アメリカのABC放送が取り上げたことがきっかけで話題になった、ニューメキシコ州のアルバカーキに住む耳が聞こえない4歳の少女と彼女の愛犬のお話。いったい彼女はどのようにして愛犬とコミュニケーションを取っていると思いますか?
ニーヴァ・ゴフちゃん(4)は、耳から聞こえる言葉は使いません。目で見えるサイン・ランゲージ(手話)を使ってお話します。
「お座り」、「待て」、「おいで」、から「ベッドで寝よう」まで日常の事は全て手話を使うニーヴァちゃん。そして、彼女の愛犬バクスターはその手話を全て理解しているのです。
「ニーヴァとバクスターの間には、彼女たちだけの秘密のサインもあるのよ。
ABC放送の取材にそう応えたのは、ニーヴァちゃんのお母さんであるチェルシーさん。
その秘密のサインには、「バクスター」という名前が付けられているとか。ニーヴァちゃんがいかにバクスターを大切にしているかつたわってくるエピソードです。
そもそも、バクスターはニューメキシコ州アルバカーキ市のアニマルシェルターからもらってきた犬だったそうです。
彼の振る舞いはとても穏やかで、なんでも積極的に学ぼうとする性格。そんなバクスターはチェルシーさん一家にとってカンペキで素晴らしい家庭犬になりました。
「二人にはね、会った時からすぐに深い絆が生まれたの。バクスターはいつも全身でニーヴァに注意を向けているんです。」
これは推測ですが、チェルシーさんも母親として耳が聞こえないわが子ニーヴァちゃんのことを心配でたまらなかった時期もあったのではないかと思います。でもそんな時、バクスターというかけがえのない相棒を得たニーヴァちゃん。写真のニーヴァちゃんはもちろんとっても幸せそう!ですが、きっと家族全員がバクスターによってハッピーになったのではないでしょうか。
聴覚が不自由な方のほとんどがするように、言葉を発する代わりに、ニーヴァちゃんもバクスターの注意を引くためにまずは彼の肩を軽く叩くそうです。
そして、自分に視線を向けさせてから、何をしてほしいのかを伝えるやり方をとっているとのこと。「バクスターは覚えがとても早かった。彼はいつも、自分が何を求められているのかをすぐに理解できるのよ。」このお話からも、犬がいかにヒトの気持ちに寄り添ってくれるか、どれほど繊細なハートを持っているかが伺えます。常にご主人に全身全霊で注意を傾ける犬たちに、ヒトである我々の方からも、たくさんの思いやりと愛情を持って接してあげたいものですね。
バクスターがどういった経緯でシェルターへ来ることになったかは明らかではありませんが、
前の飼い主から離れて、ニーヴァちゃんと出会えたことを心から喜ばしく思います。
犬は飼い主や環境を選ぶことが出来ません。きっと今この瞬間にも、全世界のシェルターにバクスターのように素敵な犬が不運にも収容されているに違いありません。
全てのわんちゃんが、良い飼い主さんと巡りあうことができますように。
参考サイト&画像:http://abcnews.go.com/Lifestyle/year-girl-dog-communicate-sign-language/story?id=34797594