パステル三毛猫ってどんな猫?三毛猫との違いについて調べてみた

2021.09.18

パステル三毛猫ってどんな猫?三毛猫との違いについて調べてみた

日本を代表する猫といえば、三毛猫を思い浮かべる方も多いことでしょう。 3色のまだらな色合いの被毛を持ち合わせている三毛猫は、ほとんどがメス猫であることもあり、どこか神秘的で古風な魅力を持ち合わせていて趣があります。 そして、最近ではこの三毛の被毛にクリーム色が混ざったような、色素の薄い「パステル三毛猫」と呼ばれる猫が注目されていることをご存知でしょうか? 日本ではポピュラーな猫である三毛猫と、パステル三毛猫にはどんな違いがあるのでしょうか。

パステル三毛猫とは?

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「パステル三毛猫」と聞いて、普通の三毛猫とどのような違いがあるのか、よく分からないといった方はきっと多いことでしょう。

ざっくり言ってしまえば、パステル三毛猫と普通の三毛猫に大きな違いはなく、はっきりとした違いは毛色の濃度が薄いといった、パステル三毛猫特有の特徴が挙げられるのではないでしょうか。

まずはパステル三毛猫に対する理解を深めるために、パステル三毛猫とはどんな猫なのかをご紹介いたします。

◆パステル三毛猫の性格

私たちがよく目にする三毛猫と、パステル三毛猫の性格に大きな違いはさほどありませんが、三毛猫はオス猫が生まれてくる確率がとても低く、メス猫が多いことからも、母性が強い子が多いと言えるでしょう。

母性が強いメス猫は、気が回って柔軟な性格であるとも言えるので、賢い性格をしていることがうかがえますよね。

そして、日本猫の特徴として、好き嫌いがはっきりとしていて、ツンデレ気質のいかにも猫らしいといった一面を持っています。

もちろん個体にもよりますが、環境適応能力が高いとも言われることがあるので、人間と上手な距離がとれるとも言えるでしょう。

猫の性格は毛色の色素が薄いほどおっとりしているとの一説もありますので、パステル三毛猫は一般的な三毛猫よりも、甘えん坊で穏やかな性格をしている可能性が高いと考えられます。

◆ダイリュート遺伝子

パステル三毛猫は英語で「Dilute calico(ダイリュート・キャリコ)」と呼びますが、ダイリュートは「薄める」、キャリコは「まだら」といった意味を持っています。

猫の毛色は遺伝子の組み合わせによって決定しますが、パステル三毛猫が生まれる際に発現する遺伝子のことを「ダイリュート遺伝子」と呼ぶようです。

毛色を決定する遺伝子は全部で9種類存在しますが、その中で優性(ラージ)と劣性(スモール)に分類され、2つで1対の遺伝子となり、そのどちらかの遺伝子を両親から1つずつ譲り受けることによって、猫の毛色は決定していきます。

毛色を決定する遺伝子の種類は、このような記号で分類されています。

・W(ホワイト)
・O(オレンジ・ブラウン)
・A(アグーチ)
・B(ブラック)
・C(カラーポイント)
・T(タビー)
・I(インヒビター)
・D(ダイリュート)
・S(スポッティング)

猫の毛色は両親の被毛の色が混ざり合って生まれるといった単純なものでなく、この遺伝子が複雑に組み合わさり、どの遺伝子が強く出てくるかによって毛色や毛柄が決定します。

三毛猫は「白・赤(茶)・黒」といった3つの毛色の遺伝子が必要となりますが、両親から1種類ずつしか遺伝子を譲り受けられないのであれば、どうやって3つの毛色が出現するのか不思議に感じますよね?

毛色を決定する9種類の遺伝子ですが、三毛猫の赤色を出現させるO遺伝子以外は、常染色体上に存在し、O遺伝子だけは性別を司る性染色体のX染色体上にしか存在していません。

人間と同じように猫の性別を決定する遺伝子は、メスが「XX染色体」オスが「XY染色体」となっています。

X染色体上に存在するO遺伝子は「O(ラージオー)遺伝子」と「o(スモールオー)遺伝子」の2種類となりますが、O遺伝子は黒い被毛を赤に変えるように命令し、o遺伝子は黒い被毛を黒いまま維持し続ける命令を出すといった仕組みです。

オスのY染色体は毛色に関係しないことからも、メスが赤の毛色を持って生まれる確率が圧倒的に多いので、三毛猫のオスは30.000分の1といった確率でしか生まれてこないと言われる所以となっているようです。

話を戻しますが、三毛猫が誕生する伴性遺伝(性染色体に依存している遺伝子)とは別に、パステル三毛猫が誕生する法則には、前述したダイリュート遺伝子(D遺伝子)が関係してきます。

ダイリュート遺伝子は「DD」「Dd」「dd」といった、3種類の組み合わせがありますが、このどれかの遺伝子を受け継いだすべての子猫がパステル三毛猫になるわけではありません。

「dd」の組み合わせになったときだけ、パステル三毛猫が誕生しますので、D(ラージディー)が1つでも入ってしまっただけで、パステル三毛猫は誕生しなくなります。

このダイリュート遺伝子の影響がもっとも分かりやすい猫が、グレーの毛色が美しいロシアンブルーではないでしょうか。

ロシアンブルーは黒のダイリュート遺伝子を発現するため、必ず「dd」となるように交配を行います。

黒のダイリュート色はブルー(灰色)になりますので、ロシアンブルーの被毛は独特の美しさを持ち合わせているので、この美しさに魅了される方が多いのにも納得です。

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パステル三毛猫の毛色

三毛猫はもともと「白・赤(茶)・黒」といった、3色の毛色で構成されていますよね。

この3つの毛色がダイリュート遺伝子によって薄まると、黒はブルー(灰色)、赤はクリーム色へと変化するといった特色を持っています。

もともとの毛色に白が混ざるだけで、とても柔らかくて淡い色合いに変化しますので、猫ちゃん自身が優しい雰囲気に包まれているようにも感じますよね。

一般的な三毛猫も最高に可愛らしいですが、パステル三毛猫の優しい色合いの被毛は、なかなかお目にかかれないこともあり、唯一無二感を味わせてくれることでしょう。


パステル三毛猫は珍しい?

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一般的な三毛猫は街でもよく見かけるものの、パステルカラーの三毛猫はあまり見かける機会が少ないですよね。

その可愛らしい色合いから、TwitterやInstagramのようなSNSなどで人気が出始め、淡いカラーリング好きの女子などの目に留まったのかもしれません。

パステル三毛猫の可愛らしさは、「天使」や「妖精」といった愛称で親しまれることも多く、見る者すべてを癒してくれる存在であると言えるのではないでしょうか。

三毛猫がダイリュート遺伝子を受け継ぐ確率は、通常の三毛猫の4分の1程度とも言われており、とても珍しく希少価値が高い猫として認識されているそうです。

三毛猫は日本特有の猫種というわけではなく、もとはといえば海外の猫の血が混ざって生まれた猫となりますので、毛色の濃さや被毛の模様がそれぞれ異なり、まったく同じ模様の三毛猫は産まれることはありません。

パステル三毛猫は短毛種だけに誕生するといった決まりもなく、長毛種の猫にも誕生することはありますし、遺伝子の掛け合わせによってその可能性は無限大とも言えるでしょう。


パステル三毛猫の値段

淡い色合いのパステル三毛猫はとても可愛らしいので、ご縁があれば是非飼ってみたいと思う方も多くいらっしゃるかもしれません。

しかし、珍しい色合いの猫であるからこそ、なかなかお目にかかれる機会も少なく、お迎えの際の値段がいくらぐらいかかるのかを不安に思ってしまいますよね。
日本で自由に暮らす日本猫の三毛猫は、言い方を変えれば「雑種」や「ミックス」と呼ばれることもあり、外で暮らす三毛猫は「野良猫」や「地域猫」として認識されています。
このような猫たちの中に、パステル三毛猫が存在しているとしたら、とくに購入金額がかからないと言えるでしょう。

もし、偶然そのようなパステル三毛猫に出会えて飼育を希望するのであれば、その地域を管轄する自治体や保護団体に連絡を入れ、保護しても平気なのかを確認しておくと安心です。

また、里親募集サイトや保護団体などが不定期に開催する譲渡会などでも、パステル三毛猫に出会える可能性があります。
情報をこまめに集めることによって、パステル三毛猫に出会える確率が上がりますので、どうしてもパステル三毛猫を飼いたい場合には、それらのツールを活用してみましょう。

ほかにも血統種のパステル三毛猫であれば、ブリーダーさんやペットショップで販売されている可能性もあり、猫種によって金額が異なります。

パステル三毛猫は探してみれば出会える可能性の高い猫でもありますので、色々なツールを利用して、運命的な出会いを求めてみてはいかがでしょうか。


まとめ

日本では目にする機会の多い三毛猫ではありますが、優しい毛色を持つパステル三毛猫になると、一気に希少性が上がり、なかなか出会える機会がありませんよね。
パステル三毛猫が珍しいと言われる所以には、毛色を薄くする遺伝子が関係していることが分かりました。
三毛猫はもともと招き猫のモデルにもなっているので、パステル三毛猫はさらに幸運の福猫として希少性を高めているのかもしれません。
パステル三毛猫は淡い毛色を持ち合わせている以外は、一般的な三毛猫と変わりありませんので、とても飼いやすい猫となっています。
お迎えした際にはパステル三毛猫の気持ちを尊重し、お互い負担にならない距離感を保ちつつ、信頼関係を築いていってみてはいかがでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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