【獣医師監修】猫はカニを食べても大丈夫?欲しがる場合にはどうしたら良いの?

2020.07.15

【獣医師監修】猫はカニを食べても大丈夫?欲しがる場合にはどうしたら良いの?

冬の味覚の代表格とも言える「カニ」は、嗜好の高い食べ物なので好きな方も多いですよね。 カニは魚介類に分類されますので、猫も食べられる物として認知している飼い主さんも多いことでしょう。 もし愛猫が飼い主さんが食べているカニを欲しがった場合、与えても良いものなのでしょうか?

猫にカニを与えてはいけない理由

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旬の季節にいただくカニは、甘みも強く香りもあるので、夢中になって食べてしまう方も多いのではないでしょうか。

生でも火を通しても食べられる食材なので、調理している最中に愛猫が欲しがってくることもあるかと思います。

そんなとき、「可愛い愛猫にも美味しいカニを食べさせてあげたい!」といった親心が芽生えてしまいますが、実際のところ猫にカニは与えてよいのか葛藤する飼い主さんも多いことでしょう。

基本的には人間が口にする食べ物は、猫に与えるべきではないと言われていますが、「カニ風味」なるペットフードやおやつが販売されていますので、ある意味判断が難しい食材であるとも言えます。

加熱した状態のカニは少量であれば猫に与えることは可能ですが、生の状態では絶対に与えてはいけません。

猫にカニを与えてはいけない理由として、以下のような点を挙げることができます。

◆猫にカニを与えてはいけない理由①チアミナーゼ

カニは生でも美味しく食べられる食材ですが、生の状態のカニには「チアミナーゼ」と呼ばれる酵素が多く含まれています。

この酵素はビタミンB1を分解する役割を担っており、ビタミンB群を必要とする体の小さな猫は、その中でもビタミンB1をより多く必要とするとも言われているのです。

ですが生のカニを食べることによって、猫の体が欲するビタミンB1は分解されてしまうので、それが原因で猫の体に様々な悪影響を及ぼすことも。

猫にとってビタミンB1は人間よりも必要量が多いので、この栄養素が不足してしまうと、「ビタミンB欠乏症」という病気を引き起こしてしまう危険もあります。

ビタミンB欠乏症を患ってしまえば、脳や体の筋肉にエネルギーが供給されなくなってしまうのです。

そうなってしまうと、食欲不振による体重の減少、嘔吐や下痢などの症状が見られ、重症化すると真っ直ぐ歩けなくなることや、骨が変形してしまうことがあります。

ほかにも視覚障害やけいれん、昏睡状態に陥ってしまうなどの恐ろしい症状が出てしまうこともあるので、生のカニは猫に与えるべきではない食材と言えるでしょう。

◆猫にカニを与えてはいけない理由②塩分

カニを生で食べる以外にも、茹でる、焼くなどの調理をしてから食べる方も多くいらっしゃるかと思います。

調理の際に何かと便利な調味料と言えば、「」ですよね。

ただお湯で茹でるだけでなく、塩を使うことによって、生臭さが取れる上に素材の旨味を引きだしてくれますので、欠かすことのできない調味料であるとも言えるでしょう。

ですがそのような人間向きの調理をしたカニを猫に与えてしまうと、本来塩分を必要としない猫にとっては、塩分過多となってしまうのです。

いくら薄味で調理したからといって、そのまま猫に与えてしまえば、猫の内臓に負担をかけてしまうことに繋がってしまうことでしょう。

万が一調理した味付けを愛猫が気に入ってしまえば、嗜好性の高い猫は通常のフードを食べなくなってしまう可能性も高いです。

ずっとカニばかり与えることはできませんので、どうしても与えたい場合は無塩のお湯でボイルし、少量をフードに混ぜるなどの工夫をして与えるようにしてみましょう。

◆猫にカニを与えてはいけない理由③消化不良やアレルギー

カニの甲羅や脚などには旨味が詰まっていて、捨てるのはもったいないからとって、猫に与えるのもおすすめできません。

硬い甲羅や脚を猫が食べようとすると、口付近や口の中を傷付けてしまうこともあるので、大変危険です。

上手に噛み砕くことができたとしても、胃の中で上手に分解されなければ、そのまま消化不良を起こして嘔吐を繰り返したり、泡を吹いたりすることがあります。

そして猫の中には甲殻類アレルギーを持っている子も居ますので、カニを食べたあとに下痢や嘔吐を繰り返す場合や、目の充血や皮膚を痒がるような場合には、すぐに動物病院に受診するようにしてください。

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猫に危険な魚介類は?

カニはとても美味しくて嗜好性の高い食材ではありますが、‎猫に与えてはいけない理由を考えてみると、味を知らないままで過ごしてもらった方が、健康で長生きしてもらえるような気がしませんか?

「愛猫にも美味しい食べ物を食べさせてあげたい!」といった気持ちは、長い目で見ると猫に辛い思いをさせてしまうことにも繋がってしまうので、人間の食べ物は与えないことが一番です。

ですが、ご家庭で何かと調理する機会の多い魚介類は、猫が食べたがる食材でもあるので、食べられないようにするのも一苦労ですよね。

なので飼い主さんは、カニと同じように猫にとって危険な魚介類の種類を把握しておき、いざというときにすぐに対処できるような知恵をつけておくことも必要です。

猫が食べるべきではない危険な魚介類は、以下の通りです。

◆猫に危険な魚介類①イカ・タコ・エビ・ハマグリ

イカ・タコ・エビ・ハマグリなどの魚介類は、カニと同じようにビタミンB1を分解するチアミナーゼが含まれています。

イカに関しては「ネコがイカを食べると腰を抜かす」といった風説があるように、昔からビタミンB欠乏症のような症状が、猫に見られていたことがよく分かりますよね。

加熱をすれば安全だったとしても、あげないに越したことはない魚介類だと言えるでしょう。

◆猫に危険な魚介類②アワビ・サザエ

アワビやサザエなどの貝類には、肝と呼ばれている黒い部分がありますよね。

この黒い部分を「中腸腺」と呼び、中腸腺には「ビオフェオフォルバイトa」と呼ばれる自然毒物質が含まれています。

ビオフェオフォルバイトaは光を浴びると活性酸素を作る働きをしますので、猫の体内に取り込まれた後にも活動し、皮膚の薄い耳などの部分に炎症を起こすことがあるのです。

このような症状を「光線過敏症」と呼びますが、この症状から「アワビを食べたネコは耳が落ちる」といった逸話も生まれたとも言われています。

人間にとって珍味であったとしても、猫にとっては毒性が強いので、与えるべきではない魚介類として挙げることができますよね。

◆猫に危険な魚介類③青魚

キャットフードの原材料にも使われることのある魚ですが、中でもイワシ・サバ・サンマ・ブリなどの青魚は、猫にとって危険な魚介類であるとも言われています。

これらの青魚の内臓には、寄生虫であるアニサキスが寄生することがあり、魚の鮮度が落ちれば筋肉に移動するので大変危険です。

そして身の部分には「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれており、一見栄養豊富に思われがちですが、分解時にビタミンEを多く消費して不足させてしまうので、脂肪を黄色く変色させる病気(黄色脂肪症)を患ってしまうことも。

猫は魚が好きだからといって、何でもかんでも与えてしまうと、健康を損なってしまうことになってしまうので、正しい知識を持って安全な食生活を心掛けてあげるようにしましょう。


猫がカニを欲しがる場合は

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愛猫に一度でもカニを与えてしまえば、その味を覚えて欲しがるようになってしまう可能性が高いです。

与えないことが一番ではありますが、執拗に欲しがられた場合は、どうすれば良いのでしょうか?

◆カニ味のごはんを与える

嗜好性の高い猫ちゃんのために、各ペットフードメーカーは、様々な味わいを楽しめる猫用フードを開発してくれています。

特にカニの味わいが楽しめるフードは、香りも良いので鼻が利く猫ちゃんに気に入ってもらえることが多いです。

カニをそのまま与えることができないのであれば、せめてカニ味のごはんで満足させてあげてみてはいかがでしょうか。

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◆カニ味のおやつを与える

猫用のおやつにも、カニ味の商品は多く販売されています。

フードよりも嗜好性が高い商品が多いので、カニが好きな猫ちゃんのために常備しておくのもおすすめです。

カニカマを乾燥させてそのままの形を楽しめるおやつや、カニのエキスがそのまま入った液状のおやつなどもあるので、愛猫の好みに合わせて選んでみるのも楽しいですよ!

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まとめ

猫は嗜好性の高い動物なので、人間の食べ物に興味を示すことが多く、日頃から困っている飼い主さんも多くいらっしゃることでしょう。

猫が欲しがる分だけ与えたいという気持ちになってしまいますが、甘やかすことが猫の幸せに直結していくとは限りません。

好きな食材を好きなだけ食べるという生活は、栄養も偏ってしまいますし、健康を損ねてしまうことに繋がってしまいますよね。

とくにカニは猫にとって、必要な栄養素を兼ね備えた食べ物ではないですし、無理に与える必要はありません。

与えることによって大切な栄養素である、ビタミンB1が分解されてしまうぐらいなら、与えない方が賢明であると言えるでしょう。

もともと肉食動物である猫に対して、バランスのとれた栄養が摂取できるようにと総合栄養食(ペットフード)が作られていますので、猫に特別な食材を与えること自体必要がないのです。

美味しい物を愛猫と分かち合いたい飼い主さんの気持ちは分かりますが、愛猫の健康を願うのであれば、年齢や体質に合った猫用フードを与えることが一番です。

どうしても猫にカニを与えたいときには、カニ味のフードやおやつを利用して、愛猫に味の変化を楽しんでもらうようにしてみましょう!

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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