【獣医師監修】猫の高血圧について知りたい!血圧が高いとどうなってしまうの?

2020.02.16

【獣医師監修】猫の高血圧について知りたい!血圧が高いとどうなってしまうの?

私たちは生活の中で体を動かすことによって血圧が上昇しますが、これは猫にももちろん共通することです。高血圧の状態が続いてしまうと、猫は様々な合併症を引き起こす可能性が高いので、注意しなくてはいけません。ですが愛猫の高血圧に気付くのはとても難しく、何かしらの症状が出てから異変に気付く飼い主さんも多いことでしょう。 私たちはどうやって、猫の高血圧に気付いてあげるべきなのでしょうか。

猫も高血圧になる?

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高血圧や低血圧という言葉をよく耳にしますが、実際にお医者さんから何か指摘でもされない限り、私たち人間でも普段から血圧のことを気にしている方は少ないと思います。

血圧とは、心臓から送り出す血液が、血管の中を通るときにそこにかかる圧力のことを言います。

心臓がポンプの役割を果たし、ドクンドクンと拡張したときは血液を吸い込み、収縮したときは血液を送り出しているんですよね。

正常であればこのサイクルを繰り返しますが、様々な要因により変化していくので、正常値がどれぐらいであるのか知っておく必要があります。

一時的な血圧の上昇であればさほど問題はありませんが、慢性的に高血圧の状態が続いてしまえば、命に関わる合併症を引き起こしてしまうことも。

一時的な血圧の上昇以外を「高血圧症」と呼びますが、猫の場合大きく分けて2つの高血圧に分類されます。

猫の高血圧には、どのような種類があるのでしょうか。

◆本態性高血圧

一つ目の高血圧は「本態性高血圧」とよばれる高血圧症です。

特発性・原発性高血圧症とも呼ばれ、ヒトに多く猫には少ない高血圧症であるとも言われています。

その理由として猫の高血圧症は、何かしらの原因が明確なことが多く、本態性高血圧は原因が見つからない状態での高血圧を指しますので、そのことから猫での発症は少ないとされているようです。

◆二次性高血圧

もう一つの高血圧は、「二次性高血圧」と呼ばれています。

こちらは本態性高血圧と違い、原因が明確なので高血圧症と診断された猫の、約80%が二次性高血圧であるとも言われているようです。

高齢の猫が発症することが多く、とくに「慢性腎疾患」「甲状腺機能亢進症」「原発性アルドステロン症」の疾患を併発している猫ちゃんが多いそう。

他にも糖尿病や心疾患、妊娠中毒でも高血圧になることがあるそうなので、何かの病気を患った際には、高血圧も視野に入れておきたいところです。


猫の高血圧の症状

では猫が実際に高血圧を患っていた場合、どんな症状が出てくるのか気になってしまいますよね。

猫が高血圧症を患ったとき、一般的にどんな症状が出ると言われているのでしょうか。

◆目

猫の血圧は150mmHg未満が正常とされていますが、収縮期血圧(最高血圧)が160mmHgを超えてしまうと、目に異常が出ることが多いです。

網膜や脈絡膜がダメージを受けることによって、明るい場所でも常に瞳孔が開いた状態となってしまうことも。

さらに重度になれば緑内障や視力を失ってしまうこともありますので、たかが血圧程度で片付けられる病気ではないということを、覚えておくと良いかもしれません。

◆脳

脳で処理をする血圧調整機能を上回る高血圧が、長く継続してしまった場合、「高血圧性脳症」を発症してしまうことがあります。

この疾患は神経系の病気でもあり、運動失調やけいれん発作、眼振や抑うつなどの症状が見られるようになるそうです。

ヒトでは諸症状に頭痛や吐き気が出ることもあるそうなので、愛猫が原因不明の嘔吐をしている場合なども、気にかけてあげた方がいいのかもしれません。

◆心臓

高血圧により左心室壁へストレスがかかることから、心肥大(おもに左部)を引き起こすことも。

動物病院での検査の際に、心臓に雑音が聞き取れると言われたら、心臓に負担がかかっている証拠です。

血圧を司る心臓は大切な臓器となりますので、獣医師からそのように診断された際は、しっかりと治療法をうかがい、治療に専念していくようにしましょう。


猫の高血圧の治療法

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猫の高血圧は放置しておくことが出来ませんので、症状にあった適切な治療を行っていかなくてはいけません。

具体的に高血圧症と診断された場合、どんな治療を行っていくのでしょうか。

◆急性高血圧の治療法

交通事故や落下などでケガをしてしまった場合、急性の高血圧症を引き起こしてしまうことがあります。

このような高血圧のケースの場合は、血圧を正常値に低下する治療が行われるのが一般的です。

診療で発症が確認された際(発症から1~2時間以内)に、血圧を穏やかに25%程度低下させる処置をします。その後6時間以内に血圧を、160mmHgに近付ける治療が推奨されています。

その理由として、急激に高血圧の状態を下げる治療を行ってしまうと、猫の体に大きな負担をかけてしまい、心筋細胞や脳などの疾患に繋がる危険性が高いとされているそうなんですよね。

時間のかかる治療になりますので、基本的には入院をして、血圧を測定しながら降圧治療を行うようです。

◆慢性高血圧の治療法

高血圧が慢性的であり、明確な原因により引き起こされている場合は、原因の元となっている基礎疾患の治療が優先的に行われます。

基礎疾患の治療を行うことによって、高血圧が降圧するか様子を見つつ、治療を続けていきます。

一方で基礎疾患がとくになく、高血圧そのものの治療を行う場合は、投薬での治療を行うのがメインとなるそう。

末梢血管の平滑筋に直接作用すると言われている、「アムロジピン」などが投与されます。

この薬は60%以上の確立で、収縮期血圧を30~70mmHg低下すると報告されており、高血圧治療にもっとも多く使用されている薬でもあります。

ただ投薬で行う治療は、猫の症状や基礎疾患に悪影響を及ぼさないように治療を行っていかなければいけませんので、必ずしもどの猫ちゃんにも効果が出るという訳ではありません。

そのため、高血圧と診断された際には、愛猫の症状をしっかりと把握し、愛猫に合った治療を優先的に獣医師に行ってもらうようにしましょう。


猫の高血圧の予防法

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猫の高血圧は、失明や命に関わるリスクも非常に高いので、いかに血圧を上昇させない生活を送るかが重要となってきますよね。

一緒に暮らしているペットは大切な家族ですから、出来ることなら辛い思いはさせたくありません。

飼い主さんはどんなことに気を付け、猫に負担がかからないような生活を送るべきなのでしょうか。

◆基礎疾患の早期発見

何よりも基礎疾患を持ち合わせている場合、高血圧を併発してしまう可能性がとても高いので、いかに基礎疾患を早く発見出来るかが重要となってきます。

基礎疾患の診療を早期に行うことにより、高血圧になることを避けることや遅らせることも可能となります。

少しでも愛猫の体に異常があると感じた場合は、色々と考えて悩むだけでなく、すぐに動物病院に連れていき、獣医師の見解を聞いた方が安心出来ますよ。

◆定期検査を受けるようにする

高血圧は高齢の猫に症状が出やすいこともあり、高齢期ともなれば他の病気のリスクもどんどん上がってきますよね。

出来ればシニア期に突入したのなら、最低でも一年に一回は定期検査を受けるようにしましょう。

検査の際に血圧の測定も可能ですが、病院で暴れたり極度のストレスを抱えたりしてしまう猫ちゃんは、一時的に高血圧になってしまうことが多いです。

そのような場合、正常な血圧を測定することが出来ないので、動物病院によっては測定器を貸出している病院もあるそうです。

自宅で愛猫が落ち着いているタイミングで測定出来ますので、心配な場合は動物病院に相談してみるようにしましょう。

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◆ストレスを与えない

血圧には心臓の存在も大きく関わっていますので、ストレスが多い生活やびっくりするようなことが多いと、心臓に負担がかかってしまいます。

そのたびに一時的に高血圧になってしまうことがあり、体にもよくありませんので、やはり常に落ち着いた生活環境を整えてあげるべきだと言えますよね。

とくにストレスは色々な病気を併発してしまうこともあるので、体の不調を訴えることの出来ない猫にとって大敵となります。

ですので愛猫が安心して落ち着ける生活空間づくりを心掛け、ストレスフリーな生活を目指すようにしましょう。

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まとめ

血圧は検査などで引っ掛かったときにはじめて、気にかけることが多いですが、猫はそうはいきません。

猫の体調はすべて飼い主さんが管理しなくてはいけませんし、異常に気付いてあげるのも飼い主さんの仕事です。

中でも猫の高血圧は、測定してみて初めて数字で状態を知ることが出来るので、あまりにも血圧が高すぎると、様々な合併症を引き起こす可能性が高いので注意が必要と言えるでしょう。

もちろん基礎疾患を持っていることにより、高血圧になってしまうこともありますが、たかが血圧と思って放置してしまわないことも重要です。

最悪の場合、大切な愛猫が命を落としてしまう危険性もありますので、日頃から気にかけておきたい疾患であると言えるのではないでしょうか。

そして愛猫が高血圧にならないためにも、定期検査やストレスのかからない生活環境づくりも大切です。

もし猫ちゃんがシニア期に突入しているのなら、時間を調節してまずは検査をしに、動物病院に連れて行くのをおすすめいたします。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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