【獣医師監修】猫がチョコレートを舐めた!致死量や対処法は?バレンタイン時期に注意したいポイント

2018.01.24

【獣医師監修】猫がチョコレートを舐めた!致死量や対処法は?バレンタイン時期に注意したいポイント

世代を問わず、チョコレートは人気のある食品。バレンタインが近くなると、お店にはたくさんのチョコレートや手作りグッズが並んでいます。この時期、台所やリビングにチョコレートや調理器具、チョコレートの包み紙が放置されていませんか?そして、それらを猫が舐めたことはありませんか?実は、猫がチョコレートを食べると、命にかかわるほどの危険な状態になることがあります。チョコレートを与えてはいけない理由や致死量、食べた時の中毒症状、舐めてしまった時の対処法についてご紹介します。

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猫にチョコレートは厳禁!その理由とは?

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近年、チョコレートにはポリフェノールが豊富に含まれ、健康・美容に良いと人気が高まっています。カカオ含有量が高いものはダイエットに効くとテレビで放送されたこともあり、高カカオチョコレートが各社から発売され、さらに乳酸菌や食物繊維を含んだものも発売されています。

◆カカオに含まれる「テオブロミン」

チョコレートの原料になるカカオ豆には、カフェインよく似た効果のあるテオブロミンが含まれています。
テオブロミンは、ココアやチョコレートの原材料となるカカオに含まれている有機化合物の一種で、苦味成分でもあります。テオブロミンには自律神経を調節する働きがあるため、リラックス効果をもたらします。その一方で、中枢刺激作用があり、気管支拡張や利尿作用も誘発させます。

人間が適量のチョコレートを摂取したとき、頭がスッキリする、集中力が高まるといった効果が得られます。テオブロミンは医療にも使用されていて、適量のチョコレートやココアに含まれるテオブロミンは、人間の体に害になることはありません。

◆猫にとっては危険な成分となる

人間にとっては良い効果もあるテオブロミンですが、猫にとっては大変危険な成分となります。猫はテオブロミンを排出する機能を持っていない上、テオブロミンに対する感受性が非常に高くなっているためです。

猫がチョコレートを舐めたり食べてしまったら、テオブロミンの過剰摂取により中枢神経や心臓に害を及ぼし、中毒症状を起こしてしまいます。

◆チョコレートの中毒症状は?

テオブロミンによって中毒を起こした猫は以下のような症状を見せます。

・下痢
・嘔吐
・頻尿
・脱水症状
・痙攣
・喘ぎ
・精神不安定状態
・興奮
・徐脈
・頻脈
・不整脈
・昏睡
・痙攣
・尿失禁
・最悪の場合死に至る

一般的にこれらの症状は、チョコレートを食べてから4時間以内に現れるといわれています。
しかし、猫が空腹状態の消化吸収が活発な状態でチョコレートを舐めたり食べてしまったら、発症が早まる可能性があり、症状が重い時は摂取してから6~24時間で死に至ることもあります。

慢性的になると症状は3日から数日続くこともあり、心不全で突然死を引き起こすケースもあります。


こんなチョコに要注意!チョコレートの致死量は?

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チョコレートのカカオ成分は「カカオ脂肪分(ココアバター)」とそれ以外の「非脂肪カカオ分」に分かれます。非脂肪カカオ分は、カカオ特有の褐色や風味、テオブロミン、カフェイン、ポリフェノールなど、カカオの主たる薬効成分のことを指します。

つまり、猫にとって危険なチョコレートは「非脂肪カカオ分」の多いチョコレートと言えます。砂糖や乳成分の含有量が少ないものほど、猫が舐めたり食べたりすると危険なチョコレートなのです。

◆一般的なチョコレート

一般的な風味によるチョコレートを分類すると、以下のようになります。

1. ブラックチョコレートまたはビターチョコレート
砂糖や粉乳の配合量が少ないため甘味が少なく、苦味が強いチョコレート。中には砂糖や粉乳を殆ど、もしくは全く含まないカカオ100%のものもある。

2. スイートチョコレート
粉乳を含まないチョコレート。

3. セミスイートチョコレート
粉乳が若干量配合されたチョコレート。ミルクチョコレートほど乳成分を含んでいないもの。

4. ミルクチョコレート
粉乳が配合されたチョコレート。

5. ハイミルクチョコレート
粉乳と、若干量の非脂肪カカオ分が配合されたチョコレート。

6. ホワイトチョコレート
粉乳が配合され、非脂肪カカオ分が含まれないチョコレート。カカオ分はココアバターのみである。

また、テオブロミンはカカオ豆を微粉砕したココアにも含まれています。

◆テオブロミンの致死量は?

猫がテオブロミンを摂取した場合の致死量は、体重1kgあたり250~50mgといわれています。
体重が4㎏の猫の場合、1000~2000㎎のデオブロミンを摂取すると、死亡してしまう可能性があるのです。

100gあたりのチョコレートとココアのテオブロミン含有量は以下の通りです。チョコレート100gは通常の板チョコ約2枚分にあたります。

1. ベーキングチョコレート:1300~1600mg
2. 高カカオチョコレート(カカオ70%):580~1100mg
3. ブラックチョコレート、スイートチョコレート、ダークチョコレート:460~650mg
4. ミルクチョコレート:150~540mg
5. ココアパウダー:500~2100mg

◆チョコレートやココアの致死量は?

先ほどの猫のテオブロミンの致死量から、体重4kgの猫がチョコレートを食べたり舐めたりした時の致死量は以下のようになります。

1. ベーキングチョコレート:77g~
2. 高カカオチョコレート(カカオ70%):172g~
3. ブラックチョコレート、スイートチョコレート、ダークチョコレート:217g~
4. ミルクチョコレート:667g~
5. ココアパウダー:200g~

ベーキングチョコレートは砂糖の含まれていないパン用のチョコレートです。その分カカオ含有率が高く、テオブロミンも多く含まれています。板チョコ1枚が約50gですから、猫が一気に死に至る量のチョコレートを食べられるとは思いませんが、前述したように猫はテオブロミンを排出することができません。

少しの量を何度もくりかえし舐めたり食べたりすることで、体内に蓄積されたテオブロミンによって慢性的な中毒症状に陥る場合もあり得ます。

また、アイスクリーム等にコーティングされていたり、クッキーやパンに焼きこまれているチョコレートにも要注意です。少量だからいいだろう、と与えていると猫の体内にテオブロミンが蓄積され、いずれ致死量に達してしまうかもしれません。


猫がチョコレートを舐めてしまった時の対処法は?

猫が誤ってチョコレートを舐めたり食べたりしたなら、致死量に達しなくともすぐに処置しましょう。

◆すぐにチョコレートを吐き出させる

綿棒や飼い主さんの指で猫の舌の奥の方を刺激します。ここで吐き戻しができれば後の処置がずいぶん楽になります。吐き戻しが有効な時間は30分から1時間とされています。

◆病院で受診する

速やかに獣医師さんの診察を受けます。「いつ、何を、どれだけ食べたのか」しっかりと伝えます。その後の猫の様子や吐き戻しの有無など、できるだけ正確に伝えましょう。

特にチョコレートの種類と量は必ず把握しておきましょう。致死量に達するまで食べたかどうかは非常に大切な情報です。


猫にチョコレートを食べさせないために

◆食べているものを与えない

猫の誤飲、誤食は飼い主さんの責任です。チョコレートやチョコレートを使っているお菓子やアイスクリームを食べている最中に、猫が舐めたい、欲しいとせがんできても決して与えてはいけません。

◆包み紙をすぐに片付ける

チョコレートやチョコレート製品を包装していた袋や紙にも注意が必要です。内側にチョコレートが付着しているかもしれないからです。
猫はカサカサと音のするものに興味を持ちます。袋や紙は猫にとって絶好のおもちゃです。くちゃくちゃと噛みしだくことも大好きです。遊んでいるうちに舐めてしまうこともあるでしょう。ゴミ箱は猫が開けられないものにして、猫にとって有害な食品が猫の口に入らないように管理しましょう。

◆調理器具を片付ける

同様にチョコレートを調理した後の食器や調理器具も、すぐに洗って片付けましょう。好奇心旺盛な猫が舐めたり、足で触ったりするかもしれません。足に着いたチョコレートはすぐに猫の口に入ってしまいます。

猫にチョコレートを食べさせないためには、飼い主さんが猫の前にチョコレートやチョコレートの付着したものを出さないようにすることが一番です。


他にもこんなにある!猫が食べたら危険な食品

1. 玉ねぎ・ねぎ類

ねぎ類に含まれるアリルプロピルジスルファイドという物質が猫の赤血球を破壊し、溶血性貧血の原因になります。すき焼きの残り汁、ねぎのかけらが入った味噌汁、ニンニク入りのスパゲティなどを猫の食事として与えることは厳禁です。

2. カフェイン

コーヒーや強壮剤などに含まれるカフェインには、中枢神経に対する強い興奮作用があります。体の小さな猫が摂取すると、体調不良の原因になります。人間、犬、猫における致死量は、体重1kg当たりおよそ150mgです。

3. ぶどう・レーズン

猫が摂取すると嘔吐、腎機能障害、最悪の場合は死亡することもあります。レーズンを含んだパンやお菓子も危険です。

4. アルコール

猫の肝臓はアルコールを分解できません。舐めた量が少量でも酩酊状態になり、内臓が機能障害に陥る危険性があります。

5. イカ・二枚貝

生のイカの内臓や二枚貝には、ビタミンB1を分解するチアミナーゼという酵素が多く含まれています。そのためイカやハマグリなどを食べた猫はビタミンB1欠乏症を起こすことがあります。症状は食欲低下・嘔吐がみられ、さらに進むと、瞳孔が開き、フラフラとした歩き方になってしまいます。

6. 生の豚肉

生の豚肉は、「トキソプラズマ」という寄生虫がいるかもしれません。トキソプラズマは「人獣共通感染症」ですので、猫の排泄物が感染源になって人間にも感染してしまいます。生の豚肉や輸入豚肉は必ずよく加熱してから与えましょう。

7. アボカド

アボカドの実、種、葉などにはペルシンという物質が含まれており、人以外の動物に与えてはいけません。ペットや家畜に与えると中毒症状を起こし、痙攣・呼吸困難などに陥ることがあります。

8. 香辛料

人間にとっての刺激物は、猫にとってそれ以上の刺激物になります。誤って口にしたら胃腸炎や内臓障害を起こしてしまいます。

9. 牛乳

牛乳に含まれる「乳糖」を分解する酵素である「ラクターゼ」をもたない猫がたくさんいます。無理に牛乳を飲ませても下痢をするだけなので、猫用のミルクを与えるようにしましょう。

10. 人間用の薬・サプリメント

人間用のサプリメントや薬は人間の体のサイズを基本に計算されています。水溶性ビタミンは尿として体外に排出されますが、脂溶性ビタミン(A,D,E)は体内に蓄積され、各種の過剰症を引き起こします。薬は薬害の恐れがあります。


まとめ

バレンタインが近づくとともに、家の中にもチョコレートが増えてきますね。最近は自分用のご褒美チョコを買う人も増えています。美味しいチョコレートを食べるのはとても幸せです。でもこの幸せ、猫ちゃんには内緒でこっそりと味わってしまいましょう!そしてチョコレートの代わりに飼い主さんお愛情をたっぷりあげちゃいましょう!

どうぞ素敵な猫ライフをお送りください。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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そらにゃん

そらにゃん

猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?

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