気持ちがわかる?飼い主を心配している時の犬の行動について解説します!

2022.03.06

気持ちがわかる?飼い主を心配している時の犬の行動について解説します!

愛犬にはいつも明るく接していたいけれど、一緒に暮らしていれば落ち込んだ表情を見せてしまうことだってありますよね。 そんな時、なんだか愛犬が自分を心配してくれているように感じた経験はありませんか? この記事では、犬は人間の気持ちがわかるのか、犬の心配している時の行動などについて解説していきます。 犬を飼っている方はもちろん、現在検討中の方もぜひ参考にしてくださいね!

犬はなぜ飼い主を心配してくれるのか

犬と飼い主

犬は本来群れで生活していた動物です。
群れの中でうまく生活していくためには他の犬の変化を敏感に感じ取ったり、ときには気遣いをしたりというようなことが必要だったと考えられています。
犬がもともと持っているこのような習性が、現代で一緒に暮らす人間の家族にも発揮されているのでしょう。

しかし、どんな犬も心配してくれるかと言えば、決してそうではありません。
人間にもマイペースな人や気配り上手な人がいるように、犬にも個性があります。
飼い主さんのちょっとした変化で異変にすぐ気づいてくれる犬もいれば、号泣するといった大きな変化があってもいつも通りのんびり過ごすような犬も少なくはありません。

心配してくれないからといって犬が家族として認識してくれていない、冷たいということではないので、気をつけましょう。


犬は人の感情(表情)が分かるのか

これまで様々な研究結果から犬と人間の脳のメカニズムは似ていると立証されてきましたが、「犬が人の感情を理解できる」ということに関しては曖昧なままになっていました。
しかし、2014年にオーストリアのウィーンにある獣医大学が行った研究(Corsin A. Müller, et al., 2014)によって、犬は人間の表情から感情を汲み取っているということがわかったのです。

この実験では「笑顔の写真」と「怒った顔の写真」が用いられました。
24匹の犬を2つのグループに分けて片方には笑顔の写真を選ぶとおやつを、もう片方には怒った顔の写真を選ぶとおやつをあげるというように訓練をし、実際に2枚の写真を見せてどちらを選ぶか検証しました。
その結果、すべての犬が性格に写真の表情を読み取っていることが分かりました。
写真に写っている人は犬の家族というわけではなかったため、見知らぬ人であっても表情を認識できるというのは大きな収穫だったようです。

また、この研究では犬が表情の意味まで理解しているということがわかりました。
怒った顔の写真を選ぶように訓練するグループでは、たとえおやつがもらえるとわかってはいても怒った顔の写真にはあまり近づきたくないようで、選ぶのを渋る犬が多数いたのです。
対する笑顔の写真を選ぶグループではためらう様子はほとんど見られませんでした。

以上のことから犬は笑顔や怒った顔など人間の表情に関して外見的な概念だけでなく、その表情が持つ内面的な意味までも理解していると言えるでしょう。


犬が飼い主を心配しているときの行動

心配をする犬

ここからは具体的に犬が飼い主を心配している時にとる行動について解説していきます。
「なんだか愛犬が心配してくれているように感じるな…」と思っていた方は答え合わせをしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、全ての行動を網羅している訳ではなく、犬によってオリジナルの励まし方があるかもしれません。
あくまで参考として、愛犬の行動と照らし合わせてみてくださいね!

◆顔を覗き込む

顔を覗き込む行動は、愛犬が飼い主さんの表情から感情を読み取ろうとしているサインです。
「とてもささやかな仕草だから気にしたことがなかった」という飼い主さんもいれば、「普段でもよく見かける行動だ」という飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。

先にも述べたように犬は人間の表情から感情を敏感に読み取ることができます。
そのため普段からコミュニケーションの一環で飼い主さんの顔をよく見る犬もいるでしょうが、飼い主さんが落ち込んでいる時には尚更じっくりと顔を見つめてくるはずです。
飼い主さんの表情をみて「もう元気かな?」「まだ元気ないな、大丈夫かな?」と判断してくれています。

愛犬が何度も顔を覗き込んでくるときは、相当心配してくれていると言えます。
元気になったらとびきりの笑顔で接して、安心させてあげてくださいね。

◆心配そうな表情をする

犬の感情のバロメータはしっぽを見ればわかるというのはよく言われています。
しかし、なかには「うちの愛犬は表情が豊かだから顔を見れば喜怒哀楽がわかる」という飼い主さんもいらっしゃるとか。
そんな表情豊かな犬なら、飼い主さんを心配する気持ちが顔に全面に出てしまうことでしょう。
落ち込んだ飼い主さんがふと愛犬をみると、眉間に少しシワを寄せ目尻を下げた不安そうな表情で自分を見上げていたということもあるようです。

愛犬のそんな表情を見たら飼い主さんも「心配かけちゃいけない!気持ちを切り替えよう!」とパワーが出てきそうですね。
明るい声と表情で話しかけて、ぜひ愛犬を安心させてあげましょう。

◆顔を舐める

顔を舐める仕草は、一般的に子犬が甘えたり不安を感じたりした時に母犬に対して見せるものだとされています。
したがって飼い主さんを心配している時に顔を舐めるのは「ここにいるよ」と存在をアピールして甘える機会を探っていたり、いつもと違う飼い主さんの様子に不安を感じたりしていると考えられます。

また、犬は傷口を舐めるなど本能的に体の分泌液を舐める習性があるため、自然と飼い主さんの涙を舐めとるような仕草をする場合があります。
以前この行動をした際に、「心配してくれてありがとう!」と飼い主さんが笑顔になったという経験を犬は決して忘れません。
はじめは深い意味はなくても、元気付けるために意図的に顔を舐めるようになることもあるようです。

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◆一緒に落ち込む

感受性の強い犬によく見られるのが、飼い主さんと一緒に落ち込んでしまうという行動です。
元気がなくなるだけでなく、食欲が落ちてしまうなどの症状が出る場合もあるようです。

犬は基本的に共感力が高いため、飼い主さんの様子を見て一緒に元気がなくなってしまうというのは決して珍しいことではありません。
自分の気持ちを理解してくれるのはとても嬉しいですが、度を越えると心配がストレスになり、抜け毛が激しくなったり、嘔吐や下痢をしたりといった心身の不調が出てきてしまうので注意が必要です。

犬に心配をかけすぎないように、落ち込んだ姿を見せた後には必ず笑顔を見せること、犬に何か異変があればすぐに動物病院を受診することを心がけましょう。

◆寄り添う

落ち込んでいるときだけでなく、体調を崩して寝込んでいる時などにも愛犬がそっとそばに寄り添ってくれたという経験は多くの飼い主さんが持っているのではないでしょうか。
寄り添うというのは心配しているのはもちろんのこと、「そばにいるから大丈夫だよ」と飼い主さんを安心させたり励ましたりするような意味合いが強い行動です。
体が触れ合うとお互いの体温を感じて安心感が得られるといことを犬は本能で理解しているのです。

また、体は寄り添いつつも顔は外の別の方を向いているという犬もいるでしょう。
「たまたま横で寝ているだけかな?」とも感じてしまいますが、実際には弱っている飼い主さんを外敵から守ろうとしてくれています。
健気で愛情深い行動に、とても元気付けられますね。

◆おもちゃを持ってくる

これまでとは異なり思わずクスリと笑ってしまいそうになるのが、おもちゃを持ってくる行動です。
飼い主さんを励まそうとお気に入りのおもちゃをプレゼントしてくれたり、「このおもちゃで一緒に遊ぼう!」とあえて元気に振る舞ったりする犬もいます。

落ち込んでいる時に元気な愛犬がしっぽを振りながら遊びに誘ってくる姿を想像してみてください。
思わず「かわいいなぁ」と笑顔になってしまうでしょう。

人間でもネガティブな感情に寄り添って包み込んでくれる人もいれば、ひとまず忘れてパーっと楽しもうと声をかけてくれる人もいます。
犬も同じように様々な行動で飼い主さんへの心配を示してくれているのですね。

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まとめ

いかがでしたか。この記事では犬が飼い主を心配した時にとる行動について解説しました。
犬は人間の表情を読み取る力に優れており、想像以上に感情を理解してくれているということがわかりましたね。
「あの時のあの愛犬の行動はやっぱり自分のためだったのか」と答え合わせができた飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
愛犬が自分の心配をしてくれるなんて愛おしい気持ちになりますが、飼い主さんが落ち込んでいる状態は犬にとってもストレスになりかねません。
ぜひ、この記事を参考にしながら愛犬に心配をかけすぎないように笑顔で過ごしてくださいね。



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ゆうな

ゆうな

赤ちゃんの頃から犬、猫、フェレット、ハムスター、インコと一緒に暮らしてきました。 とにかく動物が大好きで、日課は動画の動画を観ることです。 私自身も更に知識を深めながら、動物の為になる記事をご提供します!


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