【獣医師監修】猫が薬を吐く原因とは?厄介な投薬は工夫次第で簡単に!

2019.11.16

【獣医師監修】猫が薬を吐く原因とは?厄介な投薬は工夫次第で簡単に!

どんなに愛猫の健康に気遣っていても、年齢を重ねるにつれて病気のリスクは高くなってしまいますよね。病気の症状によっては投薬が必要となり、獣医師の指示のもと薬を飲ます必要性がある場合が多いです。猫に薬を飲ませたことがある方であれば、薬を猫に飲ませることがとても大変なことをご存知でしょう。中には薬を飲んだ後に吐く猫も居るので、投薬を苦手とする飼い主さんも多いはずです。 猫が薬を吐く原因や、どんなふうに薬を飲ませる工夫が必要なのかを考えてみました。

猫が薬を吐く原因は?

舌を出す猫

猫に獣医師から処方される薬は、錠剤や液体、そして錠剤を粉にしたものやカプセルなどが一般的です。

薬に効果があると知っているのは人間だけであって、猫にとってはそんなこと知る由もありません。「体調が良くなるから飲んでね」と猫に言ったところで、その言葉は猫に通じませんよね。

そのため、飼い主さんが四苦八苦して薬を飲ませる必要があるのですが、かなりの割合で手こずってしまうことがほとんどでしょう。

そして意図しない状況に驚いてしまい、吐くことがある猫ちゃんも存在するのです。せっかく治すために薬を飲ませているのに、吐いてしまっては何の意味もありませんよね。

猫はなぜ薬を吐き出してしまうのでしょうか?

薬を吐く原因は、以下のようなものが考えられます。

◆猫が薬を吐く原因①苦みを感じるから

猫は人間ほど味覚が発達していませんが、猫の舌にある味蕾(食べ物の味を感じとる小さな器官)は苦みを敏感に察知する働きをしています。毒物には強い苦みを感じることが多く、この特殊な能力によって猫は毒物を避けることが出来てきたとも言われています。

「良薬口に苦し」という言葉がある通り、効果のある薬は苦みがあることがほとんどですよね。

そのため、独特な薬の苦みを感じた瞬間に、本能的に危険なものを口にしてしまったと体が反応し、嘔吐に繋がってしまうと考えらられます。

◆猫が薬を吐く原因②体が異物として反応しているから

猫はもともとよく吐く動物ですので、普段であれば嘔吐をしても不思議に思うことは少ないかと思います。

フードを食べた後に吐くことや、毛玉を吐き戻すことは日常茶飯事なのですが、薬を飲んだ後に吐くことがあれば、やはり心配になってしまいますよね。

もし薬を飲んだあとにすぐ吐く場合は、味わったことのない薬の味に体が反応して、異物として外部に排出している可能性もあります。

◆猫が薬を吐く原因③過去に嫌な経験をしたことがあるから

薬を飲んだことがない猫ちゃんであれば、動物病院で獣医師が投薬の見本を見せてくれる場合もありますが、飼い主さんがいざ薬を与えようとすると暴れてしまうことも。

信頼している相手だからこそ本気で嫌がり、甘えが出てしまうのは当然ですよね。

何度か薬を飲んだことのある猫ちゃんであれば、無理矢理体を抑えられて口に物を入れられる行為自体に、嫌な思い出がよみがえってきてしまうのは仕方のないことです。

常に自由でありたいのに、飲みたくもない薬を口に入れられてしまえば、ショックで嘔吐してしまうことも無いとは言い切れませんよね。

◆猫が薬を吐く原因④胃まで到達していないから

錠剤やカプセルの薬を獣医師から処方された場合は、フードに混ぜて与えることが出来ないので、そのまま猫の口の中に入れて投薬をします。

上手に投薬が出来ていれば、そのままのどから食道を通り胃まで到達しますが、のどの手前で薬が留まってしまえば、不快な苦みから吐く猫ちゃんは多いようです。

猫が薬を嘔吐しないようにするためには、薬の飲ませ方も多少の工夫が必要となってくるとでしょう。


猫が薬を吐く時の正しい飲ませ方

薬

せっかくの治療のための薬なのに、吐き出してしまえば効果はまったく期待出来ませんよね。そのため、薬を吐く猫ちゃんには、飼い主さんが吐かないような工夫をして、投薬をしてあげるようにしましょう。

猫が薬を吐かないようにするには、どのような工夫をして飲ませてあげるべきなのでしょうか。

◆ペットフードと一緒に与える

液体や粉末の薬の場合、そのまま口の中に入れてしまうと、びっくりして吐くことがよくあります。

このような投与量を調整しやすい薬であれば、ペットフードに混ぜて与えることが可能です。普段ドライフードを食べている猫ちゃんであれば、薬を混ぜるときはウェットフードが望ましいでしょう。

ただ猫はとても敏感な動物なので、沢山の量をいっぺんに入れてしまうと、ペットフードを食べなくなってしまうことも。

まずは少量のペットフードを何も入れずに与え、その後もっと欲しがる素振りが見られたら薬を混ぜて与えてあげると良いでしょう。

◆口に直接入れて与える

錠剤やカプセルなどの固形の薬は、猫が信頼している飼い主さんの手から与えてあげるのが一番です。

この方法で猫が吐く場合は、その手順に問題があるのかもしれないので、正しい手順を心掛ければ、嘔吐を回避することも出来るので、しっかりと手順を覚えておくと焦らずに投薬が出来るのでおすすめです。

猫を抱っこして上を向かせるようにし、口を開かせて舌の奥の方めがけて薬を入れます。

このとき注意をしてほしいのが、指を噛まれないようにすることと、舌の手前に入れないことです。美味しいと感じないものは飲み込むのを拒みますし、苦みを感じれば泡を吐くことがあります。

薬を入れたら上を向かせたまま口を閉じ、空いている手でのどを撫で下ろして嚥下を助けてあげましょう。

薬がのどや食道に留まってしまうことを防ぐためにも、投薬後はお水を飲ませてあげてください。少量の水をシリンジやスポイトに入れて用意しておき、口の端からゆっくりと飲ませてあげてくださいね。


猫が薬を吐く時の対策法は?

◆猫の好物に薬を埋め込む

猫が薬を吐くときの対策として、おやつなどの中に薬をしのばせて与えてみる方法も有効です。

錠剤やカプセルなどの固形の薬は、どうしても猫にとって異物としてみなされてしまうことが多いです。そして苦みを感じてしまえば、そのまま吐くこともあるので、好物でコーティングすると、違和感なく飲み込んでくれることでしょう。

猫は食べ物をほとんど噛まずに飲み込んでしまうので、薬の苦みによって吐くことの多い猫ちゃんに有効的ですよ。

もしチーズや鶏のササミなどが好きな猫ちゃんであれば、一口サイズにしたものをいくつか用意しておきます。その中の一つに薬を埋め込み、まずは薬が入っていないものを与えてから、薬を埋め込んだものを与えてみてください。

好物でコーティングされた薬に気付かず、そのまま飲み込んでくれることが多いので、どうしても口に入れて直接与えることが苦手な飼い主さんにおすすめです。

◆投薬補助おやつを活用する

Medi Ball メディボール For Cat

こちらの商品は獣医師と共同開発された、タブポケットタイプのおやつとなりますので、飲みにくい薬をくるっと包むことにより、美味しい投薬が期待出来ます。

ササミ味・かつお味・チーズ味の3種類。

購入


ほかにもセミモイストタイプのおやつなども販売されていますので、お気に入りのおやつがあればそのような商品を利用してみるのも良いでしょう。


猫が薬を吐く時に注意すること

注意する指

猫が薬を吐くということは、体はもちろん精神的にも大きなダメージを受けていることでしょう。治療のための投薬ではありますが、薬を飲ませる行為そのものが、猫ちゃんの体調を悪化させてしまう可能性が高いのです。

薬を飲ませて吐くことが一度でもあったのなら、飼い主さんは投薬の際に細心の注意を払わなくてはいけませんよね。

もし薬を飲んですぐに嘔吐をしてしまったのなら、本当に薬だけが原因なのかの確認も必要です。

もしかしたら薬を与えるために混ぜたペットフードや、おやつなどに反応して吐いてしまった可能性もありますし、別の病気が隠れている場合もあるのです。

そして何度も投薬後の嘔吐を繰り返してしまうと、元々の用心深さから食欲不振に陥ってしまうことも。

ペットフードやおやつに混ぜて薬を与える際は、傍でちゃんと飲み込んで異常がないかを確認し、口の中に直接投与した際は、のどと食道を通って胃に到達しているかの確認は必要となってきます。

ちょっとでも異変を感じることがあるのなら、動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。

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まとめ

どんなに健康な猫であっても年齢を重ねていけば、体に異常が出てきてしまうのは仕方のないことですよね。

その原因によっては症状を改善するために、動物病院で薬を処方されることがありますが、その薬を愛猫に投薬しなくてはいけないのは、獣医師でなく飼い主さんとなります。

錠剤であればそのまま飲ませたり、ペットフードに混ぜたりして飲ませますが、吐く猫ちゃんも居ますので、飼い主さんを悩ませることも多いでしょう。

薬を嘔吐してしまえば症状がよくなりませんし、保険のかからない病院費用がかさんでしまうことにも繋がってしまいますよね。

多少の工夫をして投薬を心掛け、猫への負担を最小限にした薬の与え方を覚えておくのが一番です。

どうしても投薬が苦手で出来ないという場合は、動物病院でも対応してもらえますので、諦めずに愛猫の症状を改善してあげることを優先してあげましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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