お手入れの道具と方法
ブラッシングなどの身体のケアと一緒に耳のお手入れも習慣にすることで、健康状態の把握に役立ちます。
普段のお手入れとしては耳を観察し、汚れていた場合洗浄液を含ませたコットンで優しく拭く程度で十分です。
洗浄液は動物病院で販売されていたり、通販でも売っていたりするので探してみてくださいね。
耳掃除も耳の中を傷つける恐れがあるため、基本は汚れや耳垢が多いと感じたら動物病院で診察してもらいましょう。
定期的に自分で耳掃除をしたいという場合、小さく丸めたコットンを洗浄液に浸し、ピンセットで耳の中に入れて行いますが、犬が嫌がった場合は無理せずすぐに止めましょう。
頻度は2週間に1度程度が目安ですが、立ち耳の犬より垂れ耳の犬の方は通気性が悪く、どうしても汚れが溜まりやすい傾向があります。
汚れの溜まり具合など耳の状態を見ながらお手入れの頻度を調整しても構いませんが、多くても週1度にしてやりすぎに注意してください。
まとめ
今回は犬の耳種類や耳が表わす耳の気持ちから、耳の病気やお手入れ方法について見ていきました。
犬の耳はあまり動かないように見えますが、よく観察するとさまざまな気持ちを表現してくれます。
顔の表情や尻尾、身体の動きなど併せて見ることでさらに深く愛犬の気持ちを探ることができますね。
そんな気持ちを表わしてくれる耳の観察やお手入れを行うことも大切です。
痒みや痛みなどの症状が表れたらすぐに動物病院に行き、診察を受けてください。
耳を通じて愛犬とコミュニケーションをとり、ますますの信頼関係を築いてくださいね。
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