愛犬に失明の可能性があると告げられたら、 どうすればいい?

2015.10.30

愛犬に失明の可能性があると告げられたら、 どうすればいい?

進行すると愛犬が盲目になってしまう眼の疾患には、白内障、緑内障、進行性網膜萎縮症(PRA)、突発性後天性網膜変性症(SARD)、網膜剥離などがあります。愛犬が盲目になる可能性を獣医師から告げられたとき、ペットオーナー様はどう対応すればいいのでしょう? ここでは、筆者の経験を交えてお話ししたいと思います。

動物眼科診療専門病院を紹介してもらうのがオススメ

 キャンディス(トイ・プードル ♀12歳、11月で13歳)の右目が左目に比べて飛び出ていると思ったのは、2013年9月のことでした。右目を気にして掻くようなそぶりも見られたので、すぐにかかりつけの動物病院へ連れて行きました。

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2013年10月に私が撮影したキャンディスの写真です。右目が明らかに飛び出ています。徐々に、ではなく、いきなりこのような状態になりましたが、いろいろなケースがあるそうです

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右目の拡大写真です

眼圧などの測定後、下された診断は「緑内障」。緑内障が進行すると、眼の中の硝子体が破裂すると言われ、手術を勧められたのです。
「ここは眼科専門ではありません。やはり、眼の手術は眼科の先生にご相談されたほうがいいかと思います。紹介状を書きますよ」
とおっしゃっていただき、呈示された3つの候補から、自宅に近い病院を紹介していただきました。その病院では、眼の検査のほかに血液検査などの身体検査も行い、やはり緑内障であることと、まだ手術が可能であることを教えられました。
「摘出した眼球から義眼を作ります。これ以上進行すると、眼球が損傷して眼球からは義眼が作れなくなってしまいます。また、老齢になってから硝子体が破裂すると、麻酔がかけられない可能性もあります。手術できないとなると、眼球が自然に眼からこぼれ落ちるのを待つしかありません。かなり激痛かと思います」
と解説していただき、悩んだ末に手術を決断したのです。

重要なのはメモを取ること

 この経験から、まず

  • かかりつけの動物病院に、心配な症状をメモして詳しく報告すること
  • かかりつけの動物病院から、眼科専門診療室がある動物病院に紹介状を書いてもらうこと
  • なるべく自宅に近い眼科専門診療室を紹介してもらうこと
  • 検査結果と手術などの治療方針について納得いくまで質問して聞き、獣医師の前でメモを取ること
  • をオススメします。通院に2時間かかるようでは、ペットオーナー様にもワンちゃんにも負担がかかります。なるべくまた、1時間以内で行ける病院を紹介してもらいましょう。ほとんどの先生は、メモを取ることを歓迎してくださいますし、メモに間違いがあるとその場で指摘してくださったりもします。メモを取ることを歓迎してくれる先生が、信頼できる獣医師だともいえます。
    もちろん、診断結果に納得がいかない場合はほかの眼科専門診療室でセカンドオピニオンを求めてもいいかと思いますが、紹介してくださったかかりつけの動物病院への気遣いを忘れないことが大切かと思います。例えば、
    「家族と相談します」
    と告げていったん帰宅し、かかりつけの動物病院に結果を告げてセカンドオピニオンを求めたいと相談すれば、先生も親身になって相談に乗ってくださるでしょう。
    キャンディスは2013年10月25日金曜日に手術をし、念のために1日入院をして26日土曜日に退院しました。

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    手術した右目は縫合されています

    術後はかなり眼が腫れますが、そのうち落ち着くので安心してください。ここで重要なのは

  • 獣医師から処方された目薬や飲み薬は、指定された時間ごとにしっかり差したり飲ませたりして、できれば投薬した時間もメモしておく

  • ことです。術後の感染症を防ぐためにも、投薬は大切です。

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    2014年6月29日に撮った写真です。右目が義眼なことも、これならわからないかと思います。

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    石原 美紀子

    石原 美紀子

    青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。


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