【掲載:2016.06.21 更新:2025.06.20】
犬の角化症の症状

愛犬の皮膚が、以下のような症状で困ったことはありませんか?
–フケが多い–
–皮膚が乾燥してカサカサしている–
–シャンプーしてもすぐに脂っぽくなってしまう–
–象の皮膚みたいに固く厚ぼったくなる–
上記1つでも当てはまったら、犬の「角化症」という病気の可能性が高いです。
角化症は、犬の皮膚病の中で最も多いと言っても良い程の病気で、皮膚病で悩まされている犬の多くが、角化症によって病気を治りにくくさせているとも言われています。
角化症になると、皮膚はどのような状態になるの?

人間と同じで、犬にも皮膚の表面には角質があります。角質は、心で固くなった角質細胞が、まるでパイ生地の様に折り重なってできています。
角質層の内側には、表皮層というものがあります。表皮層の一番内側の層から、細胞は姿や働きを変化させながら、少しずつ肌の表面に移動していきます。
そして、最後に薄く平たく・固くなり角質細胞になるのです。ちなみに、この角質細胞は少しずつ剥がれていきます。
肌が正常な状態であれば、細胞の変化(表面に移動)~角質細胞が剥がれ落ちるまでのサイクルは20日程度と言われています。
しかし、角化症になると、このサイクルが4~5倍程早くなってしまいます。
その結果、スピードの変化に細胞がついていけなくなり、以下の様な角化症の症状が出てきます。
–フケが多い–
(角質の細胞と細胞の間のつながりが弱くなることにより剥がれやすくなる)
–皮膚が乾燥してカサカサしている–
(つながりが弱いため、水分がうまく保てずにスカスカしてしまう)
–シャンプーしてもすぐに脂っぽくなってしまう–
(皮膚のカサカサと脂っぽさが同時に起き、皮脂腺の分泌が亢進してしまう)
–象の皮膚みたいに固く厚ぼったくなる–
(角質の層が厚くなるのだけど、剥がれ落ちない状態)
本来、角質は固くしっかりと密になっているため、外からの寄生虫や最近の侵入を防ぐ役割も担います。
しかし、角化症になるとこの働きがきちんとされなくなり感染症にかかりやすくなるため、皮膚病を悪化させてしまいます。
犬の角化症が起こる原因
角化症は、生まれつきの病気で起こる場合と他の皮膚病と併発して起きる場合がありますが、一般的には後者がほとんどです。
多いのが、膿皮症・アトピー・食物アレルギーで角化症を併発することが多く、慢性化する皮膚病に多いのが特徴と言えます。
犬の角化症の治療方法

基本的には、シャンプーを行う治療法がほとんどで、皮膚病の状態を見て+αで投薬が必要な場合もあります。
–フケが多い場合–
フケの量を調整するイオウ系のシャンプーを使用します。
–皮膚が乾燥してカサカサしている–
保湿成分やセラミド入りのシャンプーを使用します。
–シャンプーしてもすぐに脂っぽくなってしまう–
抗知脂漏性のシャンプーを使用します
–象の皮膚みたいに固く厚ぼったくなる–
保湿と抗菌性を含んだシャンプーを使用します。
これらの症状に対応したシャンプーが、動物病院で取り扱っているので、症状に合ったシャンプーを処方してもらいましょう。
膿皮症が悪化し痒みが伴っており、一部の毛がぬけおちて生えない状態が何年も続いたワンちゃんも、動物病院で処方してもらった薬用のシャンプーのおかげですっかり毛の状態も良くなり、今では毛が生えなかった数年が嘘のようにフサフサの毛が生えてくることもあります。
角化症を治療するには、やはりシャンプーによる治療がとても重要になります。愛犬の症状にあったシャンプーを使用し、角化症の悪化や併発を防いでいきましょう。