犬が散歩中に草を食べる!問題や注意点はある?

2022.11.04

犬が散歩中に草を食べる!問題や注意点はある?

犬が草を食べるのは、問題ない行動なのでしょうか?散歩中など、外に出た時に、犬が草を食べることがあります。犬が草を食べていたら、体に影響はないのか、気になる飼い主さんもいらっしゃることでしょう。犬が草を食べる原因と、食べても問題ないのかどうか、飼い主さんが注意するべき点についてご紹介します。

犬が散歩中に草を食べるのはなぜ?

お散歩している黒柴

犬が草を食べる理由というのは諸説ありますが、次のような理由が考えられます。

◆胃に不快感がある

いくつか考えられる理由の中で、特に注意したいのは『犬が胃に不快感を感じて草を食べている』という場合です。

食べ過ぎてむかつきがある時や、何かしらの病気によりお腹の調子が悪い時に、本能的に草を食べてしまうことがあります。
犬は草を食べた後に吐くことで、胃の不快感を解消しようとしているという説があります。もちろん、胃の中身に問題があるだけでなく、何か他の病気がある可能性もあります。草をずっと食べていたり、様子が普段と違っていると感じたりしたら、早めに動物病院に連れていってあげましょう。

◆単純に草が好きだから

単純に草が好きだからという理由で食べている場合もあります。

犬は元々雑食の動物ですので、お腹が減っていたりその時の気分によっては、草を食べたいと思うこともあるでしょう。お腹が空いていなくても、草を口に入れて噛む行為が好きで草を食べることもあります。また、草を食べるというより、噛んでちぎったり引っ張ったりして遊んでいるという場合もあります。

◆本能的に食べている

犬は近くにある草を手当たり次第に口にするのではなく、イネ科の細長い草を好んでよく食べます。草を食べる行為は、犬が野生だった頃の先祖から受け継いでいる本能であるという説があります。

この理由として、肉食では摂取できない、葉酸などのビタミンやミネラルを補うために草を食べるのではないかということです。
雑食である犬にとって、草は単純に食べ物のうちの一つであり、草を食べるのは犬の行動として自然であるという説もあります。
現代の飼い犬なら、栄養バランスの取れたフードを食べていれば草からの栄養は必要ないと考えられますが、犬の本能でつい草を食べてしまうのかも知れません。


外の草は食べさせても大丈夫?

草の臭いをかぐ犬

犬が草を食べるのはほとんどが散歩中などの外に出ている時です。自然に生えている草については、次のことに気をつける必要があります。

◆除草剤や虫がついている可能性

自然に生えている草には、その草を食べたり住処にしたりしている虫たちがいます。草に付いている虫は、芋虫やその卵、バッタなどの昆虫など様々な種類がいますし、寄生虫が付着していることもあります。また、その場所を整備したり管理したりするために、除草剤や農薬が撒かれている可能性もあります。
除草剤は、除草剤のかかった草を食べたり舐めたりして体内に入ったり(経口摂取)、皮膚から体内に入ってしまう(経皮摂取)ことがある為、特に注意が必要です。

犬が草を食べた際に、草に付いている虫を一緒に食べてしまったり、除草剤を体内に取り込んでしまったりすると、体調を壊すことがあります。
除草剤を食べて中毒症状を起こした時は、命にかかわる場合もありますので、外に生えている草はむやみに食べさせないよう気を付けましょう。

◆食べてはいけない草に注意する

道端や川沿い、林の中や公園などに生えている草の中には、犬にとって毒となる植物がたくさんあります。また、観賞用の花や家庭菜園などの中にも犬にとって危険な草(植物)がありますので紹介します。

犬が食べてはいけない草で、よく散歩中の環境に見られるような植物は以下のようなものがあります。(※ここに記載していない草が安全ということではありません。)

アジサイ・アサガオ・スズラン・スイセン・スイートピー・チューリップ・ツツジ・パンジー・ヒヤシンス・ヒガンバナ・ユリなど…

犬が食べる草はイネ科のイヌムギという種類がほとんどです。基本的には本能で食べていい草とやめておいた方がいい草を、犬自身が見極めています。
しかし、草を食べて中毒になるだけでなく、花粉でアレルギーを起こしたり、触れることで皮膚がかぶれたりすることもあるため、食べないからといって安心はできません。

お散歩の後に異常が見られた場合は速やかに病院に相談しましょう。


草を食べた後に犬が吐く

犬が草を食べた後に嘔吐した場合には、どのような可能性があり、どう対処したら良いでしょうか?

◆吐くために食べていた可能性

犬は本能的に、食べたものを吐くために草を食べるという説があります。

胃に不快感がある時や、異物を飲み込んだ時に草を食べて、吐くことで体調を戻そうという行動をとることがあると考えられています。
胃の中にある悪いものを排出するために草を食べて吐く自然な生理現象ととらえられるので、繰り返し吐くことがなく元気であれば様子を見ても問題ないでしょう。

何度も続けて吐いたり、元気がなかったり、動きがおかしいなどいつもと違う様子であれば、すぐに動物病院を受信しましょう。

◆中毒症状の可能性

草を食べた時に、草そのもの(スイセンやクリスマスローズの葉など)による中毒症状か、付着していた除草剤や駆虫剤を一緒に食べてしまったかで、中毒症状を起こす可能性があります。

何度も嘔吐を繰り返したり痙攣が見られたり、うずくまって小さくなっていたりする場合には緊急性が高いので、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。

◆早めに病院で受診する

草を食べて吐いた後には、元気そうでもその後の犬の様子を注意して見守り、いつもと違う様子があれば早めに動物病院を受診するようにしてください。

特に中毒症状が出た時には、できるだけ早く受診して適切な治療をしてもらうことで命が助かる場合が多いため、飼い主さんが早く判断することが大切です。
受診してなにも問題がなければ安心できますので、いつもの事だと軽く考えないことが、犬の健康と安全につながると言えるでしょう。


雑草の代わりに与えられるものはある?

自然に生えている草を犬に食べさせることに不安な時には、次のようなものであれば安心して与えることができます。

◆猫草

猫草

ペットショップやホームセンターで売られているエンバク(猫草)は、犬にとっても安全に食べられる草です。

ペットグラス、犬猫用、というような文字付きで販売されていることもあります。水を与えるだけで栽培できるので、家庭で与えるのに適した手軽な草だと言えるでしょう。
猫草として販売されているものは、軽い植木鉢や段ボールのケースに入っていることが多く、犬に与える際、鉢やケースを倒したり持ち上げたりしますので、与える時には草をちぎったり植え替えたりすると良いでしょう。

◆キャベツ

キャベツはアブラナ科アブラナ属の多年草で、適量であれば犬に与えても問題ありません。ただし、あくまでもおやつや嗜好品として、少量を与える程度にしましょう。

キャベツには、ビタミンCのほか、胃酸の過剰分泌を抑制したり、胃腸の粘膜を保護したりするビタミンUが豊富に含まれています。これらの栄養素は、犬にとっても良い効果があるとされています。
ただし、アブラナ科の植物に対してアレルギーがある場合には与えないようにしましょう。また、何らかの疾患がある犬や、病気の治療をしている犬には、与える前に獣医さんに聞いてみるようにしましょう。

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◆白菜

白菜もアブラナ科で、カルシウムやカリウム、ビタミンKを多く含む野菜です。
キャベツと同じく、適量をおやつやフードのトッピングとして少量与えるぶんには全く問題がありません。水分が多いので、水をあまり飲まない犬に与えるのも良いでしょう。

与える際には茹でてやわらかくし、細かく刻むと、食べやすいでしょう。白菜も、キャベツと同様に、何らかの疾患がある犬や、病気の治療をしている犬には、与える前に獣医さんに聞いてみるようにしてください。

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まとめ

芝に伏せる柴

犬が草を食べるのは、本能からくる行動であり、食べる行為そのものは自然なことです。犬が胃の中身を吐くために、わざと草を食べているという説もあります。

ただし、外にある草には、虫や除草剤が付着していることがあるため、犬にとって危険なこともあります。さらに、犬が食べると中毒を起こす有害な植物も多くあります。
そのため、虫や除草剤がついていないと判断できる安全な時だけ、犬に草を食べさせても良いでしょう。安全が確認できず判断がつかない時には、できるだけ犬には外で草を食べさせないようにしましょう。

どうしても犬が草を食べたがる場合には、ペット用の食べる草や、キャベツや白菜などで代用することができます。
愛犬の様子を見ながら、検討してみてくださいね。



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ネコ、犬、インコ、金魚などと暮らした経験を生かし、飼い主さんに役立つよ うな記事を作成しています。 ペット情報を日々チェックしながら、ペットについて勉強中です。かわいいペ ットをメインとしたイラスト作成もしています。


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